【実録】組織の壁。最後の難所“100人の壁”をどう乗り越えるか──現在進行形、ユニラボの挑戦にみる拡大に耐える組織の作り方

インタビュイー
工藤 嘉也

2007年に伊藤忠商事株式会社に入社。オリエント・コーポレーション、ファミマ・ドット・コム(現:ファミマデジタルワン)への出向など、入社から一貫して事業開発に携わる一方、マーケティング、経営企画、投資分野など幅広い業務経験を持つ。ファミマ・ドットコム在籍中にはFamiポート関連や、大手インターネット企業とのアライアンス等インターネットビジネスの事業開発全般にも従事。2014年から米国シリコンバレーにてスタートアップ企業のビジネスソーシング、出資、及び投資管理を担当。帰国後は伊藤忠商事本体にて事業開発、M&A等を担当し、その後ウイングアーク1stへの出向を経て、2020年にユニラボに入社。アイミツクラウド事業の統括並びに取締役を務める。

中村 哲朗

2007年に株式会社カカクコムへ入社。グルメサイト「食べログ」の初期に参画し事業化を推進。飲食店販促支援、ネット予約ビジネスを中心に拡大。2013年より食べログ本部長。2014年よりカカクコム執行役員。食べログの事業拡大を実現した後、2019年より飲食領域の中長期の成長戦略策定と新規事業を担当し複数事業を立ち上げる。2021年にユニラボに入社。取締役CPO 兼 CPO室 室長を務める。

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組織拡大前のスタートアップは、強力な人間関係で結ばれていることが多い。なぜならそれは、同じ釜の飯を食べて夢を語り合い、ときに“魂”をぶつけ合う仲だからだ。

しかし、創業期の苦楽を乗り越え、順風満帆に成長曲線を描いていたかと思いきや、突如として急ブレーキがかかることがある。マネジメントが行き届かなくなり、視点や視座がバラバラになり、孤立や対立が生まれ、離職者が増える。それによって、事業成長に歯止めがかかる。俗にいう“組織の壁”だ。しかもそれは30人・50人・100人の壁というように、一定の組織規模に到達すると訪れるという。

「なるほど、これが〇〇人の壁か…」と、直面した者だけが知るその壁の高さ。乗り越えるには、一体どうしたらいいのか──。

今回はその答えを探るべく、BtoB発注業者比較サイト『アイミツ』『アイミツCLOUD』を手掛けるユニラボにスポットライトを当てていく。

ユニラボといえば、直近2022年7月27に新たに3億円の資金調達を実施し注目を集める企業。そして今期、企業の羅針盤とも言える“マネジメントポリシー”を刷新したばかりだ。企業として重視する価値観、組織として目指すべき方向性をリデザインし、全社公開するに至った。その背景には、わずか1年で組織規模が約50人から100人へと増加するという、急激な組織成長があった。

ユニラボはこの“100人の壁"とどう向き合っているのか。これから語られるエピソードは、組織の壁を今まさに乗り越えんとする企業の、嘘偽りなしのノンフィクション。そこから見えてくるものとは一体何だろうか。

  • TEXT BY MISATO HAYASAKA
  • PHOTO BY SHINICHIRO FUJITA
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「事業よりも組織だ」。
シリコンバレーのVCが軒並み口を揃える投資基準

今回“組織の壁”のリアルを惜しみなく披露してくれたのは、取締役CRO兼アイミツCLOUD事業統括本部長である工藤 嘉也氏と、取締役CPO中村 哲朗氏の二人。共にユニラボの経営を牽引する存在であり、今回の組織変革の立役者だ。

工藤氏は、伊藤忠商事に在籍しながら出向先の事業開発に携わり、マーケティング、経営企画、投資分野などで知見を深めてきた。米国シリコンバレーでスタートアップ企業への出資をした経験もある。

一方で中村氏は、カカクコムで『食べログ』の事業化を推進してきた人物。入社時は立ち上げフェーズだったが、最終的には数百億円の売上を誇る事業へと成長、その発展をリードしてきた。

