連載ユナイテッド株式会社

新卒2~3年目の事業責任者を次々と輩出するユナイテッド──再現性ある事業家人材の育て方、その育成ロードマップをDay1から徹底公開

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インタビュイー
小畑 暁史

京都大学卒、大学時代はアメフト部に所属し、4年間活躍。2021年新卒でユナイテッド株式会社入社。DXコンサルティングを行う部門にてコンサルタントを経験。大手広告代理店のDX推進PJや新規事業立案PJに参画し、2021年度には本部内年間MVPを受賞。2022年7月にイノープ株式会社をデューデリジェンス。2022年8月にイノープに1号社員としてジョイン、事業責任者を務める。

星谷 友美

滋賀大学卒。2020年新卒入社後、DXコンサルティングを行う部門にてコンサルタントを経験。toC企業における次世代マーケティングの企画支援案件や、大手広告代理店における組織育成策の企画/実行案件など幅広く担当。2022年5月頃から現所属の株式会社ココドルのM&Aプロセスから従事し、現在は同社サービスである業務委託者と企業のマッチングサービス「即戦力くん」の事業責任者を担当。

中川 侑紀

九州大学卒。2021年新卒でユナイテッド株式会社入社。DXコンサルティングを行う部門にてコンサルタントを経験。EC事業を展開しているクライアント等、複数PJに参画。1年目ながらPJマネジメントや、新卒入社社員のトレーナーを担当。株式会社ドゥーファが運営する副業・転職マッチングプラットフォーム「Kasooku」のM&Aプロセスに関わり、2022年12月に新設したカソーク株式会社にてKasookuの事業責任者を担当。

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新卒2〜3年目の若手社員に子会社の事業責任者を任せる──。読者はこのフレーズを目にして、どんな背景を想像するだろうか。

超エース級の人材が入社したことによる、サプライズ人事か?はたまた、何らかの事情による訳ありの人事か?

答えはいずれもNOである。

これは、ある企業でごく当たり前に行われる、平常運転の人材配置なのだ。その企業の名は、ユナイテッド。全身全霊を賭けて若手育成に取り組む同社のエピソードは、若手育成に注力中の読者に、多くの示唆を与えるに違いない。

ユナイテッドの3つのコア事業の全貌を解き明かす、全10回に渡る本連載。前回の6記事目では「人材マッチング事業」の具体例を示すとともに、新卒入社2年目からM&Aのプロジェクトにアサインされ、グループ会社リベイスの経営に携わる脇谷 光多氏のエピソードを紹介した。

今回は、脇谷氏と同様にグループ会社の事業責任者を務める、小畑 暁史氏、星谷 友美氏、中川 侑紀氏の鼎談を実施。若手人材のポテンシャルを引き上げ、事業責任者として大活躍させてきた同社の取り組みをご覧あれ。

  • TEXT BY MISATO HAYASAKA
  • PHOTO BY SHINICHIRO FUJITA
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ユナイテッドの十八番、新卒2~3年目でグループ企業の事業責任者へ抜擢

前回の記事では、ユナイテッドの若手の育成方針について、リベイスの事業責任者、脇谷氏の具体例を紹介した。

脇谷氏は、新卒2年目にしてリベイスのM&Aプロジェクトにアサインされ、現在は事業責任者として経営の一部を担っている。

「経験豊富な中途人材ならまだしも、新卒入社2〜3年目で?」と驚く読者の声が聞こえてきそうだが、事実、脇谷氏の抜擢例はユナイテッドにおいては全く珍しいことではない。その証拠に、今回は脇谷氏と同じくユナイテッドグループで事業責任者を務める3名のゲストを招いている。星谷 友美氏、中川 侑紀氏、小畑 暁史氏だ。

早速だが、今回のゲスト3名に与えられたミッションを簡単に紹介しよう。

星谷氏は、現在のポジションに至るまで脇谷氏に近いプロセスを歩んでいる。グループ会社ココドルのM&Aプロジェクトから参加し、PMIを経て事業責任者を任されているのだ。

中川氏は、M&Aの中でも企業買収ではなく事業譲渡のプロジェクトにアサインされた。事業譲渡とは事業を運営する主体がないということであり、箱としての会社づくりから始める必要があり、難度の高いプロジェクトだった。その中で現在中川氏は、グループ会社カソークの事業責任者を担っている。

