ミッションドリブンを極めれば、“良い事業”が自然と増え、未来も変わる──人材業界を進化させる先駆者・パーソルキャリアの実態に学ぶ事業戦略と企画マインド

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インタビュイー
森 宏記

2007年、インテリジェンス(現パーソルキャリア)に入社。2011年、新設された社内異動希望制度を活用し、事業企画部へ異動。既存事業の立て直し、新規事業の立ち上げ等を経て、全事業部門の事業企画を経験。その後、経営企画責任者、コーポレート部門の再立ち上げ、Mission策定、中期経営計画策定などに従事し、2021年より現職。

東海林 孝之

慶應義塾大学卒業後、新卒でドトールコーヒーに入社。店長から事業企画にキャリアチェンジし、デロイト トーマツ コンサルティング、通販業界でのCMOを経てパーソルキャリアに入社。現在は、経営戦略本部 組織開発統括部 兼 タレントシェアリング事業部 事業企画統括部 エグゼクティブマネジャーとして幅広い業務に責任者として携わる。

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読者の皆さんは、「人材業界」についてどのような印象を持っているだろうか。もしかすると自分自身が就職や転職を考えるときにサービスを利用したことはあっても、自分自身が人材業界の仕事に直接かかわることは、まだ考えたことすらないかもしれない。

だが実は、近い将来、さまざまな業種・業界との密な事業連携が当たり前になっていく可能性がある。

人材業界は経営の四大資源「ヒト・モノ・カネ・情報」の第一に挙げられる“ヒト”に寄り添う仕事だ。これまで終身雇用制度に支えられてきた日本も、昨今は時代の流れに応じて転職市場が盛んになってきた。一方で、労働人口には限りがあり、人材の流動だけを最適化するのでは不十分だ。人材業界のプレイヤーたちは今、就職・転職サービス“以外”にかかわる事業を、新たに模索するフェーズへと突入していると言えよう。

パーソルキャリアはこれまで一貫して、人材市場にさまざまな事業を展開してきた。就職・転職サービス関連領域で広く展開する『doda』のサービス群が名を馳せているが、そのほか副業などはたらき方やキャリアの選択肢を増やすサービスも提供している。そんなパーソルキャリアが、昨今の市況を鑑み、より多様なはたらき方が叶う社会の実現のために描いている構想には、新たな領域へのさまざまな挑戦が含まれる。人、そして社会のためにはたらき方やキャリアと向き合う同社が描く、ミッションドリブンを突き詰めた姿とは?

その答えを知るべく、事業立ち上げ・グロース経験を持つ、経営戦略本部本部長の森 宏記氏と同本部組織開発責任者である東海林 孝之氏にインタビュー。取り組んでいる“未来創造”と“事業開発”について詳しく聞かせてもらった。社会と経済を発展させ、世の中に価値を生み出していくため、この「人材業界」において目指す姿。そこから、ビジネスパーソンとしての在り方を学ぼう。

  • TEXT BY YUKI YADORIGI
  • PHOTO BY SHINICHIRO FUJITA
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実直に“ヒト”と向き合い続け、図らずもついてしまった“転職屋”のイメージを脱却

“転職屋”からの脱却、これが私たちの課題です。これまで私たちは顧客企業に人材をご紹介することを事業としてきましたが、その領域は転職だけでなく、就職、副業、再就職、海外人材の紹介など、幅広く展開されています。

「人材」は、私たちのビジネスの資本であり、人材の流動性を高める仕組みは、現代社会のインフラのひとつとも言えます。私たちは人材に関わる課題解決のソリューションを提供する会社だということを、皆さんにはまずお伝えしたいです。

学校から社会へ、あるいは企業から別の企業へ。人がキャリアを決断する瞬間は、その人の人生を大きく左右する。そして適切な人材を獲得できた企業は成長できる。個人と企業、その双方に大きなインパクトを与える人材紹介ビジネスは、“転職屋”と揶揄されることもあるが、そんな単純な言葉では到底あらわせないほど奥深いことも、少しずつ理解されてきたと東海林氏は言う。

東海林新卒採用と中途採用を比較すると、中途採用で面接に来られる方は「転職サービスの会社なんでしょ?」という温度感の方がいまだに多いのが正直な印象です。一方、比較的フラットな視点を持つ若い層から見たパーソルキャリアの印象は、そうでもないみたいなんです。

先ほど森が話したような「人に関わる課題解決」という切り口を自分ゴトとして理解し、「社会を良い方向に変えていくために頑張りたい」と考えている方が増えてきました。社会の変化に敏感な人が増えているということなのかもしれません。うれしい状況ですね。

