連載Next Entrepreneur's Meetup

タイパ重視の就活なら“スタートアップで長期インターン”──Kips取締役&学生インターンと考察する、これからの時代に「身を置くべき環境」とは

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インタビュイー
高田 諭
  • 株式会社Kips 取締役 メディア・イベント事業担当 / 認定NPO法人インデペンデンツクラブ 事務局長 

2009年株式会社インディペンデンツ(現・株式会社Kips)入社。2020年事業本部執行役員就任。2021年取締役就任(現任)。2008年東京都立大学在籍時より当社にインターンとして参画。ベンチャーコミュニティ事業(インデペンデンツクラブ)立上げに関わり、入社後は事務局長として全国のスタートアップ発掘支援や自治体・サポーターとの連携を担当した。

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「学生時代にインターンでセールス日本一になった人もいれば、学生団体で何百人ものメンバーをまとめていた人もいる。圧倒的な実績を持つ学生と同じ土俵で、単にアルバイトの経験だけでは、面接官の印象に残らない。言うまでもなく、それが今の就活の常識です」。

今回取材に応じてくれた学生は、自身の就活を振り返ってそう語った。もちろん、面接で自分の強みをアピールできる学生であれば、自信を持って就活に臨めるだろう。

しかし、「自分は社会でどう役に立てるか分からない」「他の学生と比べて何が秀でているのかを知りたい」と思うのであれば、インターンを通じて社会人経験を積むことも一つの手だ。実際、インターンが就活に好影響をもたらすことは過去の取材でも証明されてきた。

とはいえ、インターンであれば何でもいいのかと言えばそうではない。では、どういったインターンを選べばいいのだろうか?

今回は、大手企業とベンチャー企業の長期インターンを経験し、現在はベンチャー投資事業をおこなう上場企業のKipsで長期インターンに励む学生とその直属の上司に取材を実施。長期インターンで働く実態とそのメリット、さらに就活への影響について本音を語っていただいた。

  • TEXT BY YUKO YAMADA
  • PHOTO BY SHINICHIRO FUJITA
  • EDIT BY TAKUYA OHAMA
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「ネット上の意見だけでキャリアを決めるな」、
現地現物での体験こそがキー

亀山僕が大学1年生だった2020年頃、周囲では「新卒は大手企業よりも、ベンチャー / スタートアップ企業に行くべき」という風潮がありました。たしかに、これらの企業は大手企業と比べて組織が小さい分、意思決定が早く、一人ひとりの裁量の大きさに魅力があります。

しかし、周囲の意見だけを信じて就職先を決めていいのだろうか。自分で体験してから選んだ方がいいのではないか。そんな想いから、大手企業とベンチャー / スタートアップ企業それぞれでビジネス経験を積みたいと考えていました。

今回の取材相手である学生インターンの亀山氏は、大学4年生。FastGrowのカンファレンスにも登壇し、toCプラットフォームで著名な急成長ベンチャー企業の内定が確定している。

そんな彼は、現在インターン先であるKipsに参画する前に、長期インターンを2社経験。前述の通り、大手企業とベンチャー / スタートアップ企業それぞれの違いを知るため、1社目は大手人材系企業を、2社目はWebマーケティング系のベンチャー企業を選んだのだ。

大学1年生の冬から長期インターンに参画していたというが、周囲よりも早い段階からインターンに積極的に取り組んでいたことに対して、彼はこう続けた。

亀山僕たちの代は、大学入学時にコロナが直撃した世代です。同級生の間では何もせず家で寝て過ごす人もいれば、就活に向けて積極的に活動する人もいて、学生の意識は両極端に分かれていました。

僕自身、決して就活が有利と言われる出身大学ではなかったため、早くから就活を意識していたんです。おかげで、インターンではキャリア意識の高い学生たちと出会い、多くの刺激を受けました。