小畑氏は、2022年3月に創業したばかりのアーリーなグループ会社、イノープのM&Aプロジェクトに加わった。創業メンバーである役員2人が残る中、1人目の社員として入社。まさにゼロイチフェーズでの加入だった。事業への解像度が高い役員2人と同じ裁量の中、PMIを推し進めていく難しさがあったのだ。

脇谷氏と同様の、いやそれ以上とも言えるほどタフなプロジェクトにアサインされた3名。

記事冒頭で載せた、“新卒2~3年目の若手社員に子会社の事業責任者を任せる”というフレーズを見て、「とんでもなく意識の高い若者が登場するのだろう。」──そう身構えた読者は少々拍子抜けするかもしれないが、今回登場するゲスト3名は口を揃えて、「やりたいことがあったわけではない」と話す。

具体的な目標を叶えるためにユナイテッドに入社したというよりは、「事業を立ち上げてみたい」「30歳までに市場価値を高めたい」「社会貢献したい」というような目的から同社を選んだのだ。

次章から早速、なぜユナイテッドは事業責任者クラスの若手タレントを次々と生み出すことができるのか、3名の入社後のキャリアからその秘密を紐解いていきたい。

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新卒1〜2年目はすべからく、高いビジネス戦闘力をインストール

グループ会社の事業責任者として経営の一端を担う今回のゲスト3名。なぜ、わずか2~3年目の若手が事業責任者として成長曲線を描くことができたのか?

その秘密を紐解く鍵となるのが、彼らに共通するバックグラウンドである。初回配属はDXコンサルティングを行う部門にて、コンサルタントからキャリアをスタートしているのだ。

星谷配属された部門は、現在は、ユナイテッドの投資先に限定して支援を行っていますが、当時はそれに関わらず様々なクライアントの課題解決を支援していました。

大手広告代理店の組織活性の企画や、toC企業における次世代のマーケティング企画など、業界・業種・内容ともに幅広いコンサルティングを担当させていただきました。

ユナイテッドは、これまでは原則として新卒社員を当該部門にアサインする方針をとっていた。なぜなら、ここでの経験こそが、経営に携わる人材の素養となる、「高いビジネス戦闘力」と「人材マネジメントスキル」を超速で身につけられるからだ。

一体どういうことか?さらに理解を深めるべく、中川氏の経験から、ユナイテッドの経営人材育成手法を紐解いていきたい。

中川氏は新卒入社後、すぐさまコンサルタントとしてとあるプロジェクトにアサインされた。なんと、「海外のD2Cブランドの日本進出支援プロジェクト」だ。

チームメンバーは、事業責任者、toBマーケティング領域の担当者、そしてtoCマーケティング領域担当の中川氏の3名体制。そこで、わずか“4ヶ月”という期間でコンサルタントとして独り立ちすることが求められる。そう、先にも述べた経営に携わる人材の素養の一つ、「高いビジネス戦闘力」の獲得だ。

中川入社して間も無く、日本進出を狙う海外D2Cブランドの支援プロジェクトにて、toC向けのマーケティング領域全般を任してもらいました。

外国人のクライアントに対して、日本人の消費者動向をデータ観点でシェアするといった“リサーチ業務”に始まり、LTVを向上させるためには?商品購入後のアプリのUI/UXはどうあるべきか?といった“施策”の部分まで一手に担うことができました。

“一般的な新人コンサルタント”といえば、まずは議事録を取る、提案資料を作成する、といった下積み業務からスタートすることがほとんどだろう。しかし“ユナイテッドの新人コンサルタント”はすぐさま、実践の機会が与えられるのだ。

「とはいえ、経験豊富な上司が“ブレイン”として戦略を描き、入社間もない新人はひたすら“実行部分”を任されるんでしょ?」といった取材陣の穿った質問に対して、中川氏はすぐさま「NO」を突きつける。

中川上長はあくまで、“壁打ち相手”です。

自分自身で“課題”を設定し、それに対する施策を考える。その上で、上長に壁打ちを行い、自分が見えていなかった視点からフィードバックやフォローをしてもらうんです。

つまり、「与えられた指示に従う」、「上長が考えた施策を実行する」のではなく、常に自分起点でオーナーシップをもち、クライアントの課題に向き合うことが求められるんです。

