特別連載UEP:優秀な人材が集まり成長できる仕組み

「役員との徒弟制がビジネスリーダーの成長を加速させる」
ユナイテッドが今夏から開始した、“次世代リーダーコース”の全容とは

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インタビュイー
米田 吉宏

慶應義塾大学経済学部卒業後、 2010年株式会社電通入社。2013年ボストン コンサルティング グループ入社。テクノロジー領域のクライアントの事業戦略・新規事業開発・営業戦略策定に取り組む。BCGでプロジェクトリーダーを経験したのち、2019年3月よりユナイテッド株式会社執行役員に就任。現在はDXソリューションの立案や推進を担当。

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ファーストキャリアで汎用性の高いスキルを獲得しようとする学生は少なくない。東大、京大に通う学生からの人気を集める企業上位30社のうち、13社をコンサルティングファームが占めるのは、そうした傾向を端的に表しているといえよう。

ネット業界の草創期から生き残り続けているユナイテッド株式会社が、幹部候補発掘のための「次世代リーダーコース」採用を発表した。「何かを成し遂げたい」と確固たる意志を持つ学生を、入社当初から役員直下の事業企画、事業戦略を担当するポストに配属。「ビジネスリーダー」になるためにインテンシブな成長機会を提供するようだ。

今回、FastGrowでは「次世代リーダーコース」の立案を担当した執行役員の米田吉宏氏に話を伺った。30代前半でユナイテッドの執行役員に任命されたように、名実共にビジネスリーダーの一人である同氏は、どんな想いでプランを策定したのか。ユナイテッドの人材獲得・育成戦略と本案件に懸ける情熱を明らかにする。

  • TEXT BY MONTARO HANZO
  • PHOTO BY SHINICHIRO FUJITA
  • EDIT BY MASAKI KOIKE
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ビジネスリーダーの要件はどう変わるのか?

米田氏のキャリアにおいて、ユナイテッドは3社目だ。ファーストキャリアは電通、2社目はボストン・コンサルティング・グループ(以下、BCG)で、テクノロジー領域のクライアントの事業戦略・新規事業開発・営業戦略策定に取り組んできた。

ユナイテッド株式会社 執行役員 米田吉宏氏

米田転職にあたって、様々な企業の面接を受けました。最終的にユナイテッドを選んだ理由は3つあります。「①”成果主義”を徹底している」「②プロフェッショナルファームバックグランドで経験豊富な中途社員も多く、経営チームの多様性が高い」「③事業ドメインが成長著しいネット業界である」点です。

BCGではプロジェクトリーダーを経験したのち、 2019年3月よりユナイテッドの執行役員に就任。前回の早川CEO・金子COOによる対談記事でも触れられていたが、「若手リーダー」の一人でもある米田氏は、これからの時代のリーダーの「3つの要件」を提示する。「いかなる状況でも好奇心を持ち、チャレンジしようとするマインドセット」「複雑でスピードが早い変化の中で”ビジネスチャンス”を抽出できる洞察力」「デザイン/エンジニアリング/アカデミアなど、自らが詳しくない領域のプロフェッショナルであっても働きかけ、協働できるチームリーダーシップ」の3点だ。

米田リーダーには、複雑かつ早い変化の中でビジネスチャンスを抽出し、事業として向かうべき方向性を示せること、多様なプロフェッショナルに働きかけ/巻き込むことが求められると考えています。

ただし、入社当初から全ての要件を満たす人材は極めて少ない。ですので、リーダー候補人材を見極めて採用し、成長確度をどれだけ高められるかが大事だと思っています。

そして、ベンチャー企業が優秀な学生の採用競争を勝ち抜くためには、条件の改善もさることながら、その後の企業としての人材育成力が重要です。「新規事業に携われる」だけではなく、コンサルティングファーム等に劣らない成長を実現できる環境/制度を整えることが、ハイポテンシャル人材の採用には大事だと考えています。

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ビジネスリーダーの育成に成功している企業は少ない

米田多くの会社で「ビジネスリーダーが不足している」と叫ばれています。私は、短絡的にMBA留学やOff-JTの充実を図るだけでは、優れたリーダーを輩出することはできないと考えています。この仮説を裏付けるかのように、欧米の大手企業ではリーダー育成に豊富な予算がさかれていますが、十分なROIを達成できないでいる企業が多いようです。

リーダーの育成においては、リーダーに求められるマインドセットをいかに早く身につけるかが大切です。その上でビジネスにおける考え方、ビジネススキルを定着させることが重要だと考えています。どんな方も20年生きればその人なりの価値観/パターンが出来上がっています。ビジネスリーダーになるためには、それらを進化させなければなりません。

しかし、20年で身につけた価値観や行動パターンは”癖”となっており、進化させることは容易ではありません。また、ファイナンス、経営管理、戦略PDSなどの豊富なスキルも求められます。幸い現代では、MBAや社外研修等のOff-JTで、短期間で体系的に経営科学/スキルを学べるようになってきていますが、こうしたOff-JTだけでは定着が不十分になりがちです。

