国内最大級のHRテック企業、WHI代表・安斎に訊く、市場価値の高い人材の育て方

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インタビュイー
安斎 富太郎

慶應義塾大学卒業後、日本アイ・ビー・エムへ入社。社長補佐、IBM米国本社勤務、公共・公益・通信メディアサービス事業部長、NTT事業部長を歴任。その後、デル株式会社 法人企業日本代表、SAPジャパン株式会社 代表取締役社長、アルテリア・ネットワークス株式会社 代表取締役兼CEOを経験。2020年7月より代表取締役最高経営責任者へ就任。

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優秀な人材の獲得・育成に頭を悩ませる企業は多い。

まず優秀な若手を惹きつけること、そして、しっかりと育てていくこと。転職、副業が当たり前となり、人材の流動性が高まる昨今において、これらの難度は日に日に高まっている。

一方で、優秀な社員が多いから、さらに優秀な社員が集まってくる──。そんな理想的とも言える好循環により、事業成長を加速させている企業が存在する。その企業とは、大手企業向け統合人事システム『COMPANY』を展開するWorks Human Intelligence(以下、WHI)だ。同社は、1996年に創業されたワークスアプリケーションズ(以下、WAP)から、人事領域の事業を切り出し分社化された企業。2019年に誕生したばかりの新生企業なのだ。

そんなWHIだが、先に実施した若手取材では「強固な事業基盤こそが、若手の活躍の土壌である」といったことが明らかになった。そこで、今回はWHIが優秀な若手を惹きつけ、かつ優秀な人材を育成・輩出し続けられる所以を紐解くべく、同社の代表取締役最高経営責任者 安斎 富太郎氏に取材を敢行。

WHIの、そして安斎氏の人材育成ポリシーから見えてきたものは、若手のポテンシャルを最大化するための環境づくりへのこだわりであった。

  • PHOTO BY SHINICHIRO FUJITA
  • EDIT BY TAKUYA OHAMA
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競合からの電撃移籍。
ベテランCEOを惹きつけたのは“若さ”と“成長ポテンシャル”

安斎役員を含めた平均年齢32歳と若い会社で、60代の私は毎日刺激を受けてばかり。これならまだまだ、私もビジネスパーソンとして成長していけそうですね。

はつらつと語る安斎氏。この年齢構成だけでも驚くばかりである。まずは改めてWorks Human Intelligence(以下、WHI)という企業について簡単に確認しよう。

同社は統合人事システム『COMPANY』の開発・販売・サポート、HRテック関連のサービスを提供している企業だ。約1,200の大手法人グループを顧客に持ち、日本の複雑な人事・給与、勤怠管理、タレントマネジメント等を支援している。そんなWHIの代表を務める安斎氏とは、一体どういった人物なのだろうか。

安斎氏はIT業界に42年携わり、経営トップとしては4社目という言わばビジネスパーソンとしての大ベテラン。また、元職ではWHIの競合にあたるSAPジャパンの代表も務めていた。WHIへと移るタイミングでは他社からも多数の引き合いがあったという。なぜ、安斎氏はWHIにジョインしたのだろうか。その理由は、「WHIが持つ“若さ”と、その大いなるポテンシャルに惹かれたからだ」とのこと。

安斎WHIが手掛ける『COMPANY』は、国内大手法人*の3社に1社が利用(当社調べ)する、国内最大級の統合人事システムとしてその地位を確立しています。にも関わらず、WHIの社員の8割以上は20〜30代の若手で構成されている。この若い力を最大限に発揮してもらうために、私がこれまで培ってきた経験が活かせると思ったんです。

また、せっかく仕事をするなら私自身もさらに成長したいと考えています。WHIの代表になった2020年当時、私は既に60歳を過ぎていました。しかし、そこからでも「まだまだ成長していける」「成長していこう」という想いがあったんです。

これまでのキャリアを通じて、ビジネスパーソンとしてそれなりに経験を重ねてはきましたが、WHIにきてから「なるほど、こういう考え方ができるのか。そういう発想もできるのか」と、日々、若手から刺激を受ける毎日です。私も負けていられないですよね。

*……従業員数3,000人以上の法人

ベテラン経営者をも唸らす、WHIで働く若手のポテンシャル。その実例は、前回の記事でも伝えた通りだ。

続いて安斎氏からは、長らく人事領域を見てきた経験から、WHIが注力する人的資本管理(Human Capital Management、以下HCM)市場の沿革について見解が語られた。

