大手クライアントに解けない課題を解決し「限界突破」する醍醐味
──技術で世界を圧倒するプラットフォーマー、eSOLで拓くチャレンジングなキャリアとは

インタビュイー
植田 修司
  • イーソル株式会社 執行役員 ソリューションエンジニアリング事業部基盤技術統括部統括部長 

大学では経済学部で学び、IT等の技術分野とは無縁だったものの、創業メンバーや経営陣が発信する前のめりの革新思考に共鳴して2000年に新卒入社。以来20年間、一貫して技術畑で研鑽を積み、現在は自社の組込み技術を用いたエンジニアリングサービスを担う受託開発部門で基盤技術部隊を率いている。

中内 雄大
  • イーソル株式会社 ソリューションエンジニアリング事業部 基盤技術統括部 PF技術部 課長 

大学では経営学部に通ったものの、個人でゲーム制作を行っていたことなどから、IT領域でチャレンジングな事業に携わりたいと志した。ゆくゆくは起業や新規事業に携わりたいという強い思いを発信していた中、そうした姿勢に共感してくれた唯一の企業だったeSOLに2009年入社。エンジニアとして従事し、昨年よりマネジメントにも携わっている。

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前回の記事でCTOの権藤氏が語ってくれたように、イーソル(以下eSOL)には、世界に数社しかライバルがいないほど突き抜けた技術力がある。

しかも「サイバー(コンピュータ技術)でフィジカル(実体ある物)を動かす」という未来へ向けたイノベーションに必要不可欠な、組込みOS分野における絶対的な先進性が強みとなっている。

では、現場でプロジェクトに従事するエンジニアたちはどんな思いを持っているのだろうか? 顧客から寄せられる大きな期待にどう応え、何をモチベーションにして努力を重ねているのか? 受託開発部門を率いる植田氏と中内氏に話を聞いた。

  • TEXT BY NAOKI MORIKAWA
  • PHOTO BY SHINICHIRO FUJITA
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大手のお客様が解けない製品の技術課題を解決し、ニーズを実現するのがeSOLの仕事

日本のエレクトロニクス産業の繁栄を支え続けた組込みOSのTRONをベースとする「eT-Kernel」や、前回の権藤氏の話にも登場した「eMCOS(エムコス)」を自社プロダクトとして保有するeSOLは、製造業のみならず流通業や医療領域など幅広い産業界で「モノを動かすOS」をベースにした開発ソリューションを展開している。

クルマの自動運転のように華々しく時代の先端を行く領域で強みを発揮するばかりでなく、ありとあらゆるモノがマイコンを搭載する現代社会の様々な場面において価値を提供。「知られざる国際的プラットフォーマー」ともいえる存在だ。

だが国内で「技術者集団」というと、どうしても完成品を製造するメーカーのエンジニアや、SIerなどでシステムエンジニアリングに従事するいわゆるITエンジニアばかりをイメージしがち。組込みソフトウェア、組込みOSの技術者が最前線でどんな仕事を担っているのかは想像しづらいところだ。

植田たしかに組込みの世界に触れたことのない人にとっては、イメージしにくいでしょうね。eSOLのエンジニアは「クライアント企業のエンジニア工数を補うために常駐する」というような働き方をしているわけではありませんから。

でも、決して現実味の薄い専門領域というわけではないんです。むしろSIのITエンジニア以上に身近なモノに私たちは関わっていることが多い。

わかりやすいところで言えば、様々な家電品やAV機器にはたいていマイコンが搭載されているわけで、そういった領域で新製品や新機能を開発することになった場合には、我々のようなエンジニアが必ずと言っていいほど参画しているんですよ。

中内例えば、どんなモノであっても「こういう操作をしたら、こう作動する」ように設計するためにマイコンの力を用いたりするわけですが、そうした操作や作動を実現するアプリケーションがきちんと機能するようにマイコンを制御するのが「組込みOS」です。

ですから、家電品だけに限らず、本当に世の中にあるいろいろなモノに当社のOSが組み込まれていたり、関連ソフトウェアが連動していたりします。例えばロボットを動かすおおもとの技術も組込みOSだったりするわけです。

植田当社の主力プロダクトとなっているのは「eT-Kernel」や「eMCOS(エムコス)」ですが、他にも多数のプロダクトがあります。

それらをお客様である企業とのプロジェクトで製品に搭載し、実装していくのが我々の仕事ですが、新しい機能を加えたり、新製品として差別化していくための機能を実現したり、といったチャレンジでは、搭載されているマイコンの力をどこまで引き出せるかが問われたりします。

