メディアは将来、全てなくなる!?──日本で4人に1人が使う『mybest』に学ぶ、ユーザーファーストが創る代替不能なWebサービスのつくり方

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インタビュイー
吉川 徹

慶應義塾大学卒業後、新卒で投資銀行へ入社し、公開引受部門にて、上場を目指すベンチャー企業に対して上場準備コンサルティングやIPO時のファイナンスの引受業務に約6年間従事。業務を通じクライアントの経営陣の話を間近で聞いている中で、「自分で事業を行ってみたい」という気持ちが強くなり、ITメガベンチャーに転職。約2年間、事業責任者として事業の企画立案から運営までを取り仕切る。その後マイベストを創業し、現在に至る。

熊谷 奈桜

早稲田大学法学部を卒業後、楽天グループ株式会社に新卒入社し楽天モバイルで1年間データ分析を行う。その後、ビジョンへの共感・これまでにないサービスであることへのワクワク感・裁量権の大きさに魅力を感じ、2020年マイベストに入社。コンテンツ制作からオペレーション構築など、さまざまな部署を経験し、現在はプロダクトマーケティング部のマネージャーを務め、PdM・マーケターとしてプロダクト開発・新規事業・SNS運用に携わる。

大野 義博

東京理科大学卒業後、新卒で楽天グループ株式会社に入社。新規事業企画部に配属され、C2Cフリマアプリのマーケティングに従事。その間ベンチャーの買収によるPMIプロジェクトのいくつかにも参画。最後2年はプロダクト企画職として、サービスの検索改善やホーム画面の刷新、レコメンドの新規導入などユーザインパクトの大きい開発案件に企画として参画・リード。もともと、最終消費者への価値提供が直接的で、知人からもFBを受けられるtoC領域が好きだった点、これから変化していくわくわく感があった点に惹かれ、マイベストに転職。

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消費者にモノを買ってもらうために、あらゆる戦略を立てる。少しドライに表現すれば、マーケティングとはそういうものだ。もちろん、それが悪しきものだと言うつもりは毛頭ない。マーケティングなくして、現代のプロダクトやサービスのグロースは語れないからだ。

それに併せてか、現代のマーケティング手法は極めて複雑化してきている。自社の商品、サービスを顧客に届けるべく、各社が独自の手法で試行錯誤を重ねてきた結果であろう。このような変化の激しい時代に必要なマーケティングとは一体なんだろうか。

そんな背景のもと今回FastGrowが着目したのは、ユーザーの“選択”をサポートする『mybest』を展開する企業・マイベストだ。

この『mybest』、一見するとスタンダードなWebメディアに見えるが、その中身は全く別物。なんと、毎月2,000個にもおよぶ商品を、一つひとつ自社で検証した上でレビューを提供しているのだ。

効率重視のデジタル社会において、あまりにも泥臭く、コストのかかる手法を用いている。「ユーザーの生活を豊かにする」というビジョン達成のため、ひたすら真摯に情報を集め、ユーザーに提供してきた。

結果、現在の月間UUは約3,500万、つまり日本国民の4人に1人が訪れるサービスへと成長を遂げる。まさに、ユーザーファーストを体現した結果と言えよう。そんなマイベストの取り組みは、世のマーケターに新たな示唆を与えるに違いない。

今回は、マイベスト代表の吉川 徹氏をゲストにお迎えするとともに、同社でPdMを務める熊谷 奈桜氏、大野 義博氏にも現場メンバーとして登場いただいた。新たなマーケティングの世界を切り開いた同社の軌跡を、ご覧あれ。

  • TEXT BY MISATO HAYASAKA
  • PHOTO BY SHINICHIRO FUJITA
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本物と偽者が入り混じる現代社会。
一次情報を集めたプラットフォームが勝ち残ったワケ

「このインフルエンサーの投稿、広告案件じゃないのか?」

「このまとめサイトの情報、本当に正しいのか?」

我々は日々、このような猜疑心を抱きながら情報をキャッチしているのではなかろうか。無限にある情報から、何を取捨選択するのか。

現代社会において、我々自身の情報リテラシーが問われていることは、もはや言うまでもない。“自分に合った最適な選択をする”。情報が溢れているがゆえに、その難易度は高まるばかりだ。

