著名ベンチャーから、更なる成長求め行き着いた先は?「ユーザー起点×データ」のカルチャーがつくる挑戦環境でのやりがいとは
Sponsoredお花のサブスク『bloomee(ブルーミー)』を展開するユーザーライク(旧Crunch Style)。前回のインタビューでは、事業のスピード成長と深い競争優位性が、経営陣が苦心しながら進めた組織カルチャー浸透の結果であるということを、解剖した。
今回は、より現場に近い場所で働くメンバー4人に、組織カルチャーの実態や、その中にある成長機会について、細かく聞いた。するとまさに「少数精鋭」を体現するかのごとく、全員が経営陣と変わらない視座の高さで、事業や組織について語られた。
インタビュイーはBG Div執行役員久保裕太郎氏、UX Div Manager野村吉貴氏、UX Div Lead大崎沙世氏、Tech Div Backend Engineer / Manager朝倉達也氏の4人。Amazonやサイバーエージェントなど、名だたる企業で実績を上げてきた「ザ・ベンチャーパーソン」の面々が、他社とは違うと感じるのはどのような点なのだろうか。
- TEXT BY SHO HIGUCHI
- PHOTO BY SHINICHIRO FUJITA
Amazon以上のユーザー起点が、メンバーの経営目線を養う
久保ユーザーライクには、すごくAmazonに似たカルチャーがあります。徹底的にユーザーさんの利益を考えるところ。その徹底度合いが似ています。
最近はどの企業も「ユーザー起点」と言うには言いますよね。でも、当社ほどそれが徹底できている企業は珍しいと感じます。社員だけでなくアルバイトも含めてユーザーヒアリングの結果を共有するなど、様々な点で「ユーザー起点」の“深さ”が全然違います。
野村前職でもマーケティング担当としてユーザーヒアリングを頻繁に実施してきていたので、「ユーザー起点」と言われても実際に「どの程度のものなんだろう」と最初は疑念を抱いていた面も否めません。
しかし、実際にユーザーヒアリングを実施する場面や、そのデータの定量的な蓄積の仕方、そしてアルバイトのメンバーにまで内容を共有するところなどを見て、「ユーザー起点」のレベルが違う、と思いました。「本気なんだな」と。
これまでの記事(代表取締役CEO武井亮太氏インタビュー、武井氏・取締役CMO戸口興氏・Reboost河合氏鼎談)で語られたように、同社は「ユーザー起点」をひたすらに重視する。ただ、経営陣が「重視しています」と言うだけでは、本当に浸透しているのかどうか、疑問を持つ読者もいるかもしれない。
そんな疑問も用意して臨んだこの取材で、さっそく出たのが冒頭の言葉だ。久保氏は前職のアマゾンジャパンを引き合いに出し、深さについて言及。サイバーエージェントやビズリーチ(現ビジョナル)の経験を持つ野村氏も同様に、その徹底度合いにポジティブなギャップを感じたと振り返る。
そしてもう一つの軸である「データドリブン」。この点についても印象的な話が語られた。
朝倉経営陣やマネジメント層だけでなく、メンバークラスもアルバイトも、みんなが「データ」という共通したものさしでコミュニケーションをとっています。なので、関係性がとてもオープンになっていて、良いことも悪いことも話しやすいと感じますね。
こういう環境ですから入社したばかりでも、経営陣と同じ目線を早いうちから経験できると思います。
大崎前々職では、3カ月スパンくらいで成果目標のスケジュールをひき、2年間のプロジェクトに従事していました。なのですが、ユーザーライクではデイリーで数字を切って成果を追っていきます。このスピード感についていくのは、なかなか大変ですが、日々感じる成長実感は大きいです。
まさに「ザ・ベンチャーパーソン」と呼べそうなこの4人が、いわば“四者四様”に新たな刺激を受けているようだ。そしてその根底にあるのは、常に「ユーザー起点」と「データドリブン」という共通項。
このカルチャーがどのように、この4人をさらに活性化させているのか。具体的なエピソードも聞きながら、追っていこう。
データを超える価値を生む、バランス感覚
