“タイパ”重視、コンサルで2,000万円稼ぎたいなら「プロフェッショナル」を再定義せよ──外資系ファーム・日系大手ファームとは全く異なる、シンプレクス流“一流コンサルタント”の定義

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インタビュイー

2011年に新卒でシンプレクスに入社。入社以降一貫して外国為替取引(FX)のシステムプロジェクトでキャリアを歩んでいる。運用保守や大型プロジェクトの導入など複数プロジェクトでプレイングマネージャーを経験。2022年度はSPM(シニアプロジェクトマネージャー)/ジュニア・ボード(次世代経営会議)メンバーとして活動。

2015年に新卒でシンプレクスに入社。バイサイド向け株式トレーディングシステムの運用保守プロジェクトにてキャリアをスタート。同プロジェクトのPMを担当して以降、一貫してマネジメントロールを担っている。銀行/証券領域を中心に、運用保守や制度変更対応等のプロジェクトでPMを経験し、現在は複数のプロジェクトを統括するSPMを担当している。

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「最高のプレイヤーに最高の報酬を」という完全実力主義を掲げるシンプレクスグループ(以下、シンプレクス)。タイトル(職位)を問わず若手であってもスピード感あるキャリアアップが可能だ。現に、今回取材に応じてくれたメンバーは、年収1,000万円、2,000万円を稼ぐ若手である。

一方、優秀な学生から根強く支持されるのが、外資系コンサルティングファームや日系大手ファームである。こちらも20代で年収1,000万円以上を狙うことができ、成果に応じて2,000万円〜5,000万円と、その給与水準の高さから人気を誇る就職先である。

シンプレクスと他のコンサルティングファーム。

両者の違いに着目すると、シンプレクスでは、新卒入社から3年間、開発スキルとビジネススキルを高いレベルまで引き上げる徹底した育成・修行期間があるという違いが分かった。

しかし、優秀な学生からすると、「シンプレクスでは3年間もの修行期間があるのか……」「新卒からタイムパフォーマンスよくキャリアを加速させたいのに時間がもったいない」と考える者もいるかもしれない。

だが、今回シンプレクスの若手エースとしてFastGrowに登場してくれた彼らは「キャリアの生涯価値におけるタイムパフォーマンスを考えるならば、20代でいかにインプット量を増やすことが大事なのでは?」と本取材で投げかけている。

「シンプレクスは本当に優秀な学生が選ぶべき会社なのか?」「数あるトップ企業を差し置いてまで、新卒でシンプレクスを選ぶ理由はあるのか?」。その問いの答えを探るべく始まった今回の4連載。前半の2記事では新卒でシンプレクスに入社する価値、その成長環境について明らかにした。そしていよいよ後編となる本作からは、シンプレクスという企業がキャリアや事業、様々な観点でどのようなポジションニングを持つ企業なのかを紐解いていく。

  • TEXT BY YUKO YAMADA
  • PHOTO BY SHINICHIRO FUJITA
  • EDIT BY TAKUYA OHAMA
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年収1,000万円、2,000万円は「普通です」

最年少でSPM(シニアプロジェクトマネージャー)となり、スピード出世を果たした保科氏。複数のプロジェクトを束ね統括しながら、売り上げ責任はもちろん、組織管理や人材育成などさまざまな業務の責任を担う。それがシンプレクスにおけるSPMの役割だ。取材冒頭から聞かされるその管掌範囲の広さに対し、思わず「SPMって、スーパーマンの略なのでは……?(笑)」と口にしてしまう取材陣。

保科何でもやりますからね。顧客先のキーマンに対してセールスもしますし、採用現場に出て人材採用に携わることもあります。だからと言って、スーパーマンほどだとは認識していませんよ(笑)。

今泉そう?僕はスーパーマンと言ってもいいくらいに思っていたけど(笑)。

だってそもそも数十人規模のスタートアップだったら、経営者は営業から開発、バックオフィスまでなんでもやってますよね?僕も気持ちとしてはそれくらいのつもりなので、数値目標を立てたり、売上拡大にコミットしたり、組織づくりをしたりなんて当たり前にできなくてはと思っています。さすがにシンプレクスではバックオフィス系の業務はお任せさせていただいていますが、それをのぞけば、事業運営におけるすべての業務をやっているのがうちのSPMじゃないかな。

謙遜する保科氏に対して、すかさずフォローを入れる今泉氏。彼も保科氏と同じくSPMとして複数のプロジェクトをリードする中で、入社12年目にして “EP”に昇進を果たした。して、このEPというのも何を示すものなのだろうか。