また、コロナ禍では在宅期間が増え、普段よりもネットを見る機会が多く、あるときYouTubeを見ていると海外のピッチイベントの動画がおすすめに表示されたんです。初めは興味本位で見ていたのですが、だんだんと起業家に対し憧れを抱くようになって。気づけば「いつかは自分でも事業を立ち上げて、世の中に貢献したい」と想うようになっていきました。

起業家になりたい──。そう狙いを定め、亀山氏は大学3年の5月から就職活動を始めた。途中、業界選定に迷うものの、翌年の1月には、前述の通り、志望していたIT企業から内定を得たという。

亀山氏は「単にインターンをすれば良いというわけではないですが」と断った上で、「長期インターンの経験で、就活が有利に進んだのは間違いない」と振り返る。

亀山例えば、優秀な人材がこぞって集まるような急成長企業のグループ面談で、人と同じありふれたアルバイトの話をしていては選考に残れません。それは、面接官の立場になって考えれば分かると思うんです。

長期インターンで社員と同じように働き、事業の仕組みや意思決定のプロセスなどを理解している学生は、「ビジネスの厳しさを身を持って経験して、実践的なスキルがある」と判断されやすい。

実際、企業側は長期インターンで就労経験をしっかり積んできた学生に対し「実力がある」「チャレンジ精神がある」と評価している印象を受けました。

ちなみに、僕が就活をする上で大事にしていたのは3つ。1つ目は、できるだけ早く成果が出せるポジションにつけること。2つ目は、勤務地が東京であること。3つ目は、初任給が自分の求める基準に達していることです。

内定を受けた企業は、事業の成長性に加えて、組織内にミッション・ビジョンが浸透している点に魅力を感じました。加えて、社内には自身で会社を経営している人や起業経験を持つ人も多く、起業家・事業家マインドのある方たちと一緒に仕事ができることも入社を決めた大きな要因です。

起業を志し、無事に志望する企業から内定を得た亀山氏。するとなぜ彼は現在Kipsで長期インターンをしているのだろうか?就活のためではないとすると、そこにはどんな目的があるのだろう。

そもそも彼がKipsを知ることになったきっかけは、2022年12月に開催された三菱地所とスローガンが主催する合同イベント『Next Entrepreneur's Meetup』に参加したことだ。本イベントは、三菱地所が支援する、丸の内・大手町・有楽町エリアを拠点に活動するスタートアップ企業と学生をつなぐ、インターンイベントである。

亀山イベントでKipsを知った際、就活ではすでに志望する企業の最終面接まで進んでいました。そのため、Kipsへは入社が目的でインターンを志望したわけではないんです。

前述のとおり、「起業したい」という想いがあり、そのための知識としてVCやファイナンスについて現場経験も含めて学びたいと考えていました。Kipsの事業内容は、まさに自分が求めていたもので、そこに惹かれて決めました。

そうして、彼は大学3年時からKipsに参画し、週3日のペースでインターン活動に従事しているという。常に目標に向かって主体的に物事に取り組む亀山氏。彼がKipsで今、何をしているのか。次章で詳しく見ていこう。

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学生のうちから経営者・起業家にもまれ、確かな成長を実感

ここでKipsの事業について紹介しよう。Kipsは、2006年に創業以来ベンチャー投資事業をはじめ、メディアイベントを活用しながらベンチャー / スタートアップ企業の成長支援をおこなう企業だ。

同社の取締役で、かつ亀山氏の直属の上司にあたる高田氏は次のように話す。

高田Kipsは、NPO法人である『インデペンデンツクラブ』と連携した取り組みが他のVCにはない特徴です。このインデペンデンツクラブは、全国各地でベンチャー / スタートアップのピッチイベントを開催し、地方の行政や大学と連携しながら地方のスタートアップ支援をおこなっています。

亀山さんには、そのイベント運営のサポートをはじめ、登壇された企業のレポート記事作成や、最近では新規企業の開拓もお願いしています。実は直近、福岡で開催されるイベントがあるのですが、登壇される企業のうち、1社は彼がソーシング*してきた企業です。