今回は、選択サポートサービス『mybest』を開発・運営するマイベストに焦点を当てていく。早速だが、同社を表す“選択サポートサービス”とは、一体何だろうか。吉川氏に問いかけた。

吉川『mybest』は、ユーザーにとって最適な商品をマッチングさせるサービスです。嘘や偽りのない独自の情報を提供するため、自社で徹底的に商品を検証し、専門家の協力も募っています。

現在、月間2,000商品を検証していますが、今後はその数を月間20,000商品まで増やしていきたいと考えています。

「この山のように並べられた商品を、本当に一つずつ検証しているのか…!?」取材当日、オフィスビルを案内してもらった取材陣は、驚きの声を漏らした。

なぜなら、フロア全体を『mybest』の商品保管や検証のための大型倉庫として使用する階がいくつもあったからである。この膨大な数の“検証”こそが、マイベストの特長であり、最大の強みとなっている。

提供:株式会社マイベスト

吉川我々の強みは、大量のデータがあることです。どの商品がどれくらい優れているのかを、数字として持っている。ミソなのは、絶対評価ではなくて、相対評価であることです。

YouTubeやInstagramで、商品紹介をするインフルエンサーを見たことがあるだろう。おすすめを紹介している点は、『mybest』と似ている。しかし、根本的な違いはその“数”にある。

吉川例えば、化粧水を比較する場合、個人であれば多くて数十個くらいの比較になると思います。でも我々は、化粧水として販売されている商品のうちほとんど全てを実際に買ってきて検証するんです。

商品カテゴリによっては、時に約1,000個の相対評価をすることもあります。このように、商品のデータベースにおいては他社には到底真似できない自信があります。

しかも、そのデータベースは手作業で蓄積した一次情報だ。ネットの海で拾った二次情報ではない。“本当にいいもの”を見つけ出そうとする、情熱とも狂気とも言える行動が、『mybest』を代替不可能なサービスへと昇華させたのである。

さらに特異とも呼べる点、それはサービス利用者を絞っていないということだ。『mybest』上では年齢もジャンルも関係なく、幅広い商品を取り扱っている。一般的なレビューサイトであれば特定ジャンルの商品に注力することが多い。

一方、マイベストの設計思想は“個人の選択のサポート”であるため、商品のジャンルに囚われることなく、“情報を横串で捉える”ことが可能となる。その結果、月間ユーザー数3,500万人、月間セッション数5,000万を超えるサービスへと成長を遂げたのだ。

吉川月間約3,500万人、つまり日本国民の4人に1人が使ってくれているサービスだと考えると、国内最大級の選択サポートサービスと言えるでしょう。

そんな吉川氏に競合について質問すると、「僕の知る限り、我々と同様のアプローチをするサービスは現時点では存在しない」と答える。その理由は至ってシンプル、あまりにも金銭面・労力面でコストのかかる取り組みだからだ。非効率で泥臭く、参入のハードルは高い。だからこそ、マイベストは強い。絶対的な競合優位性はここにある。

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『mybest』は、メディアではなくサービス。
その分岐点はパーソナライズにあり

前章では『mybest』の特長に触れ、“選択サポートサービス”であると紹介した。この“サービス”という表現、読者の中には違和感を覚えた者もいるかもしれない。一度でも『mybest』にアクセスしたことがあれば、「メディアじゃないのか?」とツッコミを入れたくなるだろう。しかし、吉川氏は明確に「『mybest』はメディアではない」と言い切る。その意図とは一体。

吉川『mybest』の強みは膨大な数の“検証”が生み出す独自の情報を持っていることです。しかし、それだけでは、“メディア”の域を出ません。『mybest』がメディアではない理由、それはユニークな情報を持つだけなく、その先にある、ユーザーごとにコンテンツが個別最適化された“サービス”を目指しているからなんです。

それはなぜか。既存メディアのように、価値観や趣向性が異なる全ユーザーに対して画一的な情報を提供するメディアは、もはやユーザーニーズに合わず滅びていくと考えるからです。

