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MAKERS UNIVERSITY卒業起業家!日本の観光産業拡張を目指す“結.JAPAN”

東京オリンピックを目前に控え、日本のインバウンド市場は活気づいている。しかし、訪日外国人および潜在的顧客に対して日本の魅力を十分に発信...
東京オリンピックを目前に控え、日本のインバウンド市場は活気づいている。しかし、訪日外国人および潜在的顧客に対して日本の魅力を十分に発信できているかというと、まだまだ足りない部分は多い。そこに目をつけ、日本と海外、とりわけ日本とアジアをつなぐ架け橋となるべく産声を上げたのが、2016年設立の株式会社結.JAPAN(ユウドットジャパン)だ。代表の中山雅久理(なかやま まくり)氏、共同創業者の府川勇介氏に、設立への思いを伺った。
あの注目のスタートアップは、どのようにして生まれ、いま何を目指しているのか──
  • TEXT BY REIKO MATSUMOTO
  • PHOTO BY YUKI IKEDA
17-12-22-Fri
中山 雅久理 (なかやま・まくり)
株式会社結.JAPAN CEO / Co-Founder
府川 勇介 (ふかわ・ゆうすけ)
株式会社結.JAPAN 共同創業者

東京オリンピックを目前に控え、日本のインバウンド市場は活気づいている。しかし、訪日外国人および潜在的顧客に対して日本の魅力を十分に発信できているかというと、まだまだ足りない部分は多い。そこに目をつけ、日本と海外、とりわけ日本とアジアをつなぐ架け橋となるべく産声を上げたのが、2016年設立の株式会社結.JAPAN(ユウドットジャパン)だ。代表の中山雅久理(なかやま まくり)氏、共同創業者の府川勇介氏に、設立への思いを伺った。

「アジア×日本」を軸に起業したいと考えていた幼少期

中山さんは子どものころから起業家を志していたそうですね。

中山父親が起業家(どちらかというと商売人)だったので、将来は自分も同じような道を歩みたいなと漠然と思っていました。

ただ、福島に住んでいたので、そのままそこにいたらでかいことを成し遂げることはできないだろうという危機感から、まずは東京に出るべきだと思い大学に行こうと決めていました。

だけど、いわゆる暗記勉強に関しては幼少期から懐疑的だったので一般的な成績は良くありませんでした。大学受験も一般入試で合格できるだけの実力がなく、小論文が中心の推薦入試を受けて大学に進学しました。

その時点では具体的に何をやるかまだ見えていませんでしたが、高校1年生のときに3.11、東日本大震災を経験したことで「今日と同じ明日が必ず来るわけじゃないんだ。やりたいことはとにかく早くやったほうがいい」という生き急いだ想いを持っていたので、インターンを大学1年時から始め、働きながら起業のテーマを探すことにしました。

とはいえこのときすでに、「アジア×日本」を軸にビジネスしたいという漠然とした想いはありました。なぜかというと、僕はフィリピンと日本のハーフで子どものころから何度か現地を訪れる機会があったのですが、行くたびに日本との差に驚いていました。

インフラが全然違うから停電はしょっちゅう。金銭的に恵まれていなくてやりたいことにチャレンジできない人も多かったので、自分がそこに貢献できないかとずっと考えていたんです。

また、日本で言えば、自分の幼少期の原体験から日本人の外国人に対するアレルギーを無くしていきたいという思いも強くありました。

インターンではどんなことを学びましたか?

中山大学1年時にお世話になったインターン先は、海外展開したい中小企業に対して、海外ビジネス経験が豊富な顧問を派遣するサービスを扱っている会社でした。そこで、営業をする相手のバックグラウンドに寄り添って営業することの大切さを学びました。

2年生になってからは、学生向け起業イベントでマーケティングや集客を手伝っていましたが、ほどなくして、久しぶりに会ったインターンのメンバーと「そろそろ自分たちでビジネスをはじめるのはどうだろう?」と、幾つかあるアイディアの中から日本の良さを発信したいということで家電や伝統工芸品などの日本製品をECで売り始めました。

すると10万円もするような工芸品がアメリカやヨーロッパにちょこちょこ売れたことで、その事業とメンバーでTOKYO STARTUP GATEWAYというスタートアップコンテストにも参加しました。

だけど、成功できるかできないかわからない中で卒業が近づくとメンバーは就職を選び、チームは解散。自分も、一人残され家電や伝統工芸品を扱ったECが本当にやりたかったことなのかわからなくなって、自分を見つめ直すために改めてMAKERS UNIVERSITYに参加したんです。