プロとして、事業成長にインパクトを与える高水準な価値提供を求められる環境。わずか1年目からバッターボックスに立ち、全力でバットを振り続けることで、わずか4ヶ月という期間で独り立ちができるほどのビジネス戦闘力が養われるというわけだ。

しかし、“プレイヤー”としてのスキルを伸ばすだけでは、もちろん事業責任者など務まらない。組織を運営する上で欠かせない「人材マネジメントスキル」を養うことができる機会も、ユナイテッドでは早々に用意されている。

小畑物事を論理的に説明したり、クライアントに理解納得してもらうためのプレゼンをするハードスキルや、ビジネスパーソンとして事業成長にコミットするマインドセットを、主に1年目で身につけます。

そして、2年目からは後輩の育成・マネジメントという新しいミッションが与えられるんです。ようやく独り立ちしたばかりという状態で、後輩の成長にも向き合わなければならないので、仕事の難度は跳ね上がります。

しかも、この辺りから上長にこれまで以上に裁量を与えられるため、いっそう「自分がやらなければ」という“当事者意識”が強まりますね。

星谷もしこのような初期配属後の経験がなく、社会人1年目から現在私がやっている事業責任者と同じ仕事をしようと思ったら、到底無理だと思います(笑)。

いちビジネスパーソンとしての戦闘力、そして人材マネジメントの経験。この二つを1〜2年間という短期間で、強度高く身につけていく。その地力があって初めて、事業責任者としてのミッションにチャレンジすることができるんです。

一生懸命にクライアントに食らいつきながら、急速に個の力を高める1年目。マネージャーとして、後輩、そしてプロジェクトのマネジメント経験を積む2年目。その経験こそが、事業責任者として活躍する素地となったのだ。このような育成プロセスこそが、同社の若手人材育成の第一戦略と言ってよいだろう。

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「マネジメント」「財務」「IT」。
プロ事業家に必要な力がすべて用意されていた

今回のゲスト3名は、全員がコンサルタントとして、ビジネスパーソンとしてのキャリアをスタートしたと述べた。しかし、3名がユナイテッドに入社した目的は、「事業を立ち上げてみたい」「30歳までに市場価値を高めたい」「社会貢献したい」というものだった。今では事業責任者を務め、将来ユナイテッドの経営幹部を担う活躍が期待される3名、学生時代は一体どんな思いで就活をしていたのだろうか?

小畑 暁史氏は、京都大学を卒業後、2021年に新卒でユナイテッドに入社した。大学時代はアメフト部で4年間活躍したという、生粋のスポーツマンだ。

小畑就活生の頃は、これから就職して何をやりたいかが全く分からなくて、探してもなかなか見つかりませんでした。

ただ、「将来事業を立ち上げたり、主体的に事業を運営したい」という想いはあったので、それに必要な能力を身につけられる企業を志望していました。具体的には、「マネジメントスキル」、「財務周りの知識」、「IT周りの知見」が必要だと考えていましたね。

マネジメントスキルでいうと、ユナイテッドは約300名のベンチャー企業ということもあって、わずか2年目で管理職に就いている人もいると知りました。

そして財務周りの知識は、ユナイテッドが強みとする投資事業で得られると考えましたね。

さらに、IT周りの知識は、ユナイテッドならITスタートアップに関わる機会が多いので、働く中で自然と身に付くはずだと思ったんです。ユナイテッドは、事業会社でありながらスタートアップ投資にも強みを持っている稀有な企業だと思い、入社を決めました。

「マネジメント」「財務」「IT」と、事業家に必要な知見を一気に獲得することができると踏んで、ユナイテッドを選んだ小畑氏。そして彼の同期が、中川 侑紀氏だ。九州大学卒業後、2021年に新卒でユナイテッドに入社した。

中川就活生時代は、業種や会社の規模感含め幅広く受けていました。その頃は、自分自身が女性ということもあり、出産や育児を想定したときに、30歳までに市場価値をどれだけ高められるのかが重要になると考えていたんです。