*投資先候補を探すこと

Kipsの即戦力となって働く亀山氏に対して、高田氏は「彼の行動力は、素晴らしい」と評する。一方、亀山氏自身もKipsの中で確かな手応えを感じ始めていた。

亀山メディアの記事作成に関しては、インターン参加当初よりもだいぶ要領が掴めるようになりました。というのも、当初は自分のメモをもとに、客観的な事実情報を中心にレポート記事を書き上げていたんです。しかし、それだけでは無味乾燥な仕上がりになってしまい、企業の魅力が伝わらない。

そこで、プレゼンしている起業家・経営者の表情や声のトーンに意識を向けて、何を強調したいのかを考えてから、記事に反映するようにしました。すると、伝えたいメッセージが明確になり、記事にメリハリが生まれてより魅力的な仕上がりにすることができました。

そしてイベント運営に関しては、高田さんからのお話にもあった通り、最近は自分で名刺交換しながら新規企業の開拓を進めています。今後はもっと外部のイベントに参加して、『インデペンデンツクラブ』の認知を高めると共に、イベントに登壇していただく企業を増やすことも目標です。

ちなみに、この『インデペンデンツクラブ』のピッチイベントは、1社あたり30分(プレゼン15分、質疑応答15分)が設けられ、事業や技術の紹介だけでなく成長戦略や数値計画までプレゼンし、コメンテーターとして出席する専門家やキャピタリスト等との双方向のディスカッションを通じて参加者の理解を助ける構成になっているという。結果として、多くの登壇企業が資金調達や事業提携を達成し、開催地域も年々広がっている。

そうしたピッチイベントを通じ、様々なベンチャー / スタートアップのビジネスモデルに接する中、亀山氏は「企業を見る力がついてきた」と話す。それはなぜだろうか。

亀山毎回、ピッチイベントが終了すると、各企業のビジネスモデルについて、高田さんと話をする機会をいただいているんです。僕が「この経営戦略が素晴らしい」と思うことでも、高田さんからは「一方でこういったことは考えられないか」と別の視点から示唆を与えてもらうことが多くて、それが大変勉強になるんです。

最近では、プレゼンを聞いていると「このビジネスモデルであればもっと市場が広がりそうだな」と考えたり、「経営者がこういう姿勢なら優秀な仲間がついていきそうだ」と感じたりすることも増えていますね。

将来、起業家を目指す彼にとって、Kipsは学びに溢れた環境であることは間違いないだろう。学生のうちから企業で働きながら、その業界の実態や仕事内容において深く理解できる。これこそ、学生が長期インターンをおこなうメリットだと言えるだろう。

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長期インターンこそが最も「タイパ」が良い環境?

Kipsが『Next Entrepreneur's Meetup』に初めて参加したのは2019年。そして2回目の登壇となる昨年(2022年12月)のイベントでは、15名の大学生が応募をしてくれたという。

高田昨年のイベントではたくさんの方に応募いただき、その内2名をインターン生として採用しました。その一人が亀山さんです。

リアルイベント(2019年)とオンラインイベント(2022年)の違いがあるため、単純な比較はできませんが、この数年間で長期インターン自体に注目が集まっていることは確かだと実感しています。

高田加えて、長期インターンを企業側の視点で考えると、従来の採用プロセスでは分からない学生の“人となり”やスキル、カルチャーフィットなど、仕事を通じて確かめられるメリットがある。

また、短期インターンはそれに合わせた特命プロジェクトが組まれてしまうことが多いので、普段の業務とは乖離があり、企業側でその設計に相応の工夫が必要になります。

長期インターンの方が学生たちはよりリアルな業務に触れることができるチャンスがあり、自身が選び取りたいキャリアの方向性を具体的に確認できたり、実務経験の中で実のある成長を得られやすかったりするのではと思います。

仕事を任せる側としても適性や意欲を確認しながら、段階的に責任ある仕事を与えやすい。私自身に学生インターンの経験があるから言えますが、長期インターンの方がオススメですね。

