連載株式会社ハイウェイ
自称「非エリート」のスタートアップが描く、大変革への夢と、泥臭い日々──「製品が正しく全国に広がる世界線」への葛藤・模索、そして見つけた光芒
Sponsored2026年6月、シリーズAラウンドの資金調達を発表し、いよいよ本格的なグロースフェーズへと突入した株式会社ハイウェイ(以下、ハイウェイ)。
SFAやCRM領域の最前線で確かな実績を残してきたプロフェッショナルたちが再集結したチームによる起業。外から見れば、彼らのこれまでの軌跡は、順風満帆でスマートなスタートアップの成功物語に映るかもしれない。
しかし、創業からの5年間という時間は、決して平坦なものではなかった。むしろその大半は、ランウェイが常に半年を切り続けるという息の詰まるような資金的危機と、終わりの見えない試行錯誤の連続だったという。
会社の銀行口座の残高を見て焦りが募り、もっと違う道を選んだ可能性もあっただろう。だが、彼らはそうはならなかった。複雑怪奇な企業間連携のインフラ基盤という難解なテーマに食らいつき、当初の構想を曲げることはなかったのである。
それは、この苦しい5年間が、数兆円以上の規模があるBtoB商流を根本から最適化するという壮大な到達点と、直近の事業計画を矛盾なく接続させるための、緻密で過酷な仮説検証と事業開発の期間として、共に歩き続けるという信頼と覚悟を持っていたからだと言えよう。
「適切なものが、適切なタイミングで、適切な人たちに届く」。そんな商売の正しさが循環する世界の実現を渇望し、未完成のインフラ構築に人生を賭ける3人の創業メンバー。彼らが織りなす、到達点を同じくする者同士の強固な相互補完関係と、その熱源に迫る。
- PHOTO BY SHINICHIRO FUJITA
「商売の正しさ」への純粋な執着
ハイウェイが描くレベニューエンジン構想。その壮大で合理的な事業設計を突き動かしているのは、極めて泥臭く、ピュアな「商売の正しさ」への渇望である。
SFA/CRM領域で経験を積み上げてきたプロフェッショナルたちは、なぜ一社完結のツール開発という定石の道を捨て、あえて複雑怪奇な「企業間連携(パートナー商流)」という難題に挑む決意を固めたのか。
その原点は、代表である久保氏の地方営業時代にまで遡る。
久保私は新卒でソフトバンクに入社して、広島を拠点にさまざまなIT製品やクラウドサービスを地方の中小企業へ営業して回っていました。その時、現場のリアルな商流の中で一番もどかしさを抱え、苦しんでいたのは、実はエンドユーザーではなく、彼らに製品を届ける「代理店の営業担当者たち」だったんじゃないかと、私は思うんです。私自身もその一人でした。
地方の企業にとって、地元のIT代理店は自社のことを誰よりも分かってくれている「ITのかかりつけ医」のような存在です。しかし、属人的な経験に依存しているがゆえに、メーカーからの最新情報が届いていなかったり、自社の取り扱い商材の縛りがあったりして、顧客の課題に対して最適な提案ができない。結果として、お客さんには、彼らの本当の課題とはマッチしていない、不適切なITツールが導入されてしまうことすらあり得るのが実態だと思います。
つくり手がどれほど素晴らしい製品を生み出しても、商流の限界により、情報格差は激しくなり、真に必要としている人の元へ届かない。この構造的な欠陥を解消しなければ、日本のIT化は正しい方向に進まない。そんな危機感を覚えるようになったという。
久保「本当はあのメーカーの新しいシステムを入れるのがこのお客さんにとっては一番良いのに、仕入れのルートがないから、うちで扱っている昔ながらの別の製品を売るしかない」。
そんなジレンマを抱えながら、不本意な商売をせざるを得ない代理店の人たちの苦悩を、私は現場で何度も目の当たりにしてきました。あの頃、鳥取や島根の道を車で走りながら感じた「適切な製品が、それを本当に求めている企業へ迷わず届く構造をつくりたい」という強い義憤のようなものが、今でも私の根底にあるんです。