安斎ご存知の通り、ここ数年で経営資源の“ヒト・モノ・カネ・情報”の中でも、“モノ・カネ・情報”は比較的すぐにIT化が進みました。次いで、“ヒト”の部分においても、給与や勤怠管理といった人事給与に関する側面は先立ってIT化が進みました。

しかし、“ヒト”の中でも“タレントマネジメント”や“エンゲージメント”といった 人間の適正や感情に関与する部分は、IT化が進んでいないのです。なぜなら、こうした領域は個人の主観に寄るところが大きく、数値化やデジタル化といったものとは縁遠い存在であったためです。

ところが、昨今の企業経営において、“タレントマネジメント”や“エンゲージメント”を無視した事業活動は成り立たなくなってきています。そこで我々は、人間の感情というアナログな情報、非定型な情報をITを用いて活用することにチャレンジしているんです。

このWHIがチャレンジする人的資本管理(HCM)市場は、日本のみならず世界からも注目を集めている急成長市場。その市場規模は、今年2022年に220.5億ドル、そして2030年までに421.6億ドルに達すると推定され、年率9.7%のCAGR(年平均成長率)で成長することが予想されているのだ。ここまでで、同社が属する市場がいかにポテンシャルを秘めた領域かということが伝わったのではないだろうか。

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大企業約1,200法人グループ、470万人のデータ活用がもたらすインパクト

これから更なる成長が期待される人事領域。そのリーディングカンパニーであるWHIが目指すものとは、一体何だろうか。

安斎“複雑化、多様化する社会課題を人の知恵を結集し解決することで「はたらく」を楽しくする”をミッションとして掲げています。

世間では今や人生100年時代と言われ、年々、定年退職の年齢が引き上げられていますよね。世の中の多くの人が、人生においてより多くの時間を仕事に費やすことになります。また、リモートワークや副業、フリーランス等、個人の働き方に対する価値観も多様化しましたよね。つまり、働く時間そのものが、個人の人生の豊かさにより大きな影響を与えるように変化してきているんです。

しかし、日本は現在、労働生産性においてOECD(経済協力機構)加盟38ヵ国の中で23位。G7の中では最下位と、生産性の低さを露呈している状況です。(参考:日本生産性本部「労働生産性の国際比較2021」)この状況を脱する意味でも、WHIは世のビジネスパーソンの働く時間をより豊かにするサービスを提供していきたいと考えています。

安斎氏が常日頃持ち歩いてるというカード。そこにはWHIのミッション・ビジョンが記されている

労働生産性の低さにとどまらず、昨今では「出世したくない」といった価値観を持った若者が多く存在している。また、世界的に見ても、FIRE(Financial Independence, Retire Early=“経済的自立”と“早期リタイア”を実現すること)を目指す若者が増え、“働く=辛いこと"だという価値観が広がりつつあるのだ。

WHIはそんな複雑な社会情勢を良い方向に変えるべく、“「はたらく」を楽しく”といったミッションを掲げているのだ。そして、ここで挙げた“楽しく働いている状態”とは、“輝くこと”だと、安斎氏は強調する。

安斎私が考える、楽しく働いている状態とは、“自分の好きなことだけをやって、ニコニコ笑って”、というものではありません。“自分自身が輝く瞬間を味わう”ということなんです。

そのためにはチャレンジが必要不可欠。努力を重ね、成長して大きな目標を達成する。このプロセスの最後にある“達成”こそ、人が最も輝く瞬間なんです。そして、人生を通じて長く取り組む仕事においてこのプロセスを味わうことができれば、働くことが楽しくなる。その結果、人生がより豊かなものになっていくんです。

WHIは、この一連のプロセスのサポートを、『COMPANY』というサービスを通じて提供していきたいと考えています。

壮大なミッションを掲げているものの、「その道は険しい」と、厳しい表情も見せる安斎氏。

安斎もちろん事業という観点で見ると、日本の大手企業の3社に1社が導入してくださる状態にまで成長しました。しかし、この『COMPANY』が蓄積してきた約1,200法人グループの企業データ、そしてそこで働く約470万*人のデータを顧客と共に活用していくという点では、まだまだ道半ばです。人的資本経営という言葉が頻繁に叫ばれる昨今、このデータを基に我々が世の中に貢献できる余地は大いにあります。

