海外と設計思想を変える。
歴史で紐解く、MAツール市場で「SATORI」が支持されるワケ
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一般的にマーケティングは「売れるための仕組み作り」と定義されている。
その仕組み作りの中で、近年、注目を集めているのがマーケティングオートメーション(MA)ツールだ。
ツールと言えば海外製が多い中で、デジタル時代にマッチした製品を提供している国内メーカーが「SATORI」である。
なぜ、同社はMAツールの開発に取り組んだのか。海外大手に対して勝算はあるのか。
代表取締役植山浩介氏とツールの開発を牽引している技術開発部部長の池上弘志氏に話を聞いた。
- TEXT BY HITOMI NAKAMURA
- PHOTO BY SHINICHIRO FUJITA
マーケティングとは何か?デジタル時代とは何か?
マーケティングとは何か。経営学者のピーター・ドラッカーによると、「販売を不要にすることである」と同氏の著書「断絶の時代」に記している。つまり、市場調査や広告宣伝、効果検証という一連の活動を実行・管理していくことで、顧客が自ら買いたくなるような状態を作ること=顧客開拓こそが、マーケティングである。
あなたの日頃の購買活動を思い返してほしい。購買ために「情報収集する手段として何を使うか」と問われれば、あなたは「スマートフォン」や「インターネット」「SNS」と答えるだろうが、これがすなわち「デジタル時代」に突入しているという意味だ。
植山今の人たちはデジタルの情報に価値があると考えている。だからこそ、商品やサービスを提供する側のマーケティングは、デジタルが主戦場になっており、これをデジタルマーケティングと呼んでいます。
デジタルマーケティングを実現するツールやサービスとして、デジタル広告やWeb接客、CRM、MAなどがあるが、その主戦場は顧客のデジタル化が進んでいるBtoC市場である。一方で、SATORIがターゲットとしているBtoB市場は「まだデジタルマーケティングが始まっていない」と植山氏。というのも、BtoBにおいては買い手がデジタル化していない。つまり企業の担当者はいまだ展示会、営業訪問、セミナーなどの非デジタルを通して購買を行うからだ。しかしBtoB業界もいずれデジタル化することは明白であり、MAツールはその時に進化を発揮する。
ここで簡単にMAについて説明しよう。MAとはマーケティングオートメーションの略で、直訳するとマーケティング(顧客開拓)+オートメーション(仕組みづくり)である。つまりMAツールは「顧客開拓の仕組みづくり」を支えるツールだ。母集団となる見込み顧客(リード)をつくり、その母集団から計画的に購買顧客を作り出す。そのための様々な機能が備わっている。
海外大手に対する勝算は?
実はMA自体、新しいものではない。植山氏曰く、「その概念が登場したのは1999年」。MAが登場した当時、もちろんスマホもなければ、インターネットでさえも普及していたわけではない。つまり旧来のMAツールは、展示会で獲得したリード顧客にメールを配信したり、本社に来た地方からの問合せを代理店に転送したりといった、顧客がデジタル化されていない時代のオフラインマーケティングを最適化させるツールとして登場したのである。
現在、SATORIをはじめ、Eloqua(オラクル)やマルケト、Pardot(Salesforce)、HubSpotなどさまざまなMAツールが市場を賑わせている。SATORIは2014年にスタートし、MAツールの中でもかなりの後発だ。しかし後発だからこそ、他のツールにはないデジタルマーケティングにフィットした優れたツールを提供できたという。
同社のSATORIは展示会、電話、訪問といったオフラインマーケティングを最適化する旧来のMAツールとしての機能に加え、デジタル化した顧客に対してウェブ広告や、ウェブサイト管理、プッシュ通知などオンライン上での顧客コミュニケーションを可能にするDMP機能が装備されている。つまりSATORIは「オフラインとデジタルをシームレスにつなげるツール」なのである。
一方、先行して市場投入されているMAは、先述したようにデジタル時代の前にリリースされたものがほとんどだ。
植山従来のMAツールは、主にオフラインマーケティングを目的に開発されたものです。それをオンラインの時代に無理やりマッチさせてきているツールがほとんど。海外大手マルケトはもちろん、オラクルが買収したEloqua、セールスフォースが買収したPardotもそう。またオラクルやセールスフォースは、DMP機能を強化するため、それぞれBlueKai、Kruxを買収し、それらを苦労して接続することでようやくデジタル時代にフィットさせようとしている。一方、SATORIは最初からMAとDMPがつながっており、元々の製品の設計思想が違うのです。
SATORIのこれから
実際に開発を担当している池上氏も、「SATORIにはデジタル顧客を育成できる仕組みがあることが特徴だ」と言う。