入社早々に頭角を現し、現在は執行役員として数々の工場立ち上げを進めた久保氏。だが、実力があったとしても、新施策の推進や意思決定には苦労も付きまとうはず。どのように取り組んできたのだろうか。
久保ユーザーライクでは、「ユーザー起点」という軸がはっきりしているので、実はほとんどの場面で、そこまで迷うことなく判断することができています(笑)。
例えば、利益を出すために、UX面で妥協して提供しているサービスも世の中にはありますよね。当社ではユーザーさんの体験価値向上と事業成長を両立するような施策が求められるので、全員がどうすればそれを実現出来るのかを日々考えています。組織全体にその思考を浸透させることで、短期的な視点にとどまらず、中長期的な売上や利益につなげていこうとしているんです。
例えば、購入いただいたお花につけている栄養剤。ユーザーさんならわかると思うのですが、栄養剤を開封しようとした際に垂れるケースが少しあったんです。そこで、「栄養剤の開封部の形状を変えよう」と思い、改善のためのコストを計算すると、1回のお届けあたりのコストが0コンマ数円上昇してしまうことがわかりました。総ユーザー数で考えると、それなりに利益を圧迫します。
でもそのコストアップは、ユーザーさんの体験価値向上のために明らかにポジティブな改善なので、実行しました。ただ一方で、その「0コンマ数円分の利益改善」という課題が生まれたわけなので、「別のところで取り戻そう」というのを考えています。
利益を圧迫する、あるいは、コスト削減の必要性が新たに生まれる。こうした捉え方をすれば、その対応には腰が引けるのがよくある話だ。だがそれを「ユーザーにとって明らかに価値のある改善」と捉えることで、一気に推し進める。こうした意思決定を続けられるのがユーザーライクというチームなのだ。
もちろんこの意思決定の裏には、何度も言及している「ユーザーヒアリング」の蓄積がある。そのこだわりについて語るのが、ビズリーチで20代向けの転職サービス『キャリトレ』のマーケティングを推進してきた野村氏と、SIerやITベンチャーでWebサービスのグロースや立ち上げを担ってきた朝倉氏だ。
野村ユーザーヒアリングって、時間も手間もかかる施策ですよね。だから、私も入社した頃までは「無駄な部分が少なくないはず、そぎ落とすことも考えるべきだ」と感じていました。
でも、ユーザーヒアリングで得られた成果を基にした事業開発や施策改善を目の当たりにして、驚きました。結果として、スピーディーで質の高い取り組みを実現させ続けているんです。
データ集めをおろそかにして、自分たちの頭だけで1時間マーケの施策を考えるだけでは、本当に価値のある施策や戦略は生まれません。それよりも、30分だけでもユーザーヒアリングを行い、その結果を見ながら30分考えるほうが絶対に良い。それがわかってきました。
以前は、大きな企業のほうが「データドリブン」を徹底しやすいと思っていたのですが、誤りだといまは思います。小さな企業であっても、本気で向き合うという姿勢があれば、より良質なデータを導き出し、良い施策を実行することが可能なんです。
朝倉ユーザーヒアリングだけでなく、問い合わせ対応も緻密に取り組んでいます。ご要望いただいたことについて定性的な観点で精査したのち、データに基づいて対応の方向を判断します。個別案件としてその場で対応するのか、それともプロダクト自体に即座に改善を加えるのか、もしくは長期的なプロダクトロードマップに改善案として加えるのか、などですね。
データのサマリだけを見て「利益にならないからやらない」と判断することはまずありません。定性的にも定量的にも検討することを必ず考えます。生の感情や意見を改めて聞き直すなど、いまあるデータ一つひとつに対してさらに深く潜り込んで判断することも多いです。
データありきではありつつ、ユーザーさんの利益になり、かつ長い目で見た事業成長にも資するのであれば、見えている数字をあえて無視することだってあります。経営陣やマネジメント層でそんな意思決定が行われるたびに、「ユーザー起点」の本気度を感じますね。
