アジア初開催のGoogleデモデイ、勝ち残った精鋭スタートアップは?
305社から選抜された日本含む10社を紹介
アジア太平洋地域のスタートアップがピッチを繰り広げるGoogle主催のイベント「デモデイ・アジア」が、9月20日に上海で行われる。
アジア初開催とあり注目度も高く、応募した305社から選ばれたのはたったの10社だ。
アイデアを買われた企業には、投資家からの資金提供に加え、最大10万ドル(約1,100万円)のGoogle Cloud Platformクレジットも送られる。
本記事では、医療から農業、エンターテイメントまで、幅広い分野から登壇する精鋭スタートアップを取り上げる。
- TEXT BY KAYO MIMIZUKA
- EDIT BY MASAKI KOIKE
GITAI (日本)
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GITAI (日本)
宇宙ステーションでの科学実験に活用する、ロボットの遠隔操作技術を開発するスタートアップ。仮想現実(VR)技術を使い、自分の「分身」のようにロボットを動かせるプロダクトの開発に取り組んでいる。元日本IBM社のシステムエンジニアが2016年に設立。2017年にはベンチャーキャピタル2社から計125万ドルを調達している。
DycodeX (インドネシア)
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DycodeX (インドネシア)
2015年に設立された、IoTを活用したソリューションを提供するスタートアップ。今回のデモデイ・アジアでは、畜産農家が家畜の健康状態や位置情報を確認するモニターテクノロジーで参戦。広大な農場も全範囲カバーし、ウェブやスマートフォンのアプリを通じて、リアルタイムに情報をチェックできる技術だという。
FreightExchange (オーストラリア)
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FreightExchange (オーストラリア)
シドニーに拠点を置く、2014年設立のスタートアップ。貨物船の空きスペースを物流事業者向けに販売するデジタルプラットフォームを提供している。長距離輸送船に注力しており、予約から発送までの全てを一括で管理できるサービスだ。同社によると、コストや廃棄物の削減を促し、船舶業界の持続可能性にも貢献できるという。
Marham (パキスタン)
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Marham (パキスタン)
医師の検索から予約、カウンセリングまでオンラインで行えるヘルスケア・プラットフォームを提供。ユーザーは、病名や病院名、地域、受けられるサービスなどの条件から自分に合う医師を探せる。データベースに掲載されている医師は1万人を超え、1日に1,000〜2,000人がモバイルアプリを使用。15都市で400〜500件の予約が行われているという。
Miotech (中国)
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Miotech (中国)
香港と上海に拠点を持つフィンテックのスタートアップ。金融サービス企業向けに、AIを使ったソフトウェアを開発している。テラバイト単位のデータを保管・処理し、市場価格やニュース、国内外の経済活動に関する情報からインサイトを得られるサービスだ。これまでに少なくとも800万ドルの資金を調達しており、中国本土のほか香港、シンガポールなどに顧客を持つ。
OneStockHome (タイ)
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OneStockHome (タイ)
建築資材に特化した、eコマースのプラットフォームを運営しているスタートアップ。製造元から商品を直送することで、建築業者の資材購入プロセスをシンプルにし、コスト削減につなげるサービスを提供している。
Origami Labs (香港)
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Origami Labs (香港)
スマートフォンを取り出さずに、通話やテキストメッセージの確認ができるスマートリング「ORII(オリー)」を開発。骨伝導技術を使って、リングを装着した指を耳に当てるだけで会話ができる。CEOの父親に視覚障害があることから、目が不自由な人でもスクリーンを操作せずに使えるデバイス開発を思いついたという。2018年8月までに、クラウドファンディングなどを通じて250万ドルの資金を調達している。
SigTuple (インド)
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SigTuple (インド)
AIで患者の病状診断を自動化・効率化するソリューションを開発している。同社によると、インドでは1億人以上が設備の整った医療施設から100km以上離れた場所に住み、グローバルでは4億人以上が病院へのアクセスの難しい地域にいるという。こうした状況を改善するのがSigTupleのテクノロジーだ。AIによる診断結果を遠方の医療施設に送信し、地域のクリニックと連携して治療をスムーズに進められる。
SkyMagic (シンガポール)
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SkyMagic (シンガポール)
ドローンの「群れ」を同時に操る技術を開発する、シンガポール拠点のスタートアップ。エンターテイメント・ショーを目的とした「パフォーマンス・ドローン・システム」と呼ぶテクノロジーを活用して、世界中でドローンのイベントを手がけている。日本でも2016年、LEDライトを搭載したドローンを使って富士山を背景にしたライブパフォーマンスを開催した。
Swingvy (韓国)
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Swingvy (韓国)
企業向けに、人材管理をシンプルに行うためのソリューションを開発。紙資料やスプレッドシートを使わず、オンラインで従業員の情報や給与支払いを一括管理できるシステムを提供。同社ホームページによると、3,000社以上がSwingvyのプラットフォームを導入している。
Googleによれば、これまでのデモデイに参加したスタートアップは、総額約2.7億ドル(約300億円)を調達しており、ベンチャーキャピタルの関心も高い。今回ファイナリストに選ばれたスタートアップも、それぞれユニークなアイデアで課題解決に取り組んでいる。当日のピッチに注目したい。
こちらの記事は2018年09月19日に公開しており、
記載されている情報が現在と異なる場合がございます。
執筆
耳塚 佳代
ライター、翻訳者。1985年生まれ。元通信社英文記者
編集
小池 真幸
編集者・ライター(モメンタム・ホース所属)。『CAIXA』副編集長、『FastGrow』編集パートナー、グロービス・キャピタル・パートナーズ編集パートナーなど。 関心領域:イノベーション論、メディア論、情報社会論、アカデミズム論、政治思想、社会思想などを行き来。
1986年生まれ、東京都武蔵野市出身。日本大学芸術学部文芸学科卒。 「ライフハッカー[日本版]」副編集長、「北欧、暮らしの道具店」を経て、2016年よりフリーランスに転向。 ライター/エディターとして、執筆、編集、企画、メディア運営、モデレーター、音声配信など活動中。
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