今泉自分では社内で面白おかしくEPのことをエンペラーって呼んでいます。スーパーマンとエンペラーって……楽しい会社ですよ(笑)と。さて、そろそろ真面目にいきましょう。

正式には“エグゼクティブプリンシパル”という最高位のタイトル*です。シンプレクスではプロジェクトにおける“役割”と“タイトル”が紐づいていないので、今回の昇進でSPMとしての役割が変わったわけではありませんが。

ちなみに現在EPのタイトルにいるメンバーの中では、僕が最年少です。

*役職

今泉氏がいう「役割とタイトルが紐づいていない」というところにシンプレクスらしさが見てとれるだろう。1記事目でも語られたが、上下関係の概念がないシンプレクスでは“個”の強みが尊重される。つまり、年次に関係なくマネジメントの得意なメンバーがチームを率いるケースだってあるのだ。

さらに今泉氏は、次世代マネジメント育成施策であるジュニア・ボードメンバーにも選出され、現場の困りごとや現場からの意見を経営陣に届け、経営陣と共に社内の経営課題に取り組んでいる。

こうした役割やタイトルを担い、保科氏は8年目で年収1,000万円、今泉氏は12年目で年収2,000万円プレイヤーとなった。彼らはなぜ優秀な人材が集うシンプレクスの中で、最年少でキャリアアップを果たすことができたのか。一体何に優れた人材なのだろうか。その背景に迫ってみよう。

今泉いきなりお金の話、楽しいですね……(笑)。僕はシンプレクスに入社して12年目になりますが、後半の6年の間に給料が倍以上のペースで上がってきました。でも、それまでの前半の6年は至って普通のステップを踏んできているんです。

その背景を説明すると、まずシンプレクスには“標準成長”という概念がありまして、新卒から6年間ほど、「順調に成長していけばこれぐらいの役割、能力を持った人材になれるよね」といった基準が設けられているんです。その中で、今は改訂して変わりましたが、7年目の到達点として“PRO(プロフェッショナル)”と呼ばれるタイトルがあったんですね。

この制度やタイトルは、文字通り“標準成長すれば”の話ですので、中には飛び級して半分の年数で“PRO”まで行っちゃう人もいるわけです。この飛び級をシンプレクスでは「スキップ」と呼んでいるんですが、僕は前半の6年間では1度くらいしかスキップを実現したことがなく、飛び抜けてデキるやつだったというわけではないんですよね。

謙遜しながらもどこか自信のある落ち着きをのぞかせる今泉氏だが、話を聞くとどうやら苦節6年の期間を経て、7年目以降でブレイクしたようだ。一体、何が転機となったのだろうか。

今泉はい、お陰様で7年目から突如として花開くことができました。そこに至るまで愚直にいろんなプロジェクトに取り組んできた結果、ある時を境に自分の中で視座や思考の抽象度がグッと高まり、顧客やエンジニア、マネージャーといった複合的な視点から物事を判断できるようになったんです。

そして、こうした俯瞰力と言いますか、多面的な視点でプロジェクトを捉えてリードできるようになると、一気に仕事が好循環し始めたんです。例えると、重いタイヤが初めはゆっくりと時間をかけて回り出し、ある時から高速回転して物凄いスピードで進んでいくような感覚ですね。7年目から今日に至るまでは、そのような印象でした。

前回の記事でも、シンプレクス社外で無双したエピソードを持つメンバーたちによって、シンプレクス新卒入社からの3年間における下積みの苦労が語られたばかり。そして今泉氏も例に漏れず、6年にわたって努力を重ねてきた。ビジネス側と技術側、加えて一部コーポレート側の業務も担うといった、まさに創業浅いスタートアップ経営者然とした立ち回り。むしろ、こうした積み重ねを経て花開かない方がおかしいというものだろう。

とはいえ、それは今泉氏だけに言えることではない。なぜ、周りの同期と比べても一歩抜きんでることができたのだろうか。最年少で年収2,000万円に到達したという今泉氏とは、他とは違う、どんな価値を提供しているのだろうか。

今泉価値か……難しい質問をしますね。タイミングやメンバーに恵まれていたのもあると思います。しかし、自分のスキルを客観的に評価するとすれば、私は視座や視点、視野の切り替えが人よりもほんの少しだけ上手だと思っています。

例えば、ある導入プロジェクトがあった場合、「早くビジネスを始めたい」と思う顧客、「時間をかけてでもいいものをつくりたい」と考えるエンジニア、「利益率をどう保つか」と考える管理部門と、それぞれの立場があります。