長期インターンのメリットについては、学生の立場からも「タイパ(タイムパフォーマンス)がいい」と亀山氏は言う。

「数ヶ月以上にわたってリソースを割く長期インターンが“コスパ良い”って、どういうこと?」という声が読者から聞こえてきそうだが、一体、どういうことなのか。短期インターンと長期インターンが持つ性質の違いについて尋ねてみた。

亀山もちろん短期インターン、長期インターン、それぞれに良さがあることが前提になりますが。学びの深さという点では、僕は長期インターンを推奨したいです。

というのも、僕はこれまで長期インターンだけでなく、1dayインターンをはじめ様々な短期インターンにも参加してきました。そこでは大概、企業側が学生に対して自社のミッションや事業の魅力を伝えることがメインとなる傾向が強く、実際の業務プロセスまでは深く理解できないなと感じることがあったんです。

亀山一見、短期間で様々な企業を知ることができる短期インターンは、学生にとってタイパがいいように見えますが、その会社ごとの事業や組織には深く入り込めない分、会社の実態を理解する上では物足りなさも覚えます。すると、実践経験の中で成長したいと考える学生にとっては、やはり長期インターンの方が目的に叶っているのではと感じますね。

長期インターンで就労経験を積むことは、当然、時間や労力はかかる。しかしそこにコミットする分、ビジネスの仕組みや組織内での行動、社会人としての振る舞い方など、得られる経験が豊富だと亀山氏は話す。そんな長期インターンを募集する『Next Entrepreneur's Meetup』に昨年参加した亀山氏に、本イベントに参加することで得られるメリットを訊いてみた。

亀山一度に10社ほどのベンチャー / スタートアップ企業の長期インターン情報を知れるという点では、学生にとってありがたいイベントです。特に登壇される企業は、世の中にない新しい価値を生み出す急成長企業ばかりなので、「普通のインターンやアルバイトでは物足りない」という方には打ってつけです。

実はこのイベントは上位校の優秀な学生をメインターゲットにしているため「自分が参加しても大丈夫かな…」という心配が少なからずありました。しかし、思い切って参加することで多くの刺激が得られ、そこでKipsさんにも出会って今この場に立つことができているので、あの時動いて良かったなと感じています。

読者の中にはイベントに登壇する企業の一覧を見て「自分には興味がない領域のラインナップだな…」と思う人がいるかもしれない。しかし亀山氏は、「企業に対する表面的な興味の有無だけで参加を見送るのはもったいない」と述べる。

亀山このイベントでは登壇企業との質疑応答の時間があり、企業は学生からの忖度ない質問に対しても全力で答えてくれる双方向の場があります。

そこで周囲の優秀な学生たちの質問や意見に触れて、「自分が思っていたよりも秀逸なビジネスモデルを持ったすごい会社なんだ」と気付くことができたり、「そういう観点で企業の特徴を見ることもできるんだ」と学びが得られる。

イベントに参加するだけで、こうした貴重な経験ができる点が他のインターンイベントにはない最大の魅力だと思います。

実際、亀山氏は『Next Entrepreneur's Meetup』を通じ、地方創生に注力しているKipsの事業に興味が湧き、「地方のベンチャー / スタートアップ界隈をもっと盛り上げたい」という想いが今のインターン応募に繋がった。

もしイベントに参加していなかったら、地方のベンチャー / スタートアップ企業が抱えるデジタル化や人的リソース面などの課題についても気付くことすらなかったかもしれない。どこでどんな出会いがあるか分からない。そう考えると、少しでも長期インターンに興味があるならば、話を聞くだけでも可能性が広がりそうではないだろうか。

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大手企業の長期インターンにはない、「裁量やスピード感」

前章では、長期インターンを経験するメリットを存分に語ってもらった。たしかに二人が語る通り、長期インターンは、会社組織の意思決定プロセスに直に触れ、ビジネスの仕組みや組織内での動き方、コミュニケーションの取り方を先んじて経験できる絶好の機会だ。いざ、新卒で社会に出る頃には、即戦力として圧倒的なスタートダッシュが切れるはず。