とはいえ、そんな未来を見据えながらも、WHIが人事領域で先導的役割を果たすための道のりはまだ十分には描ききれていません。だからこそ、今WHIにいる社員たちと、そしてこれからWHIの仲間になってくれる方々と未来を一緒に描いていきたい。その意味で、WHIはまだまだ道半ばなんです。

*……2021年12月末時点の『COMPANY 人事』の契約ライセンス数合計

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安斎流・成長企業たる3要素の1つ目は、“技術力”

安斎氏は、これまで4社を経営する中で、成長する企業の要素というものは大きく3つに分けられることを学んだという。その安斎氏がWHIを選んだのは、この3つの要素を網羅するポテンシャルがあったからだ。1つ目は、企業が持っている“技術力”。2つ目は、企業の成長をサポートしてくれる“優良顧客”。そして3つ目は、事業価値を生み出す“優秀な社員”だ。

安斎氏が考える、WHIの3つの成長理由

1. 技術力

1.1.パッケージソフトの設計

1.2.ノーカスタマイズ思想

2. 優良顧客

2.1.アクティブなユーザーコミュニティ

2.2.政府との連携

3. 優秀な社員

3.1.成長意欲

3.2.推進力

3.3.他者へのリスペクト

安斎氏曰く、これらの要素が揃えば、あとは社員にとって働きやすい組織やプロジェクトをつくり出せば良いのだという。しかし当然ながら、これら3つの要素を十分に兼ね備える企業は稀だろう。つまり安斎氏に言わせれば、WHIは確かな競合優位性を築いているということに他ならない。

安斎私は経営者として様々な企業をベンチマークしていますが、企業の成長に欠かせない“技術力”・“優良顧客”・“優秀な社員”という3つの要素を満たす企業はなかなか存在しません。WHIの場合、“技術力”はさらに2つの要素に分解できます。1つ目は、“製品の開発思想"です。

それはパッケージソフトの設計に現れています。元来パッケージソフトは、“ITの視点”から業務プロセスを見るんですね。つまり、業務プロセスは変えず、ITというフォーマットにアジャストさせることで業務効率化を図ります。しかし、そのアジャストが成立したとしても、元の業務プロセス自体に不合理が残っていたら本末転倒ですよね。

『COMPANY』は逆の設計手法をとります。まずは元になる対象の業務プロセスをすべて見直す。そこでは実際に、『COMPANY』を利用する“顧客の視点”に立ち、あるべき業務プロセスから逆算した設計を行います。ここまでできて初めて、ITに乗せていくんです。従来のパッケージソフトは言わば、“開発者の視点”にしか立てていなかった。しかし、我々はあくまで“顧客の視点”に立つことを選択してきたんです。

そして、WHIの技術力を構成する2つ目の要素は、“ノーカスタマイズ”です。『COMPANY』では、一般的なパッケージソフトならアドオン開発(デフォルト機能とは別の機能を追加で開発・付与すること)になるような機能もデフォルトで組み入れているんです。このようなビジネスモデルで、すべての顧客にサービスを展開してきました。

人事領域において必要な機能のすべてが、初めから1つのソフトウェアに入っている。これは顧客からすると、変化に非常に対応しやすいということになります。何か人事制度を変えたいとなった場合でも、追加で開発費用を払って開発することなく、すでにある機能を使うことで実現できるからです。

ちなみに、『COMPANY』は日本固有の税制改正に対してもすべて対応しています。例えば、2020年11月に健康保険分野の電子申請が義務化されました。その仕様が公に発表されたのが同年9月末でしたが、当時その制度変更に即時対応できたのは、WHIだけだったんです。この“設計思想”と“ノーカスタマイズ”を26年間継続してきた技術力こそ、他社が真似できない理由となっています。

人事領域のテックカンパニーとして確固たる地位を確立する同社。その成長の源泉は、同社の技術力の高さなくして語ることはできない。顧客を起点とした設計思想と、ノーカスタマイズ。これら2つの強みを長い年月にわたり磨き続けた結果、日本の大手企業の3社に1社が活用するといった確固たる地位を築くことができたのだ。

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安斎流・成長企業たる3要素の2つ目は、“優良顧客”

