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INTERVIEW
志村 麻美
18-03-20-Tue

未経験歓迎は要注意?
ベンチャー転職前に知っておきたい
4つのポイント

TEXT BY FastGrow Editorial
連載 勇敢なキャリアの道標
#1
#1
未経験歓迎は要注意? ベンチャー転職前に知っておきたい 4つのポイント
スローガンアドバイザリー株式会社 代表取締役 志村  麻美
志村 麻美 (しむら・あさみ)
スローガンアドバイザリー株式会社 代表取締役
志村 麻美 (しむら・あさみ)
2001年早稲田大学法学部卒業。同年株式会社インテリジェンス入社。人材紹介事業部においてキャリアアドバイザーとして転職支援に携わる。2006年に株式会社I&Gパートナーズ(現株式会社アトラエ)に参画。Greenの立ち上げに携わるとともに、同社人材紹介事業部を牽引。2011年にこれまでの経験を活かし、独立。株式会社シンクセレクトを設立。クライアントは主にIT、ネット系ベンチャー企業。これまで15年以上にわたり人材紹介事業に携わってきた結果として、転職相談者数は累計5000名を超える。2016年10月、長くパートナーとして外部から一緒に仕事をする中で、その考えに共感をしたスローガングループへの参画を決め、スローガンアドバイザリー株式会社代表取締役に就任。
スローガンアドバイザリー株式会社
代表取締役
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「いいベンチャー転職」をするために確認したい4つのこと

私は長きにわたり人とキャリアに関する仕事をしてきました。2001年にインテリジェンスに入社。そこから転職エージェントとしてのキャリアをスタートしました。

その後、アトラエ(旧I&Gパートナーズ)にて、『Green』の立ち上げに携わった後にシンクセレクト社として独立。現在は、Goodfind Careerを運営するスローガンアドバイザリー株式会社の代表取締役を務め、ベンチャーや新規事業領域にチャレンジする若手社会人のキャリアパートナーとして、個人と企業をつなぐ仕事をしています。

転職エージェントという仕事をしていますと、多くの人の人生、キャリアに触れます。もちろん、それは千差万別です。だからこそ、一人ひとりのお話に丁寧に耳を傾けられるよう努めています。

一方で、もしその人にとって納得のいく「いいキャリア」というものがあるとすれば、それに近づける人には、何か共通点があるようにも感じられるようになりました。

本連載では、「いいキャリア」を歩んでもらうために、何か少しでも考えるきっかけになればという想いから、スローガンアドバイザリーとして日々考えていること、これまでキャリア支援をしてきた社会人の方の事例紹介、よくある転職失敗談の紹介などができればと思っています。

初回となる今回は、10年以上転職エージェントを務めてきたからこそ感じる昨今の転職マーケットの変化や、候補者の方が誤解してしまう事が多い、ベンチャーへの転職を意識する時に確認したい4つのポイントに絞ってご説明します。

1. 「在籍企業名」で評価は上がらない

転職市場における価値とは「どこにいるのか」ではなく、「なにができるか」で決まります。当たり前に聞こえるかもしれませんが、ここ10年ちょっとで顕著になったと感じています。それは、「なにができるのか」を証明する「成果」を示しやすくなったからです。

ひと昔前までは、一つの製品をつくるにもたくさんの人の力が必要であり、数年近くの時間が必要でした。例えば、消費財等でも、商品の企画から製造、販売までとなると6-7年の時間が必要になることもありました。

一方で、現在のインターネットを活用した無形サービスを中心とする産業では、企画からリリースまでの期間が短く、チームも少人数であることが多いため、その中での個人の成果を証明しやすくなりました。

それに伴い、企業側の求人ニーズも変化しています。かつては成果を証明することが難しかったので、「株式会社◯◯の部長」であること自体が評価され、採用像として求められることがありましたが、現在は所属や肩書ではなく、具体的な実績が求められるようになりました。

だからこそ、いざ転職したいと思ったときに、行きたい場所に行くためには、若いうちにしっかりと力をつけ、自身の成果を証明するための実績を上げることが必要なのです。

ですが、実際に20代の方のご転職に関わっていますと、頭ではわかっているのだけれども、実際に行動に移すことは難しい方が多いと感じています。

特に大企業にお勤めの場合、組織が分業化されていることも多く、そこで培われるスキルや自らの実績を証明することは難しい。それは分かっているのだけれども、「どこにいるのか」ということが一つのよりどころとなってしまっていることも多いので、そこから抜け出すには相応の覚悟が必要となります。