それに加えて、肌感覚としても、人材サービス会社の社員としての価値もすこしずつアップデートされつつあります。

このように、人材業界には明るい兆しもあるようだ。若い世代こそ、そのあるべき姿をより具体的に、より強く自分ゴトとして感じているというのは興味深い。

といってももちろん、課題も山積している。東海林氏は苦笑いも見せながら語り続ける。

東海林ほかの業界・業種から見ると、まだまだ人材紹介に対する古い固定観念が多くあるように感じます。

私たちはそうした現実を受け止めて、どのように外部とコミュニケーションを取っていくと良いのかを考え、そして人材サービス業を営む企業としての役割と使命を果たしていかなければなりません。

「人材業界の進化」と「経済社会の発展」は、間違いなくリンクする。そしてそんな事業展開を実現できるのが、ミッションドリブンを突き詰めてきたパーソルキャリアならではの姿だ。この2人の話をじっくり聞いて、そんな思いを確かにしたFastGrow取材陣。できるだけ同じ感覚を味わってもらえるよう、まとめていきたい。

まずここからは森氏と東海林氏の言葉を通じ、読者の皆さんの人材業界に対する価値観をアップデートしていこうと思う。前提を理解するため、人材業界の過去と現在について森氏から解説してもらおう。

ここ十数年ほどの間、人材業界の企業は「採用手法の多様化」という切り口で事業成長を試みてきました。たとえば、ダイレクトリクルーティングという採用手法にハイクラス人材を獲得できる強みを組み合わせる、あるいは業界や職種ごとに細かく特化するなど、あくまで採用という領域内でバラエティーを増やしてきたわけですね。

この戦略の成功の背景には、「転職」の浸透があるんですよ!ビジネスパーソン一人あたりが人生で転職する回数の増加によるマーケット拡大は必然的に起こるものですし、これからも続くと思います。

増え続ける「転職願望」と「人材採用ニーズ」という需要に対して応えていけば、それだけでビジネスの伸長は期待できますよね。そういう意味で、この業界は、比較的に確度が高いビジネスができると言えます。だから参入も多い。

森氏の話に背景を補足すると、日本にはこれまで終身雇用制度という“ならわし”が色濃く存在した。新卒一括採用に始まり、年功序列の縦組織をつくる。社員は安定した収入とキャリアアップを約束され、企業は社員が長期的に活躍することで事業成長を続けていく……。いま書くと絵空事のようにすら思えるこの構図は、経済成長のさなかにある日本には適していた。

しかし、読者の皆さんもご存じの通り、これは前時代的なものだ。テクノロジーの進化、グローバルにおける市場競争、ライフスタイルや仕事に対する個人の価値観の多様化。さまざまな要因が重なり、「転職」を是とする風潮は急速に浸透していった。

そして2022年に経済産業省によって発表された「未来人材戦略」では、「終身雇用に象徴される日本型の雇用体系との決別」という言葉が掲げられている。経済的に失速しつつある日本が再び力を取り戻すために、企業の採用を担う人材業界は大きな意義を持つだろう。

しかし、森氏はこの現状にあぐらをかくのはナンセンスだと続ける。それはこの転職市場が抱える課題にも直結することだ。

転職そのものが一般化しても、人の数は変わりません。極端に言えば、人材が右から左へ移動するようなことだけが繰り返されているのであれば、市場の本質的な課題は解決されないわけです。

多くの企業が長らく採用難だと口をそろえる理由が、ここにあります。人事の中でも、採用活動には特に多くの予算が充てられていますが、それに見合った成果を出し続けられている企業はほんの一部で、課題感は大きいと感じています。

だからこそ私たちも、転職支援だけでなく、企業の本質的課題を解決する方向へと舵を切らなければならないのです。

転職を是とする社会の追い風を受け、ますます盛況になるであろう人材市場。一方で変えようのない人材の母数。この現状を受け、“転職屋”からの脱却を掲げるパーソルキャリアはどこに向かうのだろうか。

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「はたらく」の選択肢をより豊かにするためにたどりついた「学ぶ」こと

『doda』に関連する中途採用関連サービスだけでも10個、東海林氏が立ち上げたHiProブランドのサービスは3個ある。他にも採用・経営支援領域と新卒採用領域まで含めると、サービスは合計20を超えるほど。この多様な事業展開を、徹底したミッションドリブンで進めてきたのが、パーソルキャリアの知られざる実態だ。そしてここから見ていくのは、『HiPro(ハイプロ)』を中心とした「学び」文脈の事業に関する裏話(立ち上げの経緯など詳しくはこちらを参照)。

