なぜ、シンプレクスのエンジニアは転職市場で人気なのか?若手マネジャー3名に聞いてみた

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登壇者
佐藤 祐太

ITに強く将来性を感じ、その中でも金融業界で求められるテクノロジーレベルの高さにトライしようと、2008年に新卒でシンプレクスに入社。リーマンショック真っ只中のFXシステム運用保守メンバーからキャリアをスタートし、その後、開発リード、運用保守マネジャー、導入プロジェクトマネジャーを歴任。2022年4月、現場叩き上げでFX/暗号資産ビジネスの統括責任者として執行役員就任。2023年4月より範囲を広げ、証券系、Web3領域も含めたリテール金融ビジネス全体を管掌。

武石 惇平

2010年に新卒でシンプレクスに入社。証券会社向けCRMシステム導入プロジェクトにてプログラマーとしてキャリアをスタート。株式のトレーディングシステムなどの複数のプロジェクトのPMを経験。その後、ロボアドやクレジット投資といった「貯蓄から投資へ」の流れをくむ。FinTechビジネスの立ち上げを歴任し、現在は証券系のリテール事業の責任者を務めている。

望月 英希

2010年に新卒でシンプレクスに入社。ホールセール向け株式トレーディングシステムのプログラマーとしてキャリアをスタートし、プログラマーから案件/保守リーダ、PMと徐々にマネジメントロールにキャリアを歩む。その後株式領域のみではなく、証券会社のホールセールビジネス全般に対するソリューションを担当し、現在は、証券系ホールセール事業の責任者を務める。

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少しでもITに関わる企業にとって、エンジニアの力はビジネスの要だ。どれだけ素晴らしい構想を描いたとしても、潤沢な資金やビジネス上の優位性があったとしても、アイデアを形にするエンジニアがいなければ、結局は絵に描いた餅に過ぎない。ITを全く使わないビジネスの方がむしろ希少である現代において、エンジニアの重要性は年々上がり続けており、優秀な人材の確保もその分難しくなっている。

しかしながら、そもそも「エンジニアの力」とは、どのように定義されるものなのだろうか。他の誰もが思いつかないような天才的なコードを、一瞬にして書けるのが優秀なエンジニア……?

この問いの答えを探るべくFastGrowは、日本を代表する金融機関と正面から向き合うリアルFinTechで、今やトップブランドポジションを確立したシンプレクスにまたもや協力を依頼。

それぞれ50〜100名規模のチームで、数十億円規模のプロジェクトを統括する若手マネジャー3名を招きイベントを開催した。

つまるところ「エンジニアの優秀さ」とは何なのか。転職市場において、急成長スタートアップやベンチャー各社の経営者や人事担当者が、「シンプレクスさんにいるようなエンジニアが欲しい」と口を揃える人材は、どのようにして育成されるのか。イベントで語られたその全容を、余すことなくお伝えする。

  • TEXT BY MARIKO FUJITA
  • PHOTO BY SHINICHIRO FUJITA
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デキるエンジニアは必ず持っている
「ビジネスを俯瞰的に捉える力」

今回のイベントに登壇したのは、1年前のセミナーにも登壇した、若手マネジャーの3名。新卒として入社後はシステムエンジニアとしてキャリアをスタートし、今ではそれぞれが会社の売り上げ全体の10%弱を占めるプロジェクトを統括する事業責任者であり、シンプレクスにとっての屋台骨のような存在だ。

その年俸は30代前半にして2,000万円以上。任せられる仕事の大きさと報酬の両側面において、エンジニアの理想的なキャリアプランの1つを体現している、ロールモデル的な人物たちと言えるだろう。

社内のエンジニアを評価する立場にもある彼らから見て、「優秀なエンジニア」とはどのような人材なのだろうか。

望月いろいろなタイプのエンジニアがいると思うのですが、1つの要素として挙げられるのは、「自分なりの哲学を持ってエンジニアリングをしている人」です。

コードを書く上で、「なぜそう書いたのか」という自分なりの考えを持っていて、それを言葉にできる人。さらに言えば、クライアントのビジネスを理解した上で、どういったものを提案すべきか考えられる人。そこを考えられる人は、どんなものを作るにしても、品質の高いものを生み出せるのではないかと思います。