一方で、開発の最前線でコードを書き、プロダクトを指揮していた技術責任者の隅田氏と、ビジネスを統括していた中村氏もまた、SFA/CRMというシステムそのものが抱える構造的な限界に対して、モヤモヤを抱え始めていた。彼らは、ハイウェイを創業する以前、CRMスタートアップの初期メンバーとして、長年同じ苦悩を共有してきた仲なのだ。
隅田前職でCRMの開発に深く携わる中で、常に大きな葛藤がありました。
私たちがどれほど洗練されたUIを設計し、現場の入力負荷を極限まで下げる努力をしても、結局のところ、現場の営業担当者にとってシステムへの入力作業は「マネージャーに言われたからやる、無給の報告業務」だと感じるユーザーさんが残り続けてしまっていたんです。
中村データを入力すること自体が目的化してしまう。それに、入力した結果として「自分たちの明日の売上がどう上がるのか」が現場ではっきりと見えるわけでもない。
現場にアウトカム(成果)が還元されないシステムは、どれほど優れた分析機能を持っていようと、最終的には形骸化して使われなくなってしまう可能性がある。
隅田「入力負荷を下げれば、CRMは本当に使われるようになるのだろうか?」という疑問と常に戦っていました。
次に誰と組んで何を売ればいいのか、どの顧客にどのアプローチをすれば自社のリターンに直結するのか。そうした「売上という尺度」での提案が即座に返ってくるアーキテクチャに至ることができなければ、CRMが本当の意味で営業を支えるシステムにはなり得ないと感じていたんです。
「適切な製品を適切な人に届けたい」という、久保氏の商流・流通網に対する想い。そして、「現場にアウトカムを還元するシステムをつくりたい」という、隅田氏と中村氏の技術者・事業家としての葛藤。一見すると異なる立場から生まれたこの2つの強い想いは、やがて「情報管理と実際の取引を完全に統合したインフラをつくる」という大義のもと、集結することになる。
久保管理のためだけのデータベースではなく、実際の取引を動かし、営業担当者に直接的なリターンをもたらすものをつくりたい。
だから私たちは、起業の時に「CRMではなく、レベニューエンジンをつくるんだ」とはっきり宣言したんです。営業の業務を根本から革新し、現場に確かなアウトカムをもたらすために。
こうして、ただの仲良しチームではない、到達点を同じくするプロフェッショナルたちによる過酷な挑戦が幕を開けたのである。
理想と設計図が噛み合った、確信のシナジー
それぞれの領域で確かな実績を残した優秀なプロフェッショナルが複数人で起業すると、往々にして方向性の違いから衝突や分裂が起きるのがスタートアップの常である。しかし、ハイウェイの創業メンバー3人から、そんな気配は微塵も感じられない。
投資家や採用候補者からも「3人のバランスが奇跡的だ」と評されるほど、彼らは強固な一枚岩である。なぜ彼らは、これほどまでに同じ方向を向いて走り続けられるのか。
その理由は、代表である久保氏が掲げた「途方もない理想」に対し、事業を統括する中村氏と、技術を統括する隅田氏が、それぞれの視点から「この難解な設計図こそが唯一の正解だ」という絶対的な確信のシナジーを生み出したからである。
しかし、そのようなロジカルな考えから集まったわけでもなかったのだという。
久保私がこの2人を誘おうと思ったのは、正直に言うと「ビジネスや開発の面で優秀だったから」という理由からではないんです。もちろん、そういう力に対する強い信頼はあります。ですがそれ以上に大事なものがありました。それは「難題から逃げず、向き合い続ける」というスタンスです。
私たちは前職時代から、Salesforceに立ち向かうような、できるわけがないと言われる途方もないチャレンジを一緒にやってきました。その時からずっと、「一緒に歩き始めたら、いつまでも一緒に歩き続けてくれるだろう」という感覚があったから誘ったんです。