安斎2つ目が“優良顧客”の存在。『COMPANY』は創業以来、年間のチャーンレートが1.5〜1.7%と非常に低い水準を維持しています。前身であるワークスアプリケーションズ(以下、WAP)が設立された1996年の当時、初めに導入を決定してくれた6社の企業は26年経った今でも『COMPANY』を利用し続けてくれています。チャーンレートの低さが優良顧客の獲得に繋がるんです。

『COMPANY』はノーカスタマイズかつワンソースのプロダクトなので、顧客同士で機能のナレッジシェアが生まれるんです。そして、シェアしたナレッジをもとに新しい機能を使う顧客も増えていきます。と言いますのも、『COMPANY』には顧客同士で情報交換をし合うユーザーコミュニティがあるのですが、そのコミュニティへの入会率は93.4%です。ここまでアクティブなユーザーコミュニティはなかなか存在しないのではないでしょうか。

また、優良顧客の存在は、我々WHIの社会的価値の向上にも大きく貢献してくれています。というのも、政府が新たな制度、例えば先ほどの税制改正や、各種申請における電子化等を試みる際、「WHIの顧客企業たちは我々政府の施策に賛同しそうか?」と相談してくれるのです。

なぜかというと、度々ですがWHIは日本を代表する大手企業との繋がりを強固に持っており、政府の制度刷新によって、こうした企業たちが人事業務周りにどのような影響を受けるのか、どのような見解を持つのか、といったことがわかるからです。実際に、政府・WHI・顧客である大手企業たちとの連携によって、これまでいくつかの制度が実現された例もあるんです。

政府と大手企業の意向をすり合わせ、新たな制度をつくるための潤滑油となる。それにより、結果としてWHIの社会的なプレゼンスはますます向上していくというわけだ。なんとスケールの大きな仕事だろうか。

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安斎流・成長企業たる3要素の3つ目は、“優秀な社員”

成長する企業の要素、最後の3つ目となるのが“優秀な社員”の存在だという。

これは前回の若手インタビューでも登壇者3名が口を揃えて挙げていた点である。そこに加えて今回、歴戦の猛者・安斎氏からも「WHIの社員は優秀なメンバーが揃っている」との見解が発せられた。

安斎私がWHIに入って最も驚いたことは、社員の優秀さなんです。こちらも分解すると3つの要素に分けられますが、まず何より社員の“成長意欲”が非常に高い。彼ら彼女らは、「私はこうしたい」という意志を持っているので、経営者としてはそのためのサポート環境を用意するだけで良いんです。もちろん、その成長意欲を存分に発揮できる環境づくりにはプレッシャーが付き纏いますが、企業を運営する者としては非常に頼もしい限りです。

そして次が、“自己完結できる推進力”があるということ。取り掛かった挑戦を途中で投げ出すことなく、最後までやり遂げる。ここに関しては正直、「せっかくなら、もっとWHIのリソースを贅沢に使えば良いのに…」と思ってしまうこともあります(笑)。それほど、自身で問題意識を持つことができ、またその問題を解決するための推進力がある社員が多く在籍しています。

3つ目も衝撃的でして、“同僚に対するリスペクト”という点です。私が社員の人事評価には関係のない顧問という立ち位置だったときに、ざっくばらんに「WHIの良いところは何ですか?」と社員たちに聞いてみたことがありました。すると8割を超える社員の面々が、「お互いに刺激し合える優秀な人材がいること」と答えたんです。

私はこれまで様々な会社を見てきましたが、ここまで同僚に対してリスペクトを持った会社は見たことがなかった。当時、顧問になって1〜2ヶ月ぐらいの時でしたが、「これは面白い会社に入ってしまったな…!」と感じたことをはっきりと覚えています(笑)。

優秀な社員が働く会社には、さらに優秀な社員が集まってくる。この好循環がWHIの中で起きているのだ。その理由として、WHIが掲げるミッションへの共感という側面ももちろんあるが、FastGrowが注目したい点は別にある。それは、同社が組織を挙げて“社員の市場価値の向上”にコミットしていることだろう。

大前提として、自社の優秀な社員が飛び立っていくことは経営者からしたら痛手であることは間違いない。しかし、そうした自社の都合よりも、若手のポテンシャルに懸ける企業というのもたしかに存在する。それがこのWHIなのだ。

