連載スタートアップを知りたいならここを見よ!FastGrow注目スタートアップ特集──FastGrow Pitchレポート

博報堂DYベンチャーズ厳選!チャットコマースで接客体験を向上させるZEALSが登場──FastGrow Pitchレポート

登壇者
漆山 乃介
  • 株式会社博報堂DYベンチャーズ パートナー 

博報堂DYグループにおいて、メディアビジネス開発やベンチャー投資を推進。また、当社グループの社内公募型ビジネス提案・育成制度である「AD+VENTURE」の審査員及びガイドとして複数の新規事業開発・立ち上げを支援。当社グループへの参画以前は、ベンチャーキャピタルにてパートナーとしてベンチャー投資業務に従事。それ以前には、大手人材サービス企業で複数の新規事業・サービス開発を経験。

遠藤 竜太

大学時代は研究者を志し、人と機械のインタラクティブを学ぶ(受賞歴:HIシンポジウム優秀賞/特許申請など)。テクノロジーの社会応用に目覚め、マーケティングテクノロジーカンパニーに新卒入社。2017年7月より株式会社Zealsにジョイン。2020年2月、「ダイレクトアジェンダ2020」に登壇し優勝。同年10月、認定講師「LINE Frontliner」に認定。 コミュニケーションAIが浸透した日本をつくるため、日々「おもてなし革命」の実現に邁進している。

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「イノベーターの成長を支援し、未来社会を共創する」をミッションに掲げるFastGrowが、「この会社、将来大きなイノベーション興しそうだ!」と注目するスタートアップをお呼びして、毎週木曜朝7時にオンライン開催する「FastGrow Pitch」。

登壇するスタートアップが目指すビジョンや事業内容、創業ストーリー、どんな仲間を探しているのかなどをピッチ形式で語るイベントだ。

今回は、国内を中心にシードからレイターまで幅広いステージで投資を行うVC、博報堂DYベンチャーズとのコラボレーション企画として、同社が一押しする投資先が登壇する限定回を開催した。

本記事では、ピッチの模様をダイジェスト形式でお届けする。登壇したのは、株式会社ZEALSだ。博報堂DYベンチャーズのパートナーの漆山乃介氏も登壇し、クロストークセッションも開催した。

  • TEXT BY OHATA TOMOKO
  • EDIT BY RYOTARO WASHIO
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博報堂DYベンチャーズ
生活者を起点に、より良い未来をデザインする

株式会社博報堂DYベンチャーズ

博報堂DYベンチャーズは、国内のスタートアップを中心にシードからレイターまで幅広いステージでの投資を行うVCである。投資対象は、革新的なテクノロジーを保有する企業や、新たなビジネスモデルを創出する企業などだ。

また、クリエイティブやマーケティング、メディア戦略立案、ビジネスデベロップメントなどのスキルを有した博報堂DYグループの人材が「カタリスト」として参画。同グループのリソースを活かした協業策を投資先企業と推進している。

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ZEALS
チャットボットで接客のDXを実現する

株式会社ZEALS

登壇したのは、チャットコマース『ジールス』を開発・運営している、ZEALSで取締役COOを務める遠藤竜太氏。

まず、同社の経営方針や事業について共有した。

遠藤ビジョンである「Omotenashi Revolution with CHATBOT」を強く意識しながら経営を推進しています。

このビジョンを達成するため、AIを活用したチャットボットで「おもてなし」に溢れたオンライン接客の実現をサポートするチャットコマース『ジールス』というサービスを展開しています。現在、導入していただいている顧客を通して、生活者にオンラインでの快適な購買提供を届けていますが、将来的には認知、興味・関心、比較・検討、購買といった、顧客のマーケティングファネルの全てのフェーズをサポートしたいと考えています。

チャットボットサービス業界は2016年ごろに盛り上がり始め、一度下火になったものの、今再び注目を集めている。グローバルでも大型資金調達を実施する企業が増加しており、市場が活性化している。その背景にはEC市場が急速に成長していることが挙げられる。

