新卒1年目で起業!?
サイバーエージェント名物"新卒社長"たちの実態とは
入社数年の若手社員、時には新卒入社と同時に子会社の社長を任せ、惜しみなく投資をすることでお馴染みのサイバーエージェント。
一体どれほどの猛者たちが選ばれてきているのだろうか。
20代前半のうちに社長の座をモノにしてきた7人を紹介する。
- TEXT BY FastGrow Editorial
新卒社長たちのリアル
サイバーエージェント名物「新卒社長」。新卒として同社に入社し、子会社の社長に就任する社員たちのことだ。
新卒入社した社員が子会社の社長に就任すること自体は、年次を重ねていけばそこまで珍しいことではない。しかしサイバーエージェントでは1〜2年目から、時には新卒入社と同時に就任ということもある。
そんな目覚ましい速度で最高の環境を掴み取る若手たちは、どのような事業を任され、そこでどのような結果を出したのだろうか。
今回は、20代前半で子会社社長となった者たちの中から7人を紹介する。
※子会社社長就任時の年齢が若い順に表示。情報は各企業のプレスリリース及び関連メディアから収集した。
1. 飯塚 勇太
1990年3月神奈川県生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業。内定者時代に、サイバーエージェントの内定者4人で写真SNSアプリ「my365」を開発・リリースし、3ヵ月で50万ダウンロードを達成した。2011年12月、そのサービスを事業化するためにサイバーエージェント子会社として株式会社シロク設立。21歳・内定者の時点で代表取締役社長に就任した。同サービスは1年で200万ダウンロードを達成。2014年11月に学生インターンを主体とする株式会社ハシゴを設立し、代表取締役に就任。
株式会社シロク
2011年12月に資本金5000万円で設立。その後「my365」のダウンロード数は順調に増加し、通算400万に到達。他にアバターアプリをリリースするなどさらなる展開を目指した。しかし、2013年には成長が停滞したため、BtoC事業からBtoB事業へと転換。現在はユーザー及びサービスの課題を解析し、KPI達成を実現するためのサービス運用者向けツールを提供している。国内最大級のスマートフォン向けプッシュ通知解析・配信サービスの「GrowthPush」などを展開。

2. 田中 啓太
1989年7月生まれ。大阪府出身。関西大学法学部卒業。2012年にサイバーエージェント新卒入社。内定者時代から週5で内定者アルバイトを経験する。グループ総会にて最優秀新人賞を2度受賞した後、同年10月にインターネット広告事業本部マネージャーに昇格。翌月、入社から7ヶ月、23歳で、同時期に子会社として設立された株式会社CyberSSの代表取締役社長に就任。現在も同職を務める。
株式会社CyberSS
追記:同社は、2018年5月16日より社名を株式会社CyberOwlに変更し、運営サービス名等も変更されています。(2021年6月17日現在)
2012年11月に資本金1500万円で設立された。当初はスマートフォンにおける検索連動型広告の運用および広告効果の計測・分析が可能な計測ツールの提供など、スマートフォン広告に特化したサービスを提供。2013年7月に業態転換を行い、現在はメディア開発事業を行い、"検索しただけでは解決できない問題を解決する"メディア「比較情報.com」の運営を行う。
3. 松村 淳平
1990年11月生まれ。千葉県出身。早稲田大学卒業。高校2年時にブログ広告枠の販売事業を立ち上げる。大学在学中の2011年に起業を経験。サイバーエージェント内定後、社内複数の部署でアルバイトを行った後、2014年新卒入社。同年6月に同社から1億3000万の出資を受け、完全子会社として株式会社WAVESTを設立。23歳で代表取締役社長に就任した。自己のブログポスト「会社は学校じゃねぇんだよ」で話題になった。
株式会社WAVEST
2014年6月に資本金6000万円(後に1億3000万円)で設立。バイラルメディア「BUZZHOUSE」(閉鎖済み)をはじめ複数のスマートフォン向けサービスを運営するも、1期目2000万円、2期目5500万円の赤字となった。現在はSNSにおけるインフルエンサーネットワークの構築や、SNSマーケティングに注力している。2016年5月には「AbemaTV FRESH!」にて若年層向けバラエティ番組の制作事業を開始した。