現に、同社はWHIで力をつけ、将来自身がチャレンジしたい領域に飛び込んでいくことを推奨している。その根底にあるのがWHIの、そして安斎氏の人材育成に対する価値観である。同氏は、“企業とは社会の公器”として、「社会に優秀な人材を届けていくことも企業が世に提供できる価値である」と捉えているのだ。

安斎私個人の人材育成の価値観で見ても、WHIの現社員はもちろん、卒業生にもどんどん活躍していって欲しいです。「WHIでチャレンジを重ねてきたから、◯◯さんは優秀なんだよね」と色々な人に思ってもらえることは、経営者の私としては非常に嬉しいことですよね。

もちろん、社員には「積極的に転職や独立をして欲しい」と思っているわけではありませんよ。できればWHIで長く働いてもらいたいですし、そのための努力を私も日々積み重ねていますから。

ただ、一度きりの人生なので、その時その時の判断で自分がやりたいことをやればいい。仮に、WHIで培ってきた経験を活かして、それが社会貢献に活きるとか、自分の自己実現に繋がるのであれば、その決断を応援しない理由はないですよね。

企業というのは、何も製品やサービスだけを届ける存在ではありません。人を育て、社会に還元する。こうした取り組みも企業が社会に提供できる価値ではないでしょうか。

これが、安斎氏が経営者として複数の企業経営をしてきた中で見出した、成長企業が持つ3大要素だ。

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“社員のWill”と“企業価値”を同時に追求。
HRテック界におけるリーディングカンパニーとしての矜持

3つの章にわたって紐解かれた、安斎流・成長企業が持ち合わせる要素。そして言わずもがな、これらを兼ね備えているのがWHIだ。しかし読者からしてみれば、「まだまだWHIにしか出せない価値、WHIでしか味わえない経験がつかめていない」といったところだろう。そんな想いに応えるべく、この章では同社が取り組む“企業価値の向上”、“社員のエンゲージメント向上”について触れていきたい。

安斎『COMPANY』がチャレンジしているのは、顧客の社員のエンゲージメントを高めていくこと。これは従来のITソフトウェアとはそもそも性質が異なります。

これまで先んじてIT化されてきた会計システム、サプライチェーン、販売管理、生産管理等は、主に経営者のためのツールでした。そのため、基本的にはマネジメント層向けにつくられていました。

一方で、『COMPANY』はマネジメント層に加え、メンバークラスの社員たちも活用することを意図してつくられています。社員からしてみると、例えば自分のスキルは自分でも可視化し、管理したいと願うものですよね。社員が自分自身のスキルを自己管理することで、「自分に足りない部分を補うために◯◯な研修を受けたい」といった風に、モチベーション喚起にも繋がるんです。

経営陣にとっての価値、社員にとっての価値、これらを同時に高めていくことが『COMPANY』に求められているんです。

働き方の多様化や、若者の価値観の変化に伴い、社員が持つスキルは会社にのみ帰属するものではなくなった。逆説的に、会社へのエンゲージメントを高めるには、社員が持つスキルを可視化し、またそれらを社員が自由にアクセス可能にするプラットフォームが必要ということであろう。しかし、これにより経営者はジレンマを抱えている。

これまでは新卒一括採用や終身雇用を前提として、組織を構築し、人材を活用してきた。しかし、これからは働き方や価値観が異なる人たちの多様なスキル・特性を活かしながら、社員の意志を尊重しつつ、いかに企業として組織の価値を最大化できるかという立ち振る舞いが要求されているのだ。

安斎私も経営者の一人として、人的資本管理の難しさを痛感しているところです。当然ながら、私の立場からするとWHIの企業価値向上のため、社員の適材適所が叶うと良いなと考えています。なので、企業から見た適材適所と、社員のWillが一致すればこれほど幸せなことはありません。

しかし、それがなかなか一致しない、もしくは、そもそも社員の方が自身のWillを認識できていないといったケースも散見されます。企業と社員、双方が求めるものを両立するためには、様々な障害・不整合が存在していると感じています。だからと言って、我々はHCM市場を牽引する立場として、決して諦めるわけにはいきません。そこで、WHIはコーポレートブランドとして“人に真価を。”を掲げたんです。

「自分なりのやりがいを得たい」と考えている社員と、「事業を成功させ社会に貢献したい」と考える経営者との間にある不整合を解消することによって、「双方が持てる最大限のパフォーマンス≒真価を発揮できる環境を提供したい」という想いが込められています。