そうしたチャレンジが発生した場合に、試行錯誤をしながらクライアントのニーズに沿うように開発や改善を進めていくことも重要なミッションになります。

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新卒研修でも「基板」がセット。開発したプログラムで「モノ」が動く仕組みがわかる喜び

より具体的な仕事のイメージにつながったのは、新人研修についての話題の時だった。いわゆるIT系のSEであれば、パソコン画面にくぎ付けになりながらプログラミング等の作業のためキーボードを叩き続けるような研修となるところだが、eSOLの新人はパソコンとともに製品を動かすために用いる基板を渡されるとのこと。

植田マイコンに携わるエンジニアですから、もちろんプログラミングも行いますが、それが単にシステム上でまともに動くだけでは駄目。つないでいる基板にきちんと命令が伝わり、求めていた作動をするように調整していかなければいけません。

モノを動かすためのマイコン技術に携わるわけですから、基板の方もいじったりして、どこか独特の生々しい情景になっていくんですよ(笑)。

中内座学の講義を聴いて、言われた通りにやったつもりでも最初は思うように動きません(笑)。だから座学とワークショップが常にセットになって進むような研修スタイルなんですが、正直しんどい。

先ほど植田が言ったように、実際の現場でも試行錯誤の繰り返しが当たり前にあるのですが、うまくいくと目の前にある「モノ」が作動しますから、いつしかそれが面白くなっていくんですよね。

植田マイコンというのはカーネルとかOSが正常に備わって初めて動き出す代物で、それができていなければ、どんなに高機能なアプリケーションを載せたところでウンともスンとも言いません。

WindowsやMacOSがなければPCは「ただの箱」。一般向けのアプリケーションソフトが何も作動しないのと同じです。

ですからeSOLの人間は、マイコンというものの根本的な構造や仕組みを最下層のレイヤーまで理解しきらないといけないんです。

当然、難しいことも覚えなければいけないものの、理解できてくると表層しか知らない人間には体験できない面白味を感じられますし、構造がわかっているからこその発想とそれを実現する力も手にすることができるんです。

中内なぜ動くのか動かないのかを根底から理解できてしまえば、やれることというのもどんどん増えていきます。マイコンが持っている能力をどこまで最大限に引き出せるかは、OSを担うエンジニアにかかっているわけで、それが自分たちの誇りにもなるし、やりがいにもなるんです。

植田氏によれば、例えば昨今のクラウド前提のシステムで何か新しいことをしようとした場合、「サーバやインフラはそもそもなぜ動くのか?」に関わる基礎知識などなくても、面白い機能を備えたアプリケーションを作って、すぐにでも動かすことが可能だという。

「クラウドやインフラが何をしているのか知らなくても、アイデア1つでアプリケーションを作って勝負できる」というレイヤーで面白さを追求するのなら、そういう会社はいくらでもあるだろうけれども、あくまでも与えられたインフラやシステムの能力に左右される。

そのため、今までにない飛び抜けた何かを作動させようとした時、既存のシステムに限界があれば、そこで挑戦は終わりだ。

ところがマイコンの底の底まで知り尽くしたeSOLのエンジニアならば、そもそもの「一般的な技術の限界値」さえ突破するような挑戦だって可能、というわけだ。

植田私にしても中内にしても、「自分たちで次の技術のスタンダードを創る」ところを面白いと感じる人間だから、どんなに難易度が高くても、むしろそれがやりがいになっていたりするんです。

ですから、今でも採用面接などでは志望者の皆さんにはっきりと「他の技術会社との違い」をご説明します。

技術基盤が整った環境でアプリケーションを中心に組み立てていくエンジニアになるのと、技術基盤そのものを構築して可能性の幅を広げていくことに喜びを感じるエンジニアになることとの「違い」です。

後者に強く惹かれるものを感じてくれる人であれば、きっと私や中内のように夢中になると信じていますので。

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文系学生も大活躍?技術的スキルよりも重要なものは、独自の解決策を思いつく「発想力」

ここまで聞かされると、植田氏、中内氏の2人がともに文系出身であることが不思議に思えてきた。特に植田氏はITとはまったく縁がなく「金融機関ばかり受けていて、技術系企業はeSOLしか受けていなかった」というのだ。いったいどんな動機でeSOLに入社したのだろうか?