隅田歩くと言えば、冗談みたいな話ですが、文字通り創業の時に3人で42キロ歩いてみようというのをやったんです。その中で極限状態にもなって、互いの本性が見えるかもねみたいに考えて、実験的に(笑)。
12時間くらい歩き続けて、疲れて、足が痛くなって⋯⋯でも、ケンカになるとか、やめようと喚くとか、そんなことにはならなかったんです。
中村隅田さんだけは普段からしっかり鍛えていたので、つらそうじゃなかったんですけどね。私たち二人は本当にキツかった⋯⋯。でもなんとか乗り越えました。
隅田やり切りましたよね。
久保たまたま昔のエピソードとつながりましたが(笑)、こういう創業メンバーなんだという等身大の様子が伝わるといいなと思います。
最近も、スタートアップを起業することが、なんだか一部のハイキャリアな人たちのものみたいに見えるところもあるじゃないですか。外資系企業出身者だとか、あるいはシリアルアントレプレナーだとか、そういう人たちの会社が多額の資金調達をして話題をさらっていくような。
でも私は、そうではない普通の人たちが起こす一発逆転のストーリーも、スタートアップの醍醐味なんじゃないかと思っているんです。そういうチームなんです。
中村「雑草系スタートアップ」みたいな感じですかね(笑)。
中村起業に際してビジョナリーな想いを圧倒的に強く持っていたのが久保でした。私と隅田さんは、経営陣として事業や技術をどうすべきかというコミットメントは強く持っていますが、自分たちからゼロベースで「絶対にこの世界をつくるんだ」とゴールを設定できるタイプではありません。
だからこそ、数兆円以上の規模の市場を変えるという途方もないビジョンを語れる久保さんが代表をやるのが自然でしたし、誰も疑問を持ちませんでした。私たちは、そのビジョンを聞いた時に、「なるほど、その理想を現実のビジネスモデルに落とし込むなら、このルートが一番レバレッジが効く」と、それぞれの得意領域で一瞬にしてパズルが組み上がっていく関係性を保ち続けていますね。
隅田特徴が、見事にかぶっていないんですよね。それぞれに強みと弱みがあって、そこを補完し合える関係性が自然と出来上がっていました。
とはいえ、久保の言う「エコシステム全体を繋ぐ」という構想は、裏側のシステムをつくる側からすれば悪夢のような複雑さを孕むものです(苦笑)。既存のSFAは「一つの会社の壁の中」で完結する閉じたデータベースですが、私たちがつくるべきは、マルチテナント環境下で別企業同士の機密データを突合させる複雑な権限基盤ですから。
A社とB社のデータを安全に繋ぐだけでも大変なのに、そこにC社やD社が絡み、互いの力学や商圏を考慮しながらデータの閲覧権限を動的に制御しなければならない。でも、技術者としてこれほど解きがいのあるパズルはないとも感じました。前職で感じていた「入力しても現場にリターンがない」というCRMの限界を突破するために、この複雑なデータ連携を解き尽くせば、新しい景色が見えるかもしれない。そしてさらにそれを汎用化することができれば、本当に前例のないインフラになる。ワクワクしましたね。
中村事業の側面から見ても、既存のCRM市場で今からSalesforceと同じ土俵に立つ勝負になってしまっては、さすがに新参の私たちに勝ち目はありません。
だから、戦う土俵を変える必要があり、その試行錯誤にはかなり苦労してきました。それでも、メーカーが使い始めれば、連携する代理店へとネットワーク効果でシステムが広がっていく。局所的な業務改善ツールではなく、取引全体を最適化して新たな収益を生み出し続ける「レベニュー・インフラ」へと事業を拡張できる。私自身も、「これは従来のSaaSビジネスの枠を大きく超えた、とてつもないスケールのビジネスになる」という確信があったことから、諦めることなく取り組み続けてこれました。
「適切なものが、適切なタイミングで、適切な人たちに届く」という、あるべき商流の姿。その到達点に向けて、見事に噛み合う三人だったのだ。
77個もの機能開発は、迷走?それとも、必要な道?