また、安斎氏が語る人的資本管理の潮流は何も日本だけで起きているわけではない。その変化は、グローバル規模でも活発化しているのだ。

安斎2022年9月、米国ラスベガスでHRテック・カンファレンスが開催されました。WHIの社員も9人参加したのですが、面白いことにそこではEmployee Experience(従業員体験)の向上を目指すプロダクトが非常に多く見られたのです。これはつまり、世界的なトレンドとして“社員の才能をどう活かしていくべきか”というイシューに注目が集まっていることを意味します。

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「市場価値は“コア・コンピタンス”の有無で決まる」。
20代で養うべき3つの素養

前章では、“企業価値の向上”と“社員のWill”の両立という難度の高いミッションを抱える、安斎氏の経営者としての葛藤が窺い知れた。一方で、その言葉の節々からは、「常に社員のキャリアに寄り添いたい」という想いが溢れているように思える。

そして本来これらは対立構造ではなく、経営者と社員、両者の歩み寄りを必要とするものであろう。なぜなら、社員も自身のキャリアを自ら選択しようという強い主体性が求められるようになったからだ。このような時代背景において、主体的にキャリアを掴み取り、成長し続けるビジネスパーソンになるには一体どうすれば良いのだろうか。安斎氏曰く、3つの素養が求められているという。

安斎 1つ目は“チャレンジ精神”です。「面白そうだからやってみよう」「難しそうだけど、やってみよう」と新しいことに挑む気概が大事。難しい社会課題に挑む上で、このチャレンジ精神がないと社会に貢献していくことはできません。

2つ目は“成長意欲”。社会の変化率が加速度的に大きくなってきている昨今、積極的に新しいことを取り入れ、変化し、成長していかなければなりません。ここまでは、先ほども申し上げた部分かと思います。

これらに加えて3つ目が非常に重要で、“異質を受け入れる度量”です。これは、自分とは違うものを認めるということ。そして、認めた上で違うものの良さを理解するといったものですね。

企業という場所は、性別も、年齢も、考え方も、育った環境も、すべてバラバラな人たちが集まる場所です。ここまで属性の異なる者同士が共通の目標に向かって邁進できる環境は、他に存在しません。

ここで異質を許容できないと、せっかくの成長機会を無駄にしてしまいます。自分で勝手に壁をつくり、「あの人と自分は違うから、異なる考えは受け入れられない」という具合にですね。しかし、本来は異質なものとの出会いこそ、学びを得られるチャンスなのです。

「なぜこの人はこういう考えなのか」、「どういった発想からそのような行動を取るのか」、「なぜこの人はこの価値観を大事にしているのか」等といったことを自分なりに思考する。そして、それらを理解・納得できると、「なるほど、そういう見方もあったのか」と自分の視野が広がっていくことでしょう。そして視野が広がれば、今までは気づけなかった新たな視点に気づくことができる。すると、結果として視座が高まり、自身の成長に繋がるのです。

“チャレンジ精神”・“成長意欲”・“異質を受け入れる度量”。安斎氏は、これらの3要素を備えた上で仕事をしていくと、徐々に「コア・コンピタンスが確立される」と強調する。このコア・コンピタンスとは、企業経営に用いられる言葉であり、“他社に真似できない核となる能力”を指す。

これを人材に当てはめると、“他者には代替できない能力、経験”といったところか。たしかにこのコア・コンピタンスが確立されていけば、仕事において高い成果を挙げられることはもちろんのこと、自身の市場価値も高まっていくことになる。

そしてWHIでは、若手がこのコア・コンピタンスを確立するための環境を用意することに重きをおいている。それが同社が掲げる、“Fair Treatment&Equal Opportunity”という考え方だ。

安斎 “Fair Treatment&Equal Opportunity”とは、成長と成果を公正に還元するしくみと、公平な機会の提供によって、一人ひとりがそれぞれの持ち味を発揮できる環境をつくるという思想です。

若手が楽しく働き、かつ成長するためには何よりこの“フェアな評価”と“公平な機会の提供”が必要不可欠なんです。給与、評価、昇格等が不公平だと会社に対して疑心暗鬼になりますよね。そしてやる気があるのにチャンスが与えられなければ、働くモチベーションも低下していきます。