大手企業でさえも有効な解決策が示せていないリーダー育成について、ベンチャー企業においてはどうあるべきか?社内で議論を行う中でたどり着いたのは、外面のいいプログラムを準備することではなく、「徒弟制」と「個々にカスタマイズされた育成プランの提供」でした。

この考えに至ったヒントは、BCG時代にありました。私はBCGに入るまで、電通でのマーケティング・プランニングの経験しかありませんでした。BCGでは戦略コンサルタントとしてのマインドセットや経営に必要な考え方/スキルを、先輩コンサルタントが真横の席に座って徹底的にフィードバックしています。初歩的なところではメールの文面からはじまり、論点の立て方や戦略コンサルタントとしての仕事への向き合い方等も、徹底的にフィードバックしてくれました。

ユナイテッドでも、役員がポテンシャルの高い人材を直接指導し育てる。こうした場を準備することでリーダー育成を強化できないか?──この原体験を基に、制度の改革を提案しました。

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処方箋は、”徒弟制によるきめ細やかなフィードバック”と”個別カスタマイズされた育成プラン”

米田BCG時代にクライアントの経営陣を見て、「どうすればこの巨大組織を率いるリーダーが育てられるのだろうか?」と考えていました。本コースのセットアップに携わることができ、大きなやりがいを感じています。

同コースでは、「最大3名」という選び抜かれた新入社員を役員の直下に配属し、経営層として身につけておくべき専門的なスキルやマインドセットを、マンツーマンで伝授する。また、定期的に多くの役員がディスカッションを通じて新入社員を評価し、個別カスタマイズの育成プランを提供する点が特徴だ。

米田フィードバックを徹底的に行えるようにすること以外、決まった「型」はありません。個々人の成長サイクルや、携わっている事業のサイクルに応じて適切な手法は変わるので、パターン化できないと考えています。

本人の成長課題を鑑みて、ストレッチした役割/ポジションへのアサイン、Off-JTプログラムの受講、社内の役員道場(役員の特命プロジェクトにアサイン)への入門等を組み合わせて、個別カスタマイズされた育成プランを実行したいと思います。

50〜100万円かかる「ミニMBA」のような特別研修受講から、新規事業の立ち上げ、既存事業の成長を担う責任者まで…。その人の適性に沿って役員陣が議論し、具体化した育成プランを実行する中で、リーダーとしての素養を身に着けられるようにしたいと考えています。

お察しの通り、多大なリソースを割くプログラムです。故に、育成の質を担保できるよう次世代リーダーコース採用の上限は3名としています。

ユナイテッドの役員陣は多様で、層が厚い。米田氏以外にも、アドテクの新規プロダクト開発の多くを開発した役員や、FAS(財務特化コンサルティングファーム)出身でM&Aチームを率いる役員の直下に配属され、指導を受けられる可能性もあるという。

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修羅場経験が胆力を養い、個々のリーダーシップスタイルを形成する

米田先述の通り、まずはビジネスリーダーとして身につけるべきマインドセットを叩き込みたいと考えています。常に成果を求め、挫けずに他人を頼ってでも「成果を出そう」とすること、チームで成果を最大化するためのチームリーダーシップの重要性を、特に強調したいと思います。

マインドセットの次は、戦略策定に求められる企画スキルを学んで頂きたいと思います。初期配属では事業戦略ポストに就くことを想定しています。この中で、ビジネスモデルの捉え方、成長戦略を策定するときの企画スキルを中心に身に着けていただく予定です。

米田氏も「控えめに言っても、タフな環境だと思います」と語るほどの環境だが、「次世代リーダーコース」に選ばれた社員には、年俸600万円という、就活市場では高給とされる部類の外資戦略系コンサルティングファームにも匹敵する待遇が約束される。また先述の通り、ときには外部研修も活用し、新入社員に惜しみなく成長できる環境を与えていく。ユナイテッドは役員総出で、優秀な若手の成長にとことんコミットする構えだ。

米田最後に強調したいのは、修羅場経験の重要性です。次世代リーダーコース採用の人材は、役員道場やストレッチした役割へのアサイン(例えば、新規事業責任者、既存事業企画責任者等)への抜擢で、経営上の重要な議論に携わります。時には、ボードメンバーと喧々諤々とした議論を行ったり、事業責任者としてP/Lに責任を持つ立場に就いたりして、修羅場を経験することになります。何よりもこうしたチャレンジングな役割や責任を持つことが、リーダーに大事な胆力や自身のリーダーシップスタイルを形作るという点で重要だと考えています。

ユナイテッドで目立った活躍をしている若手の共通点として挙げられるのも「修羅場を乗り越えたかどうか」だと、米田氏は強調する。その代表例として、2人の若手社員を紹介してくれた。25歳ながらアドテクノロジー領域で事業部長を務める増田潤氏と、社内の新規事業創出支援プログラムに採択され、現在はインフルエンサー事業の責任者を務めるようになった村田美寿穂氏だ。