エンジニアの目線で現場を優先すると、当然ながら顧客には納得してもらえません。その他の目線を優先した場合も然りです。そうしたときに顧客の期待値を調整しつつ、どうすればエンジニアにも納得してもらえて、且つ利益率も保てるか。そういった判断を同時に頭の中で描いていく。これは一例ですが、そういったことが得意なのだと思います。

もちろん同期の中で先頭を走ってきたという自覚はありますが、ぶっちぎりで差がついているかと言えばそんなことはないです。半歩リードしている、そんな感覚ですね。

シンプレクスでは、ライバルたちもまた個のスキルに長けた優秀な人材ばかり。今泉氏の言う通り、彼と他のメンバーに大きな差があるわけではなく、ほんの少しだけ彼のバランス感覚が優れていたのだろう。しかし、その微差こそが今泉氏のプロジェクトマネジメントスキルを突き抜けさせたのだ。

一方、保科氏も今泉氏と同様に、1回スキップを経験し6年目に旧タイトルの“PRO”となり、そこから2年でAP(アソシエイトプリンシパル)というタイトルへと一気に昇進した。

保科僕は大学院を出ているので、大学を4年で卒業して入社した同期と同じスピードで成長していては、2年遅れたまま。それってちょって癪だなって(笑)。大学院の2年間を無駄にはしたくなかったんです。なので、最初から「2年分を一気に取り返してやろう」という意識はありましたし、それができる実力主義の環境があるからこそシンプレクスに入社したんです。そのため、得られる機会は好き嫌いせずに、何にでも挑戦してきました。

一方で、今回最年少でSPMという肩書きをいただいたのですが、僕と同じタイトルの同期もいるし、後輩の中には僕よりもタイトルが上のメンバーもいる。決して僕だけが突き抜けているというわけではないんです。社内にはいろんな分野でスピード出世をして高い報酬を得ている人がいますよ。

今回は、シンプレクスの若手スピード出世組を代表して今泉氏と保科氏が取材相手に選ばれたわけだが、その後ろには各々の専門領域において、彼ら同等ないしそれ以上のタイトルや高給を得ている若手がゴロゴロ存在しているのだ。まずはシンプレクスに在籍する若手メンバー層の厚さ、そのレベル感がぼんやりと見えてきたのではないだろうか。

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入社1〜2年時点でのスキル/報酬で、キャリアのタイムパフォーマンスは測れない

シンプレクスは、若くしてスピード出世が可能な環境だということは分かった。しかし、読者からすると実力主義を謳っている企業は他にもある。それだけでシンプレクスを選ぶ理由には到底なり得ないだろう。読者らがここで思うことは、「シンプレクスはそもそもタイムパフォーマンスがいいのか?」ということではないだろうか。

*タイムパフォーマンス(通称、タイパ)とは、90年代後半〜00年代前半に生まれた「Z世代」に広く浸透している概念。時間に対する満足度を求める“時間効率”を意識した消費者の行動を指すもの。

なぜなら、優秀な学生からすれば、起業してわずか数年以内に上場して莫大なキャッシュを得たり、外資系コンサルティングファームや日系大手ファームに入社してすぐに数千万円プレイヤーになったりと、スピード出世の代表例と言わんばかりの事例を目にする機会が日常風景だからだ。

そのため、「いかに効率的に経済リターンを最大化させることができる選択肢なのか」といった視点でキャリアを選ぶ者が少なくない。つまり、優秀な学生ほど経済的観点でのタイムパフォーマンスを重視する傾向にあるのだ。

「もちろん、効率よく働くことはいいことだ」と二人は頷く。ここで先に口を開いたのが今泉氏。「タイムパフォーマンスを重視した結果、新卒入社たった1~2年の時点におけるスキルや報酬の内容だけでキャリアを判断してしまうのは、リスクでは?」と投げかける。

今泉キャリアを長いスパンで考えた時に、少なくとも30年間働くとすると、30年間で稼げる全ての報酬に対して時間を効率化できた方がいいんじゃないでしょうか。

誰にでもキャリアにおいて頑張りどきってあって、結局大事なことって「じゃああなたはいつどこで頑張るんですか?」という話だと思うんです。学生には厳しいメッセージかもしれないですが、「ビジネスパーソンとしてのスタートわずか数年だけで稼ぎ切るような、そんな甘い考えが通用する世の中ではないよ」ってことを伝えたいですね。保科君はどう思う?