人的資本経営が非常に重要な経営トレンドとなる中で、合わせて頻発するようになったキーワードに「リスキリング」がある。リスキリングとは、はたらき方の変化によって新たに役立つスキルや知識を習得する取り組みを指す言葉だ。この概念が国内外で注目される背景としては、DX推進の時流やコロナ禍が挙げられる。

まずDX推進によって企業のシステム、及び社員に求められるスキルや素養は大きく変化しつつある。技術やソリューションが先行している印象が否めない今、それに追随する形で人々は新たなスキル獲得を急がなければならない。

加えて、コロナ禍ははたらき方を一変させた。リモートワークの概念が浸透するのに伴い、コミュニケーションの手段やマネジメントの意義は変容しつつある。そうした環境下で副業やパラレルワークも現実的な選択肢となっている昨今、人々はスキル獲得によるメリットやキャリアアップを想像しやすいだろう。

これらの要因に付随して、厚生労働省が掲げる「人生100年時代」という概念がある。世界一の長寿社会である日本におけるライフプランの設計で、重要なのは生涯学習……すなわち「学び続けること」だと国は宣言している。

この「学び」のニーズこそが、今後人材業界が踏み込むべき新たな世界の起点だと森氏は語る。

時代は人々の「学び」を促進する方向へと歩み始めています。先ほど話した採用難に苦しむ企業もまた、同じように「学び」が現状を打破する突破口だと気付くはずです。人材の頭数が変わらないのであれば、人材そのものの価値を高めていくほかありません。

人的資本経営がトレンドになる中でも、実際の投資金額で言えばかなりの割合が採用に注がれています。そうした予算が、これからじわじわと教育・研修にシフトしていく。そんな未来が近いうちに実現すると、私たちは考えています。

そこに新たな事業機会を見出し、すでにパーソルキャリアは次世代のニーズに応じるための準備を始めている。その象徴として挙げられるのが「PERSOL MIRAIZ」である。これは、個々のキャリアの可能性をスキル軸で可視化し、学びの促進や最適なキャリア選択の支援を提供するソリューションだ。

先ほど「学び」の領域への転化について示唆しましたが、ただ「学べ」と言われてもそうそう学ぶ気は起きませんよね。例えば、「これを学んだら年収が上がります」という動機付けはとてもわかりやすく、学びのきっかけになります。私たちはこうした「はたらく」と「学ぶ」をつなぐ場を設計することを、今後の注力領域と捉えています。

この「学び」を軸とした新たな価値提供について、もうすこし詳しく聞いてみよう。すぐに思い浮かぶのは、「何を学ぶのか」についてだ。キャリアに直結する学びというと、当然コンテンツの質も高くなければならない。また、即戦力となれるスキル獲得となれば、内容をつくりこむためには企業の協力も必要だろう。

我々が新たに考えたオリジナルコンテンツによって発展させていくということは、そもそも考えていません。それよりも、すでに企業に存在しているものを、「新たな学びコンテンツ」にする仕組みをつくるほうがいいと個人的には考えています。

たとえば、社員研修は社員を対象とした教育目的のみに利用されていますが、社外に対しても同じコンテンツを解放することができれば、仮に選考応募前の人に実施した場合、その研修修了の証を候補者としてのレベルを測るひとつの指標とすることも可能になります。

それこそ、専門性の高い企業の研修を修了した人材であれば、それだけスキルレベルが高いと判断することができるでしょうし、著名な企業から学んだ実績があれば拍がつくでしょう。職歴だけでなく学びについてもログが可視化できるようになると、転職や副業のハードルは今よりも下がるはずです。ちなみに、こうしたソリューションの提供について、海外ではすでに先行事例があります。

学んだ内容がデジタルバッヂやタグといったカタチで個々人に残っていくと、採用フローにも良い影響が出てくる。例えば、「Googleのあのカリキュラムを受けた人材なら、うちの会社の一次面接はパス」といった選択肢が増えてくるかもしれない。確かにこの仕組みをつくっていくことには、大きな可能性を感じる。

そして「ちなみに学びの浸透を促すサービスは、既存の転職市場にも影響を与えるものです」と東海林氏は続ける。

東海林転職が一般化してきたとはいえ、実際の転職率ははたらく人全体のうちわずか5%です。もちろんこの割合はこれから増えていくでしょうけれど、終身雇用制度が浸透した日本において、やはり転職のハードルは高いのです。