遠藤ECでより良い購買体験を提供するには、パーソナライズしたコミュニケーションを実現することが重要です。店頭では接客員が顧客の悩みを聞いた上で商品をおすすめするなど、インタラクティブなコミュニケーションが起こりますが、ECではそういったコミュニケーションが取れませんでした。

そこで、店頭と同様にオンラインでも一人ひとりに合わせた情報提供をしたり、双方向のコミュニケーションが生まれる接客を提供したりしながら、事業を推進しています。つまり、チャットコマース『ジールス』がサポートしているのは、接客のDXなんです。

チャットボットソリューションを提供しているのはZEALSだけではない。競合との差異について、遠藤氏は「スタートアップでありながら総合力で戦っている点」と語る。

遠藤「技術力」「ポジショニング」「課金モデル」「販路開拓力」がZEALSの特徴です。

遠藤まず「技術力」。マーケティングファネルの全てのフェーズをサポートするため、ファネルごとに最適化されたプロダクトを制作中です。また、メンバーの3割がエンジニアで、そのうち8割が外国籍エンジニアで構成されており、グローバルな開発体制を整えています。

「ポジショニング」について具体的に説明すると、「マーケティングのためのチャットボットであること」が他社との差異になっています。多くのチャットボットサービスは、主にカスタマーサポートで使われることが多いです。これを「守りの活用」とするならば、チャットコマース『ジールス』は売上に直結するマーケティング活動のためチャットボットという位置付けになります。つまり、「攻めの活用」ができることがユニークな点といえます。

次の特徴は「課金モデル」です。チャットコマース『ジールス』は「成果報酬制度」を取り入れています。多くのチャットボットサービスはサブスクリプションモデルを採用していますが、私たちは、成果に対して報酬をいただきます。こういったビジネスモデルを取ることによって、顧客の成功に同じ目線で向き合うことができ、プロダクトを磨き込むことにも繋がると考えています。

最後に「販路開拓力」です。国内の大手代理店とパートナー関係を結び、販路を拡大することで、幅広いお客様にチャットコマース『ジールス』を導入いただいています。

2021年度の売上は過去最高ペースで推移しており、業績は順調に伸びている。日系の大手企業や外資系の金融、メガベンチャー出身者など、豊富な経験を持った多様な人材を採用し、事業を加速させている。成長著しいZEALSの今後の展望を、ピッチの最後に遠藤氏が共有した。

遠藤現段階でサービスを提供できているのは、ファネルのごく一部のみです。今後は他のフェーズやコンバージョン後の領域にもアプローチしていきたいと考えています。

LINEとの協業事業も始まっており、国内におけるチャットコマース『ジールス』をさらに推進しながら、InstagramやFacebookメッセンジャー機能に対応したサービスを展開していきたいです。

また、チャットコマース『ジールス』の活用の場はオンラインに限らないと考えています。現在、デジタルサイネージ上でチャットコーマス『ジールス』を活用できるアプリケーションの研究開発を進めています。チャットコマース『ジールス』を通して、接客のDXが当たり前になるように、マーケットへアプローチし続けていきたいです。

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“現場至上主義”を貫きながら、自走できる組織へ

ピッチ終了後は、博報堂DYベンチャーズの漆山氏と遠藤氏によるクロストークセッションが開催された。初めに語られたのは「これまでのZEALSにおける組織の拡大」について。

遠藤現在は、正社員や業務委託のメンバーを含め、200名以上が働いています。いまでこそ採用力も付き、多くの仲間に恵まれましたが、私がジョインした2017年にはメンバーが10名しかおらず、採用には苦労していました。