米田増田は専門ではないプログラミング知識とエンジニアと協働する力を身につけました。今ではアプリ広告市場について社内の誰よりも詳しくなっています。村田は、当初立案した新規事業の撤退判断を経験しています。その上で事業のピボットを実現し、現在はKazaryという事業の責任者を努めています。

二人に共通するのは、経験したこともない課題に直面しても我武者羅にやり抜く中でビジネススキルや専門性、タフな環境でも動じない胆力を養ったことです。

プロフェッショナルファームでは自ら事業を創る機会は限定的ですが、ベンチャー企業では豊富に存在します。新たなチャレンジ機会に若手を抜擢し、その中で胆力やスキルを身に着けていただきたいと思います。修羅場を経験する中で、自らのリーダーシップスタイルを確立し、更なる飛躍を遂げる為の土台を構築していただきたいと思います。

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ありたき姿は、ビジネスリーダー育成に優れたベンチャー企業

しかし現在、多くの学生が時代の変化に耐え得る「汎用性のあるスキル」を求め、コンサルティングファームに進もうとしていることも事実だ。BCG出身の米田氏は、その現状をどう受け止めているのだろうか。

米田私自身コンサルティングファームで素晴らしい経験を得られたので、全く反対するつもりはありません。ただ、”何となく”進路を決めるのではなく、将来ありたい自分の姿を考えてから進路を選ぶべきだと思います。「若いうちに箔をつけたいし、卒業生コミュニティに入りたいから」という理由でコンサルティングファームを選ぶ学生もいると聞きますが、そもそもOB・OGコミュニティに入ってから何がしたいのか、最低限しっかりと考えておくべきではないでしょうか。

その上で、「いずれ起業家や事業家として社会にインパクトを与えていきたい」と思う学生がいるとしたら、ユナイテッドの「次世代リーダーコース」に参加するのも面白いのではないかと思っています。「次世代リーダーコース」ではユナイテッド役員が師匠となるので、新規事業や事業推進の型を持っている人から直接指導を受けられ、コンサルティングファームに劣らない成長機会となるはずです。

ユナイテッドは、近い将来ベンチャー企業の中で、「ビジネスリーダーになるための登竜門」「ビジネスリーダー輩出企業」と言われる「リーダー育成に優れた」企業になりたいと思っています。必ずしもユナイテッドに入社しないとしても、サマーインターンシップ自体で大きな学びが得られるようにしています。ですからまずは、インターンシップだけでも受けてみてください。私が2日間全力でメンタリングを行い、ベンチャー企業における戦略策定について体験し、学んでいただける場を用意します。

「次世代リーダーコース」の選考は、2019年7月に行われるサマーインターンからスタート。ユナイテッドの10年後を創るための戦略を考えるプログラムを勝ち抜くと、秋から冬にかけて行われるジョブ選考に参加できる。そこで著しい成果を出した者にのみ、「次世代リーダーコース」への参加切符が手渡される流れとなっている。

米田アメリカ・シリコンバレーのベンチャー企業を見ると、事業のピボットを軽やかに行ったり、全く違う領域の事業に手を広げたりする企業がたくさんあります。1つの事業に執着しすぎず、社会にインパクトを与えるためにどんな事業が必要なのかを常に考えている。私はユナイテッドをそんな集団にしたいと思っているんです。

成長したいと強く願っていたり、何かを創り上げたい、世の中に仕掛けたい野望を持っている学生は、ぜひ「次世代リーダーコース」へ足を運んで欲しいです。学歴や経験に関係なく、意思を持って訪れる学生に、門戸は開かれています。ぜひ、内に秘めている自分の「意思」を、ユナイテッドで形にしましょう。

こちらの記事は2019年07月18日に公開しており、
記載されている情報が現在と異なる場合がございます。

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姓は半蔵、名は門太郎。1998年、長野県佐久市生まれ。千葉大学文学部在学中(専攻は哲学)。ビジネスからキャリア、テクノロジーまでバクバク食べる雑食系ライター。

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藤田 慎一郎

編集

小池 真幸

編集者・ライター(モメンタム・ホース所属)。『CAIXA』副編集長、『FastGrow』編集パートナー、グロービス・キャピタル・パートナーズ編集パートナーなど。 関心領域:イノベーション論、メディア論、情報社会論、アカデミズム論、政治思想、社会思想などを行き来。

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長谷川 賢人

1986年生まれ、東京都武蔵野市出身。日本大学芸術学部文芸学科卒。 「ライフハッカー[日本版]」副編集長、「北欧、暮らしの道具店」を経て、2016年よりフリーランスに転向。 ライター/エディターとして、執筆、編集、企画、メディア運営、モデレーター、音声配信など活動中。

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