例えばテレビを題材に見てみましょう。テレビは全ユーザーに対して同じコンテンツを見せていますよね。一方で、“サービス”に該当するYouTubeは、近年ではテレビの可処分時間を大きく奪っています。これはYouTubeがユーザーの興味関心に応じて提供するコンテンツを変え、それが受け入れられているからです。

ユーザーのライフスタイルが複雑に変化している現代においては、ユーザー毎に最適な情報を提供するようなサービスしか生き残らないと思うんです。

だからイメージとしては、テレビじゃなくて、YouTube。新聞じゃなくて、SmartNews。そして、Webメディアじゃなくて、Webサービスの『mybest』なんです。

たしかに一般的に言えば“メディア”とは、誰に対しても画一化された情報を提供している。一方で、“サービス”とはその逆。ユーザーごとにパーソナライズされた価値を提供し、各ユーザーが持つ多種多様なニーズを満たすことが本分だ。

このように“メディア”と“サービス”の立ち位置や役割は明確に異なっており、マイベストは後者の“サービス”としての地位を確立しようとしているのだ。そして、ここで記事冒頭で記した、マイベストが抱える膨大な商品データが繋がってくるのだ。

多種多様なニーズを持つユーザーたちにぴったりな商品をマッチングさせるには、膨大なデータベースが必要不可欠。マイベストが商品の検証にとことんリソースを割く理由は、“サービス”としてユーザーの選択をサポートするためなのだ。

しかし、ここで一つの疑問が湧いてくる。商品のデータベースが“あるだけ”では、マッチングには繋がらない。ユーザー側のデータベースは、どのように構築しているのだろうか。

吉川我々はZホールディングスと資本業務提携をしており、ユーザーデータの取得をショートカットしようとしています。具体的には、Yahoo!・LINE・PayPayなど、日本で一番と言っても過言ではない、ユーザー情報を抱える会社と提携しているんです。

商品データはコストをかけて自社で構築。ユーザーデータはテックジャイアントと連携してショートカット。何ともダイナミックな戦略だ。そんなマイベストの目の付け所には驚かされるばかりだが、まだまだ疑問は尽きない。その他、気になるのは市況感だ。

なぜなら、現在は検索のみならず、SNSを経由した購買も増えているからだ。『mybest』は検索エンジンからの流入がほとんどだというが、今後も時代の流れに乗っていけるのだろうか?

吉川たしかに、既存の検索エンジンを使った情報収集が年々減ってきていることは事実です。対して、SNS上の検索は増えていますね。

そういう意味で検索手法に変化があることは間違いないのですが、人が“選択する”という行動自体は減ることがないんですよね。あくまで検索対象となる媒体が変わるだけです。

そのため、時代の変化をしっかりと掴んでいけば、“選択のサポート”は今後も形を変えて求められ続けるだろうと思っています。

人が“選択する”という行為自体は変わることがない。だからこそ、『mybest』は時代に求められ続ける。人間の行動原理を掴んだ事業は、そう簡単には廃れないということだ。

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「この事業は、100%成功する」。
“勝ち”を見極めた起業家の正体

ここまで、マイベストの事業戦略を見てきた。選択という身近な行動に焦点を当て、他に類を見ない独自のサービスを展開してきた同社。そろそろ、この企業を誕生させた起業家にスポットライトを当てていこうではないか。

代表の吉川 徹氏は、大学卒業後、投資銀行に入社。ベンチャー企業の上場準備コンサルティングやIPO時のファイナンス引受業務に約6年間従事した。

その後、「事業をやりたい」という想いでITメガベンチャーに転職。新規事業部門で約2年間、事業責任者を務めてきた。そしてこのITメガベンチャー在籍時に、『mybest』の事業構想を生みだしたのだ。

吉川果たして本当にこの事業が成功するのか、まずは確かめることにしたんです。1年かけて1人で仮説検証し、「これは絶対にいける」という確信を持つことができました。

そして、先々は事業が拡大して組織化の必要も出てくるだろうと考え、個人商店ではなく企業として本格的にスタートすることを決意しました。

実のところ、マイベストはこれまで一度も資金調達を実施していない。それは、吉川氏が投資銀行に勤め、ファイナンスに強いことが影響している。曰く、「資金調達は、血のようなもの。一度調達を実施すれば、別の人の血を入れる前の状態に戻すことは不可能」とのこと。前職の投資銀行で資金調達のメリット・デメリットをその目に焼き付けてきた吉川氏だからこその意思決定である。