色々と選考を受けて経営者や若手エース社員の話を聞く中で、自身の市場価値を高めるためには、20代のうちにチャレンジングな経験をどれだけできるかが大事だと思うようになりました。その観点だと、社員が何千人といる大企業でチャンスを狙うよりも、少数精鋭の組織で入社直後から自分自身で決断していける環境に身を置くほうが自身の目標には早く到達できると思い、ユナイテッドを検討したという具合です。

規模の話だけで見ると他にも魅力的な企業はありましたが、中でも、ユナイテッドの方々は、自分のキャリアについて論理立てて語ることができる人が多いなと感じました。

就活を進める中で、「中長期的な自分のビジョンを語れる人は、意外とビジネスパーソンにおいても多くないんだな」と感じていたので、ユナイテッドの面々には惹かれるものがありました。

最後に、小畑氏と中川氏の一つ先輩にあたるのが、星谷 友美氏である。滋賀大学卒業後、2020年に新卒入社した。彼女はなぜ、数ある企業の中からユナイテッドを選んだのだろうか。

星谷大学4年生になった時に、自分の生きてきた環境がすごく恵まれたものだったのだと実感するようになりました。日本に生まれ、大学に行かせてもらい、国立大学で税金をかけてもらったことに対して、強く感謝するようになったんです。

自分がこれまで受け取ってきたものを、自分以外の人に返さないといけない、それはある種の義務だと考えるようになりました。ありきたりな言葉になりますが、「社会貢献できる仕事がしたい」という想いが芽生えたんです。その上で、できれば「得意なことで食べていきたい」という仕事選びの大方針もありました。

ただ、学生時代の自分では、何が得意なのかを見極める視野や視座が十分じゃなかったので、最初の5年間は色々とやってみて、得意を判断する材料を集めたいと考えていたんです。

その意味で、ユナイテッドはパーパスの「意志の力を最大化し、社会の善進を加速する。」にもある通り、社会貢献が実現でき、そして20代の序盤で得意分野を見極めるための多様な経験が積める。この両方を叶えられる企業だと思いましたし、カルチャーフィットの面や、中川さんが言っていたような人の面にも共感を得て、入社することを決めました。

入社背景は三者三様だが、共通するのは“一流の営業マンになりたい”、“◯◯業界で活躍したい”といった、具体的な職種や業界に絞った目標を掲げていなかったことだ。それよりも、「将来のための力をつけたい」という想いを強く抱いていたことが共通点である。

ユナイテッドは、グループとして複数事業を抱えており、その内容は投資、教育、人材マッチングと幅広い。その多数の選択肢の中で、自身の理想のキャリアを自由に描くことができる。だからこそ、入社前に夢を見つける必要はなく、幅広い経験を積む中で見出していくことが可能となるのだ。

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事業オーナーとはいえ、若手のうちは職域問わずすべてを血肉にせよ

新卒入社メンバーであっても、1〜2年目でビジネスパーソンとしての下地を整え、その後は如何様にもキャリアを発展させることのできるユナイテッドの育成環境が、事業家スピリットを宿す優秀な若手を惹きつけていることが前章より理解できた。

ここからは本記事のテーマでもある、グループ会社で若くして事業責任者を務める魅力にも迫っていきたい。初期配属後の業務経験によりビジネスの基礎力を十分に養った3名は、現在どんな企業でどのような活躍をしているのだろうか?

まず最初に、星谷氏が事業責任者を務めるのがユナイテッドグループのココドルだ。フリーランスや副業人材と、即戦力人材を求める企業をマッチングさせるサービスを展開している。

他の人材シェアリングサービスと比較すると、エージェント型の機能を持ち、企業側の要望を聞いてフィットする人材を提案しているのが特徴だ。面談設定や細かい採用条件の調整まで受け持つという手厚さである。

星谷現在ココドルの代表はユナイテッド代表取締役の金子が兼務しており、正社員はM&A前から居た社員、最近入社した社員、そして私の3名です。他にも業務委託者の5〜10名で構成されています。正社員3名の中で役割分担をして、全員がセールスをやりつつ、私は特に人材のマネジメントを担当しています。

