中国法人トップ、VC、新規事業担当。
社内異動で希少キャリアを掴んだ3人が語る、「期待」と「信頼」を得る働き方

登壇者
岡田 梨佐

早稲田大学国際教養学部卒業。在学中に中国の北京大学へ1年の留学を経験。2015年4月新卒で株式会社フリークアウトに入社。直販セールスチームにて消費財メーカーを主に担当。2017年6月全社MVPを獲得。2017年10月FreakOut Taiwan Co., Ltd.へ異動。2018年5月、FreakOut China Co., Ltd.を設立し、代表取締役に就任。

清水石 貴子

2020年、新卒でユナイテッド株式会社に入社し、アドテクノロジ-事業部にて広告代理店向けの営業に従事。その後、DXプラットフォーム事業部にて、オウンドメディア立ち上げやウェビナーの企画/運営業務を経験。その後、同事業部のコンサルタントとして、大手企業の全社変革をご支援。現在は、ベンチャーユナイテッドに出向し、ベンチャーキャピタリストとして、スタートアップ企業への新規投資を行いながら、既存投資支援先の事業成長に向けたサポートに従事。

五十嵐 理紗

2017年に新卒でリブセンスに入社。アルバイト事業部の代理店営業として関西全域を担当した後、新卒採用チームに異動。採用戦略の設計から実行までを一気通貫で行う。採用広報の一環として「社会のリアルを伝える」をコンセプトにYouTubeチャンネルを立ち上げ、延べ170名の方々を巻き込みながら1年間毎日継続して動画を投稿。この取組みが採用活動に寄与し、新卒4年目で全社MVPを獲得。現在は新規事業部にて、2021年にβ版をリリースしたオンライン面接ツール『batonn』のセールスマーケを担当している。プライベートでは絵本作家として活動中。好きな作家はヨシタケシンスケ。

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ここ数年、大企業だけでなく、スタートアップで働くことを志望する学生が増えた。また、VCやPdMなどの職種を目指す学生も増え、キャリアの多様化が広がりつつある。しかし、まだまだ望んだキャリアを20代で掴み取れる人たちは少ない。

では、“希少キャリア”と言える職種で、現在活躍している先輩たちは、なぜその道を掴み取ることができたのであろうか。また、希少キャリアでどうすれば成長できるのであろうか。

2022年2月に開催したFastGrow Conference 2022。Day1のセッション『そのキャリア、どう掴んだの?──20代で希少キャリアの道を歩む3名に訊く』で、CEO、ベンチャーキャピタリスト、新規事業部という立場の違う3者が自身のキャリアについて議論を交わした。

招いたのは、FreakOut ChinaのCEO岡田梨佐氏、ベンチャーユナイテッド(現 ユナイテッド 投資事業本部)のベンチャーキャピタリスト 清水石貴子氏、リブセンス新規事業部batonnプロジェクト / セールスマーケティング 五十嵐理紗氏。

なお今回は、イベントの空気感も味わってもらうべく、文字起こし形式でのレポートとした。

  • TEXT BY YUI TSUJINO
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社内異動で、意外な仕事にたどり着く

──20代でみなさんが憧れるキャリアを築いている3者をお呼びしてお話を聞かせていただければと思います。まずはこれまでのキャリアについて簡単にお聞きできますか?

清水石2020年4月に新卒でユナイテッドに入社し、アドテクノロジーの事業部で広告代理店への営業を行っていました。

同じ年の秋頃に、ユナイテッドのコーポレートストラクチャが変わりまして、自社のマーケティングチームにてオウンドメディアの立ち上げやウェビナーの企画、その後戦略コンサルティングのチームで他社の変革支援に携わっていました。

2021年の4月からは、子会社のベンチャーユナイテッドという会社に出向(※)。投資をメインとする事業でベンチャーキャピタリストとして活動しています。具体的には、ネット関連のビジネスを展開しているスタートアップを中心に新規投資の検討をしたり、出資している会社のバリューアップに向けて支援をしたりしています。(※インベストメント事業のさらなる強化を目的として、2022年4月より、ベンチャーユナイテッドをユナイテッド投資事業本部に組織を統合)

いまの職種にたどり着いた背景は、社内異動の話がきっかけです。ただ、入社のタイミングでは中長期的な明確なキャリアを持っていませんでした。ユナイテッドは複数ポートフォリオがあるため、いろんな経験を通じて目標を見つけていきたいと社内の人たちに話していました。そのような働きかけをしていたため、チャンスをもらえたのかなと思います。