一方で、いま転職を選択しない95%の人のうち、いったい何%が現職に満足しているのでしょうか。おそらくその大半は「満足してはいないけれど、かといって転職となると腰が重い」と答えるでしょう。

この腰の重さを解消するひとつのきっかけとして、私たちは「学び」を提供したいのです。企業が求めるスキルをカリキュラムに落とし込み、転職前の一ステップとして「学び」を届けることができれば、キャリアの選択肢は大きく広がるでしょう。私たちが転職ではなく学びを提案するのは、いわば「今の住まいに不満があるならば、引っ越しまではいかないけれど、せめてリフォームから始めませんか」というスモールステップをつくることに似ていると思います。

個人ユーザーの視点から見たパーソルキャリアの提供価値として今後打ち出していきたいのは、個々のキャリアデータと、それらにまつわる多くの有益な情報を一元管理できる場となることです。就職や転職といった、人生における重要な意思決定に、直接的にも間接的にも寄与できる存在であることが、この社会において大きな価値を持ちます。

私たちが掲げるグループビジョン「はたらいて、笑おう。」をすべての人が体現できるよう、大学卒業後の人生に伴走し続ける会社になることが理想ですね。そのためには、就職、転職、副業、学び……すべてのラインナップを網羅し、データを紐づけていくことが重要だと考えています。

東海林先ほども少し触れた『HiPro』は、『i-common』というサービス名で以前から取り組んでいましたが、全体をリブランディングするところからスタートし、転職⇔副業⇔学びという流れをより明確にかたちづくろうとしています。

ビジョンの実現に向かい続けるためにも、非常に良い意思決定だったと思います。このサービスをグロースさせつつ、パーソルグループ全体でのビジョン実現にも明確に寄与していくのが、これから楽しみなところです。

森氏と東海林氏が言うように「はたらく」と「学ぶ」をつなぐ場を提供すれば、個人のリスキリングの動機付けは促進され、よりキャリアの選択肢が豊かになっていくだろう。また、企業も従業員一人ひとりのスキルが伸びることで、人材獲得に明け暮れずとも事業成長に資する人材を確保できることになる。人の幸せを基軸にしたより良い社会の実現をめざすパーソルキャリアだからこそ、こうした答えにたどり着いたのかもしれない。その新たな価値提供の道を、ミッションドリブンで突き進むというわけである。

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全員で多様なキャリアづくりを支援。
その思想は「ウィズパートナー」という次のフェーズへ

さて、パーソルキャリアが狙う新たな市場や事業構想は、非常に魅力的かつニーズに合致したものだと感じた。市場競争という観点での不安はないのだろうか。

他業界から人材業界への新規参入は増えています。マーケットのポテンシャルが高いことは、確かに周知の事実と言えるでしょう。

一方で、参入企業にはいくつかの困難があります。1つ目は人材業界のビジネスが持つ特色です。人材紹介のビジネスモデルは極めてシンプルかつストレートなので、既存顧客に対して“商売色”が強く出てしまうことがブランドイメージや顧客体験の棄損につながる可能性があります。

2つ目は、転職・副業選びのマーケットは高いニーズがあるものの、実際に売り上げをつくり続けていくのは極めて難しいビジネスであること。トレンドの移り変わりが激しいことから個人ユーザーの飽きは速く、かつ短期間で何度も利用することはないためリピート率を高水準に保ちにくいのです。

だから、一社単独で成し遂げるのは至難の業と言えるでしょう。一部のエンジニア領域では成功事例も見受けますが、これは稀なケースでしょうね。

確かに、別領域の商品やサービスを提供する会社が新たに人材業界に参入するケースを思い浮かべた場合、それがいかにも“ビジネス”に見えるのは容易に想像できる。しかし、他社参入のケースをもうすこし紐解いていくと、別の意図のほうが強いと森氏は続ける。

「人材マーケットでビジネスがしたい」というのが企業の狙いのすべてではありません。それよりも「顧客と良好なブランドコミュニケーションを取りたい」という願いのほうが強く感じます。というのも、昨今の潮流である「人に寄り添う」スタイルの事業展開を突き詰めていくと、どの業界でも最終的にはキャリアというテーマに必ず向き合うことになるからです。