保科そうですねえ……、「多分、相当頭を使わないといけないし、すごく難しいことを言っているよ、君は」って思ってしまいますね。

僕自身、今2歳になる子どもがいて、なるべく働く時間を短くしようと意識していますが現実はそんなに簡単ではないんですよね。今までは業務時間内に仕事が終わらなければ「残業すればいいや」で済んでいたことも、今は限られた時間の中で組織としてうまく回る形をつくっていかなければならない。そのバランスを取るのが難しいですね。要は、タイムパフォーマンスを上げるのは口で言うほど簡単じゃないぜってことですね。

それぞれビジネスパーソンとしてリアルな現実を経験しているからこその見解。またここで、タイムパフォーマンスという観点で別の切り口からも質問してみたい。

昨今では優秀な学生たちも新卒でスタートアップを選択するようになってきた。その背景には、短期間でキャリアアップしたい、若いうちから裁量を持って働きたいと考える学生が少なくないからだろう。こうしたキャリアを考える学生に対してはどのように考えているのだろうか。

今泉もちろんそれを目指しているというのであれば応援したいですね。一方で、スタートアップだと、組織としての基盤が整っていない場合も多く、バックオフィスや採用などにも注力しないといけないかと思います。もちろんそうした文字通り「なんでもやる」という経験も否定されるものではありませんが、若いうちはそういったことを気にせず、自分の基礎戦闘力を高めることにのみフォーカスして切磋琢磨していける環境が良いのでは、と僕は感じますね。

本連載の2記事目でインタビューに応じてくれた氏弘氏がまさに一度、シンプレクスを飛び出してスタートアップに挑戦した経緯を持っていた。しかし、上述の通り採用活動にも多くのリソースを割く必要に迫られ、自身が思い描いていたほど事業活動にコミットすることは叶わなかったのだ。

一方で、それでも「タイムパフォーマンスよく年収を上げながら、キャリアアップしていきたい」と考えるのであれば、20代のうちにどれだけ濃密な機会を得て、挑戦と挫折を繰り返しながら血肉にできるかが重要になってくると二人は言う。結局はそれが、その後の仕事人生20~30年のキャリアの質、別の言葉を借りるならば人材としての市場価値を決めるからだ。

今泉吸収力のある20代のうちに選り好みをせずにいろんな経験を積んで、それを自分の中できちんと消化し、それが土台となれば、その先の自信にも繋がっていきます。

例えばですが、ぬかるんだ土地に家は建ちませんよね。家を建てるならば、最初にちゃんと整地をしようよと。そうやってまずは足場を固めた方が、いい家が建つ。キャリアも同じではないかと思うんですよね。

「あの時があったから今がある……」そう言えるのは、その期間をすでに通り過ぎた人だからだ。渦中にいる人間にとっては先が見えなければ、本当にこの道でいいのか。間違っていないのか。そうした不安が芽生えるのは間違いないだろう。今泉氏自身も「本当にこの道でいいのか」という迷いは一切なかったのだろうか。

今泉私は “PRO”に行きつくまでは意地でも「辞めずに喰らいつこう」と思っていたんですよ。“PRO”という名の標高1,000mの山から見える景色が存在しているのに、その景色を見ずにして山を下りてたまるかと。500mの地点では見えない世界を知りたいと、そう思っていました。

だからこそ、シンプレクスに入社する際には、どんなにしんどくても、辛くても、どんなに厳しい上司がいても、どんなに生意気な後輩が入ってきても(笑)、絶対に諦めないと決めていましたね。

「会社に行きたくない」「もう嫌だ」と思うこともあったという今泉氏……。本連載の2記事目でも、シンプレクスで3年間の修行期間の間は、どれだけ自分が成長しているのかが見えず、さらなる成長を求めて社外に飛び出した者もいた。しかし、そこで初めてシンプレクスの下積み期間が、他社とは比較にならないほどの価値ある濃密な時間だったと気づくのである。

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「会社」が一気通貫だからといって、「君の仕事」が一気通貫なわけじゃない

彼らの話を聞くなかで、その全てに賛同はできなくとも「まぁ、一理あるとは言える」位には理解を示してくれているだろうか。とはいえ、「だからと言って、新卒でシンプレクスを選ぶ理由にはならない」と息巻く学生がほとんどだろう。「そんなに自社が優れていると言うのなら、証拠を見せろ」と。OK、ここからはよりシンプレクスの実態に迫り、同社の何が優れているのかを解剖していく。

