連載株式会社ハイウェイ
非・直販セールスパーソン500万人を救う、唯一のプロダクトに──数兆円市場の変革へ、ハイウェイが描く「製品が正しく全国に広がる世界線」に迫る
Sponsored生成AIの進化により、新たなITプロダクトがかつてない速度で生み出される時代となった。その「つくる」技術の爆発的な進化に伴い、今、それらを全国の企業へ「届ける」ために、セールスパーソンのエンパワーメントこそが重要なフェーズに入っていると言っても過言ではないのだが……そうしたイメージを持っている人はまだまだ少数だろう。
日本のBtoB商流は、複雑怪奇だ。実はメーカー/ベンダー所属の直接販売セールスパーソンは全国で60万人ほどの規模にとどまるのに対して、パートナーセールスなどを担う間接販売型セールスパーソンはその数倍以上の500万人以上にのぼると見られるのだ。
その現場は長らく、「人と人との強固な信頼関係」と、「手厚い労働集約型のビジネスモデル」によって支えられてきた。だが労働人口の減少が進む日本において、この状態がサステナブルであるとはとても言えない。現場の疲弊はすさまじく、デジタル化の恩恵もなかなか届いていないのだという。
そんな「日本のBtoBセールスの、本当の現場」に着目し、AIネイティブなプロダクトによって一人ひとりのセールスパーソンに支援を届けようと取り組むスタートアップがある。2026年6月にシリーズAの資金調達を発表した、株式会社ハイウェイ(以下、ハイウェイ)だ。
現在展開しているCRM・PRMとも称することのできるプロダクトは、あくまでも、全国のセールスパーソンを徹底支援していくための最初の手段に過ぎない。AIネイティブな開発思想をフルに取り入れ、既存の巨大流通プレイヤーとも共存・補完し合い、現場のアウトカムにつながる支援を滑らかに実現していく。Salesforceと似たプロダクトになっていきそうに見えるかもしれないが、その背景にある想いは全く異なるものであり、日本の産業構造・営業構造(商流)を踏まえた独自のアプローチとして、非常に興味深い挑戦になっている。
その戦略・構想の全貌を、創業メンバー3人の声も借りながら、解剖していく。
日本の営業の「真の姿」。実は存在する500万人もの規模
ハイウェイが目指す「レベニュー・エンジン」。それは、全国津々浦々で駆け回るセールスパーソンに対し、力強い支援によって、営業成果を急拡大させる仕組みというイメージだ。
この仕組みにたどり着くためには、自社内のデータを扱う従来のSFA/CRMの限界を大きく超えていく必要がある。その理由は、扱うデータ・情報の範囲を広げる必要があるというだけではない。そもそも、日本のBtoBの商流において、エンドユーザーに直接製品を届けるセールスを担うのは、私たちが想像するような「メーカーの直販営業」ではないという点が重要になる。
なんと、総務省の労働力調査等を基に推計すれば、「間接販売」を担うセールスパーソンは、国内に500万人以上いることになる。
日本の労働力人口の中で営業職に従事する人(以下セールスパーソンと呼ぶ)は約810万人(全労働者の約12%)。そのうち6割以上が間接販売、つまりパートナーセールスの現場を担う存在なのだ。
*……推計の根拠となる細かな内訳や出典
政府統計および各業界団体の公開データから各分野のデータを積み上げると以下のようになる
直販営業:「機械器具・通信・システム営業職業従事者」等が約60万人(国勢調査・労働力調査等の推計に基づく)
間接販売(代理店等):卸売業や販売店に属する「販売店員」が約316万〜343万人(国勢調査)。これに加えて、損害保険の代理店募集人が約177万人(日本損害保険協会 2024年度)、自動車ディーラーの営業職が約8万人(日本自動車販売協会連合会 2023年)、医薬品卸売業の従業員が約5万人(日本医薬品卸売業連合会 2023年)存在している。これら広義の代理店や中間流通を担う人員を合算していくと、優に500万人を超える規模となる
すでに商流が確立された既存産業だけでなく、最先端のIT・SaaS業界や、これから爆発的に普及するAIサービスの分野でも、現在はまだ直販が主流であるものの、市場規模の拡大に伴い、おそらく同様の構造が見られるようになるだろう。物理的な制約のないデジタル商材であっても、エンタープライズ企業や地方市場の複雑な課題を紐解きながら提案・導入を進め、一般化するほどの状態へと進むためには、パートナーセールス(代理店経由での販売)の介在が不可欠だからだ。