ユーザーヒアリングと、定期的な定量データ抽出・分析から、日々数多くの意思決定を行い、実行に移し、また改善を進める。当たり前のようにも見えるこうした積み重ねも、数字に強い優秀なメンバーたちが、同じ価値観に基づいて本気で取り組んでいくことにより、長期的に大きな効果をもたらす。そうして、「ユーザー起点」と「データドリブン」のカルチャーができあがっていく。
UX会議は、毎日1時間かけて徹底的に
ここまで、転職において感じられたユーザーライクの特異性に十分なほど迫ってきた感覚もあるが、4人の話はまだまだ終わらない。特にテンション高く話されたのが、入社後に感じた「ポジティブなギャップ」だ。ここでももちろん、「ユーザー起点」と「データドリブン」、そしてそれを支える「ウェットな関係性」というカルチャーが見え隠れしている。
久保先ほど話した通り、入社面接の時点ですごくオープンな印象を受けたのですが、入社してみるともっとオープンでびっくりしました。
入社直後に「決算書見せてください」と言ったら、すぐに見せてもらえたり、なんなら事業計画書も共有してもらいました。このように、社内全員に数字をオープンにしていることには、良い意味で驚きましたね。
また、入社して1ヶ月も経たないうちに花束加工工場の立ち上げを任せてもらえたことにも驚きました(笑)。そのうちやれたら、と思ってはいましたが、想定よりだいぶ早かったですね。
合わせて、工場立ち上げだけではなく、現場を回すための組織立ち上げや関連する人事制度の設計まで全てを、結果的に担当させてもらいました。Amazonでも工場立ち上げを経験してきましたが、人事制度なども自分で決めるような、ほとんど「ゼロ」状態からのスタートは初めてでしたね。
久保氏の業務はスケールの大きさがわかりやすく、その分だけユーザーライクの権限移譲やオープンなコミュニケーションもうかがえる。同様に、野村氏や朝倉氏からも、ポジティブなギャップが次々と語られた。
野村UXチームでは、毎日1時間も会議を実施しているんです。「そんなに会議をしたって無駄があるのでは?」と思う人もいるかもしれませんが、レベルの高いメンバー同士で毎日アウトプットをし、レビューをし合う環境は、何物にも代えがたい貴重な時間です。私自身が最も成長を感じるのがこの時間ですね。
経営陣も気軽にレビューに応じてくれるので、いろいろな視座を常にインプットできる環境です。
私は“成長ジャンキー”で、常に成長していないと気が済まないのですが、そんな私でも雰囲気に食らいつくのが大変なくらいで、とても居心地が良いです。
朝倉スピード感には、いまも驚かされていますね。月合計で60件ほどのシステム更新をリリースしています。バグの修正を含めずにこの数値です。社員は30名程度しかいないのでかなりのスピード感になるのですが、チーム横断で取り組んだり、経営陣も巻き込んだりして、全ての仕事をスピーディーに進めています。
本気でレビューし合う時間や、明らかに速い開発スピードなども、わかりやすく成長環境を示す事例と言えるだろう。だがここでも「誤解してほしくない」と改めて強調されるのが、ウェットな関係性を重視しているという点だ。野村氏と久保氏が補足する。
野村休憩の場面や相談をするときなどは、本当にウェットな関係性で、和気藹々とした会話をしています。でも、意思決定をしたりレビューをするときにはデータに基づいて真剣に語り合う。このメリハリは非常にはっきりしていますね。
ウェットさがありつつも、いつもウェットであるわけでもない。数字だけで語り合うわけでもない。そのあたりのバランス感覚が優れている企業だと感じます。
久保自社拠点の立ち上げはひと段落したので、これからはさらに上流の生産者さんたちとの関係性を深めていく、あるいは花き業界全体のサプライチェーンの中で当社の拠点をどう生かすかなど、業界全体のための施策を意識して打てるフェーズにあります。
そうした中で大事なのがコミュニケーションです。私たちはディスラプターになりたいわけではなく、既存のステークホルダーと共創しつつ、産業全体のアップデートに取り組んでいきたいので、社外でもウェットさは発揮していきたいですね。
「成長」求めスタートアップへ、行き着いたのがユーザーライク
