連載メルカリのバリューを受け継ぐ、8名の起業家たち
2記事プロフェッショナルとしてオーナーシップを持つ。
農園コンサルティングからセキュリティサービスまで展開する“メルカリマフィア”(後編)
アメリカのスタートアップシーンでは、Elon Musk(イーロン・マスク)、Peter Thiel(ピーター・ティール)、Reid Hoffman(リード・ホフマン)など、 PayPal出身の大物起業家が、“Paypalマフィア”と呼ばれ注目されている。FastGrowでも過去に日本の大企業を題材に、サイバーエージェントや博報堂出身の起業家を紹介してきた。だが、まだまだ起業家人材を輩出する企業として注目すべき会社がある。第6弾として紹介するのは、2013年に創業しわずか5年で上場を果たした株式会社メルカリだ。
“メンバー全員がその道のプロフェッショナルとしてオーナーシップを持ち、日々の学びを怠らず、成果や実績にコミットします”(メルカリ「バリュー」より)
「Go Bold —大胆にやろう」「All for One —全ては成功のために」「Be a Pro —プロフェッショナルであれ」といったメルカリのバリューを受け継ぎ、世の中にインパクトを出すべく奮励努力するスタートアップ経営者を取り上げる。後編ではメルカリでのインターンを経て、事業を立ち上げた4名の起業家たちを取り上げていく。
- TEXT BY HAYATE KAWAJIRI
- EDIT BY MONTARO HANZO
浅香直紀(株式会社Spectra 代表取締役 CEO)

1993年生まれ。中央大学在学中にメディアを運営するTechouseでマーケティング・新規事業開発を経験。その後インターン期間を経て、メルカリに新卒第1期生として入社した。同社では、子会社のソウゾウ(2019年6月に解散)にて「メルカリ アッテ」のグロース施策に携わり、「メルカリ メゾンズ」のリードプロデューサーを担当した。
「リスクをとってでも、レバレッジを効かせられる環境」を求め、2018年に学生時代の後輩である露木修斗氏とともにSpectraを創業する。
株式会社Spectra

ミッションは、「データの力を使って個々人が好むエンタメコンテンツを最適な場所・タイミングで個人に届ける」。2019年5月に、ライブチケットの情報見逃し防止アプリ「Freax」をリリースした。ユーザーはアーティストをフォローすることで、ライブやフェスの情報を随時得られる。アーティストは、Apple Music等の音楽サービスと連携することで、簡単にフォローできる。
佐川友彦(FARMSIDE works 代表)

1984年生まれ。東京大学農学部、同大学院農学生命科学研究科を修了後、世界最大級の化学メーカーDuPontに新卒入社。太陽光発電パネル素材の研究開発に従事する。その後、創業期のメルカリにてインターンをし、カスタマーサポートを中心に経験を積んだ。社内制度や組織の在り方、エンジニアリングを学んだ後に、インターンシップを経て2014年より「阿部梨園」に参画している。
現在も阿部梨園に勤めるほか、同園で行った500件の業務改善例から、300件をウェブサイト「阿部梨園の知恵袋」として公開中。またFARMSIDE worksを立ち上げ、コンサルティングや講演活動など農家の経営改善を推進している。
FARMSIDE works

佐川氏が阿部梨園で取り組んだ業務改善例と農園ノウハウを公開し、農業経営の課題解決を目指して活動している。
アンバサダーとして農家の情報発信を支援をする「FARMSIDE PARTNERSHIP」、農業を中心にコンサルティングを開催する「FARMSIDE CONSULTING」、農家の経営改善に関する教育・普及活動を行う「FARMSIDE VOICE」、生産者同士や、生産者と事業者が連帯できるコミュニティ形成をする「FARMSIDE TEAM」の4つを展開している。
杉山大幹(株式会社バベル 代表取締役)

中央大学在学中の2013年より、EastVenturesでアソシエイトとして働き、リサーチや投資先の支援を経験。メルカリ子会社であるソウゾウで、創業期からの1年間、地域コミュニティアプリ「メルカリ アッテ」のWebリリースやアプリグロースに携わる。
当時一緒に働いていた先輩が起業や独立をしていた姿から感化され、大学卒業後にバベルを共同創業した。
株式会社バベル

ビジョンは「動画によって、世界中の人々の生活をより豊かにする」。Web・スマホ完結型の総合動画広告プランニング事業を展開しており、1年間で累計2,500本以上の動画配信を支援している。
また日本と中国を軸に、工具・DIYジャンルの動画メディア「Yoitem」をはじめとする6つのバーティカルメディアを運営。中国では、WeChatやWeibo、Toutiaoなど現地の主要な動画プラットフォームへ配信と提携を行っている。
井手康貴(株式会社Flatt 代表取締役 CEO)

1996年生まれ。東京大学在学中、株式会社FiNC Technologiesを経て2016年にメルカリでインターン。井手氏は大学入学時から、成長スピードがトップレベルである同社に入りたかったという。メルカリでは、サーバーサイドエンジニアを担当していた。またGo言語のカンファレンス「GoCon」で、登壇者やコントリビューターを務めた実績を持っている。
高校時代に抱いた「会社やサービスを通じて世の中を変えたい」想いから、2017年5月にFlattを創業した。
株式会社Flatt

ビジョンは「テクノロジーによるライフスタイルの変革」。以前はECサービスを運営していたが、既に事業譲渡した。現在はWebアプリケーションの脆弱性診断事業と、新規セキュリティ・プロダクトの開発をメインに、サイバーセキュリティサービスを展開している。
同社は、国内最大のハッカー大会「SECCON2018」で優勝経験を持つ人やセキュリティ・IT大手企業出身のメンバーを中心に構成しているのが特徴だ。世界水準の情報セキュリティ技術を保有しているという。
こちらの記事は2019年09月06日に公開しており、
記載されている情報が異なる場合がございます。
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