そんなマイベストだが、創業から今に至るまでの6年間、一度も赤字に転落することなく一貫して黒字経営を続けてきた。起業当初に積み重ねてきた仮説検証から導き出された未来予測は、ここまでの軌跡を振り返れば正解だったと言えよう。

前述した経営手腕からも読み取れるように、吉川氏は理路整然とした口調に、落ち着いた表情が印象的な人物。“クールな起業家”という第一印象を抱く者が多いだろう。

世の中にはさまざまなタイプの起業家が存在しており、まるで部活の先輩のように組織の先頭に立ち、社員を鼓舞することで会社を率いる起業家もいれば、周囲を圧倒するカリスマ的なオーラをまとい、社内外に存在を示す起業家もいる。そして、取材陣が吉川氏に抱いた印象は後者だ。

しかし、どうやら吉川氏のカリスマ性の起源は、表面上にある知的な振る舞いではなく、社員から親しみを持って愛される“パーソナリティ”にあるようだ。

今回の取材のゲストであるPdMの熊谷氏に、吉川氏を一言で表現してもらった。すると、彼女からは間髪入れずに「社員に愛されている人」というストレートすぎる答えが返ってきた。

たしかに、気心の知れた社員たちと会話する際の吉川氏は、絶えず笑顔を見せながら心からコミュニケーションを楽しんでいる印象を受ける。一見すると論理的でクールな起業家のように映るが、本来の吉川氏は社員が心を許す愛されキャラのようだ。

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「改善より創造がしたかった」
楽天からの転職組が明かす、市場づくりの妙味

前章までで、代表吉川氏のミッションやマイベストの事業モデルは理解できたことだろう。一方、それを“つくる立場”で味わうことができるやりがいや面白い経験とは一体どんなものか。それを紐解くべく、ここからは視点を現在マイベストにて若手PdMとして活躍する熊谷氏と大野氏に移したい。2人は、偶然にも新卒で楽天グループ株式会社に入社したという共通点を持つ。

熊谷氏は、新卒入社後、楽天モバイルで1年間データ分析業務に従事。マイベスト入社後はコンテンツ制作やオペレーション構築など、さまざまな部門を経験し、現在はプロダクトマーケティング部門のマネージャーを務めている。PdMとしては、グローバル展開に向けたプロジェクトに携わりつつ、マイベストの命とも呼べるデータベースの理想型を模索中だ。

次に、大野氏は新卒で楽天に入社後、新規事業企画部でCtoCフリマアプリでのマーケティングに携わっていたとのこと。

転職前の2年間は、プロダクト企画職としてサービスの検索改善やレコメンドの新規導入など、ユーザーインパクトの大きなプロジェクトをリード。現在はマイベストでPdMとして、プロダクトマーケティングからオウンドメディアのSNSグロースを担当している。そんな二人はなぜ、マイベストにジョインしたのだろうか。はじめに、大野氏がその口を開いた。

大野『mybest』のグロースを通じ、自分たちで市場を定義していけることに面白みを感じました。現在のマイベストは、“メディア”に見える『mybest』を、これから誰もが認める“サービス”へと昇華させようとしているフェーズです。

大野我々が取り組む領域はまだ完成された市場ではなく、プロダクトを通じて市場を創っていける。だからこそ、PdMとして取り組む意義ややりがいがあると感じました。

これがもし、サイト改善を主としたメンテナンス業務だったならば、市場を創るという目標とはズレてきますのでマイベストには入社していなかったでしょうね。

熊谷私が転職先に一番求めていたのは、成長環境でした。「なんでもやります!」くらいの勢いで次の活躍場所を探していたんです。その候補の1社としてマイベストがあり、選考過程で吉川からPdMの仕事を勧められました。