そのカリキュラムで、自分が本当にやりたいこと、できることはなんなのか考え続けた結果、訪日旅行市場に可能性を感じ外国人旅行者向けの付き添い撮影サービスを思い付き、実現に向けて会社を登記しました。

そのときに役立ったのがECで商品を販売した経験です。お客さんの顔が見られないという特性上、ニーズがわかりにくいという欠点が気になっていたので、今回は直接お客さんと触れ合えるサービスがいいと考え、まずは浅草で声かけからスタートしました。

撮影件数は順調に増え、月に30~40組撮影できるように、売上も一時期は40万を超えるようになりましたが、もっと短期間で成長できるようなスケーラビリティのあるサービスを探そうということになり、 僕自身もフォトグラファーとして活動している中で旅行者とコミュニケーションを取り感じた日本旅行の情報不足という課題感をリッチコンテンツである動画やLIVEで解決できると判断しメディア事業に辿り着きます。

MAKERS UNIVERSITYをきっかけにメンバーが続々ジョイン。千葉功太郎氏などからの資金調達も完了

府川さんとはどのタイミングで出会ったんですか?

府川中山さんがMAKERS UNIVERSITYに入る前に出会いました。

中山もともと自分の中にあった「アジア×日本」のテーマでビジネスをやりたい想いを、ひとりでは形にすることが難しく、一緒に挑戦してくれる人を探していたんです。そんなとき、友人から紹介されたのが府川さんでした。

府川僕はそのころ日本文化発信に興味があって、伝統工芸品や雑貨などを自分でキュレ―ションしてツイッターで発信していたんです。

インターンを経験したことでツイッターに知見があったので、フォロワー数を増やすことに面白みを感じていました。3か月で5000人くらいフォロワーを獲得するとコンスタントに「いいね」がつくようになり、ここまできたらなにか新しいビジネスを始められるんじゃないかと思っていた矢先、中山さんを紹介されたんです。

一緒にやろうと声をかけられ、彼が参加していたMAKERS UNIVERSITYに「共同創業者も連れてきていいよ」という時には一緒に顔を出させてもらっていました。

会社が本格的に始動してからは、もともとのスキルであったSNS発信以外にも自分たちのサービスを知ってもらうマーケティング活動全般や、立ち上げ当初から続けている写真撮影、その後はじめることとなった映像編集なども幅広く手掛けています。

新しいことを始める際、それをマニュアル化するのは自分の役目ですね。動画メディアは日本の等身大の魅力を伝えるためのもので、現在は実際に日本に旅行に来たことがある台湾の人などに見てもらえています。

ふたりが出会ってからサービスは順調ですか?

中山府川さんと一緒に歩み始めた矢先、MAKERS UNIVERSITYのFESで、アイドル活動していて中国語もしゃべれる女の子と知り合ったことも一つ大きな転機になりました。

また、SNSを通じて凄く頼もしい台湾人のメンバーにもジョインしてもらえることになったんですが、日本とアジアのつながりを深めてくれるメンバーがいることはうちにとって大きな強みです。

頼りになるメンバーが集まりトラフィックも出始めたので、今年8月末には個人投資家である千葉功太郎氏を筆頭に計3名から数千万の資金調達を実施しました。順風満帆に見えるかもしれませんが、それまでに色々と事件はありまして、それらを乗り越えて今があります。

日本を盛り上げるために「訪日観光」の産業化を目指す

今後の目標を教えてください。

中山起業から1年半近く立ち、ようやく数字で物事をとらえられるようになりました。そこで改めて訪日旅行市場に目を向けると、2016年には約2,000万人が来日し、約3.7兆円の市場があるのですが、対してアメリカはマーケットサイズで約26兆円、フランスは8,000万人の観光客が訪れるという数字が出ています。

日本は、アピールするコンテンツがとりわけ多くあるのに、実は外国人旅行者の方々に価値を提供しきれていないんです。それを変えていくためにも、日本旅行の魅力をもっと海外に発信したいですし、訪日観光は日本の経済を盛り上げる重要な「産業」だと思っています。

また、意識するべきは国内のメディアなどではなく他国の外国人観光に対する取り組みだと考えています。

そして、日本を発信するための手法として、僕たちは「LIVE×動画」を選んでいて、これからはこの掛け算を使ってできることを広げていきます。 特にトラベルに特化したライブコマースはかなりのポテンシャルを秘めていると感じていますし、LIVEビジネスはまだまだ伸びると思います。

府川「日本人から見た日本」がどんな魅力に溢れているのかを伝える訪日メディアは圧倒的に不足しているので、僕らがその役割を担って日本の観光産業に貢献できたらうれしいですね。

0→1創世記

あの注目のスタートアップは、どのようにして生まれ、いま何を目指しているのか──