まずは、このスタートアップの組織課題に対する理解を深めるため、シリコンバレーで出資経験がある工藤氏に、米国スタートアップを見る中で感じた“組織課題”について伺った。スタートアップ先進国である米国から、日本が学べる点は何だろう。国を問わず共通する課題はあるのだろうか。

工藤日本でも「スタートアップが経営破綻する理由の多くは組織崩壊だ」と言われますが、シリコンバレーに2年出向してみて、まさにその通りだと感じました。

特に、強烈なリーダーシップを持つ経営者がいる組織は、トップマネジメントが入れ替わって分化されるときに、組織の歪みが起きやすいなと。

事業のフェーズが変わっていくにつれて、組織のマネジメント体制も変わりますが、そこを乗り超えられない企業が実に多い。いかにして組織の安定感と求心力を保ちながら拡大するのかが、スタートアップには重要なのだと実感しました。

また工藤氏は投資の観点においても意外な事実を教えてくれた。米国ベンチャーキャピタルが投資の際に見極めているのは、“事業以上に組織”であるとのこと。

工藤アメリカのベンチャーキャピタルが口を揃えて言っていたことは、「投資先の選定として一番に見るのは“チーム”だ」というものです。

二番目に重視するポイントはベンチャーキャピタルごとに変わりますが、このひとつ目のチーム性に関しては、どこもブレずに同じ意見だったことは印象深かったです。堅固なチームを作って成功し続けられるかが、スタートアップにとって最重要であるということです。

2021年度、米国のベンチャー投資額は日本のおよそ100倍というデータがある。「アーリーステージほど投資家の投資基準は『チーム』だ」という論調は日本にも確かに存在している。そしてその主張は本場アメリカでも同様なのだ。それほどスタートアップの成長物語に“組織作り”という観点は欠かせないのだ。

続いて、別観点から中村氏にも“組織”について話を聞いてみた。ユニラボはBtoBサービス企業であるが、前職はBtoCサービスを展開する企業に在籍していた同氏。サービス対象が変わることで、組織面に違いは生まれるのだろうか。

中村BtoCサービスを展開するということは、社員も含めてみんなが普段からサービスを使えるということ。そういう意味で、組織の軸は作りやすい印象がありました。また、前職では確固たる組織戦略があったため、特段強い課題感を感じることはなかったですね。急激な組織拡大もせず、必要なポジションを少しずつ採用するような手法でした。

一方でユニラボはBtoBサービスを扱っているので、素早い課題解決や、投資しながらの事業拡大が必要です。BtoBでは特に課題解決が複雑になりやすい一面があり、多種多様な職種の採用が求められます。一気に事業拡大するためには採用速度も重要になるので、ユニラボでも人数が増加し、価値観や背景の多様化が進みました。

BtoB事業では、スピード感が求められるだけでなく、多様な職種が必要になりやすい。一気にアクセルを踏むため、組織の様相を急激に変える必要がある。二者の会話から、“組織の壁”の背景が浮き彫りになってきた。

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複雑化する伝言ゲームに、希薄化する暗黙の了解。
リアルタイムで味わう100人の壁

次に、ユニラボの組織について見ていこう。「受発注を変革するインフラを創る」というビジョンを掲げ、2012年に設立された同社。10期目である現在、社員数は約100名だという。ユニラボも過去どのように組織の壁を経験してきたのだろうか?

工藤僕が入社したタイミングでは、ユニラボは30名程度の組織でした。この頃はまだ代表取締役CEOの栗山自身も現場に入っていて、社内の人間が共通認識を持ちながら、同じベクトルを向いて走ることが可能でした。

しかし、40名を目指す中で、徐々に栗山一人ではマネジメントが難しくなり、複数名のマネージャーが現場を見る体制へと変化しました。それでもまだ、栗山とマネージャー間で接点が多く取れていたため、大きな齟齬は生まれにくい状況だったんだと思います。

そこから現在は約100名に。マネジメントレイヤーの下にもう一つレイヤーが増えており、“伝言ゲーム”の難易度が徐々に上がってきていることを感じています。

つまりユニラボは、今まさに“100人の壁”と対峙しているということか。工藤氏はこの状況を乗りこなすために、何が必要だと考えているのだろう?