ところで先ほど「まさにザ・ベンチャーパーソン」という点に触れたが、実際にはどのような経験を積んできた人物たちなのだろうか。読者のキャリアの参考にもしてもらうため、詳しく聞いてみた。
久保社会人として2社目となったアマゾンジャパンでの経験がユーザー起点という価値観の源泉です。自動倉庫のマテリアルハンドリング(*)設備に関するプロダクションエンジニアとして、大きな物流拠点を複数立ち上げました。
それから、たまたま出会った農業系スタートアップにジョインすることになりました。「日本の農業や食文化を世界に」というビジョンを掲げている会社で、国内だけでなくシンガポールや香港、ニューヨークで事業展開しており、新規事業の立ち上げやHR、財務関連等のバックオフィス全般を経験させていただきました。父方の実家が米農家なこともあって以前から第一次産業に興味があったので、大きなやりがいを感じる日々でしたね。
そんな中で今度はユーザーライクに出会い、「これは間違いなく伸びるし、ここでしか経験できない仕事もたくさんありそうだ!」と思い、転職を決めた、という経緯です。物流や第一次産業といった点でこれまでの経験をフルに活かせそうでしたし、武井さんや戸口さんからビジネスの話を聞いて大きなポテンシャルを感じていました。
野村私は新卒でサイバーエージェントに入社して、自社メディアの広告営業を担当したり、広告代理店部門でSEMコンサルタントとして広告運用を担当したりしていました。
広告運用って、サービスへの思い入れが強ければ強いほど、その成果が変わる。コンバージョンやエンゲージメントといった指標でも明らかに見えるんです。それでビズリーチへの転職を決めました。新卒1年目で仕事に打ち込みすぎて、精神的につらい時期が増え、キャリアについてすごく悩んだ経験があったことから、「同じようにキャリアで悩んでいる20代のためになるサービスに携わりたい」と思ったんです。
ビズリーチでは20代向けの転職サービス『キャリトレ』の担当として、SNSやYouTubeといった様々な媒体を活用したマーケティング施策を推進してきました。
そうして、今度は「生活を豊かにするサービス」として魅力を強く感じている『ブルーミー』を、様々なマーケティングを駆使して伸ばしたいと考えています。
朝倉私はもともとものづくりが好きだったことから、システム構築に携わりたいと考え、新卒でSIerに入社しました。4年間開発に携わる中で、特に興味が強く持てそうな分野で挑戦を深めたいと思い、当時女性向けメディアを中心に運営していたDonutsに転職したんです。
Donutsでは、当時月間500万UUのWebメディア『ハウコレ』を運用したり、インフラの刷新をしたり。新たなサービス立ち上げにも関わる機会があり、様々な開発経験を積むことができました。
それから、「花のEC」という事業に興味を持ち、ある他企業のサービス開発に携わっていました。これまでにない新しい市場を開拓していけることに魅力を感じたんです。まだ創業期のスタートアップだったので、職種の枠を超えて活動できたのも良い経験になりましたね。
そんな中で「花をもっと身近なものにするためにはどうすればいいのか」と考えるようになり、サービスをさらに突き詰める環境としてユーザーライクは最適な環境だと感じたんです。
久保、野村、朝倉の3氏は、前職までの経験を思い切り活かし、さらなる成長を目指す場としてユーザーライクに興味を持ったという共通点があるようだ。いずれも事業の立ち上げやグロースといった特徴的な経験を持つ。転職先の選択肢は多くあったはずだが、「成長機会」という観点でのキャリア選択に妥協していない点が印象的だ。
一方、大崎氏はやや異なる視点を持つ。「創業期のスタートアップでは得られない事業づくり経験が、ここにはある」と力を込めた。
大崎新卒で入社したワークスアプリケーションズでは、大企業向けの人事給与システムの導入コンサルタントをしていました。そのシステムが新しいプロダクトだったので、まずは導入方法を型化しなければならないと考え、具体的な提案を上司に持っていきました。すると、導入手法策定・改善の専任組織を立ち上げさせてもらえることになり、いきなり部署の責任者になったんです。サービス設計や収支管理、そして組織マネジメントと、難しくも貴重な経験を積むことができました。