例えば、ある大手通信キャリア企業が人材サービスへの参入や、事業提携などに興味を持ち、弊社に相談してきてくださった例があります。

また、あるEC関連企業とのパートナーシップも具体化しかけています。この企業は商品販売だけでなく、ライフスタイルについての幅広い提案を社会に対して行っており、エンゲージメントの高いユーザーを多く抱えています。そして次のステージへと歩を進めるため、私生活だけでなくキャリアも含めたライフ全体を見据えていこうと考えているようです。

このように、人材業界に直接参入したり、人材業界ならではの視点を取り入れたりしようと、さまざまな連携の模索が見られます。私たちは、そんなタイミングにおいて、パートナーとして選ばれ続けるよう、ビジョンの体現をとにかく意識していくわけです。

顧客理解や従業員理解に努め、多様性にあふれる一人ひとりの人生を紐解いて最適解を導いていく。つまり人を想うことに支えられた持続的な経営というものが、現代の企業には求められている。一方で、個々の企業が人材業界のビジネスを新たに立ち上げることには困難が伴う。こうした市況に対し、パーソルキャリアはどのような姿勢を示していくのだろうか。

私たちは、この2023年7月に打ち出す中期経営計画の更新版における柱のひとつとして「ウィズパートナー」を掲げます。ビジネスというよりもパブリックリレーションの観点で、「多様なキャリアづくりを全員で協力してやっていこう」というメッセージを打ち出し、企業との連携強化を図るイメージです。

競い合うのではなく巻き込んでいく。これが、パーソルキャリアが今後歩んでいく道だ。そしてここに先ほど話した「学び」という新たな領域が加わると、「多様なキャリアづくり」からもたらされる企業サイドのメリットも明確に見えてくる。

東海林これまで私たちが事業軸としてきた「転職」というものは、ユーザーにとってはあくまで“非日常”です。断片的あるいは非日常的な接点のみでしかユーザーと関われないことが、掛け捨てビジネス的な印象を強める要因にもなっていたと考えています。

一方、私たちが注目する学びというものは、ユーザーの日常との接点になり得るものです。人々の生活に入り込んでいく起点として、学びは有効にはたらくでしょう。一方で、学びが日常化している人がこの日本で多数派なのかと言えば、現状そうではありません。この現状も踏まえ、どのように日常に溶け込んでいけるかが、私たちの今後の課題と言えるでしょう。

そこで、生活に内包される価値を提供する企業とのパートナーシップが活きてくると私たちは考えています。そして企業もまた、転職市場のひとつ前に学びというクッションを置きながら私たちとパートナーシップを組んでいくことで、現実的な人材市場への参入を叶えやすくなるはずです。

各企業それぞれが抱えるお客様一人ひとりの「学び」と「はたらく」をつなぐ仕組み、つまり“インフラ”を、私たちは提供する存在として、唯一無二の立ち位置を築いていきたいと考えています。

つまり、パーソルキャリアが幅広い業界の企業との連携強化を強めることで、人々のスキル獲得につながる学びの場は一層身近なものとなり、それに伴ってキャリアの選択肢も豊かになっていくというわけだ。そして企業はその価値提供を通じ、顧客との深い関係性を構築することができる。人を起点とした構想は、やがて生きやすく、はたらきやすい社会の実現へとつながっていくことだろう。こうした未来の描き方には、パーソルキャリアらしさが垣間見える。

東海林同じ事業領域の“人材会社”の中で、パーソルキャリアはひたすら人材に向き合っているところがユニークだと思います。人材紹介やキャリア支援というものをビジネスとして扱う会社が多いなかで、パーソルキャリアはどこまでも“人”を軸に考えています。

そうしたミッションドリブンな姿勢が、少しずつ伝わってきているからこそ、他企業との良いコラボレーションを増やせているのだと感じますね。

個人の幸せを願っている経営方針とカルチャーがパーソルキャリアらしさ、強みでもありますから、東海林が言ったようなコラボレーションを増やしていく中で社会的・経済的価値を連続的に創出していくのが理想ですね。

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「自由」に、自分らしくはたらける環境を、社外にも、社内にも

ここまでのセクションでは人材市場の現状や、今後パーソルキャリアが取り組んでいく「学び」を軸とした事業の確度、そして業界を横断して展開されていく「ウィズパートナー」の未来について二人に語ってもらった。読者の皆さんが人材業界に抱く印象は、ずいぶんと変わったのではないだろうか。

最後に、パーソルキャリアではたらくことについてフォーカスしていこう。個人の幸せを願っているからこそ導きだされる答えは、当然社内にも適用されていく。むしろパーソルキャリアは、人々の未来のはたらき方を一足先に体現する会社という側面もあるのかもしれない。