工藤組織の思想や事業の戦略を理解したメンバーを、どれだけ増やせるのかが勝負だと思っています。今後もレイヤーが増え続けていくことを見込んで、このタイミングで共通認識を浸透させていかなければと考えています。

30人・50人・100人と言われる組織の壁だが、もちろん100人を越えれば安泰ということではない。組織はじわじわと拡大し続ける。マネジメントレイヤーは増え、組織の階層構造はいっそう複雑になっていく。工藤氏の視点は、現時点のみならず、その先の未来にも向けられていたのだ。

さて、対する中村氏は、既に80名近い組織に成長したタイミングで入社している。“新入社員”の観点から見たユニラボは、まだいくつかの課題が残っていたという。

中村私が入社したのは2021年の5月でしたが、その年に社員が2倍近く増えています。以前のユニラボは長きに渡って働いていたメンバーが多く、事細かに認識合わせしなくても理解し合える体制でした。しかし、私が入社した頃にはもう、「分かってるよね」という暗黙の了解がまかり通らない状況になっていたんです。

かつ、当時はコロナ禍真っ只中だったこともあり、隣の人に聞くということが難しい環境。社内情報の置き場所や背景理解には苦労しましたね。そこで、自分が直面した課題は今後入社する方もきっとぶつかると感じて、言語化やドキュメント化を進めていくことにしたんです。

組織に多様なメンバーが増えるということは、課題を発見する機会や切り口も増えるということ。中村氏の働きかけもあり、特にこの半年は急ピッチで各種ドキュメントや制度などが整えられていった。

「マネジメントレイヤーが増える中で、組織を順調に拡大するためには、組織や事業を根本から理解する人間が必要。そのためにはまず、共有理解の浸透が重要である。」 「組織人数が増えるということは、阿吽の呼吸で業務を進めることが難しくなるということだ。だからこそ、言語化やドキュメント化は必須である。」

工藤氏、中村氏、両者の着眼点は異なるが、収れんされた答えは一つ。ユニラボが組織の壁を乗り越えるべく選んだ術とはマネジメントポリシーの刷新であった。一体どういった内容なのだろうか。詳しく見ていこう。

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マネジメントポリシー刷新。
キーワードは、“関係の質”

そもそも、今回刷新したマネジメントポリシーとはいったい何なのか?前提となる定義を聞いてみた。

中村理想の組織像と、そこに至る道筋について定めたものです。ユニラボのValueである“まっすぐ”をベースに、多様な価値観や考え方を尊重し、お互いの信頼関係を構築していくことを目指して言語化に取り組みました。

工藤マネジメントポリシーの刷新にあたって重視したのは、一人ひとりのメンバーがMAXでパフォーマンスを発揮できることです。

例えば、現時点でのキャパシティが30までの人なら、その30を最大限に発揮できるようにする。120のキャパシティの人であれば120の分だけ発揮できるようにする。このように個々の多様性を活かしていこうといった内容になっています。

■マネジメントポリシーの定義

ビジョンの実現を可能にするユニラボ独自の組織文化(カルチャー)の醸成、戦略の遂行を可能にするもの。組織をつくる上で大事にするもの、会社が社員に何を求め、社員に何を約束するのか会社と社員と の関係性を示すもの。理想の組織像(≒カルチャーモデル)とそこに至る道筋(≒羅針盤)についての定め。

実際の同社のマネジメントポリシーにおいても、多様な価値観の尊重は重要なファクターだと記されている。

「逃げない、投げ出さない、やり切ることを求める。その上で、個々の考え方、価値観を尊重していく」。多様性一つとっても、ユニラボではどのような定義をしているのか、細やかに言語化されている。言葉だけを一人歩きさせない、そんな強い意思を感じる内容だ。

