次のユニコーンを生み出す鍵は「集めた応援の総量」だ──イークラウド CEO 波多江氏とジェネシア・ベンチャーズ CEO 田島氏が語る、株式投資型クラウドファンディングのこれからと投資家を射止める起業家に必要な条件とは?

インタビュイー
波多江 直彦
  • イークラウド株式会社 代表取締役 

慶應義塾大学法学部卒業後、サイバーエージェントに入社。広告代理部門、スマホメディア、オークション事業立ち上げ、子会社役員等を経て、サイバーエージェント・ベンチャーズで投資事業に従事。その後XTech Venturesにてパートナーとして、VR・SaaS・モビリティ・HRTech・シェアリングエコノミー・サブスクリプションサービス等への投資実行を担当。2018年7月にイークラウド株式会社を創業、代表取締役に就任。

田島 聡一
  • 株式会社ジェネシア・ベンチャーズ CEO/General Partner 

三井住友銀行にて約8年間、さまざまな形態の資金調達業務に関わる。2005年1月、サイバーエージェントに入社。同社では、事業責任者として金融メディアの立ち上げ・売却を経験した後、100%子会社であるサイバーエージェント・ベンチャーズ(現:サイバーエージェント・キャピタル)にて投資活動に従事。多数の企業のIPO・バイアウトを実現。2010年8月以降は同社の代表取締役として、投資エリアの拡大や8ヶ国における投資戦略の策定及び全案件の投資判断に深く関与することで、同社をアジアで通用する数少ないベンチャーキャピタルにまで成長を牽引するとともに、日本ベンチャーキャピタル協会(JVCA)の理事として業界全体の活性化に注力。
2016年8月に株式会社ジェネシア・ベンチャーズを創業。

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「ベンチャー投資?そりゃまあ気になるけれど、まあそのうち手元にまとまった資金ができたらやってみたいですね。でも、リスクも大きそうだし、特別な資格とか条件なんかもあるんじゃないの?」そんな想いを持つ読者が、まだまだ多いかもしれない。そう、確かに非上場のベンチャー企業への投資は、ごく身近な者同士の間で行われるか、起業で成功を収めたエンジェル投資家か、一握りほどしか存在しないベンチャーキャピタルによって動く世界、というイメージはなかなかぬぐえない。

しかし、実は個人が投資家としてベンチャー企業に少額から投資できるのである。それを実現するのが、株式投資型クラウドファンディングという仕組みだ。起業を志す人なら、実際に株式投資型クラウドファンディングを利用して“投資される”条件の再現性を見つけるのもアリだし、また、実際にクラウドファンディング業界で働くことも起業する際の筋力をつけることにも繋がると、株式投資型クラウドファンディングを展開するイークラウド株式会社の代表取締役の波多江 直彦氏は語る。

今回は波多江氏と、イークラウドの資金調達の出資元でもある株式会社ジェネシア・ベンチャーズCEOの田島 聡一氏を交え、対談形式でのインタビューを実施。株式投資型クラウドファンディングの盛り上がりや個人がベンチャー企業に投資することの意味、今この業界で働くことの意義を伺った。

  • TEXT BY MISAKI ITO
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株式投資型クラウドファンディングが盛り上がる
ポテンシャルを持つ国、日本

株式投資型クラウドファンディング(以下、株式型CF)。それは、非上場企業が株式の発行により、インターネットを通じて多くの人から少額ずつ資金を集める仕組みだ。一般的なクラウドファンディングではユーザーはリターンとして物を受け取ることに対し、株式型CFでは支援の対価として株式が発行されるので、株主として会社の成長に並走しながら応援することが可能になる。

株式型CFは日本ではまだまだ馴染みが薄い言葉かもしれないが、この仕組みを活用して個人がベンチャー企業へ投資するという流れは、海外ではすでに拡大しているという。

波多江これまでの日本で非上場のベンチャー企業へ投資ができるのは、VCや一部のエンジェル投資家に限られていましたが、世の中の個人の方にもどんどん参入していただけるようなプラットフォームを作っているのがイークラウドです。