一方で、まだ疑問が残る読者もいるはず。それは、大手企業の長期インターンとベンチャー / スタートアップ企業の長期インターンとの違いだ。この点に関して、実際に両方の長期インターンを経験した亀山氏はどう答えるだろうか。

亀山僕が経験した大手企業のインターンでは、大方の業務が決まっており、全員で一致団結して大きなことを成し遂げることが求められました。

いちメンバーとして目の前のタスクを積み上げていくことは大手企業の長期インターンの良さではあるものの、枠にとらわれずにチャレンジしたいという自分のキャリア観からすると、ベンチャー / スタートアップ企業の長期インターンの方が向いているなと感じます。

ベンチャー / スタートアップ企業の長期インターンは、一人ひとりの裁量が大きく、学生のチャレンジを積極的に支援してくれる風潮がありました。

例えばWebマーケティング企業でのインターン経験として、自分の作成した記事に対して「どれくらいコンバージョンがあるか確かめたい」と伝えると、「よし、じゃあ解析ツールを用いて調べてみよう」とすぐに応えてくれる。そうしたフットワークの軽さがありました。

たとえ就活では大手企業を志望する学生であっても、ベンチャー / スタートアップ企業のインターンでしっかりと成果をあげる経験ができれば、社会に出たときにその経験は大手企業の実務においても大きく活かせると思いますね。

現在Kipsの事業においても、社内のメンバーと議論してマーケティング施策を実施しているという今の立場に対し「裁量の大きさを実感している」と亀山氏は語る。

そんな企業の一員として著しい活躍を見せる彼に対し、「ベンチャー / スタートアップ企業における長期インターンの魅力は伝わったが、学業の両立は大丈夫なのか?」という疑問が湧いてくる読者もいるだろう。

もちろん、学業との両立に支障が出ないよう、企業側は学生の事情を考慮して柔軟な対応を取ってくれるのが一般的だ。もちろん、Kipsにおいても学生側の意向を重視して勤務時間の調整をしているそうだ。

亀山Kipsに入った当初、まだ僕は大学で部活動をしていたため、1日5時間、週2日のスケジュールで長期インターンに時間を割いていました。

その後、部活を引退し、Kipsの業務にしっかりと腰を据えて取り組めるようになってからは、1日8時間、週3日で働いています。長期インターン先によっては、学生に対しても社会人と同等のスケジュールでコミットを求めるケースもありますので、自身の学生生活の都合と照らし合わせて吟味すると良いでしょう。

ちなみに、僕自身は、Kipsでの長期インターン活動は将来自分が起業したいという目標に繋がっているため、「辛い」「辞めたい」と思ったことは一度もありません。しかし、長期インターンをする上で「まったく興味のない事業で辛い」「業務が多すぎて苦しい」と感じることがあれば、その時はスパッと別の環境を求めることもアリだと思います。何を重視するかは本人次第ですからね。

たしかに、インターンの目的は本人が何を求めるかによって変わる。それは「業界を知りたい」「将来の目標に繋げたい」「自身の強みを知りたい」など人によってさまざまだ。とはいえ、どんな目的であれ学生のうちにしか経験できないものであることは間違いない。

亀山氏も言う。「学生の内は、まだまだ失敗を経験に変えられる時期。やってみなければ分からない。どんどんチャレンジした方がいい」と。

その言葉通り、インターンとは学生にとって将来の選択肢や可能性を広げてくれるものなのだ。

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環境で人は変わる。
そのきっかけを掴むなら今がチャンス

ここまで、各インターンが持つ特徴や魅力、そしてそこに参加することで得られる学びやチャンスについて見てきた。インターンにチャレンジしようかどうか躊躇していた人でも、「長期インターンは就活に有利だ」「チャレンジ精神が評価される」などという話を聞いて、興味が湧いてきた読者もいるだろう。