前職で経験してきたデータ分析とはまた違った仕事だけれど、世の中の多くのユーザーに使われるだろうサービスに携われる仕事は、率直に面白そうだなと興味を抱きました。

熊谷もちろん、成長環境という意味では、他の急成長スタートアップやベンチャー企業でも当てはまると思います。でも、マイベストに対しては特にビジョンへの共感が強かったんです。「マイベストが描く世界を自分も創りたい」。そう思えたことがここに入社する決定打でしたね。

マイベストで働く二人が何を重視してこの企業を選んだのかが理解できた。両者ともまだまだ若手で、大野氏に関しては入社して数ヶ月にも満たないというが、二人は実際にマイベストで働いてみて、どのように感じているのだろう。

大野前職で働いていた時は、携わっていたプロダクトがPMFのフェーズを終え、改善のフェーズに突入していました。そのため、プロダクトと向き合う中でも予測可能な範囲での取り組みが多くを占めていたんです。でも今は、予測不可能な、新しいものを生み出している感覚が強くあります。

熊谷私も、日々めまぐるしく状況が変化する、非連続なスタートアップ環境において、前例のないことに取り組めることがとにかく楽しいです。

ネット上で検索してもヒントが得られないような取り組みばかりで、まさにゼロイチ。ユーザーの行動心理をひたすら考え、新たなサービスをつくり上げていく取り組みはとても面白いです。

吉川僕から付け加えると、マイベストのPdMが持つ役割は、プロダクトが向かう方向を決めることです。言わば、旗振り役です。

PdMのリードが間違っていたり精度が悪かったりすると、組織全員が正しくない方向に進んでしまいます。なので、二人には大きな責任がのしかかっていると思いますが、それだけの期待も託しているんです。

熊谷さんはベースの能力が高いだけでなく、モチベーションを自らコントロールすることができる人。馬力があって、行動力も素晴らしいので、安心して仕事を任せられます。

大野さんはまだ一緒に仕事を始めてから日が浅いですが、既にマイベストにとって大事な新規事業を任せられるほどの存在です。今後の活躍が楽しみですね。

ただし、必ずしもこれらの素養が必須条件というわけではない。なぜなら、マイベストは現在どんどん新規事業にトライしており、その都度PdMに求められる素養が変化するためである。

例えば、直近ではWebのみならずSNSや動画といったコミュニケーションチャネルの拡大を模索しているとのこと。「これらの領域に対して幅広く知見がある方は大歓迎ですね」と、大野氏が次なるPdMメンバーの理想像を描いた。興味を抱いた読者は、ぜひマイベストの門を叩いてみてほしい。

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青い炎を燃やす同志たち。
新卒と中途で形づくるマイベストのカルチャー

ここまで、マイベストのビジョンや事業、代表の吉川氏、PdMの熊谷氏と大野氏の人物像を紐解いてきた。その他、マイベストの全貌を掴むには、組織やカルチャーについて触れないわけにはいかないだろう。

同社は、熊谷氏、大野氏のような中途人材のみならず、新卒も積極的に採用している。これまでの新卒採用人数は70人ほどで、全体の平均年齢は20代後半と、若手が中心となった企業だ。そんなマイベストにはどのような人材が多いのか熊谷氏に問いかけると、「青い炎を燃やす人たちが集まっている」と表現した。

熊谷赤い炎が、“周囲を蹴落としてでものし上がっていく状態”だとしたら、青い炎は“協働しながらも胸の内には情熱を秘めている状態”だと思っています。

新卒メンバーを見ていても、「同期とは手を差し伸べ合いながら一緒に頑張りたい。でも、成果も出したい」という想いを抱いているように感じます。

現在のチームは、熊谷氏、大野氏を除いて新卒で構成されている。大野氏は、「新規事業で並走しているメンバーは22年入社の新卒で、まだ入社から半年ばかり。

しかし、既に事業の成長に大きく貢献しており、優秀な人材だなと感じています」と語った。フレッシュな若手から良い刺激をもらいながら、切磋琢磨し合っているそうだ。

熊谷マイベストのバリューには、“Cooperation(協力)”があります。「自分はここまでが担当だ」と線引きせず、それをすべき目的を理解し、部門を横断しながら前向きに協力してくれるメンバーばかりです。