池上他社MAツールだとデジタル顧客を管理できませんが、SATORIならそれが可能です。オンライン上で少しだけ自社に興味を持った、名前も知らない匿名ユーザー。そういう人たちにも段階を踏んで、適切にアプローチできるようにした、つまり匿名顧客を育成できるようにしたところに、SATORIの商機があると考えました。
実は池上氏は以前、あるアドテクの会社に所属していた時、日本で初めてDMPを作ったチームのメンバーだったという。
池上私がその会社に入った時には、すでにDMPは完成していました。しかし携わっていくうちに、いくつかの技術的な課題を感じたんです。その反省点を修正して開発したのがSATORIなので、我ながら良くできていると思います。
「後発」、「既存ツールの反省点を生かした」ことはSATORIの強みであることは間違いない。だが、SATORIの本当の強みは「私を筆頭に社員全員、SATORIが大好きだということ」と植山氏は熱く語る。
SATORIの社員はSATORIを活用して、新規顧客の開拓を行っている。つまりSATORIの一番のユーザーは、自社の社員なのである。「使いづらいところがあると、すぐ『ここが使いづらい』という声が聞こえてくる。」と池上氏。SATORI社内でプロダクト開発のサイクルが回っていることがSATORIの強みというわけだ。
MAツールとしては後発でありながら、このような強みを生かしてSATORIはすでに250社を超える企業に導入されている。しかし、「BtoBのデジタル化はこれからが本番」と植山氏は言い切る。BtoBマーケティングでは展示会、DM、テレマーケティング、営業支援などのオフライン市場を合わせれば数兆円単位の金額が動いている。今後、そのオフライン市場が益々デジタルに取って代わるからだ。
植山もちろん、すべての展示会がなくなるわけではないでしょう。ただ、展示会に足を運ばないといけないとか、名刺を渡さないと資料がもらえないとか、BtoB特有でとても不便です。BtoCなら、たとえば店舗で洋服を試着するのに個人情報を開示する必要はありません。
顧客が匿名で、場所を選ばず、自由に情報収集できるようになれば、もっとBtoBは変わるはずだ。企業側はMAツールで匿名顧客を管理できる仕組みさえ作っておけば何の問題もないというわけだ。
「MAツール市場の成長は約束されている。そういう意味でSATORIはベンチャー企業にありがちな、博打的な要素はありません。冒険心のある人にはちょっと物足りないかもしれませんね。」と植山氏は笑う。
品質を支えるエンジニアのスキルの高さ
SIerから始まり、Web系、アドテク系など様々なIT企業で開発経験を積んできた池上氏は、「確かにSATORIが狙う市場は手堅い成長市場。0か1かといった刺激はないかもしれませんが」と前置きした上で、MAツールに携わる魅力を教えてくれた。
池上それ以上に、この分野のツール開発にはやりがいがある。それは、求められる品質の高さです。MAツールは大抵、中小企業にとっては大きなお金を投入したマーケティング活動の根幹を支えるツールとして運用されるため、設計が破綻すること、データがうまく活用できないことは一切許されません。そういう品質の高さを追求していくことがやりがいであり、面白さです。そしてもう一つ、忘れてはならないのが、作っているモノが企業の売上に直接的に貢献できるものであること。そこは充実感につながります。
企業の売り上げに貢献できる品質の高いツールを開発するため、同社のエンジニアに求められるスキルレベルは「非常に高い」という。
池上当社ではRubyを中心に、Go、Java、JavaScript、Scala、Python、mrubyなどさまざまなプログラミング言語を使って開発しています。例えば新しいデーモンを記述する時に、この言語なら、こんなスッキリしたコードで書けると誰かが言うのなら、その言語を使うという感じですね。今挙げたすべての言語が使える必要はありませんが、勉強する意思があることが重要になります。また当社ではフロントエンドやサーバーサイドなどの区別なく、全員のエンジニアがすべての業務を担当します。1つのプロダクトの全行程を1人で支えられるエンジニアになれるキャリアを作っていくには、もってこいの職場だと思います。
植山氏はビジネスメンバーのキャリアについて、「SATORIで働けば、デジタルマーケティング市場で一生困らないスキルが身につくはずだ」と言う。これから伸びゆくBtoBのデジタルマーケティング領域に合わせたプロダクト開発に携われるのだから、それも当然だろう。だが、現状のSATORIは完成形というわけではない。10年後には、BtoB のデジタル化が本格化する。その時にSATORIはどんな技術、ノウハウを駆使して業界を支えるのか。植山氏と池上氏の挑戦はこれからも続いていく。
こちらの記事は2018年05月25日に公開しており、
記載されている情報が現在と異なる場合がございます。
執筆
中村 仁美
写真
藤田 慎一郎
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