4. 羽片 一人
1987年生まれ。2009年、サイバーエージェント新卒入社。インターネット広告事業本部にて営業に従事。2010年、株式会社CA Beatを設立し、23歳で代表取締役社長に就任。メディア事業、ゲームコミュニティ事業の立ち上げに従事。その後、インターネット広告事業本部データマネジメント局局長を経て、インターネット広告事業本部次世代ブランド戦略室局長に就任。
株式会社CA Beat
2010年10月に資本金1500万円で設立。ソーシャルゲーム特化型のノンインセンティブCPI広告「GameSelection」や、スマホネイティブゲームに特化したプライベートDMP(データ管理プラットフォーム)「GameAudience」を提供。2014年3月末に解散し、事業はサイバーエージェント内のアドテクスタジオに引き継がれた。

出典:カンタンにわかる! データマーケティングの現在と未来 (1) | COLUMN | サイバーエージェント インターネット広告事業「CyberAgent AD.AGENCY」
5. 卜部 宏樹
1986年7月生まれ。兵庫県出身。京都大学総合人間学部卒業。2010年にサイバーエージェント新卒入社。同年7月に株式会社アプリボットを設立し、取締役就任。2011年2月、24歳でアプリボット代表取締役社長就任。2014年4月にサイバーエージェント執行役員、2014年12月にサイバーエージェント取締役就任。2015年4月には株式会社AbemaTV取締役副社長に就任。
株式会社アプリボット
2010年7月に資本金1500万円で設立。スマートフォン等次世代端末を利用した各種情報提供サービスの企画・制作・運営を行う。スマートフォン向けゲームアプリや、マッチングアプリ、メディアを展開している。
6. 岡田 寿代
1986年2月大阪府生まれ。 関西大学商学部を卒業。2008年サイバーエージェント新卒入社。 2010年9月、24歳で株式会社プーぺガールの代表取締役に就任。ファッションSNSやモバイルゲームなどの企画・運営に携わる。2012年4月より、サイバーエージェントに戻り、スマートフォンの新規事業にて自社広告のセールス部門の責任者に就任。企業向けの広告事業を展開。2014年10月に海外事業部を設立し、現在は広告事業本部グローバル戦略局局長を務める。
株式会社プーペガール
2008年3月に設立。ファッションに特化したコミュニティサービス「プーペガール」を運営。ユーザーが実際に所有する洋服をアバターに着せることができる。芸能人やブランドとのタイアップなども行われた。2012年5月に同社は解散し、サービスはプーペガールからサイバーエージェントに継承された。
7. 宮﨑 聡
1980年6月生まれ。兵庫県出身。同志社大学商学部卒業。2004年、サイバーエージェント新卒入社。インターネット広告事業本部を経て、2006年4月、25歳で株式会社サイバー・バズ設立。代表取締役に就任。2011年4月から、翌年9月までCyberAgent America, Inc.にて CEOを務める。2014年にコミュニティ事業本部本部長に就任。同年12月には取締役に就任した。2015年にはスタートアップ管轄に就任し、7月には株式会社7gogo代表取締役社長に就任。現在は退任済み。
株式会社サイバー・バズ
2006年4月、資本金2015万円で設立。広告メディア事業、ヘルスケア事業を展開。健康領域の専門家による QAヘルスケアメディア「Doctors Me」や家計の固定費見直しのための比較情報サイト「コンシェルタント」などを運営している。自社の分析サービスと組み合わせた、ソーシャルメディアを活用したマーケティングサービスも展開している。

こちらの記事は2017年07月18日に公開しており、
記載されている情報が現在と異なる場合がございます。
執筆
FastGrow編集部
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