シンプレクスでは、新卒3年間で戦略から設計、開発、運用保守まで一気通貫で経験できる。つまりコンサルとテクノロジーの両軸で成長できる環境なのだ。

もちろん、大学時代までにプログラミングの経験がなかった人も、内定者向けのプログラミング研修も含めて入社後は全員が開発に関わる。中には「別にプログラミングを極めようとは思っていない」「起業には興味があるけど、別に自分でコードが書けなくてもエンジニアを連れてくればいいんでしょう」と考える人だっているだろう。そこに対し、「エンジニアと共通言語で会話できることが大事なのでは」というのが保科氏だ。

保科もちろん起業する際に、外部からエンジニアを連れてくることもできる。しかし、そのエンジニアと共通言語を用いて一定のレベルで会話できますか?ということを伝えたい。エンジニアの話を理解して、「それでいいよね」「ここはこうじゃなきゃ駄目なのでは」と言えた方が、アウトプットの質も高まりプロダクトの品質も上がると思います。

ITに関わる仕事をするのならば、プログラミングを学んで、最終的にどうやってモノがつくれるのかを知っていた方がいい。それが頭の中にあれば、顧客への提案力や交渉力、エンジニアとのコミュニケーションなどあらゆる場面においてアウトプットの質が変わってくるだろうなと思いますね。

実際に今泉氏は、プログラミングスキルがあったからこそ、顧客から信頼を得られ、自身が飛躍し、30代前半で年収2,000万円を越えるきっかけにもなったと語る。

今泉あるプロダクトで障害が起きて、その現状を説明するために取引先へ行ったんです。そこでホワイトボードにソースコードを書いて、なぜこういうエラーが起きたのかを一つ一つ説明していったんですね。

すると顧客が「なるほど。君はPMなのにシステムのことがよく分かっているね……」と驚かれ、そこで信頼を獲得できたということがありました。プログラミングを理解していたからこそ、エンジニアの視点も加味して顧客と会話ができたのだと思います。

ここは少し学生の皆さんにも自慢しておきましょう。シンプレクスの競合であるコンサルティングファームやIT大手の多くは、こうした顧客MTGには自社の人員を5~10名ほど引き連れて臨みます。そして、「◯◯に関しては弊社のAより、□□に関してはBより解説いたします」とボールを渡し合うことがほとんどです。対して、シンプレクスは少なくとも3年間を経たのちは一人でもこういった場に対応することができる。この違いは大きいのではないでしょうか?

「責任者として顧客の前に立っていながら、自ら技術の説明ができないって、僕はダサイと思う」とズバリ物申す今泉氏。

今泉大抵の打ち合わせでは、書記役の若手だけを一人連れて、技術的な質問にもビジネスの質問にも全て自分で打ち返しています。そうすると、「やはりシンプレクスの人材はなかなかやる」と顧客から好反応を頂けるんです。

格好つけて話していますが、もちろん、その場に行く際は社内の担当者と開発の経緯や仕様をくまなくすり合わせて、ぶつけられるであろう想定質問への回答をめちゃくちゃ頭の中にインプットしてから臨むんです。流石に拳一つで戦えるわけではないですからね(笑)。そんな風にマントの下に武器をいっぱい仕込んでおいて、「いざ、ここだ」と思ったら出していく。そんなイメージで対応していますね。

プログラミングスキルがあれば、“当事者”としてプロジェクトに携われる。顧客とも深いレベルで会話ができる。それは間違いない。とはいえ、昨今のITコンサルティングファームではシンプレクス同様に一気通貫を謳っている企業は多い。何もシンプレクスでプログラミングを学ばなくても、ITコンサルティングファームに行けばITの知見が身に付くのではないか。そう考える読者もいると思うが、その点はどうなのだろうか。

保科良い質問ですね。そこは結構、就活生からも質問されます。「ITコンサルティングファームに行けば一気通貫でできますよね」「シンプレクスと何が違うんですか」って。しかし、ITコンサルティングファームって、部門ごとに採用窓口が分かれていますよね。例えば、「もし君が戦略部門を受けたら、ずっと戦略のコンサルのみやるんだよ」という話をすると「確かにそうか、そうですね」と納得されますね。

一方、シンプレクスでは採用窓口は分かれていません。最初は全員が必ずプログラミングを勉強しますし、現場に出て手を動かすところから始まります。そこでしっかりと上流から下流まで、文字通り一気通貫で開発経験を積んだ後に、戦略系のコンサルティングに進む人もいれば、技術者として突き詰めていく人もいる。そこはシンプレクスに入って一通りの基礎戦闘力を身につけてから考えればいいんです。