続く、中川氏はグループ会社のカソークのM&Aプロジェクトから入り、現在は事業責任者を務める。

カソークは、副業・転職マッチングプラットフォーム『Kasooku』の事業譲渡にあたって立ち上げられた企業。2022年12月に譲渡され、ユナイテッドの人材マッチング事業の事業ポートフォリオはさらに拡充された。

2023年4月以降には、新たなサービスを提供する予定で、副業希望者にも転職希望者にも最適な企業を紹介していく。

中川カソークはできたばかりの会社です。事業譲渡という形のため、譲受するために新しく会社を立ち上げました。

業務委託の方も含め、RA(法人営業)やCA(キャリアアドバイザー)をお任せしながら、私は全領域の統括をしています。

小畑氏が所属するのはユナイテッドグループのイノープだ。イノープは、ダイレクトリクルーティングの運用代行サービスを展開している。クライアントの利用する採用媒体にアクセスして求職者にアプローチしていく、月額固定のサブスクモデルで事業を展開している。

小畑イノープがユナイテッドにグループインしたのは2022年8月ですが、そもそも同社の創業は2022年3月。つまり、まだまだ“ド”スタートアップという状況です。買収前の役員の方々にも残っていただき、まさに現在“事業運営体制の変革の過渡期”という状況ですね。

私はイノープの“1人目の社員”という形で入社し、営業体制やカスタマーサクセスの体制作りや、メンバーマネジメントといった仕組み化・組織化を推進しつつ、現場の営業といった実行部分まで幅広く担当してきました。

三社とも、組織も事業もまだまだ成長段階。そのため、現場においては担当領域を狭めず、「とにかくなんでもやる」というのが現状のようだ。

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事業のイロハを学べば、営業未経験でも1ヶ月で単月数百万円の売上を計上できる

前回の記事では、“領域に詳しい人よりも意志ある人を選ぶ”のがユナイテッドのアサイン時における決定方針だと紹介した。新卒社員の脇谷氏に事業責任者ポジションを打診した際、「是非、やらせてください」の一言が返ってきたという。

当時、脇谷氏よりも事業領域に詳しい社員がいたが、より高い熱量を持ってチャレンジを希望する脇谷氏が選ばれることとなった。

して、今回のゲストはどのような背景で事業責任者へと抜擢されたのだろう?小畑氏のエピソードを紹介したい。

小畑2年目の第1四半期終わり頃だったと思いますが、上長と面談をした際に、事業側への異動を打診されたんです。

元々事業に関わりたいという話は社内で積極的にしていたので、「やります」とその場でお返事しました。声をかけられたのは火曜日で、翌週の月曜日にはM&Aプロジェクトにフルコミットするという流れでした。想像以上のスピード感に驚きましたね。

先にも挙げたが、ユナイテッドのパーパスは「意志の力を最大化し、社会の善進を加速する。」だ。「パーパスにある“意志”とは、顧客だけを指すのではない。ユナイテッドで働くメンバーの“意志”も同時に重視されるのだ。そんな“意志”ある人物を抜擢した結果、どのような成果が生まれたのだろうか。その後の小畑氏を見てみよう。

小畑僕はユナイテッド投資先への支援等の経験しかなかったのですが、営業未経験でアウトバウンドチームを自ら組成し、大型顧客を1ヶ月目で獲得することができました。

要因としては、企業の問い合わせフォームに1,000社以上メッセージを送付したり、自身のTwitterを開設してフォロワーを伸ばしたりと、思いつく方法を愚直に、泥臭く継続した結果だと思っています。

なぜ、未経験の小畑氏がすぐに結果を出すことができたのか?それは、小畑氏自身のコミットメントの高さに加え、経営陣やグループ会社のサポートがあったことも伝えておきたい。

特に前回の記事でも取り上げられた通り、同社代表取締役金子氏から直々に、目標の引き方、逆算の仕方、スケジューリングなどの丁寧なアドバイスを受けると共に、事業家として持つべき視座やマインドをインストールする機会が得られた。

さらに小畑氏は、他のグループにいる営業の専門家をも巻き込んで、営業ノウハウを学び、実行に移していった。前回前々回でも取り上げたが、ユナイテッドにはベテラン経営陣のサポートと、グループ企業からの手厚いサポートがあるのだ。