そこで、昇格を挙手制にする制度や研修を自身で選んで受講できる制度、社内異動のための公募制度、副業制度等、様々な制度の整備に取り組んでいます。

人事に関するソリューションを取り扱っている会社として、社員のポテンシャルが最大化される環境をつくることこそが使命だと思っています。

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「君の失敗はお見通し。
それでもチャレンジをやめないで欲しい」

最後にこれからの日本を背負う若手を中心とした読者に対して、安斎氏よりメッセージが発せられた。そしてこのメッセージは常々、WHIの中で社員に向けて伝えられている言葉であるそうだ。

安斎まず声を大にしてお伝えしたいのが、「失敗を恐れないで欲しい」ということ。そして、「自ら思い込みで制約をつくらないで欲しい」ということです。

「これは駄目そうだな」、「おそらく無理だろう」とやる前から自己完結してしまわずに、発想の赴くままやってみればいいと思います。結果、失敗するかもしれない。いや、きっと失敗するでしょう。しかし、あなたが失敗することなんて、実は会社はお見通しなんです。

もちろん育成する立場からすると成功して欲しいという気持ちはありますが(笑)。初めから百戦錬磨な人間なんてこの世に存在しません。

若手だけが持ちうる武器であり魅力は、“経験を持たない”ということ。それは言い換えれば、“失敗していない”ということです。だからこそ、失敗はどんどんすべきだし、失敗なんて許されて当然なわけですよね。

ただし、ここで重要なことは先ほども申し上げた通り、下手な制約を持たずに思いっきり自由にチャレンジすること。「自分の頭で考えて、顧客のためになると思えばやってよし」ということを伝えたいですね。

失敗を許容する文化をアピールする企業は多い。しかし安斎氏のように「失敗なんてお見通し」とスパッと言い切ってしまう姿には、ベテラン経営者としての度量が窺い知れる。また、それだけでなく安斎氏は、“失敗した後の立ち回り”についても示唆に富む見解を示してくれた。

安斎失敗した後に大事なことは、とにかく“逃げないこと”。失敗した時に正面からどっぷり、失敗に浸かって欲しいと思います。そうすると、なぜ失敗したのか、どうすれば良かったのかが見えてきます。こうした積み重ねによって、失敗へのアンテナ、つまりビジネスセンスというものが培われていくんです。

将来、社会で大きく活躍するビジネスパーソンを目指す方にとって、失敗の受け止め方、活かし方はとても大事です。経営者である私も含め、ビジネスでは決断力や先見性等、具体的な業務スキル以外にも様々な見識、素養が要求されます。その中でも、やはり最後の砦として、“大事な局面で逃げない”、これが極めて重要なんです。こうしたビジネスパーソンとしての在り方、姿勢といったものは一朝一夕で身に付くものではありません。だからこそ、若い時から培っておく必要があるんです。

私なんて、何度も何度も失敗にどっぷり浸かってきましたよ(笑)。その度に苦しい想いもしましたが、それでもちゃんと生きていますし、企業の代表を務めることもできている。特にWHIでは、何度失敗しても社員には公平に機会を与えますし、その失敗を糧にして大きく成長していって欲しいと思っています。

“課題先進国”と称される日本。年々少子高齢化が進み、労働人口は減少の一途をたどっている。限られた労働人口でより大きな価値を創出するために、“人材”が持つポテンシャルを最大限に活かす重要性がますます高まっていく。それはつまり、WHIが挑む市場が、今後も急成長していくことを意味するのだ。

成長市場のリーディングカンパニーであるWHIは、分社化を経てまだ4年目の、若く可能性に満ち溢れた企業だ。管理するデータの活用次第ではその成長ポテンシャルは無限大と言えよう。そんな環境下において、自身の市場価値を高めながら“「はたらく」を楽しく”していきたいと感じた読者は、ぜひ一度その門戸を叩いてみて欲しい。

こちらの記事は2022年10月27日に公開しており、
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藤田 慎一郎

編集

大浜 拓也

株式会社スモールクリエイター代表。2010年立教大学在学中にWeb制作、メディア事業にて起業し、キャリア・エンタメ系クライアントを中心に業務支援を行う。2017年からは併行して人材紹介会社の創業メンバーとしてIT企業の採用支援に従事。現在はIT・人材・エンタメをキーワードにクライアントWebメディアのプロデュースや制作運営を担っている。ロック好きでギター歴20年。

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