入社3年目くらいに「自分で1から事業をつくれるスタートアップに行きたいな」と思い始めたタイミングで、知人から「起業したから一緒にやろうよ」と誘われて転職を決めました。VP of Businessという肩書で大きな責任を負っていたのですが、うまくいかないことだらけで力不足を感じ、もっと自分自身を鍛え直せる環境を探し、ユーザーライクに興味を持ったんです。
実際に入社してから、強い成長実感を持てています。部門横断のチームをオーナーとして任されることが増え、「前職でなかなか得られなかった経験だ」と感じる機会も多くなっています。プロダクト開発で妥協することなく、常に新しいサービスや機能をリリースし続けているので、今後も成長機会は豊富であり続けると思いますね。
朝倉たしかにエンジニアであっても、組織全体のことを考えてアウトプットしなければならないことがたくさんあります。開発だけ考えていればいいわけではありません。たとえば、エンジニアチームの目標を決める機会があり、一人ひとりが追うべきミッションを考えながら、定量化した目標も合わせて設定しました。こんな経験はこれまでに全くありませんでしたね。こうしたことがザラにあります。
なので、エンジニアとして、というよりも前に、ビジネスパーソンとして成長できている感覚があります。
大崎さんが言ったように、これから新サービスをどんどんリリースしていくためには人がまだまだ足りないので、他のメンバーの成長機会をつくっていかなければなりません。私はどちらかというと、成長機会をつくる側としての仕事が多いので、ほかのメンバーがより適切に成長していけるように考えていくことで、さらなる成長を得たいですね。
大崎氏の言葉に、朝倉氏も同調する。特にエンジニアでは、創業から間もないたった数人のチームでの挑戦に魅力を感じる若者も増えてきている。だが、チャレンジの大きさや影響力、そして周りのメンバーからの刺激なども、やはり捨てがたい。小さなスタートアップではなく、実力者数十人が集まったユーザーライクのような環境でこそ、良い成長機会が得られるのだ。
そしてそれをいま心から楽しんでいるのが、大崎氏と朝倉氏なのだ。
入社前から熱いこだわりを議論。
チームは、ウェットにつくり上げる
成長著しいスタートアップらしく、メンバーのバックグラウンドが非常に多様であることもわかる。実績もスキルも豊富なこの4人が、いま大きな成長機会に身を置き、日々やりがいを感じている。
だがそもそも、なぜユーザーライクを選んだのだろうか?同じように成長環境を有するスタートアップも少なくない。
その理由を聞くと、さらなる“ユーザーライクらしさ”に迫ることができた。ここでもキーワードは“ウェットさ”だ。
野村CEOの武井とのカジュアル面談が大きなきっかけでした。転職サービスに携わっていたこともあり、「CEO自ら採用にコミットしている企業は、間違いなく伸びる」という感覚を強く持っていました。面談の前から、すでに魅力を感じていたということですね(笑)。
その面談の中で、私が率直に「仕事でも青春したい、20代のような挑戦を、30代でもし続けたい」と言ったんですね。そうしたら武井さんを含めみんなが「良いじゃん。青春しようよ!」とすんなり受け入れてくれた。そのフランクさにも魅かれ、ここに入りたいと強く感じました。
以前の記事では、「社内のウェットな関係性」も強調された。それが入社前の面談でも、野村氏に対して伝わったのだ。「事業が好調な企業」なら多くあるが、その中で差別化を図るとしたら、やはりこうしたカルチャー面が重要なのだろう。
一方で久保氏や大崎氏、朝倉氏は、その経験を活かし、事業やビジネスに魅力を感じていたと語った。そうした内容についても、入社前から率直で熱いコミュニケーションがとられていたようだ。
久保私は事業モデルと市況感を見て「これからまさに打って出るタイミングなのだろうな」と感じ、詳しく聞いてみたいと思ったんです。それを武井や戸口に聞く中で、事業がさらに伸びていくというだけでなく、「花き業界を良くできる。業界構造を変えられる」という点が強調されていたのが特に印象的でした。