株式型CF先進国のイギリスでは、2020年の時点で個人投資家が年間800億円ほどのお金をベンチャー企業に出資しています。例えばクラフトビール会社「BREWDOG」はイギリス人なら一度は飲んだことがあるくらい有名な企業ですが、株式型CFを通じて資金調達をしていて時価総額が約2,000億円ほどに成長しました。

このように、海外ではみんな知っている有名なサービスでも個人が投資する機会があるんですね。感覚としてはTechCrunch などに出ている有名なベンチャーに個人が投資できるような状況です。

波多江つまり日本でも、例えば将来ユニコーン企業になるポテンシャルを持つ企業を応援しつつ、投資の運用益も狙えるような時代が来ると考えています。株式型CFの市場はアメリカでも今年になって急拡大しており、この流れは日本にも来ない方が不自然です。

VCとして様々な業界のスタートアップに投資をしている田島氏も海外の動きを観察するに日本国内の株式型CFの市場は今後拡大していくと語る。

田島今後、メガトレンドとして株式型CFを利用して資金調達をする企業は増えるのではないかと感じています。実際にDropboxやAirbnbに初期から投資していたY Combinatorの出資先が「Wefunder」といった株式型CFを利用して資金調達をしていますし、株式型CF先進国であるイギリスやアメリカのトレンドを見ていると資金調達の手段として日本国内にも馴染んでいくと考えています。

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ベンチャー企業にお金が回らない方が不自然。
この先実現する、ベンチャー投資の民主化

どうやら株式型CFを活用することで、個人でも少額からベンチャー企業に投資することができるらしい。すでに海外では盛り上がりを見せている。

日本人は堅実で貯金思考がまだまだ高かったり、上場株の投資をはじめとした投資という活動にもまだまだ抵抗がある人が多かったりするように感じるが、果たして個人が非上場企業に投資する未来は考えられるのだろうか。

波多江日本の個人金融資産って2,000兆円あるんです。2,000兆円もあれば、たった1%でも20兆円。ほんの少しでも動かせればベンチャー企業にとっては大きな成長資金になります。日本はめちゃくちゃポテンシャルがあると思うんですよね。

田島今2,000兆円の資金がある中で、あるべき世界の実現を引っ張っているのがベンチャー企業やスタートアップだとしたときに、そこにお金が回っていない現状が不自然なんですよね。

でも、みんなどの企業が投資に値するのかがわからない上に、個人投資家がそこにどう関わっていくのが良いのかがまだまだ知られておらず、閉じられたマーケットになってしまっているんです。その点で、イークラウドは閉じられたマーケットをよりオープンにしていく存在になっていくと考えています。

イークラウドを始めとしたプラットフォームが有望なベンチャー企業をピックアップして紹介することで、個人でもベンチャー企業に投資できる仕組みが確立しているという。しかし企業を応援するという目的ならば、株式を保有せずとも、従来の購入型クラウドファンディングや該当企業のサービスを商品購入でもいいのではないかという疑問も残る。

波多江もちろん商品の購入や購入型クラウドファンディングも立派な企業の応援に繋がりますが、それは一時的なんです。一方で株式の保有は3年、5年、10年という中長期的な応援になります。また株式の保有者が増えるということは会社にとって資金調達ができるメリット以外にも、思想も広めてくれるパートナーができることになるので、支援者も一緒に世の中を変えていく役割を担うことになります。

田島氏は個人投資家にとって通常のクラウドファンディングと株式型CFとの一番の違いは、「欲しいモノに投資をするか」か「欲しいものを持続的に生み出すシステム自体に投資をするか」のどちらを選ぶかの違いだと語る。

田島例えばですが、個人投資家が、1本の面白い映画を応援したいのであれば通常のクラウドファンディングでいいと思いますが、面白い映画を持続的に生み出していく、例えばPixarのような企業を応援したいのであれば、モノに対する一回限りの応援では無く、株式を持っているオーナーとして会社の目指す姿に対して継続的に応援できる株式型CFが向くと思います。