だが、熱い想いや信頼、そしてチームワークがあったとしても、まったくもってうまくいくとは限らないのがスタートアップだ。描いた理想を現実のプロダクトへと落とし込み、市場に問うていく日々は、想定を遥かに超える迷走と試行錯誤の連続だったという。
前回の戦略解剖記事でも紹介したように、複雑なアカウントマッピング基盤の開発や、PRM市場での勝負は、いずれも想像していたような良い結果につながらなかった。
中村アカウントマッピングという機能単体では、世の中にまだ分かりやすいカテゴリーがないため、どうしても売りづらかった。それでも、キャズム理論で言う「イノベーター層」の一部には導入・活用いただき、ユースケースを蓄積していくことはできました。
そこからなんとか導入数を広げていくべく、すでに市場が存在していたPRM(代理店管理ツール)の領域に、あえて思い切り寄せに行きました。
隅田PRM市場での勝負においては、「つくるべき機能の基準」みたいなものが市場にある程度存在していたので、当初は開発を進めやすいとも感じました。しかし、いざ商談が進んでいくと、単価がものすごく安い戦いになることがわかりました。
中村導入が進んだ部分もあったものの、なんだか、提供している価値が薄くなっている感覚が拭えず、単価感の課題よりも深刻な話として「これでは目指すインフラにたどり着けない」と危機感を覚えるようになりました。
久保そうしてPMFを模索する中、数年間でとてつもない数の機能をつくってしまいました。資料の共有ができる、ポータルサイトをつくれる、ターゲットリストもつくれる、さらにはAIも使える……その数、なんと77個。
でも、それらがどのような思想から生まれたのか、どのように連携されていくのか、そして、顧客にどのような価値を提供するのか。その説明を考えても、一貫したストーリーが見えなくなってしまった。
中村それぞれの機能で個別の課題解決はできているはずなのに、全体として何の価値を提供しているのかが言語化できない状態が続きました。ただの「機能の羅列」になってしまっていたんです。
この行き詰まりを解消するカギは、やはり「顧客の現場」にあったという。
久保ある時、はっきりと気づいたんです。私たちがつくったこの77個の機能は、すべて「メーカーの人が代理店から聞かれていることへの回答」だったのだと。
現場で毎日何度も起こっている「今すぐあの役員資料をください」「この製品の見積もりを出してください」といった要望。そうしたコミュニケーションにまつわる、極めて泥臭い「支援業務」の集合体になっていた。
中村久保がまずぼんやり気づき、3人で話しながら理解を深めていって「そうか、これだったのか!」と、雷に打たれたような感覚になりました。
要は、私たちは、メーカー都合で代理店を管理するツール(≒PRM)をつくっていたのではなく、代理店との間で生じる非効率なアナログコミュニケーションを起点として取引を滑らかにできるインフラをつくっていたんだ、と。ここで、いくつもの点が一気に繋がり、線どころか面になっていきました。
しかし、こうしたブレイクスルーへと至る裏側で、スタートアップとしての極限状態にも立たされていた。エンタープライズの複雑な要件に向き合い、試行錯誤を繰り返す中で、手元の資金は何度も尽きかけていたのだ。
中村キャッシュは本当に底をつきかける連続でした。2023年頃からずっと、ランウェイ(資金が尽きるまでの期間)が半年を切る状態が続いていて。
隅田焦るどころか、もう、その状況を笑うしかなかったですよね。
中村シリーズAの資金調達の寸前で、いくら計算しても月末のお金が足りないことがわかったこともありました。そこで、私たち3人の給与振り込みを遅らせたりもしました。
もしかしたら、キャッシュの危機に際して、開発難易度が低いプロダクト開発へとピボットする道もあったかもしれない。だが、そうはならなかった。彼らが「企業間を繋ぐインフラ構築」という途方もない構想から逃げることなどないわけだ。
久保私たち3人の中で「最終的に情報管理と取引を統合したエコシステムのインフラをつくる」という最終到達点への確信だけは、どれだけキャッシュが厳しくても一切揺らぎませんでした。
中村ランウェイが切れる寸前でも焦って別の道に逃げるのではなく、「私たちの最終到達点へと向かう道筋の中で、今この瞬間、最も顧客が痛みを抱えていて予算が出せるのはどこか」を極めて冷静に探してきました。それが、エンタープライズ規模のメーカー企業向けの代理店支援業務だった。そこにフォーカスを絞り、着実に階段を登っていくという判断ができたんです。
隅田機能開発のリソースすら足りない中で、エンタープライズからは複雑な個別要件(カスタマイズ要求)が次々と寄せられます。でも、それを特定の会社のための「受託システム」にしてしまっては意味がない。複雑な業務要件をどうやって抽象化し、将来のエコシステムを支えるマルチテナントのインフラとして汎用化するか。アーキテクチャの整理と実装に、狂ったように向き合い続けていました。
提供:株式会社ハイウェイ