植田就職活動ではITにはまったく興味がなかったんですよ(笑)。それでも、世の中に新しい価値を提供していくような仕事がしたい、という大まかな願望は持っていました。

そんなあるときeSOLの創業メンバーでもある前社長が説明会に登壇し、「あたりまえのことをやっていても価値なんて生み出せない。チャレンジをした集団だけがそのチャンスを得ることができる」というような、非常に前のめりな話をしてくれたんです。

単純かもしれませんが、この話を聞いてすっかり乗り気になってしまい、技術系企業としてはeSOLだけを受けて、そのまま入社をしました。

ですから、予備知識も何もない中で入社当初からエンジニアとして働きはじめて、最初は苦労もしましたが今に至るまで20年間一貫して技術の世界で働いています。

では、文系とはいえITに心酔していた中内氏のほうは、すんなりeSOLを選んだのかというとそうでもなかった。

中内就活は当然のようにものづくりをするIT系企業ばかりでした。

でも、私としては与えられた仕様書通りにプログラミングするだけのようなところでは働きたくなかったし、ITやコンピュータが持っている可能性に夢を感じていたので、若いうちから新しい事業やサービスやモノづくりに携わりたい、という意志が強かったんです。

それなら起業をする、という選択肢もあったかもしれませんが、うちは父が自営業だったので小規模なプレイヤーがどういう苦難を乗り越えなければいけないのか、という姿をいつも目にしていました。

「それなりの規模と安定した経営基盤があって、できれば突出した技術的な強みも持っていて、なおかつ私のような若手にも裁量を任せてくれるところ」というのを見つけ出そうとしたんですが、なかなかありませんでした。

私のこうした願望を前向きに聞いてくれる企業さえ滅多になかったんです。ところがeSOLでこの話をしたら、「いいじゃないか、面白い」と背中を押す勢いで認めてくれて、ちょっと驚きながらも、喜んで入社を決めたんです。

ITやプログラミングに興味を持っていた中内氏であっても、OSや組込みソフトウェアは未知の領域。当初は失敗も重ねながら経験値を増やしていく日々だったというが、コミュニケーションを重んじるカルチャーが支えになったとのこと。

中内かなり長い間、ここにいる植田が上司でしたから、見よう見まねで私もコミュニケーションの重要性を覚えていったんですが、企業カルチャー云々という以前に、組込みOSの技術者にとってコミュニケーションがいかに大事なのかというのを教え込まれました。

植田結局、当社に限らず受託開発部隊というのは、お客様の要望をかなえるのが使命なのですが、eSOLの場合、いただく案件の大部分が「今まで作っていなかったものを新たに作り出す」ためのもの。

「今までになかったことを新しい製品で実現したい」「その場合、今まで通りのマイコンやOSで良いのか。違うのならば何をどうすれば良いのか」というような、ニーズを整理する力、構想力が問われる課題が必ず登場します。

お客様の多くはアプリケーション領域での技術や知見を持っていますが、それを動かすマイコンやOSについて専門性を持っている企業はほとんどありません。だからこそ、我々にお声をかけてくださるわけです。

中内嬉しいのは「他社に色々問い合わせたけれど断られてしまったからeSOLに相談しよう」というように、多くのお客様から技術力に対しての信頼をいただいている点ですよね。

植田もともと組込みソフトウェアは日本のベンダーが得意とする領域でしたが、グローバルな技術競争もあり、なおかつ多くの業界から寄せられる要望がどんどん複雑にもなって、対応できるだけの技術力をもつ企業が限られていったんです。

おかげで中内が言うように多くのお客様からお声がかかるようになったのは嬉しいのですが、とにかく、一流企業の技術者たちが頭をひねっても解決できなかった難易度の高い課題が次々にeSOLに上がってきます。

そうした複雑な課題解決のためには、お客様とも社内メンバーとも、コミュニケーションが不可欠。自社製品の開発専門のエンジニアとはそこが大きく違います。

中内そのかわり、組込みOSでの専門性を持っていることで、本当に多様な領域の多様な課題と向き合っていくことができる。お客様や社内メンバーとのコミュニケーションを通じて技術面でも成長できるチャンスを手にできるのがeSOLなんです。

「言われたことを言われた通りにこなすだけでは仕事として成立しない」のがeSOLの立場。それゆえに緻密なコミュニケーションが不可欠となるが、だからこそ他では経験できないチャレンジが当然のように生まれてくる。