ベンチャー企業やスタートアップとしても大きなことを成し遂げる気概があるなら、中長期的に個人を応援団として巻き込める株式型CFという手法は望ましいと考えています。

ただ個人が非上場のベンチャー企業に投資できるプラットフォームができたとはいえ、この仕組みをすぐに自分ごと化し、「早速イークラウドを通じてベンチャー企業に投資してみよう」と行動に移せる読者は少ないかもしれない。

波多江まだまだ日本は投資家や投資を受ける会社それぞれに開拓余地がある上で、個人がベンチャー投資に興味を持てる機会はどんどん作りたいと思っています。今回私たちが資金調達した際には、「もし、メルカリのような会社へ上場前に投資できる機会があったら面白いよね」と言われました。そういった成長企業を探し、個人へ投資機会を提供するのは私達の役割だと考えています。

2013年に創業したメルカリは今や国内最大級のフリマアプリを提供するテックカンパニーへと成長を遂げた。たしかに、上場前のメルカリに投資していたら、企業の成長を喜んでいたに違いない。

波多江非上場のベンチャー企業への投資の面白さを経験する方をどんどん増やしていけばリターンを得る人も出てくるし、ベンチャーを応援して面白かったという体験を語る人も増えるはず。

例えば、仮想通貨が流行ったときには、隣の人が稼いだと聞くとエレベーターの中でも仕事中でも相場をチェックするような現象がありましたよね。日本の方は周りの人がやっていることを気にする国民性があるので、同じように株式型CFでも大きなリターンの事例を伝えることができるフェーズでは、一気に投資家が増えるタイミングがあるのではないかなと思っています。

田島波多江さんの仰る通り、まずは株式型CFで投資をしてみて良かったという顧客の成功体験を作り、自分もやってみようかなといった空気感を作るのが重要な観点だと考えています。顧客の成功体験が市場を活性化し、より多く人が株式型CFを通して会社を「応援」できる。そういった社会になれば良いなと考えています。

ここまで読んだ方の多くは株式型CFの盛り上がりを認識しつつも金銭以外のメリットがあるのだろうか?と疑問に思う方も多いかもしれない。だが二人は株式型CFに限らず、20〜30代の読者が投資に関わることで、「単に儲かる」という以外のメリットも大きいと語る。

波多江事業と投資は両輪なんですよね。ベンチャーでは働く目線と投資家としての目線を持つと、経営層を目指す人材になれるし、事業を早く拡大させることができると思います。ぜひ事業だけでなく投資の観点も持つためにも早いうちからエンジェル投資に限らずチャレンジしていただきたいですね。

田島ベンチャー企業やスタートアップは社会をよりよくするためにチャレンジする企業が多いと思うんですよね。そういったチャレンジに対して、株主は会社の一部を所有する形になるわけです。

株主になることは社会との接点を増やす行為でもあるので、金銭的なリターンだけではなく、世の中のグッドインパクトに自分も貢献することが価値になると思うんです。そういう人が増えると、世の中がすごくポジティブに回っていくと思います。

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VCと株式型CFとの共存で
スタートアップへの投資をよりオープンに

先ほど例に出たように、メルカリが上場する前に投資できていたら「面白い経験だった」と今後もずっと語れるだろう。しかし、様々な競合が存在する中で、なぜ田島氏はイークラウドを出資先に選んだのだろうか?

田島イークラウドなら、スタートアップから選ばれる株式型CFになると確信したことが一番の決め手でした。掲載されている案件が、VCやエンジェル投資家から見ても投資を検討したいと感じられる案件ばかりだと感じたのが出資を決めた一番の理由です。

最近は、イークラウドのサービスがローンチした時に比べ目標金額達成までの日数もどんどん早まっていますよね。もちろん案件のクオリティや魅力もあると思うんですけど、イークラウド自体のブランド力もついてきているのだと感じますね。客観的に見ても、イークラウドの案件なら良さそうというイメージの醸成もできているのかなと。

元々はキャピタリストである波多江氏が選ぶ案件はVCの目線から見ても魅力的に映るという。しかし、スタートアップの市場にVCと株式型CFが入り混じる中で、投資先の奪い合いは発生しないのだろうか?