気になっていた「この事業の存在意義」という点でも大きな魅力があるとわかったので、ぜひここで働きたいと思ったんです。
大崎前職はまだ立ち上げたばかりのスタートアップ。なので非常に幅広い業務を担当していたのですが、わからないことも多く、自分の実力不足を痛感する日々でした。
それはそれでやりがいがあったものの、一人のビジネスパーソンとしては「事業をつくれる人間になるために、より強く鍛えられそうな環境はどこか?」という観点で探していたところ、ユーザーライクが見つかったんです。
前職も前々職も部活みたいな職場だったので、「部活みたいな環境が自分に合っている」と思っていたところ、ユーザーライクも負けず劣らず部活みたいな環境で(笑)。入社後も、本気で議論するときもあれば、楽しいイベントで騒ぐときも多い。このメリハリが大きな魅力です。
朝倉実は私の場合、前職も花き業界のスタートアップでした。そこでは自分自身の成長のために期待していた動きができず、「もっと自分に合ったカルチャーの中で、難しい課題に挑戦したい」と感じ、ユーザーライクに興味を持ちました。
「データドリブン」なカルチャーがある、この点が明確に感じられたので、「もうここしかない!」と絞りました。
メンバー全員が本気で仕事に向き合っている環境だと、入社前の面談や面接でも感じましたし、入社後はより強く感じます。なので、本気で仕事に向き合い続けたい人にとっては最高の環境だと思います。
久保氏が先ほど語った「社外でもウェットさは発揮していきたい」という言葉。これは、武井氏や戸口氏の実践を見る中で、感じていることでもあるのだ。
ユーザーライクといえばどうしても「データドリブン」というイメージが先に立ってしまうが、それだけではない。人間味のある熱いこだわりを、率直に話し合うことで、本質的な相互理解が進む。その結果として、社内であればより良い企画や意思決定が生まれるし、社外であればフィットした採用や事業開発が進む。そうして、規模が大きくなっていっても、カルチャーが維持・醸成されていくのだろう。
「花にまつわる体験」をどこまでも広く追及し、ユーザー起点で実現していく
入社してからまだそれほど長い月日が経っていない4人ながら、カルチャーをまさに体現しようとしていることもうかがえる。採用段階から妥協しないユーザーライクの姿勢が大きく影響しているとも言えるだろう。
だが、ユーザーライクがこの4人に求めるのは、入社直後のやりがいなどではない。これから数年、十数年と、チャレンジを続けながら成長していくことだ。そこで、これから向き合っていきたい課題にどのようなものがあるのか、聞いていきたい。
野村私は主に、UX面の課題にしっかり向き合っていきます。花のEC事業としての成長余地はまだまだ大きくあるので、アプローチをもっともっと増やしていかなければなりません。例えば、『ブルーミー』でお花を届けるだけではなく、ユーザーさん一人ひとりのお花に対する理解度を高めることにも取り組んでいきたいです。
ダサい服を着ている人がダサく見えるのと同じで、お花も飾り方次第できれいに見えたり、ダサく見えたりが変わります。そういったレベルまで「お花を届ける」という体験を深めていきたい。
具体的には、イベントやチャットボットのような双方向性のあるサービスによるユーザー体験向上の企画などですね。これからユーザー起点で詰めていきます。
大崎UX面で私は、お花のお届け回数が増えていくにつれて、ユーザーさんに喜んでもらえる体験設計がさらに高まっていく、そんな理想を持っています。ですが現状は、新しいお花を届け続ける、というところにとどまっています。「いつかはやりたい」と思い続けてずっと着手できていないところなので、そこに今後は着手したいなと。
「お花を届ける」という『ブルーミー』のユーザー体験は、これからもいくらでも進化/深化させることができそうだ。半永久的にアップデートしていく、そんな意気込みを感じる。
一方で久保氏が見ているのはバリューチェーン、つまり業界課題の大きな解決だ。