その結果もあり、イノープは右肩上がりで成長し続けている。“意志”ある人間に積極的に挑戦の機会を与える同社と、その期待を超えてくる若手社員。そして、それを支えるユナイテッドグループの体制。どれも重要で、欠かすことはできないものだ。

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「経済性」と「社会の善進」を兼ね備えた、バランス感ある事業家へ

“意志”ある者に開かれた、チャレンジの舞台。迷いなく成長を遂げてきたかのように見える3名だが、もちろん、壁にもぶつかってきた。

“意志”があれば、すべてが順風満帆に解決するとは限らないのだ。星谷氏は事業側に異動となった際、業務内容や求められることの変化に戸惑いを隠せなかったという。

星谷自分で選んだことではあったけれど、さまざまな変化に気持ちがついていかず、モチベーションの整理が上手くできませんでした。その時、異動前の部門の本部長から、「事業はチームでやるものだ」という言葉をいただいたんです。

これまでは3ヶ月程度のプロジェクトにアサインされることが多く、プロジェクトが終わればチームは解散という形でした。でも、事業を運営していく際に“期間”なんてものは存在しません。またココドルでは正社員3名と、業務委託と社長という、“超”少数組織で密に連携しながら動いていくことになります。

「事業はチームでやるもの」という意識が芽生えてから、互いに支え合いつつ、共に成長しているという実感が湧くようになりました。そこでモチベーションが復活し、前向きに取り組めるようになったんです。

当初は不安を抱えていたという星谷氏であるが、ユナイテッドの経験豊富なベテラン社員からのサポートを受け、前向きに仕事に取り組むことができている。そして現在では、代表の金子氏と週一で定例を行い、ほんの些細な悩みもすぐに相談できる環境だという。悩んだ時に相談できるベテランメンバーがすぐそばにいる──。それほど心の支えになるものはないだろう。

星谷金子さんをはじめ、経営陣は、“お金を稼ぐ人”というよりも、“人格者”というイメージが強いです。教育現場にいそうな、大学教授のような方ばかりなんですね。もちろん上場企業として利益を追求することは至上命題なのですが、それと同じくらい、いえそれ以上に社会の善進にひたむきなんです。「事業リーダーを育てていこう」という強い想い、そしてその本気度が、社内制度や人事異動からヒシヒシと感じられます。

ユナイテッドはそんな経営陣が率いている会社なので、共感して集まってくる人も人格的に優れている人ばかりだと感じています。

一般的に、ビジネスパーソンであれば時に上司の愚痴をこぼしてしまいそうになる時があると思います。しかしユナイテッドで働いていると、「上司の愚痴だなんてとても…!むしろ教わってばかりで早く結果で報いたい」と感じる程で、いかに自分の環境が恵まれているのか実感しますよね。私も早く経営陣の皆さんのように、周りから「一緒に働きたい」と思ってもらえる人を目指します。

心から安心して相談できる環境が、若手の成長を押し上げているのだろう。それは、マインド面だけでなく、実務面でもだ。

星谷ユナイテッドには多くのグループ会社があり、豊富な知見が蓄積されています。例えばココドルの場合はリベイスと近しいビジネスモデルなので、悩んだ時には適宜アドバイスをいただいていますね。

例えば先日も、ココドルに登録いただいているフリーランスや副業人材の方の満足度を高め、チャーンを防止するための施策に頭を悩ませていたところ「ユーザーが応募してくれた案件の進捗状況をこまめに共有してはどうか」とアドバイスをいただきました。

それを受けて、自動化により抜け漏れなくリアルタイムで案件の進捗状況を共有できるように、システムを見直しすることができました。

多数のグループ会社を持つ事業会社、ユナイテッド。金子氏や早川氏をはじめとした、社会の善進にひたむきな“人格者”の率いる会社だからこそ、若手の挑戦に限りない熱量と時間を投資することを厭わないのであろう。

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遠回りは不要。
事業家になりたくば、今すぐ「事業を担える道」を選べ

ここまで、若手に寄り添うユナイテッドのカルチャーや、新卒社員の奮闘記を見てきた。最初は「やりたいこと」が明確になかったという3名は今、自身の成長をどのように捉えているのだろう?