ZEALSは代表の清水が大学在学中に立ち上げたスタートアップで、私がジョインしたときは、メンバーの平均年齢は25歳と若かったんです。加えて、カスタマーサポートに使われるイメージが強いチャットボットをマーケティングに活用しようと提案していたので、なかなか未来を信じてコミットできる人が少なかったと思います。

採用のフェーズが変わったのは最近のことで、豊富な経験を持ったメンバーが加わったことが大きかったと思います。ちょうど事業も大きくグロースし始め、直近の1年では100名を超える正社員を採用。よく「100人の壁」と言われることがありますが、その壁にぶち当たることなく、スムーズに組織を拡大できていると思います。

話を受けて、漆山氏は「組織の規模が大きくなると、ミドルマネジメント層が自分たちの仮説や思考で意思決定をする必要性が生じる。どのように権限の移譲や自走できる組織づくりを推進しているのか」と疑問を投げかけた。

遠藤前提として、私たちは「現場至上主義」。チャットボットをマーケティングに活用している事例は、海外を見てもそう多くありません。参考にできるような先行事例が少ない。だからこそ、新たなサービスや機能はお客様との対話など、「現場」から生まれることが多いんです。

そういった背景もあり、現場のマネジャーやメンバーには大きな権限を持たせています。その一方で、現場やお客様に対するリスペクトを持っている人でなければ権限を移譲すべきではないと考えています。組織の拡大を見据えて、積極的にマネジメントは任せていきますが、コアな部分は非常に大事にしていますね。

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「もう一つ上」の視座を持って、事業と組織を捉える

さらに、垣根を超えたチームの連携について「全員がそれぞれの役割を越えた視座を持つことの重要性」が語られた。

遠藤各部署が持つミッションの達成にコミットするがあまり、他部署との連携が疎かになり、縦割り組織になってしまうことがあります。

もちろん、それぞれのマネジャーや事業部長が自らの組織を考えることは重要です。しかし、状況によってはそれぞれが「もう一段階上」の視座を持って事業や組織を捉えなければなりません。

例えば「ここの連携ができていなくて、もったいない」「こっちにリソースほしいけど、会社全体を見るとここを伸ばすのが正しいよね」など、会社全体にとって何が最適なのか、ときには自分の立場を超えた視座を持つことも重要です。

最後に、漆山氏から「ZEALSらしさを作るために意識していること」について遠藤氏に質問が飛んだ。

遠藤ZEALSらしさを感じてもらうために、毎月リーダー陣が全社に向けて事業の進捗などを発表する機会を設けています。そこで、メンバーに事業の方向性や意思決定の背景、あるいはリーダーの人柄を知ってもらう。新メンバーが入社したら、私を交え、代表と会話する機会も設けています。コロナが落ち着いてきたら、オフラインの社員イベントや社内総会もやっていきたいですね。

すべてのメンバーが感じる「ZEALSらしさ」がバリューである「熱狂」「逆張り」「チーム」に紐付いていなければなりません。だからこそ、常にバリューを中心に据えた組織づくりを推進しています。

今後も毎週木曜朝7時の「FastGrow Pitch」では、注目スタートアップが登壇し、自ら事業や組織について語る機会をお届けしていく。ぜひチェックしてほしい。

こちらの記事は2021年12月14日に公開しており、
記載されている情報が現在と異なる場合がございます。

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執筆

大畑 朋子

1999年、神奈川県出身。2020年11月よりinquireに所属し、編集アシスタント業務を担当。株式会社INFINITY AGENTSにて、SNSマーケティングを行う。関心はビジネス、キャリアなど。

編集

鷲尾 諒太郎

1990年生、富山県出身。早稲田大学文化構想学部卒。新卒で株式会社リクルートジョブズに入社し、新卒採用などを担当。株式会社Loco Partnersを経て、フリーランスとして独立。複数の企業の採用支援などを行いながら、ライター・編集者としても活動。興味範囲は音楽や映画などのカルチャーや思想・哲学など。趣味ははしご酒と銭湯巡り。

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