「シンプレクスを他社と同一視してくれるな。うちは、その辺のコンサルティングファームとは“プロフェッショナルの定義”が違うんだよ」と、そう言わんばかりの保科氏の弁。シンプレクスと他社コンサルティングファーム、その人材育成のスタンスの差異の大きさに気づけるかどうかで、学生諸君のビジネスパーソンとしてのセンスがわかると言っても過言ではないだろう。

今泉弊社CEOの金子もよく言いますが、「自分の立てた戦略や方針が良かったのか、結果を見ないで胸を張って言えるのか」という問いには僕も同意見です。「確かに一気通貫でできなければ胸を張って言えないな」と思います。

「単に机の前に座ったままかっこいい戦略をつくって解決策だけ提示するのではなく、実行支援まで責任を持って成果にこだわりたい、PDCAを回していきたい」というのであれば、「シンプレクスに来て実際に手を動かしてつくって、効果測定までしてみよう」と伝えると、他のITコンサルティングファームとの比較に悩む学生には納得してもらえますね。

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惚れたのは「MBO時の不屈の精神」
「ひとりの人間に対する向き合い方」

シンプレクスが他の“同じように見える”企業と何が違うのか。これはお分かりいただけたことだろう。確かに前章の話を聞けば、「なるほどな」とは感じる。しかし、シンプレクスに入る者たちは皆すべからく同じ理由でここを選んでいるのだろうか。収入やスキル以外にも、何か惹きつける要素があるのであれば、知りたい──。

お任せあれ。年収1,000万円、2,000万円と稼ぐ彼らであるが、もともとシンプレクスのどこに魅力を感じ、どのようにして入社を決意したのだろう。それぞれの入社の背景についても尋ねてみた。

保科僕は大学院で経営学を学んでいたので、最初は戦略コンサルタントを志望していました。ところが就活が進んでいくにつれて、戦略がどうやって現場に浸透し、結果どうなっていったのか。そこまで責任が持てたら面白いだろうなと思うようになって、上流の経営コンサルから、ITコンサルへ、中でも戦略の実行にまで携われるところへと軸が変わっていったんです。

保科そこでいろいろなITコンサルティングファームを見ていたところ、まさしく“一気通貫”を標榜しているシンプレクスのキーワードが刺さったんです。というのも、会社説明会に行くと大抵の会社は一気通貫を謳っていたのですが、〇〇コンサルタント選考、□□コンサルタント選考という具合に、職種によって採用の入口が分かれていて、所属部署もまったく別々のものになっていたんです。つまり、組織の中で分業化されているところが多かったんです。

その中でシンプレクスは、1人のプレイヤーが上流から下流までやれることを強く推していたため、自分がやりたいのはここだと思いました。

そんな保科氏だが、もともとシンプレクスとの出会いは就職エージェントからの紹介だったという。就活時、名前も知らなかった会社へ行くことに対して懸念はなかったのだろうか。

保科それが不安ではなかったんですよね。シンプレクスは2013年に、さらなるブレイクスルーを目指してMBOを実施し、一度上場を廃止しています(2021年に再上場を果たす)。僕はちょうどMBO実施直後の就活生でした。

東証1部(現:東証プライム)へ猛烈な勢いで駆け上がっていったという過去の栄光がありながら、それを捨てて、長期的に成長するためにもう1回アクセルを踏み込んでいく。CEOの金子がそういったメッセージを出しているところに興味を覚えました。

「事業を伸ばす」と公言する経営者は世の中にゴマンといますが、ここまで言行一致の人は見たことがないなと。この時、「この人の元で成長したい」と素直に感じたんです。

一方、ゼミ仲間たちが就活に明け暮れる中、なかなか就活の軸が定まらず内心焦りを感じていた今泉氏。そんな中、とある合同説明会で偶然、金子氏のプレゼンを見て「なんだ、この会社。良く分からないけどすごそうだな……!」と一気に引き込まれた。その後、選考が進むにつれてシンプレクスの印象が次のように変わっていったそうだ。

(金子氏のプレゼンの一端はコチラで視聴可。ロングver.は採用エントリー後にコチラで視聴可能)

今泉他社の選考ではありきたりの質問やマニュアル通りの質問が多い中、シンプレクスの人たちはきちんと「私という人間」に向き合って対話をしてくれたんです。私のキャリア観、強み、人となりに関する話に対してじっくりと耳を傾けてくれたことが印象的でした。

さらにプログラミングの経験がなく、ITに対しての知見がない私でも「君のポテンシャルだったら、今はITスキルがなくてもこれから知識が付けられる。君ならやれるよ」という言葉をかけてくれたことが嬉しかったですね。そういったシンプレクスのカルチャーや、そこで働く方たちの人柄にどんどん惹かれていきました。