お二人に疑問をぶつけてみると、一部の投資先が被ってしまうことなどには、両者ともに同意しつつも、株式型CFの市場が伸びることがスタートアップの資金調達の市場全体の活性化に繋がるという。

波多江VCにはそれぞれの投資のルールやテーマがあるんです。キャピタリスト個人が「絶対に良い!」と思っても、所属するVCの状況や優先度の問題で投資ができないといったことが起こりえます。その中で僕らはいろんな業界のビジネスを扱えるのがプラットフォームの良さだと思っていて。結果的にリスクマネーの総量を増やし、それに伴いチャレンジャーも増やしていけるのだと思っています。

田島株式型CFを通して個人資産が流れる総量が増えることでチャレンジャーの増加に繋がる事は良いことだと考えています。ベンチャー企業やスタートアップにとっては資金調達の手段も増えますし、すでにトップティアの企業には、投資家が殺到している状態だと思います。

そうなるとサプライサイドの方が強くなっていると思うので、投資家が企業を選ぶのではなく、企業が投資家を選ぶという状況なんですね。なので取り合いをするというより、企業に選ばれ続ける投資家であり続けることが重要になっています。

あくまで個人的な感覚ですが、と前置きしつつ「そもそもベンチャー企業やスタートアップへの投資が閉じられたマーケットになっている」のが不自然だと田島氏は語る。

田島やはり「どこに投資すれば良いのか分からない」が根底にあるので、そこを元キャピタリストがフロントに立っているイークラウドのような存在が流動性を高める役割を果たしていくと考えています。

株式型CFという良きライバルが出てくることでベンチャー企業やスタートアップの領域に供給される個人の資金量が増え、イノベーションの総量が増えますし、ベンチャーキャピタルとしての僕らも、企業から選んで貰うにはどうすればいいのかといった思考のきっかけを貰えるとポジティブに捉えてますね。その方が業界全体がより大きくなるだろうなと考えています。

今後はVCか株式型CFかという二元論ではなく、VCから資金調達をしたあと、次のラウンドでは株式型CFを実施したり、双方がタッグを組んだりすることもあると思いますね。

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「させる」を使う起業家は投資先としては危ない?
VC・株式型CFに限らず一番重要なのは起業家の「目利き」

ジェネシア・ベンチャーズからの投資も受け、事業拡大へ加速しようとしているイークラウド。株式型CFを拡大していくにあたり、最も重要なのはやはり「参加する起業家の増加」だろう。資金調達方法が増えるということは、起業のすそ野自体が広がるという効果も期待できるため、読者のあなたも株式型CFを利用して起業するチャンスが増えたと言いかえることもできる。

では、株式型CFやVCに関わらずどのような起業家が評価され資金調達を成功させるのだろうか。田島氏が持つVC目線と実際に株式型CFのプラットフォームを運営されている波多江氏の目線を比較してみてみよう。

イークラウドではVCと同じように起業家と市場についての入念な調査や分析は同じく行いつつ、さらに社内外の専門チームによる審査を行った上で、個人投資家に情報を提供している。

波多江イークラウドは社内外の専門チームによる審査を通過した企業だけを個人投資家の方にご案内しています。もちろん審査次第ではお断りをさせていただくこともあります。

収益だけを考えると一般的には案件を増やすことに意識が向くが、「まずはイークラウドで投資をして良かった」との顧客体験を作るためにも質の良い案件を載せることを重要視していると語る波多江氏。加えて数値で測れない定性的な部分も重要視していると言う。