年齢とともにキャリアのなかで得たいものの優先順位は変化していきますが、ご自身がいまなにを重視するべきかをクリアにしておくことが重要です。

2. スキルアップしても給与は上がらない

面談でお会いする方の中には、給与=能力という認識をお持ちの方が多くいます。確かに、同じ企業内であれば、そのような理解ができるかもしれません。

ですが、ここにもある種の誤解があるように感じます。そもそも、給与とはどのように支払われるのでしょうか。

自らが経営者であると考えるとよりイメージをお持ちいただけると思いますが、ベンチャー企業は、生き延びなくてはいけません。そして生き延びるためには、お金が必要です。

会社がつくった売上から、人件費などの管理費等を除いた利益がプラスであれば、潰れることはありません。

ただし、これがマイナスになった場合、企業のキャッシュは蝕まれていきます。もちろん、ファイナンスをすることで寿命を延ばすことはできますし、大幅な投資をすることで急拡大を目指すベンチャーもありますが、基本は同じです。「儲けよ、さらば与えられん」なのです。

そして、その儲け(=利益)の幅は業界のビジネス構造やフェーズによるものです。なので、給与を考えるならば、その企業のビジネス構造と成長フェーズを知り、利益率や成長性を考慮して判断をすることも一つだと思います。

収入を上げたければ、儲かる業界にいけばいいのです。ただし、そこにいけば能力をあげられるというのは飛んだ解釈です。

3. 「ベンチャーならやりたいことが出来る」ほど甘くない

人はさまざまな理由で転職します。ベンチャー企業を主なクライアントとする弊社ですが、ご登録いただく方がお話される理由の一つに「今いる大手企業ではやりたいことができない」ということが挙げられます。

では、ベンチャーに転職することでやりたいことができるのでしょうか。例えばマネージャーになりたい、事業責任者になりたい、といったことが、ベンチャーに転職すればすぐに叶えられるのでしょうか。

いくら新しいチャレンジを奨励するベンチャーの経営者といえども、やはり重責を任せるのであれば、「やりたい人」ではなく、「やれる人」をアサインします。

もちろん「新卒1年目で子会社社長」といった抜擢人事もあり得ますが、それは、経験は短いがその中で実績を残し、将来的に会社の中心メンバーになる可能性が高い、と認められたからです。

そのためには社内で“デキる人”という評価をもらうことが大切です。ただ、この信頼を獲得することだけを考えるなら、それまでの歴史がある現職の方が本当は有利なはずです。

では、なぜあなたは現職ではその役割を任せられていないのでしょうか。その理由と向き合った結果として、転職すべきかどうかが決まります。

もし現職で実績を上げることができていないのであれば、ただ環境を変えたからといって実績が出るのでしょうか。その実績が挙げられなかった理由と向き合う必要があります。

一方でその事業自体が停滞期にあり、人が増えず、ポストも空かず、組織構造が硬直してしまっているのであれば、拡大期にある企業に移ることで、より早くマネジメントや事業統括を任せてもらえる可能性もあるでしょう。

ただ、もし「やりたいこと」が現在の業務と異なるのであれば、キャリアの専門性を変えるために、未経験でも歓迎してくれる企業を探す必要があります。

4. 「未経験歓迎」にも期限がある

人には様々な可能性があります。そう信じられるからこそ、この仕事を続けています。ですが、その可能性がいつも同じだけ広がっているかというと、そうではありません。いくら未経験OKといえども期限はあります。

なぜなら、未経験者は新卒入社の社員と比べられてしまうこともあるからです。基本的なビジネス経験という意味ではアドバンテージがあるものの、専門的なスキルは新卒と同一。そうであるならば、現実的に考え、伸びしろや給与面でのメリットも加味して「新卒に任せよう」、「少しでも若い人に任せよう」と判断されてしまうのが実情です。

例えば25歳のときにオファーをいただけた会社に、28歳になって再度トライしようとしても、もう難しいという事もよくあります。もし新しい職種、業界にチャレンジしたいという変化の大きい転職を考えている場合には、早めに情報収集をされることをお勧めます。

「まずは3年…」と言う方もいらっしゃいますが、そうした迷信にとらわれ、知らぬ間に期限が過ぎていたというのはとても辛いことです。

もちろん情報収集をしたからといって必ずしも転職をしなければならない訳ではありません。まずは自分のキャリアのオポチュニティがどのように広がっているのか。

それが時間軸のなかでどのように増加・減少していくのか。それを知ることで、結果として現職に留まる決断をし、モチベーション高く仕事をし、大活躍された方もおられます。機を見ずに、知らぬ間に逸している。そうならないためにも、自身のキャリアの現在地を知ることはとても大切です。

[文]FastGrow編集部
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