一般的に世の中の企業は、外から見ていても本当のところは分かりませんよね。そう考えた時に、今、目の前にいるシンプレクスの人たちと自分は働きたい。彼ら、彼女らとだったらどんなことも頑張れそうだ。そう考えるようになっていったんです。

二人とも、金子氏のカリスマ性がきっかけとなりシンプレクスに興味を持ち、同社の面々から出てくる言葉、そして行動にシンパシーを感じて入社を決意している。

たとえ事業がうまくいっていなくてもミッション・ビジョン・バリューでいくらでも格好はつけられるだろう。そんな中、ビジネス素人の学生が外から見える情報だけで企業を正しく判断することはできるのだろうか。いや、それは困難だ。では、何で判断すべきか。そう考えた時に、目の前にいるシンプレクスのメンバーの人となりを見て、今泉氏は自分の直観を信じた。「こういう人こそが市場価値の高い人材と言うのだろう」「こんなビジネスパーソンになりたいし、なれそうだ」と──。

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チームの成長を共に喜べない人は、
「ウチにこない方が良い」

「タイムパフォーマンスよく収入を最大化させたい」「人生における市場価値を最大化させたい」。そんな想いを持つ学生諸君らに、シンプレクス流・市場価値最大化とは?を訊いてきた今回。シンプレクスにおけるプロフェッショナルの定義や、人材育成のスタンスなどについて多面的に語られてきた。

前章では“人”の観点での魅力が語られたが、ここで一つFastGrowとしても同社のカルチャーとも言える「チームワーク」について、その魅力を紹介しておこう。

保科シンプレクスが優秀な学生たちから選ばれる大きな理由の一つでもありますね。もちろん、これまでお話ししてきた通り、「稼げる会社」としてのニーズに応えられる一方で、「個を尊重して、チームとして助け合える」、そういったシンプレクスのカルチャーも、市場価値の高いキャリアを築いていく上で重要だと捉えられているのでしょう。この点は、様々な理由で就職先を考えた結果、最終的にシンプレクスが選ばれている要因になっていると思います。

先の取材でも語られたばかりだが、シンプレクスでは難易度の高い案件に対してチームで取り組んでいる。一見、実力主義というと個人プレーになりがちだが、シンプレクスでは互いに足を引っ張り合うことなく、尖った個のスキルによって補完し合う、そんなカルチャーが根付いているのだ。

今泉個人プレーで成長したいという方だったら他に適した会社はいっぱいあると思いますね。シンプレクスの魅力は、同じような価値観を持つ仲間と共に切磋琢磨できる環境だということ。100名以上の優秀で価値観を同じくする仲間と共に、「用意ドン」で競い合う一方で、協調性を持ちながらチームで成長していける。この環境は今日の取材で挙げられたような他企業と差別化できるところだと思いますね。

今泉だからこそ、シンプレクスに合う人は周りの成長を一緒に喜べる人。他の人を踏み台にして自分が上がっていこうとする人や、単に高い給料が欲しい人には合わない環境だと思いますね。

「チームワーク」というのはシンプレクスの特色の一つだ。これまでの取材からも、「このインタビュイーたちの関係性は同期?同僚?」と取材陣が思うほど、上下関係の雰囲気は一切なく、フラットだ。

今泉関係はとてもフラットだと思います。シンプレクスって、年次が低い人たちに対して“部下”とは絶対に言わないんです。彼ら彼女らも一緒にプロジェクトを推進する仲間であり、同じメンバーですからね。

だから「今日、部下とご飯だ」と言っている人は社内で聞いたことがありません(笑)。そういったところからも組織のフラットさが現れているんじゃないですかね。

シンプレクスでは、徹底した実力主義でありながら、チームで価値提供を行っている。単に年収だけを考えたら、個人のインセンティブによって、より稼げる企業はあるだろう。

だが、所詮一人の力で成し遂げられる結果や得られる機会には上限がある。「早く行きたければ一人で行け、遠くへ行きたければみんなで行け」という諺があるが、シンプレクスでは後者を志向する者が集まっている。「人生単位での市場価値最大化」という壮大なビジョンを抱く者であれば、シンプレクスでこそ、優秀なメンバーと共にどこまでも果てなき高みを目指して進んでいけることだろう。

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転職だって起業だってできる。
それでも次は、「シンプレクスの中で経営を担いたい」

「タイパ・コスパとか言って、1~2年の短期スパンでキャリアの価値を考えるな、中長期で考えよ」、「短期でサクッと勝ち抜くなんていう美味しい話はない。人生全体で市場価値を最大化できる環境を選べ」──。これが今回の取材で得たシンプレクスの主な見解だ。