パーソルキャリアではたらく人は、一言で言えば「自由」を手に入れることができます。社内異動はもちろん自由ですし、他社への転職も止めません。起業しても副業してもいいでしょう。就業規則さえ守ってくだされば(笑)。

何でもなれるからこそ、「あなたは何がしたいの?」と問われる環境でもあります。受け身で指示を待ってしまう人にはあまり向いていない会社ですね。

この「自由」というキーワードは、今後パーソルキャリアが世の人々に提供していく選択肢の豊かさにつながっていくものだ。森氏の言葉からは、はたらくことの「自由」の可能性を自社から拡げていくような印象を受けた。そして、その「自由」を裏付けるようなエピソードを、東海林氏は自身の体験から語ってくれた。

東海林私が森さんとはたらくなかで学んだことは、「自分らしく仕事をしていい」ということです。森さんはほんとうに嘘がつけなくて、自然体のまま仕事をする人です。企画職をかしこまったスタイルでこなそうとする人も多いのですが、森さんはそのスタイルにいい意味で染まっていません。自分のやりたいことを自分らしくやって、成果が出ることで企業が成長していく。そんな森さんのはたらき方を間近で見ることは、私にとって大きな学びとなりました。

人材業界の仕事は、良くも悪くもシンプルです。業界特有の用語や知識をあまり必要としないからこそ、頭の使い方で勝負する世界とも言い換えられます。その本質を考えれば、自分らしさを出しやすいとも言えるかもしれません。

自分のやりたいことを、自分らしく。常に己の意志を問われ続ける環境は決して生ぬるいものではないが、だからこそ得られるものも大きい。いま、パーソルキャリアの社員が得られることについて、二人に聞いてみた。

パーソルキャリアは、これまで人材業界にたくさんのサービスを立ち上げてきました。これまでこれらのサービスは独立していましたが、今後は分散していたデータをもとに各サービスを結びつけ、ひとつにしていくことに注力していきます。これは非常にエキサイティングなフェーズと言えますし、真の意味で最適化されたサービスをユーザーに届けられるという展望が、すぐそこに見えています。

これは私たちが提供する顧客体験を刷新する契機でもあり、ゆくゆくはグループ全体でクロスボーダーリクルーティングに挑むことにもつながっていく道の一歩とも言えるでしょう。

東海林事業責任者としての肌触りを自ら体験できる職場だということをお伝えしたいです。企画職に就いていても、環境によってはそれが机上の空論になってしまうことも少なくありません。これまで自身の企画がバリューを出せているかわからないと悩んでいた人にとって、きっとパーソルキャリアは良い成長環境となるでしょう。

ちなみに東海林くんとはたらくと、企画職の人材としてはどこにでも通用する高い能力と経験が得られますよ。企画のスキルと考え方、そして実践論を、これほど体系的に教えられるのは東海林くんしかいないかも。

東海林ありがとうございます。ではその点も期待いただくとして……(笑)。

会社の期待に応える、ユーザーの期待に応えるためのスキルやマインドを育みつつ、自身のやりたいことを叶えられる「自由」を手に入れられるのがパーソルキャリア、とまとめましょうか。思い通りに人生をコントロールしたいと願っている人に、私たちはその力を与えたいですね。

はい。そして入社する人に唯一求めるのは、人材業界というフィールドに対する興味です。人という存在を介した社会価値構築、ビジネスに興味を持つ方は、ぜひ私たちと共にはたらきましょう。

「人材ビジネスに興味があります」と、即答する読者はそう多くないかもしれない。同じく人材=HRを意識するのなら、SaaS企業というキャリアの選択肢も目立つ。しかし、ここまで話してきたように、個人にとってキャリアの選択は人生の一部であり、社会にとって人材は資本である。それらを唯一無二のモデルで支える存在となるのだから、まさに、この新たな「人的資本経営時代」における”インフラ企業”とも言えそうだ。

HRに関わるビジネスとは、すなわち、「人がはたらくことや学ぶことを通じて人生を豊かにする支援であり、経済を支える人材という資本の循環を最適化すること」なのだ。その魅力の一端を感じ取れた読者は、全業界を横断しながら新たな価値提供をめざす一人として、パーソルキャリアの事業に何らか関わる道を探ってみると良いかもしれない。

こちらの記事は2023年07月20日に公開しており、
記載されている情報が現在と異なる場合がございます。

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執筆

宿木 雪樹

写真

藤田 慎一郎

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