小畑入社前に想定していた以上に成長できていると思っています。

元々欲しいと思っていた3つのスキルである、マネジメントスキル、財務周りの知識、IT周りの知見も、高い水準で手に入れることができました。

さらに、学生時代には想像できていなかったスキルもプラスアルファで身につけることができたと思います。“ゴールから逆算し、計画を立て、モニタリングしながら行動する”スキルです。事業をやっていく上で重要な力を装備できました。

中川氏も、入社当初は「こういう方向に尖りたい」という明確な意志があったわけではなかった。入社から5年くらいの期間で、徐々に見つけていければと考えていたという。

中川2年目で「カソークを伸ばす」という目標ができ、自分のキャリアの方向性を描くことができました。思っていたよりも早いスピードで、キャリアが明確化された感覚です。

同年代を見渡すと、セールスやマーケティングに特化するなど、プロフェッショナルとしてのキャリアを歩んでいる人が多いという。キャリアの歩みに優劣はないが、事業責任者という、事業全体を見る経験を積んでいる自分は、同年代で見ると少数派だと中川氏は感じているようだ。

中川ユナイテッドは、チャレンジの機会が多いというのもありますが、“渡し方”もうまいと感じています。

冒頭の初期配属時代のエピソードでもお話ししましたが、「あくまで上司は壁打ち相手」で、基本的に“意思決定”は私たちに委ねてくれます。もちろん、その前後でのサポート体制も整っています。ポジティブな感情で取り組めているのは、ユナイテッドがチャレンジ体制をしっかりと構築してくれているからだと思います。

挑戦の機会があっても、プレッシャーに負けたり、仕事の大変さに苦んで折れたりしてしまうこともあるはず。自分が2年目で事業責任者をできているのは、この環境のおかげです。

星谷事業をゼロから生み出す際には、いかに「人を動かすことができるか」が重要だと経営陣から学びました。事業責任者という立場は、日々社内、社外問わず様々なステークホルダーと関わることになりますが、“ロジカルなだけ”では決して人は動いてくれません。

時には、既存の利害関係や立場といった常識を超越して、他者を巻き込んだり、協力を得る力が必要になる。そこでは“論理”ではなく“パトス”、“熱量”が大事になってくるということを身をもって示してくれていたんです。

以前、金子氏は若手育成についてこう述べていた。「成長はどれだけ多くの失敗を経験したかに掛かっているので、ある程度のリスクであればあえて失敗を見越して、本人に『何とかしないとやばい…!』と感じてもらう環境をつくり出すことを意識していますね(笑)。」

ユナイテッドは、若手に挑戦の機会を渡し、その奮闘を見守っていくスタンスだ。そして、失敗するリスクを見込んだ上でまるごと受け止める。さらに、事業家として欠かせない「人を動かす力学」も、経営陣が背中で見せていく。だからこそ、若手は“失敗”を恐れず、何度でも挑戦の扉を開けることができるのだ。

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グループ会社の代表を経て、いずれは本体の経営陣を目指せ

ここまで、事業責任者として成長を遂げた3名のエピソードと、ユナイテッドが誇る抜群のサポート体制を見てきた。前回の記事から続く、「まったくのビジネスビギナーが、ものの数年で事業責任者と進化する過程」には同社のユニークな若手育成の手法が溢れんばかりに凝縮されている。

事業家を志す若手にとっては、“贅沢”とも言えるこの環境を掴み取った3名は、今後どんなキャリアの展望を見据えているのだろうか。

小畑僕は、これから3年は今のイノープの事業を伸ばすことだけを考えようと思っています。イノープは想定以上に成長しているので、引き続き組織を大きくしつつ、新規事業の立ち上げなどの新たなチャレンジにも着手していきたいです。

個人としても、事業のグロースができるプレイヤーとしての側面のみならず、マネジメントスキル、具体的には10人〜20人といった規模の人数のマネジメントにも取り組んで行きたいと考えています。