おそらく学生諸君が思うであろうことは、「じゃあ二人はシンプレクスで、ないし外に出るとしても、今後どこまでキャリアを伸ばしていけるんだ?」という問いではないだろうか。

ファーストキャリアをシンプレクスという修行場で過ごすことで、10〜15年後の30代から40代に、どんなキャリアを目指すことができるのだろうか。FastGrowも気になる質問だ。

保科多分、いろいろ目指せてしまうんだろうなと思いますね……。例えばSPMのロールを経験した人は、それを活かして実際に起業している人もいますし、金融領域に尖ったスキルを持っている人は、その知見を活かして金融機関でより専門的な立場で活躍されている人もいますから。

シンプレクスでIT・コンサル・金融を軸にビジネスパーソンとして基礎戦闘力を磨いていけば、入社して10〜15年後にはどこの企業にいってもトップを走れるくらいの実力はついていると思いますね。だからこそ、真っ白いキャンバスに自由にキャリアを描いてほしいと思います。

一方で今泉氏は、現状のシンプレクスには自身の10〜15年後のキャリアを重ねられるロールモデルがいないため、「自身がそのロールモデルになりたい」という意気込みを語った。

今泉例えば10年後、私が管掌している組織の規模を150人、200人と大きくしていって、シンプレクスグループの中に自身が経営をする立場で新たな会社を立ち上げてみたいです。声を大にして言うのは恥ずかしいですが、新卒からここまで育ててもらったシンプレクスに対して、恩返しができるぐらい事業を大きくしたいという想いはありますね。

そして一刻も早く「あのカリスマ経営者である金子さんがいなくなっても、シンプレクスは成長し続けますよ」と言えるようになりたい。そのためには私たちがもっともっと経営の中核を担っていけるようにならなければいけない。私たち若手が束になってかからなければ、あのカリスマ社長に安心して卒業してもらうことはできませんから(笑)。

1997年の創業から変わらず、今なお圧倒的な存在感を持つ代表の金子氏。こうした若手の発言に対して、まだまだ金子氏の経営地盤は揺らぎそうにもない。が、こうした下から突き上げるような“やんちゃさ”は、シンプレクスがまさに若手に対して期待する姿勢でもある。

そんな風土を持ったシンプレクスが求めている若き力とは、一体どんなものだろうか。最後に二人から意見を聞いてみよう。

今泉若手が先輩の立場を脅かすぐらいの、勢いある若手が出てきてほしいですね。組織の上が重たいと会社の成長が止まってしまいますから。「新規事業のチャンスがあれば取り組みたい」「この仕組み、シンプレクスでも取り入れた方がいい」など、意思表示をどんどんできる若手が増えてほしいですね。

保科僕もそう思います。活きの良い生意気な若者に入ってきて欲しいですよね(笑)。

また、シンプレクスは創業から大切にしてきた5DNAやフィロソフィーに共感して集まったメンバーが多いため、思想的には偏りやすいという傾向もあると思うんですね。なので、新しい価値観をどんどん若手には持ち込んでほしいですね。

          

二人からは、いかにもシンプレクスらしい、若き力による突き上げを歓迎するような激励のメッセージが送られた。

今回の取材を通じて、「シンプレクス?もっと他に稼げるキャリアがあるのになぜその道を選ばない?」と、短期的なタイムパフォーマンスばかりに意識が向いていた学生読者にとっては良い刺激になったのではないだろうか。

「誰よりも効率よく稼げる人」をプロフェッショナルとするならば、これ以上は何も言うまい。しかし、シンプレクス流・プロフェッショナルの定義を知り、「確かに彼らの言うことも一定わかる」と感じたのであれば、一度シンプレクスのメンバーと対話してみると良いだろう。本記事を通じて、自身のキャリアにおける「生涯を通じた市場価値の最大化」について再考するきっかけとなれば幸いだ。

こちらの記事は2023年03月02日に公開しており、
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執筆

山田 優子

写真

藤田 慎一郎

編集

大浜 拓也

株式会社スモールクリエイター代表。2010年立教大学在学中にWeb制作、メディア事業にて起業し、キャリア・エンタメ系クライアントを中心に業務支援を行う。2017年からは併行して人材紹介会社の創業メンバーとしてIT企業の採用支援に従事。現在はIT・人材・エンタメをキーワードにクライアントWebメディアのプロデュースや制作運営を担っている。ロック好きでギター歴20年。

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