ただの精神論やビジョンへの逃避ではない。危機的状況下における冷徹な事業判断と、エンタープライズ企業のドロドロとした個別要件を「汎用インフラ」へと昇華させる泥臭い開発。この5年間の過酷な蓄積こそが、他社には決して真似することのできない、現在のハイウェイの最大の武器となっているのである。
少数精鋭で数兆円市場にレバレッジを効かせる組織戦略
資金難を乗り越え、エンタープライズ企業が抱える複雑な課題へとフルスイングしたハイウェイ。しかし、彼らが日々向き合っている開発やビジネスの現場は、世間が想像するスマートで華やかなスタートアップのSaaSビジネスとは対極にある。
中村ビジネス開発やCS(カスタマーサクセス)の役割も、世間一般的なSaaSのそれとは全く異なります。ただプロダクトの操作説明をして、決まったレールの上でオンボーディングすれば終わるという世界ではありません。
顧客の複雑な基幹システムとの連携や、何重にも絡み合った商流のルールを解き明かすために、私たち自身が顧客の業務フローに深く入り込む必要があります。場合によっては、顧客自身すら自覚していない業務の矛盾をこちらが言語化し、システム化できる部分を提案・設計する「FDE(Forward Deployed Engineer)」に近い動きが求められるんです。
隅田そうですね。だから、いわゆる「キラキラしたスタートアップ」を想像して、理想のビジョンだけに共感して入ってくると、足元のあまりの泥臭さにギャップを感じてしまうかもしれません。エンタープライズの複雑な要件に柔軟に応えるため、内部的には一見するとSI(受託システム開発)のような動きもしています。
しかし、もちろん私たちはSIer型のビジネスをやりたいわけではありません。目の前の個別要件を解読し、それをいかに抽象化して、将来のインフラとなる汎用的なシステムとして昇華させるか。ここが一番難しく、一番面白いところなんです。
この「泥臭い業務理解」と「高度な抽象化」の往復。それこそが、AI技術が急速に進化するこれからの時代において、組織の最大の競争力になると彼らは確信している。
隅田今後、ただコーディングをするだけなら、AIが簡単にやってくれる時代になります。そうなった時、エンジニアの価値はどこにあるのか。それは、顧客の真の課題を理解してシステムに落とし込む設計力と、AIの出力に対して明確に「ノー」を突きつけられる判断力です。
実際、私たちの開発現場でもAIコーディングエージェントをフル活用していますが、AIは時に「AIスロップ」と呼ばれる低品質なコードを大量に生成します。それをそのまま鵜呑みにすることなど、あってはなりません。人間の知識と感覚で厳格にレビューし、弾き返す。AIが3つの選択肢を出してきた時に、「これとこれを組み合わせれば、もっとシンプルで拡張性のある4つ目や5つ目の正解がある。それらも含めてフラットに検討し、意思決定を重ねる」と導き出せるかどうかが問われているんです。
私たちは少数精鋭のチームで、エンタープライズの事業に貢献できる堅牢なシステムを開発・運用し続けることで、数兆円市場のインフラを生み出していくんです。だからこそ、コードのパターンを最小化し、極限までシンプルに保つことでメンテナンス性を担保するという「品質への執着」は絶対に譲れません。
AIを単なる効率化の魔法として使うのではなく、AIの限界を見極め、人間ならではの高度な判断力と業務理解でインフラを設計していく。一瞬で業界を変革する「銀の弾丸」は存在しないという冷徹な事実を、彼らは誰よりも深く理解している。
久保数兆円規模のBtoB商流という市場を根本から最適化し、レベニュー・インフラをつくり出すというビジョンは、間違いなく日本の未来にとって必要なものです。少子高齢化で人が減っていく中、少ない人数でレバレッジを効かせる営業の仕組み(労働代替インフラ)をつくらなければ、日本の経済は停滞してしまいますから。
しかし、そこへ辿り着くための近道などありません。地方の企業にITを届けるには、必ずそこに複雑な代理店やパートナー企業が入り込んできます。だからこそ、私たちが泥臭く彼らの業務を解読し、AIの力で支援するインフラを整えなければならない。
この途方もなく難解で、だからこそ最高に意義深い「インフラの設計図」は、まだ完成していません。魔法の解決策がないことを面白がり、共にこの複雑なパズルを解き明かしてくれる仲間を、私たちは探し続けています。
資金ショートの危機を笑い飛ばし、安易な市場に逃げず、到達点への確信だけで極限の試行錯誤を駆け抜けてきた3人のプロフェッショナルたち。
彼らが敷設する次世代のエコシステム・ハイウェイ。その未完成の巨大なインフラの先には、誰も見たことのない「商売の正しさ」が循環する、新しい日本の景色が待っている。
【併せてどうぞ】ハイウェイ社の戦略全体を解剖した特集記事
こちらの記事は2026年06月18日に公開しており、
記載されている情報が現在と異なる場合がございます。
写真
藤田 慎一郎
連載株式会社ハイウェイ
2記事 | 最終更新 2026.06.18おすすめの関連記事
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