波多江起業家の方自身がクラウドファンディングを積極的に活用して個人投資家を巻き込み、応援団を増やすことで事業を拡大するイメージを持つことができているかどうかという点も重視しています。個人投資家の方々との関わり方を最初からイメージできている方はあまりいませんが、我々が先行する他の会社の事例などを紹介するようにして準備を整えていただきます。

逆に言えば個人投資家の方とコミュニケーションに向き合いたくないという方だと株式型CFを活用するのは難しいかもしれません。

そんな波多江氏のサイバーエージェント時代の先輩である田島氏も投資先を決めるにあたって定性的な部分は重要視しているという。同氏は投資を受ける起業家に必要な能力に関して大事なことを語ってくれた。

田島一番大事なのは、時代の大きな流れをしっかり捉えることだと思っていて。例えば今の環境的・社会的な観点で言うと、SDGsやESGなどがまさに時代の大きな流れです。あとは個人のエンパワーメントが強まって、一つの企業に属する人がどんどん減って、個人と企業を繋ぐ部分が分散し始めていますよね。このように普遍的かつ不可逆なメガトレンドと争わないことがとても重要です。

では、そんな企業を経営できる経営者の目利きはどのように行っているのだろうか?

田島情熱の高さと感情バイアスをちゃんと棲み分けられる経営者が素敵だと思います。情熱が高くても思い込みによって事業が悪い方向に進むケースが結構あるので、熱い情熱を持ちながらも、クールに自社のマーケットやサービスを俯瞰的に見れることがすごく重要です。

もうひとつ私達がよく話すのは、欲求のタンクの大きさの話。タンクがどれほど大きいか、そして中の水の色が澄んでいるかどうかが大切です。タンクが大きくても水が茶色く濁ってたらイビルな方向に向かってしまうので、澄んだ水の大きなタンクを持っていてほしいと思います。

経営者には誠実であることと、実現したい世界に向かっての欲求が貪欲であることというスタンスが求められる。我々はさらに深掘り、タンクの水が澄んでいるかを具体的に見極めるポイントも伺った。

田島私達は事業の壁打ちに参加する機会も多いのですが、その中での経営者の態度や言葉、あとはメンバー同士の会話に現れます。例えば「~させる」、「xxにやらせる」のような使役動詞を多用する人だとチーム作りもあまり上手くいかない傾向が強いなと感じており、出資しないことが多いです。あとは、自分の意見とは異なる意見が出てきたときの態度や対応にも「その人が誠実かどうか、コーチャブルかどうか」がよく現れるので、一つの判断基準になるかなと。

投資判断においてはジェネシア・ベンチャーズの全メンバーにも、出資を検討している会社の経営者に会って貰い、各人のそういった細かいポイントへの気づきも参考にさせてもらっています。特にシード投資をメインにしていることもあり、誠実さと貪欲さのバランスはしっかり見極めています。

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営業先はベンチャー企業の社長だけ?
イークラウドの特異な業務環境

ところで、起業を考えるのもいいが、起業家コミュニティに身を置くという意味で、イークラウドのメンバーになるのも面白いのでは?という疑問がわき、波多江氏に聞いてみた。

これまでのセクションでは株式型CFを通じて個人がベンチャー企業へ投資することへの面白さや期待について述べてもらった。では、今このタイミングで仕事として株式型CF事業に関わることの面白さとは何だろうか。

波多江これは株式型CFでもVCでも言えることですが、営業先がベンチャーの社長なので普通なら聞けないことや、人生をかけて成し遂げようとしている事業の話が聞けるのがとても面白いです。

続けて、経営者になる上で大切なことは経営者のそばで働くことだと波多江氏は語る。

波多江この業界で働いたらベンチャーの社長と日々やりとりをするので、成長は早いはずです。むしろ、成長しないと活躍できないくらい。普段から新しいものに触れられて、数年経ったら上場会社の社長になってるかもしれないレベルの相手と接することができるので、すごくエキサイティングな業界ですね。