過去のイベント登壇時の写真

武石エンジニアの採用面接では、これまで取り組んできたプロジェクトにおいて、どの程度腹落ちして仕事していたかを聞いています。

もちろんコーディングスキルが高いに越したことはないのですが、サービスやビジネスモデルとの接続まできちんと考えられているかどうかもエンジニアのスキルとして重要で、話せばすぐわかります。

全体を見通し、自分の作業をビジネスの一部と理解して仕事しているかどうか。ピンと来るエンジニアの方は、そういう目線を持っている人が多いですね。

佐藤自分の抱えているシステムに、どれだけのアウトカムがあるのか。それが見えている人は強いと思います。ビジネスを意識して、「このビジネスのためにはこういう特性を持ったシステムが良い、この技術を使うのが良い」と考えられる人。

手段としてエンジニアリングを捉え、高い水準を目指していける人には、大きなポテンシャルを感じます。

表現に多少の差こそあれ、三者からの答えは本質的に同じだ。目先の業務に囚われるのではなく、どれだけクライアントのビジネスに想いを馳せられるかー一言で言えば、「視座の高さ」ということになるだろう。

設計書どおりにシステムを作り上げるスキルは、一人前のエンジニアとしての必要ではあるものの、それだけで「優秀」と呼ぶには、ひいては、「転職市場で引く手あまたになるには」十分とは言えないというわけだ。

武石システム単体としての成功に囚われているうちは、エンジニアとしてそれ以上の成長は望めません。

システムがクライアントのビジネスに与える影響を気にするようになってはじめて、「だったらUXはこう考えませんか」みたいな会話が出てくる。そうやってPDCAが回り始め、成長につながっていくんだと思います。

望月もちろん、ずば抜けて技術力の高い天才的なエンジニアであれば、そこまでビジネスやクライアントのことを考えられなくても一定のバリューを出すことはできます。ただ、私たちも含めて世の中の大半の人は天才ではありません。

そういう“一般的な”人たちが大きなバリューを出そうと思ったら、ビジネスへの想像力と技術力を組み合わせることで価値を出していく必要があるのではないかと思います。

要するに、ビジネスやクライアントのことを考えて仕事をすることは、一見ハイレベルなことのようにも思われるが、突出した才能には至っていないエンジニアが大きな成果を上げるための近道なのだ。いわば“さらに一流へと昇華するための成長戦略”だからこそ、シンプレクスでは再現性高く優秀なエンジニアが育つ。続くセクションでは、その具体的な環境要因について語ってもらった。

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「BtoBだからこそ」
──クライアントと社内、双方からのプレッシャーが人材の成長を促す

なぜ、シンプレクスでは優秀なエンジニアが育つのか。1つ目の理由として挙げられたのは、FinTechという領域ならではの「クライアントからの要求水準の高さ」だ。

武石FinTechという成長領域で戦うには、常に新しい技術をキャッチアップしていく必要があります。また金融のシステムである以上、高い品質が求められます。

時には非常に短い納期の中での開発が求められることもあります。そうした、他業界に比べて高い要求水準に答え続けていく中で、自然と成長していくという側面はあるのではないかと思います。

このあたりの発言と、共同COOの助間氏が繰り返し人材育成において重要だと話していた「つま先立ち」の話がうまくリンクしていくことが、FastGrow読者ならおわかりになるだろう。

一方で、優秀さのキーワードとして出てきた「クライアントのビジネスに想いを馳せる」という点に対しては、コンサルティングから開発、運用保守まで一気通貫でクライアントに伴走する仕組みと、toBビジネスならではの特徴もあるという。

過去のイベント登壇時の写真

武石ビジネスモデル上、上流から降りてきた設計書どおりに作るような、大きなシステムのほんの一部にしか携われないエンジニアも多いと思うのですが、そうした環境ではビジネス全体のことを想像するのがどうしても難しい部分もあると思います。

その点、最上流から運用保守まで一気通貫でやっているシンプレクスでは、ビジネスの全体像が見渡しやすい。

また、目には見えない顧客のことを想像しながらサービスを提供するtoCビジネスの企業について、僕はとてもリスペクトしていますし、toCならではの面白さもあることは十分承知しています。しかし、僕たちの取り組むtoBビジネスでは直接クライアントと相対する分、そのビジネスに寄り添いやすいとは思います。

