連載エースと呼ばれた20代の正体──若手のノウハウ大全

入社1年で「MRRを10倍に」。──「選択」と「集中」を極めたYOUTRUST新田拓磨の“エースたる所以”

登壇者
新田 拓磨

2018年大阪大学を卒業後、新卒でグッドルーム株式会社に入社。広告主に向けた法人営業を担当。 個人としての営業業務に加え、チーム全体の営業戦略立案・推進に従事し昨対比2倍以上の売上アップをリード。2020年4月よりYOUTRUSTに入社。チームを先導し、1年間でMRR10倍にグロースさせる。

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会社のなかでひときわ活躍している社員がいる。群を抜いて優秀な社員がいる。そんな“エース”と呼ばれる人間は、いかにしてエースになったのだろうか──。

20代エースの正体に迫る連載企画「突撃エース」の内容を元に、本記事ではそのエースたる所以を考察した。

第三回は、株式会社YOUTRUSTのセールスグループマネージャー新田拓磨氏。入社1年で「MRR(売上)10倍を達成」という華々しい経歴を持つ新田氏だが、その裏には、地道にやり抜く意志の強さがあった。

  • TEXT BY YUKO YAMADA
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“静”から“動”へ、20代セールスエース新田氏の歩んだ軌跡

入社後1年でMRRを10倍に──。圧倒的な実績を引っ提げて登場したセールスの猛者、新田氏。だが、開口一番に「自分はそんなに大した人間じゃないです」と謙遜して場を和ませる。トップセールスとしての貫禄を醸し出しつつも、とても落ち着いた語り口が印象的だ。

徳島県で生まれ、大阪大学人間科学部への入学をきっかけに関西へ。自らを「内向的な性格」だと言い、当時は、部活やサークルに所属せず、専攻していた倫理学の研究に多くの時間を充てた。彼にとって学生時代は、己を見つめ思考を深めるための“静”の時間だったに違いない。

そんな洞察力に優れる彼がキャリアの第一歩として選んだのは、意外にもベンチャー企業であった。そうと決まれば一転、入社日をまたず内定者インターンでフライングスタート。まさに、“静”から“動”へ。彼の人生が大きくうねり始めた瞬間である。

新卒で入社したグッドルームで早くも頭角を現し、2年目には数か月連続でトップセールス賞を受賞。そして、社会人3年目を迎えた2020年4月にYOUTRUSTへジョインした。強いミッション共感もさることながら、直感的な「居心地のよさ」もあった、まさに運命というやつだろうか。

幸運だったのはそれだけではない。彼がYOUTRUSTにとって7人目のメンバーであり、かつ正社員セールスの第一号だったのだ。「チャレンジしがいのある最高のタイミングだった」とやや懐かしげに振り返るその顔からは、選択が間違っていなかったという強い自信が伺える。

彼がYOUTRUSTに残してきたものは大きい。セールスの型が確立していないなか、真っ先に過去事例の収集に取り組み、細やかな顧客インタビューを重ね、顧客の解像度を高めていった。まさに暗闇の中を手探りで進んでるような状況だったであろう。だが、彼が拓いたその道は、後にセールスの勝ち筋となり、YOUTRUSTの未来を明るく照らすものだ。「入社1年でMRR10倍という記録を達成した」それ以上の意義がそこには存在しているのである。

読者のなかには、「頑張っているのに、成果が上がらない」と悩むセールスパーソンも多いだろう。ぜひそういった方に、新田氏の仕事術と自身のやり方を比べてほしい。そこには必ず新たな発見や気づきがあるはずだ。ではさっそく、新田氏の仕事術を見ていこう。

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成果から逆算し、見極める。セールスエースの仕事術

緻密に計算され尽くした彼の仕事ぶりはすさまじい。なかでも目標達成に向けて、「成果から逆算し、必要なものを見極めていく」ことに対しては徹底したこだわりを持つ。ただ現状の数字だけを見ていても意味がない、ということを知っているからだ。

新田成果から逆算して現状との“差分”を可視化することが重要です。それに対し、動かせる変数はあるのか。また、変数が動いた場合にどれくらいインパクトが出せるのかを見極めておく。

例えば、何となく「いけるかも」とフォローをしている案件でも、成果から逆算した結果、目標達成の見込みが低いと判断したものは潔くロストしていきます。やはり、目の前のものに等しく能力を注いでいては、すべてをやり切ることはできません。

時間は有限だからこそ、成果につながるところに時間とメンタルを集中させる。それを徹底していますね。

妥協を許さない姿勢。まさに「選択と集中の鬼」という名に相応しい仕事ぶりと言えよう。しかし、それは単に見込みの低い案件をロストしていくだけではない。商談の場面でも、その徹底ぶりは遺憾なく発揮されている。

新田商談後のスケジュールは、細かく握るようにしています。その結果、リードタイムを半分にすることに成功しました。というのも、以前は今月の商談が翌月にズレたり、ナーチャリングが不十分でロストしたりするケースが多く、スケジュールをコントロールできていなかったんです。そのため、お客様側が「いつ上申するか」「いつ承認が下りるか」「いつ契約締結するのか」の3点を、なるべく自分たちでリードした上で商談を進めることにしています。

具体的には、毎日セールスメンバーと朝会を開き、前日の商談の様子を細かく確認していきます。そこで、スケジュールを握れていないことがわかれば、「商談でどういう話し方をしたのか」「お客様はどういう反応だったか」「どういう言い方であれば状況が改善されるか」「具体的なイメージはできるか」など、一つひとつを掘り下げて、課題を見逃さないようにしています。