つまり、日本のビジネスにおいてエンドユーザーへの「ラストワンマイル」を担うセールスとは、地域や業界に強固なネットワークを持つ無数の代理店(パートナーエコシステム)の仕事であり、その現場で奮闘するセールスパーソンたちが今後の流通においても重要になるのだ。
久保AIがどれほど進化して、それによってメーカーや代理店それぞれの生産性が上がったとしても、企業間連携の部分はおそらく、このままでは従来のまま。
労働人口が減っていく中で日本全体の生産性を底上げするためにも、現場で走るたくさんのセールスパーソンたちをテクノロジーで直接支援したいと思っているんです。
500万人規模にのぼるパートナーセールスの巨大な商流。その中をシステムとして滑らかに繋ぎ、一人ひとりを確実にエンパワーメントしていく。これが、ハイウェイの掲げる大義なのである。
それは、労働人口の減少が避けられない日本において、あまねくDXやAX(AI・トランスフォーメーション)を広げ、生産性を維持・向上していくという、不可欠な社会課題解消にも直結する。
ハイウェイのプロダクトは、500万人以上にのぼる日本特有の間接販売セールスパーソンたち一人ひとりの日常に、変革をもたらす──そんな前例のない挑戦を進めている。
現場一人ひとりの支援のため、メーカーと代理店の関係性はフラットに
500万人が動かす代理店エコシステムをデジタルで繋ぎ、エンパワーメントする。この巨大な命題に対し、近年、世界中で「PRM(パートナー関係管理)」と呼ばれるツールが次々と生まれてきた。
しかし、ここで一つの疑問が生じる。「すでに世界的なシェアを持つSalesforceのような巨大SFA/CRMや、日本特有の課題に特化した国産のPRMツールを使えば、この課題は解消されていくのではないか?」と。
結論から言えば、そう単純な話ではない。ハイウェイのアプローチは既存のどのプレイヤーとも明確に異なる。
現在のPRM市場の主要なプレイヤーは、大きく2つに分かれる。1つは、グローバルなSFA/CRMに代表される「メーカー直販プロセスの延長」というアプローチを選んだプレイヤー。自社の強力な顧客データ基盤の先に代理店を配置し、トップダウンで管理するアプローチである。もう1つは、国内の新鋭SaaSが取り組む「代理店の現場業務の効率化」というアプローチを選んだプレイヤー。パートナー報酬の自動計算やeラーニングなど、泥臭い個別業務をボトムアップで支援するアプローチだ。
どちらも、特定のステークホルダーにとっては極めて重要なツールである。しかし、ハイウェイが目指す「レベニュー・エンジン(営業現場で新たなアウトカムを生み出し続ける仕組み)」を完成させるためには、これらとは全く別の、日本市場における複雑な「構造的欠陥」を解きほぐす必要があった。
それが、企業間でどうしても避けられない、「情報の囲い込み」と、そこから生じる「複数の代理店による顧客の奪い合い(提案のバッティング)」である。
いくらメーカーがシステム上で代理店と案件を共有したくても、代理店にとって長年開拓してきた顧客リストは生命線であり、安易にメーカーや他社に手の内を明かすことはできない。どれほど優れた管理ツールを用意しても、企業間連携は機能不全に陥ってしまう。
だからこそハイウェイがまず目を付けたのは、メーカー都合のデータ統制でも、特定業務の効率化だけでもない。彼らが狙うのは、メーカーと代理店がフラットに案件を創出する「共同営業のインフラ」である。
提供:株式会社ハイウェイ
彼らは独自の「アカウントマッピング」技術を用い、企業間の機密データをセキュアに突合させる。互いの具体的な商談内容などは強固に秘匿したまま、「この顧客には現在すでに別の代理店がアプローチ中である」といった状況の可視化だけを安全に行い、バッティングを未然に防止するのだ。
イメージしやすい「商談/案件の管理」というレイヤーで勝負するのではなく、「現場で営業先開拓に無駄を生まない」という実際の業務に寄り添うのが、ハイウェイらしさでもある。そうして、最終的には受発注までを包含する取引のインフラへ。これこそが、ハイウェイが描く独自のアプローチであり、大きな産業変革への道筋なのである。
PRMの先の景色。「入力」ではなく「支援」で現場を動かすAIアシスタント
管理ではなく、セールスパーソンの現場業務を起点とした取引のインフラをつくる。この独自構想を現実のものとするために、ハイウェイはさまざまな試行錯誤を進めてきた(この詳細は、続編となる創業メンバー3名の鼎談記事にてぜひ知ってほしい)。