そう話す小畑氏の目は、事業責任者としての覚悟を滲ませる、力強さを放っていた。新卒2年目の目の輝きとは思えない、圧倒されるものがそこにはあった。

続く中川氏が見据える先には、同社におけるキャリアのロールモデルとなっている、“とある先輩社員”の姿がある。

中川この3名は、M&A〜PMIという経験をしてきているので、3年後、5年後の事業計画を引いて、その計画を超えていくという目標は共通して持っていると思います。

個人でいうと、何年先になるかわからないけれど、キラメックスの樋口さんをベンチマークにして結果を出せたらと思っています。

樋口さんも我々と同様に新卒でユナイテッドに入社後、キラメックスのM&Aプロジェクトに参画し、同社の事業責任者に抜擢。そこで活躍し、キラメックスの代表にも就任しました。そして、現在はユナイテッドの取締役も兼務しています。そこまでの結果を出せたら会社に貢献できている実感が持てると思うので、頑張っていきたいですね。

中川氏の言葉を受けて、取材陣は前回の記事の金子氏のメッセージを思い出した。「若手のみんなには、なるべく早いタイミングで、取締役や社長のステップを歩んでいってほしいです」。

まさに、金子氏の期待を体現するような中川氏。なぜここまで前向きに頑張っていけるのだろうか?実際のところ、きついと思うことはないのかと、率直な質問を投げかけた。

中川ないですね。クライアントやチームメンバーに感謝されたり、自分自身の成長を感じられたりすると、“大変”より“喜び”のほうが勝るんですよね(笑)。ネガティブな方向に目がいかないというのが、頑張れる理由ですかね。

精神的なタフさとポジティブさを武器に、今後も中川氏は活躍を続けるのだろう。最後に星谷氏からは、“市場価値”の観点から更なるキャリアアップの可能性が語られた。

星谷自分が携わっている会社は人材事業なので、自分の市場価値はどうだろうと考える機会が多いです。マインド面、スキル面両方で、さらにブラッシュアップさせていきたいと思っています。

あとは、現在は副業人材の方やフリーランスの方と面談する機会も多く、働き方や仕事の仕方が十人十色という時代が来ていると感じます。元来考えていた「社会貢献したい」という思いと事業をどう同期させていくのかを、日々事業に邁進しながら考えていきたいです。

インタビュー中に、星谷氏はこう話していた。「どの選択肢を選んでも、結局やるのは自分。選択自体が人生を変えることももちろんあると思うけれど、選択後の自分がどういう動きをするのかが、何よりも重要だ」と。

星谷氏は終始、“安定感”という言葉がぴったりの、地に足が着いた姿勢で取材陣に答えていた。新卒3年目とは思えぬそのオーラは、修羅場経験を何度もくぐり抜け、事業に対して圧倒的な当事者意識を抱いているからこそ放つことのできる類のものであろう。そして、これはユナイテッドが意思ある若手人材に用意した“事業責任者という経験ができる機会”があってこそのものだ。

ポテンシャル溢れる新卒社員は、コンサルタント経験、失敗を歓迎する環境、先輩・経営陣のサポート、グループ企業の協力体制など、あらゆるものに触れて人の倍速で事業家キャリアを歩んでいく。

そして、それは一握りの才能ある人材のみに与えられる特権ではなく、ユナイテッドに参画する若手であればすべからく手にすることができる「チャンス」だということが伝わったのではないだろうか。

本連載もいよいよクライマックスに差し掛かってきた。次回8記事目は、今回のゲスト3名の“ロールモデル”でもあるキラメックス代表の樋口 隆広氏が登場。同氏もまた、3名と同じく新卒でユナイテッドに入社し、ユナイテッドグループ・キラメックスの事業責任者に抜擢され、その後メキメキと実力を伸ばし、なんと今ではキラメックスの代表取締役 兼 ユナイテッド取締役を務めるほどの人物だ。

ユナイテッドが若手事業家を連続的に輩出し続けられる所以を引き続きお送りしたい。

こちらの記事は2023年03月27日に公開しており、
記載されている情報が現在と異なる場合がございます。

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スタートアップ人事/広報を経て、フリーランスライターへ。ビジネス系のインタビュー記事や複数企業の採用広報業務に携わる。原稿に対する感想として多いのは、「文章があったかい」。インタビュイーの心の奥底にある情熱、やさしさを丁寧に表現することを心がけている。旅人の一面もあり、沖縄・タイ・スペインなど国内外を転々とする生活を送る。

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藤田 慎一郎

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