中村理想の組織像を表すキーセンテンスに、「“結果の質”を高めるために、“関係の質”から高めていく」というものがあります。

ユニラボで挑戦を共にするメンバーを尊敬し、信頼関係を築いていくと、多様な価値観に触れて思考の質が高まります。その結果、自身の行動の質も上がっていく。結果的に、結果の質が向上する、という成功循環モデルのことです。

なるほど、売上や利益といった結果の前に、尊敬を軸とした社員同士の関係性を重視するということか。一見すると耳触りの良い表現にも映るが、決して上辺だけのメッセージではないと分かる。なぜなら、この循環モデルがどうして重要なのかが徹底的に整理されているからだ。

ぜひ、最後まで目を通してほしい。ユニラボが、どれほど組織に本気で向き合っているのか、この整理からも垣間見れるだろう。これこそが、マネジメントポリシーの根底にある考えだ。

■目指す組織像(ストーリー)

・受発注を“変革”するというビジョン実現のために、非連続的な成長(変革や進化)が必要。

・我々のビジョンに向けた道は複雑で難解なもの。一人の力では到底辿り着けない。

・そのため、我々は多様な価値観や考え方を尊重し、集団的知性の形成を重視する。

・ただし、どんな価値観も無条件に受け入れられるわけではない。

・それらを適切にインクルージョンするために行動規範(Value)を重視する。

・特に、挑戦を共にするチームとの“信頼関係”の構築および維持を重視する。

・そうして醸成された「関係の質」が「結果の質」に、非連続成長に繋がっていく。

・多様な価値観を尊重しながらこの好循環サイクルを継続することは難しい。

・ただ、壮大なビジョンへの長い挑戦のために変わらない価値として重視していく。

マネジメントポリシーの実行は難解なチャレンジだが、ビジョン実現のために全員で取り組んでいく。そんな覚悟を感じる。

さて、このマネジメントポリシーのキーセンテンスである「“結果の質”を高めるために、“関係の質”から高めていく」とはどういうことなのかをもう少し深掘りしていきたい。実際のところ、現場ではどのように実務に落とし込んでいるのだろう?

中村皆さん当然ビジネスパーソンとしてこのユニラボで働いているわけですが、ビジネスパーソンである以前に、個人として存在しているわけです。よって、もっと個としての関係性を深める必要があると考え、プロダクト開発のキックオフミーティングで「自分はこういう人間なんだ」とお互いに理解する場を持ちました。

また、それぞれの役割も明確に定義するようにしました。関係の質を高めるためには、個人としての成長も欠かせません。そこで自身のミッションが明確になれば、よりいっそう自分の頭で考え抜いて行動するようになります。結果、内省を深め成長していけると考えました。

役割がクリアになった結果、チームとしてこぼれ落ちるボールが少なくなり、変な遠慮もなくなり、物事がスムーズに進むようになったと感じています。“関係の質を高める”ということに、マネジメントレイヤーだけでなく、ユニラボ全体で向き合えていると実感しています。

マネジメントポリシーは、何もマネジメントレイヤーの指針を限定するのみならず、ユニラボ全体の方向性を示す、いわば会社全体の羅針盤なのだ。実際にメンバーレイヤーも含め、徐々に意識が変わってきているという。次章ではこのマネジメントポリシーが現場でどうワークしているのか、について着目していく。

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「くだらない話をする時間が短い」。
メンバーからの進言も積極採用

ユニラボと同様に、何かしらの“社内ポリシー”を策定したスタートアップは少なくないだろう。社員に直接説明する場を持ち、施策概要をドキュメント化し、社内外に発信する。これが、一般的なポリシー公開の流れではなかろうか。

しかし、ここで浮上するのが、「施策が本当に社員に浸透しているのか」という問題だ。社員一人ひとりが自分ごととして認識し、行動に移すのは容易なことではない。ポリシー策定後、ユニラボはいかにして社員への浸透を狙ったのか?