そんな読者に向けて、ここでは最後に2人からのメッセージを紹介しよう。

亀山Next Entrepreneur's Meetup』のイベントは勢いのある国内外のベンチャー / スタートアップ企業と出会えることはもちろんですが、丸の内や大手町エリアで活躍する企業が集まっているという点にも注目してもらいたいです。日本のビジネスの中心地・東京のおしゃれなロケーションの中、誰もが知っている大手企業のオフィスビルが立ち並ぶ環境の中でインターンを経験できる。これって学生にとってはすごく貴重な体験ではないでしょうか。

また、僕はこのインターンを通じて多くの経営者・起業家と出会い、多くのビジネスモデルに接することができました。そして、自分でも事業を始めたいという想いがより一層強くなり、今年4月に仲間と共にWebサービスのアプリ開発を始めました。こうした一歩を踏み出せたのも、Kipsでの長期インターンを経験したからです。

よく言われることですが、「どこに自分の身を置くか」で人生は変わると思います。ぜひ、これを機に自分の身を置く環境についてじっくり考えるきっかけにしてくれたらと思います。そして、そのきっかけを掴みにいく上で、『Next Entrepreneur's Meetup』はとてもオススメです。

高田日本政府が『スタートアップ育成5ヵ年計画』を発表している通り、今はスタートアップやイノベーションへの関心が高まり、以前よりも新卒の就職先としてスタートアップを選ぶことが一つのメインストリームになっています。

我々も一端を担うプレイヤーとして、スタートアップだけでなく学生にも選んでもらえる存在になれるよう、亀山さんとも議論しながら良い組織にしていきたいと思います。

高田東京大学の各務(カガミ)教授への取材で、「一部の学生は起業をスマートな職業選択だと捉えているようところがあり、起業は若い時期にやった方が良い、同時に技術やビジネスの最先端にいることでリスクを最小化できると考えているようだ。大企業に進み、いわば自分の運命を預けてしまうことの方がリスクは高いと考えているのではないか。」と伺ったことがあり、まさにその通りだなと。

ベンチャー / スタートアップはその多くが計画通りにいきません。これを前提に、設定したマイルストーンをやり切ること、同時に臨機応変に対応することが求められます。これらは、ベンチャー / スタートアップに限らず、誰もが持たなければならない態度なのではと強く思います。

将来的に起業やベンチャー / スタートアップへの転身を考えていなくても、変化の激しい環境下で臨機応変に立ち回れる生き方は必ず強みになるはず。なので、これを習慣として身につけるために、ベンチャー / スタートアップへの長期インターンには是非チャレンジしてもらいたいですね。

ぜひ、少しでも共感いただけた学生さんは次回の『Next Entrepreneur's Meetup』への参加をお待ちしています。

さて、長期インターンが学生にとって大きく飛躍するチャンスだということが分かってきたところで最後に告知をさせていただきたい。

次回の『Next Entrepreneur's Meetup』の開催は、7月5日(水)の午後18時からスタート予定(オンライン / Zoom)だ。このイベントには、今回取材に登場したKipsをはじめ、全10社が登壇する。

「起業や事業づくりに興味がある」「先端領域におけるベンチャー / スタートアップの取り組みに関心がある」「長期インターンを通じて成長したい」という学生は、この機会に、ぜひ参加してみてはいかがだろうか。

こちらの記事は2023年06月22日に公開しており、
記載されている情報が現在と異なる場合がございます。

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執筆

山田 優子

写真

藤田 慎一郎

編集

大浜 拓也

株式会社スモールクリエイター代表。2010年立教大学在学中にWeb制作、メディア事業にて起業し、キャリア・エンタメ系クライアントを中心に業務支援を行う。2017年からは併行して人材紹介会社の創業メンバーとしてIT企業の採用支援に従事。現在はIT・人材・エンタメをキーワードにクライアントWebメディアのプロデュースや制作運営を担っている。ロック好きでギター歴20年。

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