シンプレクスが関わるプロジェクトの全体像。部分の請負ではなく、上流から下流までにコミットしていることが同社の強みだ。

とはいえクライアントからの要求水準が高い会社なら、シンプレクス以外にもたくさんあるように思われる。司会進行を務める西川ジョニーがさらに質問を重ねる中で見えてきたのは、メンバーの「やり切る姿勢」を育むシンプレクスのカルチャーだ。

望月メンバーに対しては、「ゴールに向かっていかにやり切るか」という姿勢を徹底的に教え込むようにしています。最後まで責任を持ってやり遂げられる人材は、どんな会社にとっても居たら嬉しい存在だと思うので、転職市場においてはそこが一定評価されているのではないかと思います。

佐藤「自分が必ずしもやりたくないロールだったとしても、プロジェクトを成功させるために必要であれば自分がやる」というマインドを全員が持ち合わせている。こうしたプロジェクト成功に対するコミットメント意識の強さは、意外に希少価値が高いのかもしれません。

「コミットメント」──「どんな難局も乗り切り、やり遂げる“不屈”の精神」は、シンプレクスのメンバー全員が共有すべき価値観として明文化されている「5DNA」の1つである。そしてこの話は、共同COOの早田氏が語っていた「一流人材の2つの条件」ともピタリと重なる。

次にキーワードとして挙がったのは、同じく「5DNA」の1つである「プロフェッショナリズム」ー「“本質的な価値”の追求」だ。

佐藤シンプレクスは、クライアントが言うとおりのシステムを作って褒められるような会社ではありません。

クライアントへ届けるものに本質的な価値があるかどうか、社内で常に検証されますし、その結果クライアントからの要求を差し戻して、別のものを提案する場合もある。そうした“本質的なものづくり”に対するプレッシャーが常に働いています。

望月「最高の結果」を追求するために必要があると判断すれば、クライアント側で窓口を担っていただいているシステムの部署だけでなく、周りの関係部署やユーザーの皆様まで自ら巻き込んでいきます。

この「手段を選ばず、“自分ごと”としてプロジェクトを進める意思」は、この会社のメンバーは間違いなく強いと思いますし、そうした姿勢をメンバーにも求めています。

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「人材がすべて」だから評価には3ヶ月かける
──独自の評価制度「札入れ」とは

どれだけ成長環境が整っていたとしても、成果を適切に評価する制度と報酬体系がなければ、成長した人材はいずれ巣立って行ってしまう。そのため登壇者たちは「人材がすべて」と断言した上で、「評価のプロセスにおいては決して妥協をしない」と語る。

望月シンプレクスでは「札入れ」という、メンバー一人ひとりの評価を先輩や上司たちの投票によって決める評価手法を採用しています。

「自分だったらこの人をいくらで雇いたいか」を投票し、そう評価した理由を各自が発表してみんなで議論します。かなり激しい議論になることも多いので、初めて「札入れ」の会議に参加したメンバーから「こんなにしっかり話し合うんですね」と驚かれることもありますね。

武石40人弱のメンバーが会議に参加するのですが、基本的に時間制限などはありません。必要があればいつまででも議論を続けます。

また当然ながら、評価を受けるメンバーと他の評価者に対して、「なぜそのような評価になったのか」を説明する責任は強く求められます。そのために評価者は、常日頃からメンバーのことを細かく観察する必要があります。

メンバーと評価のためのレビューを行い、期待値をすり合わせる事前準備のステップまで含めると、評価プロセス全体にかかる期間は2〜3ヶ月にも及ぶという。評価者にとっては大きな負担になるようにも思われるが、メンバーとの間で交わされる密なコミュニケーションと「札入れ」という透明性の高い評価制度があるからこそ、シンプレクスはメンバーの“評価に対する納得感”を醸成することに成功しているのだ。

ここでふと生じてくるのは、「マネジメントロールを担わないと評価してもらえないのか」「昇進したら、エンジニアも管理職にならないといけないのか」という疑問だ。この質問に対し3人は、「そもそもエンジニアとマネジャーを意識して分けてはいない」と語る。

佐藤「プロジェクトマネジャー」や「開発リーダー(テックリード)」といったロールは一応あるものの、「この人はエンジニアだから」「この人はマネジャーだから」と語られることはほとんどないんです。もちろん、メンバーそれぞれの強みを基に、ある程度の濃淡はついていくんですけどね。