工藤チームリーダーを通して、マネジメントポリシーがどのように現場につながっているのかを各部門でディスカッションしてもらいました。部門によって見ている世界は違うので、理解浸透には現場内の共通認識が必要だと考えたんです。

また、ポリシーを実行レベルに移すには、より上流に存在する“事業戦略の理解”も大切だと工藤氏は考えた。そこで現在まさに、全社に向けて事業戦略を説明する企画に着手している最中だという。ここでも、できる限り戦略を噛み砕いてストーリーテリングすることを心がけている。

さらに、社員間で気軽にコミュニケーションをとるため、定期的にミートアップも開催。これは工藤氏が何気なくメンバーから言われた一言がきっかけとなった。

工藤「ユニラボはくだらない話をする時間が短いような気がします」。ある日メンバーの一人からこう言われました。すぐさま「たしかに!」と納得してしまいました(笑)。

このころのユニラボでは目的が定まった会議ばかりで、「こんなことができたら面白いよね」と、ざっくばらんに会話できる機会がなかったんです。そこで、カジュアルな会話の機会をできる限り作ることにしました。

これにより、メンバー間でのコミュニケーションが活発化し、会社のことを“自分ごと化”するメンバーが増えたという。

また取材陣が注目した会社の風通しをよくするためのユニークな取り組みを一つ紹介しよう。なんと、部長レイヤーの会議を、会議室のドアを開けたまま実施しているのだ。さらに、その会議の多くは原則参加自由とのこと。マネジメントポリシーを浸透させるべく、さまざまな施策を講じた結果、果たして組織にポジティブな変化は生まれたのだろうか?

工藤ポリシーを刷新する前と比べて、明らかに社員の組織や会社に対する興味関心が強まりました。

具体的には、組織の“縦”と“横”の連携が大幅に強化されました。“縦”の連携、つまり各マネージャーから私に対して、チームメンバーの今の状況を踏まえて、今後どう成長機会を創っていくかという相談をもらう機会が増えましたね。

“横”の連携でいえば、マネージャー同士でそれぞれのチームメンバーの成長を実現するために話し合う機会が増えたんです。

さらに最近では、自分のチームのメンバーだけでなく、他チームのメンバーでも「あれ?」と思ったら声をかけたり、そのチームのマネージャーに連携して1on1を持ったりと、チームや立場を超えて“関係の質の強化”に向かった行動が増えている様に思います。

組織の壁に挑むと同時に、新たなポリシーを形骸化させることなく組織拡大を推し進めることは決して容易なことではない。しかし、一つひとつの施策を着実に推し進めながら、時に機転を利かしユニークな策を講じる。このユニラボの姿勢からは、当初の狙いであった“一人ひとりのメンバーがMAXでパフォーマンスを発揮できる場所作り”への本気度が確かに伺い取れる。

着々と組織を進化させるユニラボではあるが、一方「それに応じて事業もしっかり伸びているのか?」。そんな声が聞こえてきそうなところだ。ご安心を、次章からは同社の事業についても触れていきたい。

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3億円の調達も済ませ、受発注を変革するインフラ創りへと加速

1年で50人もの社員を増やし、約2倍の組織に成長してきたユニラボ。

組織の拡大とはつまり、事業のポテンシャルあってこそだということは言うまでもない。それを示すがごとく、直近で3億円の調達を発表。同社の事業が注目を集める所以とは?