性格的にはフレンドリーで柔らかい雰囲気の人が多いですね。難易度が高く感じても乗り越えられるのは、チームで動いているからだと思います。

スタートアップで積極的に新卒採用をしている企業は、一般的に多くはない。言わずもがな、事業の成長にフルベットしなければならない状況下で、未経験人材への教育コストは掛けられないためだ。ゆえに、即戦力重視の中途採用がスタートアップ界隈においてはスタンダードなのだ。

しかしながら、マイベストは、新卒メンバーと中途メンバーがそれぞれの特長を生かしながら、調和のとれた組織を構成している。しかも、それらの仕組みを創業からわずか6年というスパンで実現しているのだから驚きだ。

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創業からわずか6年で海外8つの国と地域に進出。
グローバル規模で狙うインフラの座

マイベストの創業期から現在まで辿ってきた。最後は、未来の話をしよう。マイベストが最終的に理想とする状態とは、一体どんなものなのだろうか。

吉川全世界のユーザーが『mybest』を使って“選択”をしている状態を目指しています。理想に対して現在は0.5%くらいの進捗度ですかね(笑)。まだまだこれからです。

今後に向けた具体的な動きを見ていくと、現在マイベストは、ミッション別でプロジェクトチームを組んでいる。グロース・プロダクト・新規事業の3つだ。

グロースは、業績やトラフィック等の事業成長を描くチーム。プロダクトは、あるべき体験、あるべきインターフェイス機能を追求していくチーム。なお、プロダクトは海外事業の領域も兼ねているそうだ。

それぞれのチームでは、PdMの他、エンジニアやデザイナーも交えて組織構成されている。さらに、新規事業としてはインフルエンサーにまつわるプラットフォームを開発中で、新たな形で“選択”をサポートしていく予定だ。

わずか6年で日本以外にも8つの国と地域に進出したマイベストだが、実は創業の翌年から海外籍の社員を採用していたというから驚きである。吉川氏の視野は、創業期から海の向こうにまで広がっていたのだ。

吉川マイベストは、“選択”のインフラになりたいんです。

世の中のインフラになることで、ユーザーの生活を豊かにしていきたい。今後も、どこにも真似できない圧倒的なデータベースを確立し、マッチングのサポートを行っていきます。全世界がユーザーとなる未来を目指して、邁進するのみです。

我々は、日々“選択”を繰り返して生きている。何を食べ、何を着て、何を持ち、何を買うのか。この“選択”の積み重ねが、人生を形づくっていくと吉川氏は信じている。“選択”の重要性を心底理解しているからこそ、途方もない数の検証作業も、情熱を持って取り組むことができるのだ。

このマイベストのスタンスを一言で言い表すとしたら、“誠実”がぴったりではないだろうか。倫理的に問題視されるマーケティング手法もある中で、ユーザーファーストを追求し続ける同社の姿は眩しくもある。

「マイベストは、“選択”というジャンルにおいて第一想起を取れる存在になろうとしています。『モノやサービスを選択するならmybestを使おう』という世界観を実現しようとしているんです」。

最後にそう語ったのは、代表の吉川氏ではなく、大野氏だった。まだ入社して日が浅いメンバーからこうした野心的な言葉が飛び出すとは、同社のビジョンの浸透度が伺えた瞬間だった。

“検索”の第一想起がGoogleならば、“選択”の第一想起がマイベスト。壮大なビジョンと言えば、たしかにそうかもしれない。しかし、GAFAMに並ぶような“選択”のインフラが、もしかしたら日本から誕生するかもしれない。いや、誕生するだろう、そんな確信に似た期待感を抱いた取材だった。

こちらの記事は2022年11月17日に公開しており、
記載されている情報が現在と異なる場合がございます。

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スタートアップ人事/広報を経て、フリーランスライターへ。ビジネス系のインタビュー記事や複数企業の採用広報業務に携わる。原稿に対する感想として多いのは、「文章があったかい」。インタビュイーの心の奥底にある情熱、やさしさを丁寧に表現することを心がけている。旅人の一面もあり、沖縄・タイ・スペインなど国内外を転々とする生活を送る。

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藤田 慎一郎

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