先ほど触れた「アカウントマッピング」を中心としたプロダクトとして、エンタープライズのメーカー向けPRMとしてマーケティング・セールスを進めてきた。これは一部で確かな支持を得るようになった。
だが、「レベニュー・エンジン」を完成させるために必要な、「代理店のセールスパーソン」への価値貢献は、なかなか明確化できずにいた。本記事冒頭でも指摘した通り、現場に対して、管理ツールへのログインや入力を期待する構図。この部分がまだ、従来のSFA/CRMとあまり変わらない状態にとどまっていたのだ。
セールスパーソンたちに必要な支援とはどういうものなのか?ゼロベースで改めて探るため、現場の動きをつぶさに観察した。「現場の動きなど、すでにわかっているつもりでした。けれど、敢えてじっくり見つめなおしてみたんです」(久保氏)。
そうして、改めて目に留まったのが、「今から提案に行く顧客に見せるための、最新の役員向け資料がすぐ欲しい」「案件が決まりそうだから、早く見積もりを出してほしい」といった、緊急性の高いコミュニケーションの連続だった。
そうした現場の実態に向き合うことなく、メーカー側・ディストリビューター側の都合で「まずはシステムにログインして、他社の商談の状況を確認してください。提案を進める場合は、案件情報を入力してください」と依頼をしても、なかなか進まないのではないか──。
現場が欲しいのは「支援」である。なのに、システムはまず「ログイン」や「入力」を要求する。このすれ違いこそが、既存のシステムが現場に定着せず、情報の目詰まりを起こす最大の理由だったのだ。
久保私たちも、パートナーポータルにログインしてもらうことが正義だと思ってしまっていた。「便利だからログインしてくれるだろう」なんていうのは私たちベンダー側からの都合の良い解釈でしかなかったわけです。
代理店の方々からすれば、そんなことよりも目の前の顧客に出す資料や見積もりがすぐに欲しい。だから電話やメールで連絡をし続ける。
このコミュニケーションを変えさせようとするのではなく、このコミュニケーション自体を吸収する思想を持つことが、私たちの目指す変革につながっていくのではないか。これこそ、AI時代らしいプロダクト開発のアプローチにもなるのではないか。
この深い気づきが、ハイウェイのプロダクトを進化させる引き金となった。彼らが構築するのは、ユーザーに入力を強制するシステムではない。現場で飛び交うメールや電話といった既存のアナログなコミュニケーションから、AIが自動でコンテキスト(文脈)を収集し、入力負荷を排除する「AI営業アシスタント」である。日常の泥臭いやり取りを否定せず、AIエージェントで直接支援する仕組みを実装するのだ。
「支援」が「取引インフラ」へと解け合う、全体最適のプロダクト設計
「今すぐ提案できる最適な資料や見積もりが欲しい」。現場のこのリアルな要望にAIで応えることは、単なる御用聞きや局所的な業務効率化ではない。これは、営業に必要な情報の鮮度を保ち続け、エンドユーザーに最適なテクノロジーを最速で届けるための「取引プロセス」そのものをアップデートするものとして進められている。
具体的な業務プロセスを想像してみてほしい。ある地方のIT代理店の営業担当者が、顧客との商談の中で「ペーパーレス化に向けて電子契約のシステムを導入したい」というニーズを掴んだとする。営業担当者がハイウェイのAIアシスタントにそのニーズを伝えると、AIが最適な処方箋として「この顧客の課題には○○社のサービスが最適です」といったレコメンドと最新資料を即座に提示する。
「まずログインして、案件情報を入力してください」
「今すぐ顧客に出す資料と見積もりが欲しいのに……メーカーに電話しちゃおう」
特筆すべきはここからだ。その画面の裏側では、すでにアカウントマッピングによる商圏の整理や、メーカーとの仕入れのデータ連携が完了している。セールスパーソンたちは、わざわざメーカーに電話をかけて在庫や卸値の条件を確認することなく、手元のシステム上でボタンを数回クリックするだけで見積もりを作成し、顧客へのアカウント発行手続きから受発注まで、このシステム上でシームレスに完結させることができるのだ。そうなれば、ログインもするだろう。
隅田入力負荷を極限まで下げても、現場に売上というリターンがなければシステムは使われません。だからこそ、アカウントを繋ぐだけでなく、最新のナレッジを届け、見積もりや受発注の実務までをシステム上で簡単に進められるようにする。