顧客管理の重要性については、ここで言うまでもない。だが、マネジャーである彼自身が細かく案件に介入していく姿勢は、捉え方によって「それって、マイクロマネジメントではないのか」と疑問に思う読者もいるかもしれない。それに対してまたもや新田氏は「常に目的に立ち返るべきだと」と冷静な口調で進めた。

新田どこまでマイクロに介入するかは、案件の重要度によって決めています。あくまで 管理は手段でしかない。全てはチームとして、そして個人として、より良い成果を出すためのもの。

人それぞれプロセスの習熟度には違いがあるので、スモールユニットにおいての画一的なマネジメントは不合理だとする見方ももちろん正しい。ただ、守破離という考えにもある通り、まずは「商談のいろは」を明確化し、その上でメンバーの個性や強みも大事にしていきたい。

その采配は、確かに難しいですが、メンバーとも日々コミニケーションを重ね、今後より一層成果に向き合っていきたいです。

マネジメントに関する悩みはいつの時代も絶えない。いや、時代と共により一層複雑化していると言えよう。

ある程度メンバーの仕事の進捗を管理した方が効率は上がる。一方過度に干渉し、自分で考える幅を奪ってしまえばメンバーがまるで「金太郎飴」のように同質化してしまい、イノベーションは期待できない状態に陥るだろう。

そのバランスをどう取るか、新田氏がメンバーとコミュニケーションを取る上で大事にしていることは何だろうか。

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意見の相違があったときこそ、「対話」すべし

今や、輝かしい実績を持つ新田氏だが、ここに至るまで躓くことなく順調に歩んできたのかと言うと、もちろんそんなことはない。むしろ「YOUTRUSTでは、いっぱい失敗をさせてもらっている」と本人は語る。メンバーとのコミュニケーションでの苦い経験が彼に大きな学びをもたらした。

新田実は僕自身、チームをリードする経験は、YOUTRUSTにジョインするまでなかったんです。ですから、いざチームメンバーと意見が食い違った時に、初めはメンバーの気持ちに寄り添えず、自分が思う正解を押し付けるような言い方をしていました。自分の意見の方が正しいと思っていたのです。その結果、メンバーのパフォーマンスにも影響が出てしまいました。

そんな時、現COOの佐藤亮太から「『相手は自分の知らない情報を持っている』という前提で話した方がいいよ」とヒントをもらいました。つまり、お互いに持っている情報や前提が違えば、出てくる答えも全く違うものになるということ。

それ以降は「なぜ、相手はその考えを持つに至ったのか」といった背景や原因にまで想いを巡らせています。意見の相違があったときこそ、ズバリ相手の思考をより理解できるチャンスなんです!

これまでは、責任感の強さゆえに自分の考えを伝えることを優先していた。だが、上司の言葉を受けて、一歩下がってメンバーの思考に目を向けようと心がけてからは、今まで以上に物事を俯瞰できるようになっていった。

現在、YOUTRUST内で唯一の20代マネジャーとして活躍する新田氏。かつて「人見知りだった」という彼が、今やチームの最前線に立ち、かつ着実に成果をあげながら組織の期待に応えていく。それは、並大抵の努力では成し得なかったはずだ。なぜ、強い意志を持ち、それを継続し続けられるのだろうか。

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古臭いといじられても「凡事徹底」という言葉が好き

セールスチームの目標としても掲げている「凡事徹底」。上司には、“古臭い”といじられながらも、新田氏は最も好きな言葉にこの四字熟語をあげた。

新田チームメンバーには、毎日「凡事徹底が大事だ」と伝えています。というのも、セールスで成果を出すためには、トーク力、提案力、課題ヒアリング力云々の前に、まず基礎的な当たり前のことを高い水準で徹底的にやっていくことが大事だと思っているからです。

ですから、商談の準備でもお客様ごとにきちんとカスタマイズしています。もちろん準備には時間はかかりますが、一つひとつ完成度の高い状態にしようというのは常に意識していますね。

皆が当たり前に思うことでも、日々徹底して取り組み、その努力を継続していけば、いつしか必ず大きな成果にたどり着く。それは言葉で言うほど簡単なストーリーではない。けれど、どんなときも歩みを止めないその意志の強さこそが、エースとして期待される所以なのかもしれない。そんな新田氏がこれから目指す道とは何か。最後に語ってもらおう。

 

新田「営業に強い=YOUTRUST」にしたいんです。例えば、今、圧倒的に強いセールス会社として名前が上がるリクルートやキーエンスに匹敵するような会社にしたい。

つまり、YOUTRUSTでキャリアを積んだ方が、数十年後に振り返ったときに「YOUTRUSTにいた時間が、自分の人生やキャリアにとって意味のある時間だった」と思えるように。もしくは「YOUTRUST出身者はセールスが強い」という箔がつくように。そんな会社を目指しています。

また、私個人としてもYOUTRUSTに社員数1桁でジョインし、共に成長しながら携わってきたサービスなので思い入れもあります。これからも社会にインパクトを与え続けられる会社であり続けたいですね。

期待のエース、新田氏の挑戦は今まさに始まったばかりだ。

こちらの記事は2022年05月16日に公開しており、
記載されている情報が現在と異なる場合がございます。

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執筆

山田 優子

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