トップマネジメントたちが発信していた「チャレンジにこそ価値がある」という言葉は、ある意味、難問との対決を常に強いられる立場ゆえ。それを面白いと思って参画してきた植田氏や中内氏だから、今なお前のめりな姿勢で課題に取り組んでいるのだろう。

植田渡された要件通りにプログラムをいじる仕事だったら、結局は単価と納期だけの勝負になり、新興国の技術者や、AIに勝ち目はないかもしれません。

でも、「案件の約9割が直取引」という事実が、グローバル市場においてeSOLにしかできない仕事があることの証明ですよね。私だって、eSOLの手掛ける仕事が「誰でもできる仕事」だったら、20年もここで技術者をやっていませんよ(笑)。

世界中を見渡しても、受託、研究開発、自社製品の開発の3つを、これほどバランスよく手掛けている技術企業を私は知りません。そのバランスの良さが、eSOLの技術、発想力、製品力の源泉を支えていると思っています。

中内具体的に説明すると、例えば5年前のMacを渡されて、そこに今の最新のアプリをダウンロードしたって、絶対に動かない(笑)。

「じゃあ、チップを変えよう」、「OSを進化させないと」ってことになるはずですが、そういったプラットフォームの進化を支える技術開発を、いろいろな製品群やサービスの上で経験できるんです。

お客様である企業は、エンドユーザーに新しい価値を提供して喜んでもらうために知恵を絞りまくるわけですけれども、そのアイデアを形にしたい時、私たちの力を必要としてくれるんです。こんなに面白い仕事ってないですよ。

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リモート勤務OK、新卒6年目でフランス駐在・・・グローバルでチャレンジするからこそのオープン・フラットなカルチャー

今やIoTやCPS(サイバーフィジカルシステム)の活用がどんどん広がり、世の中にあるモノにはマイコンや各種機能の制御モジュールが当たり前に搭載されている。それらを制御するために必要不可欠となった組込みOSは、間違いなく社会を支えるプラットフォームになろうとしている。

そこで圧倒的な技術力を評価されたeSOLのエンジニアは、自動車も、エレクトロニクス製品も、ゲーム機器も、医療機器をも扱い、産業機械や流通の領域でも成果を出す中で、他社では経験できない成長を獲得しているようだ。

しかも、世界レベルのプラットフォーマーである以上、当然と言えば当然だが、顧客企業は国内に限らない。

中内氏いわく「コンピュータで面白いことをやろうとしている企業は世界中にある」のだから、その基盤の担い手としてeSOLに声がかかる。実際に欧州にも支社を構える同社であるが、驚くことに「新卒入社6年目の若手がフランスで働いている」ということからも、いかに若手にチャレンジングな環境を提供していく風土なのかがわかるだろう。

一方でそうなれば、若手にとっての仕事のタフさも増すに違いないのだが、そこはマイコンの能力を知り尽くした集団、「かなり早いタイミングから、当たり前のようにリモートワークが浸透していました」となる。

中内氏などは、時間を見つけては積極的に社外で開催されるハッカソンに参加して、腕を磨き、自分の創造性を磨く時間を楽しんでもいるという。

植田様々な業界の様々な方々と協働する機会が多いおかげで、世の中の会社が進めているいろいろな働き方に対するアイデアにも触れられるよね?

中内それはありますね。働き方だけに限らず、皆がいろいろ見聞を広めて戻ってくるので、それもあって社内のコミュニケーションもかなり充実しますし、「eSOLでもその技術を取り入れてみようか」みたいに、何事も前向きにチャレンジする気風が続いている所以かも知れませんね。

植田技術の進化、社会の進化に適応するように、我々自身も技術基盤のプラットフォーマーとしてチャレンジし、進化し続けなければなりません。

ですから、起業したい、普通で終わりたくないといったような、尖った若手人材がeSOLにどんどん入社し、暴れまわってくれることにこれからも期待したいですね。

DXをはじめ、多くの業界がテクノロジードリブンの変革を進める中、「世界の技術基盤を支えるプラットフォーマー」ともいえるであるeSOLには様々な情報も入ってくる。それらもまた、そこで働く者たちの、独特な喜びの種の1つになっているようだ。

こちらの記事は2020年02月20日に公開しており、
記載されている情報が異なる場合がございます。

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Presented by

執筆

森川 直樹

写真

藤田 慎一郎

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