久保ユーザー数という観点では花のサブスクでのリーダー的な立ち位置を得つつありますし、生産者や市場とも一定の関係性がつくれている。なので、ここからが新しいフェーズです。
生産者さんや市場関係者さんたちを巻き込み、業界の仕組みをより良いものにしていく、そんな改革を大きく進めるのがこれからです。業界の発展に貢献していかなければならない、そんな想いを強くしています。
朝倉氏はエンジニアリング面での課題を熱く語る。強調するのは、組織のアップデートだ。
朝倉当社ではお花そのものだけでなく、仕入れや配送など、お届けするまでのサプライチェーンに広く関わっています。その中でエンジニアチームは、領域や役割が様々な各チームと直接連携をしながら、それぞれの施策を進めています。
サービスを今後さらに成長させるために、サプライチェーン各領域の理解を深めることが欠かせません。新しい領域への挑戦であったり、オペレーションのさらなる改善といったことが、もっと必要になってきます。ですが、その実現のためには各領域をリードする力を持つエンジニアがまだ足りないと感じています。
理想を実現するために現在は、各エンジニアだけでなく開発に関わる他メンバーも含めて、裁量を持ち施策を進められるようになるよう、情報流通や権限委譲を中心とした、組織のアップデートに取り組んでいます。
ところで、最後に気になるのが、このザ・ベンチャーパーソンたちが今後のキャリアをどのように考えているのか、ということ。各人がプロフェッショナルで、なおかつモチベーション高く働くなかで、どのような未来を見ているのだろうか。
野村具体的な仕事内容や肩書は特に考えていませんが、20代前半にキャリアについてかなり悩んでいた時期があり、仕事に対する考え方が大きく変わりました。そこからなんとか立ち直り、キャリアを歩んできた経験があるので、同じように苦しんでいる人たちにとってのロールモデルになりたいという気持ちはあります。
あとは、「野村さんと話したらいつも気づきがある」という存在にもなりたいですね。そのために、ずっと成長していきたいです。もちろん、青春もし続けたい(笑)。
大崎事業を成長させられる人間になりたいので、これからもそのための経験を一つひとつ積んでいきたいですね。入社前と比べると成長実感はありますが、まだまだと感じる場面もとても多いです。社内の議論一つひとつのレベルをこれからも高め続けていきたいです。
朝倉キャリアという観点で言えば、以前は「CTOになるためにはどうしたらいいか」と考えながら仕事や勉強に励んでいた時期も、正直ありました。でもいまは、自分自身の将来のことよりも、この企業や事業が将来どうなるのか、ということばかり考えて、目の前の仕事に没頭していますね。
いまここに、本気で仕事ができる環境がある。この環境が本当に好きなので、これからもユーザーライクが本気で仕事をしたい人にとって良い環境であり続けるように努力していきたいです。
久保「花き業界を持続可能な状態へ変えていく」ということしか考えていないですね。私は花き業界の未来に危機感を持っている1人として、『ブルーミー』を通じての消費拡大や産業アップデートに本気で取り組んでいます。肩書だとか、次の転職だとか、そういったことは二の次で、いまの仕事にチームで全力を尽くしていくことを楽しみ続けたいですね。
事業という面を見れば、業界変革やユーザー体験という観点での伸びしろが大きくある。環境という面を見れば、データドリブンが浸透したチームで、熱量高く切磋琢磨していける。
そんな独特の雰囲気を持つユーザーライクという企業で、この4人をはじめとしたメンバー全員が、大きな成長を感じながら仕事に没頭しているのである。
これからIPOや他事業展開も見据える中でも、少数精鋭を貫く方針だ。30代でも40代でも、いつまでも青春していたい。そんなプロフェッショナルにとって、一つの理想の地と言えるだろう。
こちらの記事は2022年04月06日に公開しており、
記載されている情報が現在と異なる場合がございます。
執筆
樋口 正
写真
藤田 慎一郎
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