ここまで実装し切ることで初めて、CRMは「取引のインフラ」という姿へと脱皮できるのだと思っています。
「電子契約のニーズあり。資料欲しい!」
※AIに軽く伝えるだけ
データを取得・整理済み
レコメンド
提案資料
見積もり
= 現場の売上に直結(取引インフラ化)
セールスパーソン一人ひとりが注力すべきは、目の前の顧客の課題解決(支援)に向き合うこと。これは変わらない。しかしその裏で、気づけば、最適な製品の仕入れから納品に至る取引プロセスをすべてシステム上で完了させることが容易になっていく。これはまさに、AI時代ならではの、現場起点でのプロダクト開発のお手本と言えそうな綺麗な流れに思える。
現場の局所的な課題解決のように見えて、気づけば市場全体の「滑らかな取引インフラ」の構築へと繋がっていく。点と点が繋がり、線となり、さらに面となっていくようなこの全体最適こそ、彼らのプロダクト思想なのだ。
営業という「未解剖の領域」に挑む、泥臭い挑戦
現場の局所的な支援業務がAIエージェントに吸収されることで、商談管理が「滑らかな取引インフラ」へと姿を変えていく。このメーカー向けの連携基盤と、代理店営業の現場支援が完全に統合された結果として立ち現れるもの。それが、少なくとも数兆円の規模があるであろうBtoB商流の領域を最適化し、「適切な製品が、それを真に必要としている企業へまっすぐ届く」という理想の未来図である。
AIの進化により、これからの時代は誰もが容易に効率化の正解を導き出せるようになる。しかし、「企業と企業がどう取引するか」「エンタープライズの複雑な権限や商習慣を、どのように他社と連携するシステム内に落とし込むか」という「営業の企業間連携」の領域は、未だ手付かずの未開拓な領域である。
ハイウェイの挑戦の実態は、スマートで華やかなものとは言い難い。ステークホルダー各社それぞれで、長く使われてきた基幹システムや、企業間で働く絶妙な力学によって絡み合った商習慣、人事異動によって変わる雰囲気……。エンタープライズごとの泥臭い業務フローどうしをつなぎ合わせるために細かく解読し、それらを業界全体のエコシステムを支える「マルチテナントの汎用的なSaaS基盤」として昇華させるという、極めて高度な抽象化の能力が求められる挑戦だ。
久保この先もまだまだ、全ての経済活動がオンライン完結になるには時間がかかる。必ずそこに複雑な代理店網が存在し続けるため、AIで彼らを徹底的に支援する存在は不可欠だと思うんです。
過渡期と呼べる状態が長く続くのがこの領域だと思います。私たちは、たとえば「数年以内に良いプロダクトをつくれれば、それでもう安心」という形にはならないと思います。十数年、もしくは数十年かけて、プロダクトをアップデートしながら、領域全体のアップデートに貢献していく。そういう長く難しい挑戦なのだと考えています。
ですが、その先に描く理想の世界がある。商談管理や商流といった営業フロー全体の境界線が完全に溶けてなくなっていく、そんな状態を目指すことで、「本当に必要な製品が、必要な企業へ迷わず届く」という世界をつくりたい。私たちはそのインフラとなるものを、妥協することなくじっくりと設計しているわけなんです。
これは大きな社会課題の解決にもつながる話です。少子高齢化によって日本の労働人口が激減していく中、少ない人数で圧倒的なレバレッジを効かせるシステムが求められる。でも、魔法のように一瞬で業界構造を変革する手などありません。泥臭く、商流ロジックの解読を続け、複雑な構造をシンプルな仕組みで解消するプロダクトをつくり出す。これが私たちの使命です。
近日公開予定の続編記事では、壮大なレベニュー・エンジン創出に挑む3人の創業メンバーに焦点を当てる。ランウェイ半年未満の資金難という危機や、PMFに向けた苦悩など、厳しい状況下でも決して空中分解することなく厳しい道のりを共に歩み続けたエピソード。そして、プロダクトが営業現場に提供する「温かい支援」の根底にある、プロフェッショナル3人の異常なまでの結束力と、人間臭いドラマの全貌をお届けする。
こちらの記事は2026年06月15日に公開しており、
記載されている情報が現在と異なる場合がございます。
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1記事 | 最終更新 2026.06.15おすすめの関連記事
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