同社が展開する『アイミツ』は、BtoBビジネスの比較・発注サイトである。現在は、システム開発、マーケティング、総務、人事など1,000カテゴリーの業種に対応し、10万社以上の事業者が掲載されている。

発注者は目的に応じて複数の事業者に一括で問い合わせ・見積もりが可能だ。なぜ、このサービスが世の中に求められているのだろうか?率直な質問を投げかけた。

工藤例えば、始めて自社のホームページを作ろうと問い合わせをしたときに、突然「CMS(Contents Management System)は何を使いたいですか?」と要件定義で聞かれても困ってしまいますよね。何一つ知識のない状態で発注先の選定を始めるのは至難の業です。

さらに、複数社から相見積もりを取ったとしても、比較軸を持っていないと正しく選ぶこともできません。発注者にとって情報格差の問題や手間の問題がありますし、受注者にとっては機会損失にもつながっています。こういった障壁を取り去って理想の受発注の実現を目指しているのが『アイミツ』というサービスです。

また、専門のコンシェルジュを置き、電話でヒアリングした上で第三者視点で事業者を紹介していることも特徴として挙げられます。一般のWeb検索では把握することが出来ない情報を、発注者の目線に立って提供しているんです。

また同社は2021年より、マーケットプレイス版の『アイミツ』をさらに進化させ、発注コンシェルジュを介さず自ら相見積もり、企業選定を行えるプラットフォーム『アイミツCLOUD』をリリース。今回の調達もこの新規事業『アイミツCLOUD』への事業投資を加速させるためのものだという。

工藤これまで『アイミツ』は単発でのご利用が多かったのですが、『アイミツCLOUD』は継続的に発注先を見つけていただける仕組みになっています。

とはいえ、まだまだ『アイミツ』自体がHP制作等のIT領域での相見積もりで利用するもの、というイメージが強いのが現状です。今後はすべての企業から「受発注なら“アイミツ”」と思ってもらえるようなインフラを『アイミツ』『アイミツCLOUD』両者を挙げて築き上げていきたいです。

現在の売上比率は、『アイミツ』が9割で『アイミツCLOUD』が1割程度だという。長きにわたって展開してきた『アイミツ』の売上規模が現時点では大きいが、『アイミツCLOUD』も現在パワーをかけて展開中だ。

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顧客に、チームに、コトにまっすぐ。
組織づくりを担うメンバー求む

最後に、今後の組織についても伺った。急拡大の最中にあるユニラボには、どういった人材がフィットするのだろう。

中村我々が目指している「受発注を変革するインフラ」は、これまでに成し遂げたプレイヤーがいません。だからこそ、チャレンジし続けるマインドが非常に重要です。

ユニラボは、熱意と意思があって周りの信頼を勝ち得た人物であれば、年次や年齢に関係なく要職につける環境です。1年程で事業を牽引するポストに立っているメンバーも実際にいます。「未踏の領域で成し遂げてみたい」という前向きなマインドの方には適した環境ではないでしょうか。

工藤活躍しているメンバーの共通項でいうと、会議の場で「こっちの方がいいんじゃないですか」と言える人物であることが挙げられるかなと。

Valueの“まっすぐ”にもつながるところですが、自分の意見を言えて、他者に働きかけられる力は重要だと思います。そしてそれを受け入れる風土は、今後永く根付かせていきたい。

また、『アイミツ』『アイミツCLOUD』はサービスとしては発展途上の段階。自分自身で考えて動いて、お客様に提供する価値をどんどん高めていく必要があります。事業のみならず、組織も発展段階です。未完成であることにこそ、面白さを感じてくれる方にはぴったりなのではないかと思います。

数年以内の上場を目指していることもあり、ユニラボはさらなる組織拡大に向けてアクセルを踏んでいきます。

ユニラボのValueである「まっすぐ」。顧客に「まっすぐ」向き合う、チーム全員に「まっすぐ」向き合う、成すべきことに「まっすぐ」向き合う。驚くほどシンプルだが、心に響くものがある。

組織拡大期に突如として現れる壁は、きっと小手先のテクニックでは打破できない。どれだけ「まっすぐ」に組織と向き合ったか、これに尽きるのではないだろうか。

ピュアに組織と向き合い続けてきたユニラボが、これからどんな組織をつくっていくのか──。今後も目が離せない。

こちらの記事は2022年08月23日に公開しており、
記載されている情報が現在と異なる場合がございます。

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執筆

早坂 みさと

写真

藤田 慎一郎

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