田島キャピタリストから見てもベンチャー企業を始めとする投資先の開拓は新しい価値を生み出すことにチャレンジしている人たちと仕事をするので、時代の大きな流れも間近でわかるし、パワーももらえる、すごくポジティブな仕事。

新しい価値を生み出すさまざまな事例を知ることにより自分自身も成長できるので、株式型CFはVC視点で見てもかなり面白い仕事だと思いますね。

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魅力あるベンチャーを発掘し、
「応援」の総量を増やして熱量を上げたい

最後に、波多江氏には今後のイークラウドの目指す未来、田島氏にはイークラウドに期待することをそれぞれに伺った。今後伸び代が期待される中で、どのような未来を具体的に描いているのかを聞いてみたい。

波多江全国にある評価されるべき技術や魅力あるベンチャーは発掘しきれてないと思うので、そこを飛び回って発掘したいと思ってる人に仲間に加わってもらい、組織を強化していきたいなと思っています。イークラウドとして一緒に上場を目指して会社の成長とご自身の成長を志していただくと同時に、ご支援先のベンチャー起業の飛躍も一緒に目指していきたいですね。

また投資家の方の顧客体験を最大化するために、コミュニティの作成や株主イベントなど関係性構築を支援する取り組みについても注力していく予定です。実際に投資家の方々とイークラウドを活用して調達をした企業との間で営業協力や、商品開発でコラボレーションする機会も度々発生しているので、こういった投資家と起業をシームレスに繋ぐ取り組みは、今後増やしていきたいと考えています。

田島イークラウドに掲載するそれぞれの案件はもちろんですが、イークラウドという会社自体がみんなに応援をしてもらえる会社であり続けること、また応援をしてもらえる人たちのコミュニティを育てていくということが重要だなと思っています。個人投資家から見ても「イークラウドの案件なら投資したい」と思っていただけるくらい素敵なプラットフォームになっていくことに期待しています。

将来起業したいと考えている方や、経営力をつけたい方には働き先の有力な候補になりそうな業界だが、他に親和性が高い人物はいないのだろうか?

波多江最前線で貪欲に営業できる人と、プロジェクトマネジメントが得意なタイプを積極的に採用しています。その他にも、技術理解が深い方やマニアックな方は研究型開発ベンチャーの発掘を任せたいと思っています。「この技術のここがすごい」とか、「ここはどうしようと思ってるんですか?」と技術系の経営者と鋭い会話ができますよね。そうすれば「君は技術が見る目があるね」と一気に関係性が深まることもあります。

まだ表に出てない企業や技術の価値を発見して世の中に出したい、支援したいと思える人は向いていると思いますよ。

知識は後からいくらでもプラスできるので、ベンチャーを応援したい気持ちや、将来起業したいから本気で学びたいという気持ちの方が大事ですね。

田島VCやイークラウドでの仕事は世の中に対するグッドインパクトに関われる仕事だと思っています。僕らはさまざまな起業家の方々のチャレンジを増やすことが仕事で、思い描く世の中の実現を目指しているチーム。今の職業が何だろうと、世界を実現することに情熱がある人であれば、この業界は合うんじゃないかなと思います。

二人の意見を聞くと、スタートアップを支援する業界で働くには営業力や財務諸表が読めるといった表面的なスキルよりも、ベンチャー企業を応援したいというパッションが大事だと感じる。

本記事を通じて、二人の話を聞いていると株式型CFを活用しての資金調達の波はきっと日本にも来るのだろうと期待が高まる。そして個人がもっと活発にベンチャーを支援することで、「個人の応援団」に支えられたチャレンジャーが増えていくのだろう。また、株式型CF領域で働くというのは、常に経営者の目線に立つことであり、自身のファイナンスやセールススキル成長にもダイレクトに繋がっていく。今後、株式型CFは一つの注目領域と言って間違いないだろう。

こちらの記事は2021年10月27日に公開しており、
記載されている情報が異なる場合がございます。

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執筆

伊藤 美咲

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