望月僕たちも、キャリア序盤はコードを書いていたところから徐々にマネジメントをする立場になっていったわけですが、それはあくまで「プロジェクトにおいて自分にできることは何なのか」を考え、実行していった結果に過ぎません。なので、「自分が何をやるか」に対しては、そこまで強いこだわりはないんです。

武石ここには偶然マネジメントキャリアのメンバーが集まっているだけで、10年以上エンジニア一筋で技術を高め続けているメンバーもいますし、そうしたキャリアで昇給し続けていくことも可能です。

佐藤ただ、前提として「組織にバリューを発揮する」ことは必要にはなります。

開発でバリューを出せる人には当然開発の仕事が回ってきますし、「開発がやりたい」と思っていても開発でバリューが出ないとしたら、もっとその人の強みを活かせそうな別のスキルやグレードアップの道を提案することもあるのが、それぞれの強みを活かそうとするシンプレクスという組織です。

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将来一流のエンジニアを目指すなら押さえておくべき
「技術以外の力」とは

このイベントに参加してくれたFastGrow読者の中には、将来的にテクノロジーを武器に活躍すべく、今からそのための成長環境やキャリアパスについて模索している若きエンジニアも少なくないだろう。

そこでイベントの最後には、今後のさらなる成長を目指す20代に向けて、登壇者それぞれから具体的なアドバイスを頂戴した。

望月僕が社内の若手に向けて言っているのは「知識を得ることそれ自体が目的化しないように」ということです。

知識をインプットすることはもちろん大事なのですが、結局は「それをどう活かすか」という部分がより重要になるので、「アウトプットをイメージしてインプットする」というのが大切になるのかなと。

また、自分がテクノロジーをどう使っていくか考える立場になった際には、成し遂げたい目標に対して技術要求を自分がどう設定するかをベースに考えていくことになると思います。

そう考えると、クライアントから日々高いレベルを求められ、実践しながらそのスキルを身につけられる環境は、20代の成長環境としてやはり良いのではないかと思います。

佐藤キャリアに関して言えば、もし「今の年収に対してなんとなくの不満」を感じているとしたら、その「現年収を構成する中身」を構造分析した方が良いのではないかと思います。

企業自体の業績が振るわないケースもあれば、自身のスキル不足や、業務とスキルが合っていないという場合もある。それらを明確にせずに転職をしてしまうと、本質的には自分が変わるべきだったのに会社を変えてしまったということにもつながり、その先のキャリアパスが見えづらくなってしまいます。

自分の評価や年収を上げたいと思うのならば、客観的に自分を分析した上でどういうアクションを取るべきなのかを考えられると良いですね。

過去のイベント登壇時の写真

武石ビジネスと技術をつなげる役割を目指す人であれば、コーディングの技術はもちろん、さまざまなビジネスモデルに触れておく必要があります。若いうちから“全体感”を見ることのできる立場で仕事するのは、そのための1つの近道ではないでしょうか。

また「何でも面白がって取り組むことのできる人」は、やはり間違いなく伸びていくなと感じます。「ちょっとここ自動化できないかな?」というネタを与えると、次の日めちゃくちゃ嬉しそうに「こんなのできました!」と報告してくれるようなタイプの人ですね。

なので、プロジェクトにおいてもどんどん自分からタスクを取って楽しみながら仕事ができれば、必ず成長につながると思います。

仕事の大きさに比例して、求められる視座もその分高くなる。ただしそれは、「若手のうちは高い視座を持つ必要はないから、とにかく技術力を高めることに集中せよ」ということにはならない。

もしあなたが「今よりもっと俯瞰的な視点でビジネスを捉え、エンジニアとしてのスキルを伸ばしたい」、さらには「上場ベンチャーに匹敵する規模のビジネスを、トップとして率いていきたい」と感じるならば、ぜひ一度シンプレクスの門戸を叩いてみてほしい。そこには必ずやあなたにとって、理想的な成長環境があるはずだ。

こちらの記事は2021年03月31日に公開しており、
記載されている情報が現在と異なる場合がございます。

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執筆

藤田マリ子

写真

藤田 慎一郎

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