セッションの様子

岡田2015年4月にフリークアウトに入社して、2年半直販のセールスチーム部隊で消費財のお客様を担当する営業をやっていました。その後2017年に社内異動という形で台湾支社に移り、2018年に中国の上海に拠点を移し、中国支社を立ち上げ、以後3年半ほど中国ベースで働いています。

この仕事にたどり着いた背景は留学経験にあります。高校時代はカナダに、大学時代は北京に1年間留学していたので、入社時に3ヶ国語話せることを伝えていました。2015年・2016年とフリークアウトは海外展開に力をいれていて、そこで声がかかったという経緯になります。

現在は、中国のゲーム会社がお客様になります。彼ら・彼女らが台湾や韓国、日本、東南アジアにサービスを展開するときの広告代理事業をしています。

五十嵐2017年に、リブセンスに新卒で入社しました。今年で丸5年経ちました。いままで3つの業務を経験し、セールス、人事を経て、現在は新規事業部のマーケ&セールスを担当しています。

セールスは入社して2年間くらいやっていました。弊社のアルバイト求人サイト「マッハバイト」の代理店として、関西全域のセールスを担当していました。そのあと、人事に異動して主に新卒採用の戦略から実行まで担当。2020年の1年間は就活生向けのYouTube配信もしていました。昨年の11月からは新規事業部に異動して、いまは新しいプロダクトのβ版リリースに向けてマーケ&セールスを担当しています。

この仕事にたどり着いたきっかけは、社内異動でした。会社からの期待と自身の「やるぞ!」という気持ちが大事かなと思います。会社からの期待でいうと、採用担当向けの新規事業が検討されていたので、「新卒採用での経験を活かして五十嵐が大きくしていけるのでは」と。あとは、自分自身が将来、地域の方を巻き込んで、何かを作り上げていく“ハブ役”を担っていきたいため、この経験が活かせるなと思い受けることを決めました。

いまの業務は、マーケ&セールスになります。よりよいプロダクトに向けて顧客の声をしっかり聞く。あとは、顧客に愛されるプロダクトにするためにプロトタイプ強化に奮闘しています。

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「業績が下がっていたこと」に、自分が入る意味を見出す

──なぜスタートアップや起業ではなく、いまの会社に入ったのかということを聞きたいです。最近は、より小さな会社や起業する選択肢もあったのかなと思うのですが、なぜいまのキャリアを選んだのか教えていただきたいなと思います。

清水石新卒の頃はビジネスのことをわかっていませんでした。学生の頃に、インターンの経験もなかったので、そもそも起業や少数精鋭のスタートアップに入社するという選択肢がなかったです。当時は、社会にインパクトを与えられる仕事をしたいと思い就活をしていました。そこで、「学べる環境があるか」「若手ながらもチャレンジさせてもらえて、成長スピードを高めれそうか」の2つを重視していました。

ユナイテッドは上場企業なので、組織体制も整っていて、研修制度もあります。事業としても変化の激しいインターネット業界なので、いろんな機会がありそうだなと。そうした環境のなかで、社員の方々がいきいきと活躍していた姿にもとても魅力を感じました。

最終的には働くうえで一番重要だと思うのが、組織や人の雰囲気、ミッション・ビジョン・バリュー。その共感度が強かったので、入社を決めました。

──海外で社長をやっていて、起業も視野にあるのかなと思うのですが、岡田さんはいかがでしょうか?

岡田起業という選択肢はないと思います。いままでもそうですし、これからもそうだと思っています。

私は今年30歳で、現在29歳。ギリギリ20代なのですが、私が就活していたのは8年ほど前。いまほどスタートアップや起業が選択肢としてなかった気がします。フリークアウトに出会ったきっかけは『Goodfind』でした。『Goodfind』でグループディスカッション講座などを一緒に受講していたベンチャー志向の学生に、「どこの会社がおもしろいか?」と聞くと、フリークアウトのインターンがキツくて面白い!という話をよく耳にし、気になって応募しました。

なので、スタートアップや起業はあまり考えておらず、大学の友人も大手企業志望がほとんどでした。そのなかで、大企業とベンチャー、外資系日系と様々な業界を見て、就活時代になって初めて自分自身と向き合って、何をやりたいかを考えました。

私は飽き性なので、どんどん新しいことにチャレンジできる環境がいいなと思いました。それで最終的に、フリークアウトを選びました。

──五十嵐さんは小さい会社や起業は選択肢にありましたか?

五十嵐起業の選択肢はありませんでした。私の就活はいまから5〜6年前で、スタートアップへのジョインや起業を考える人が周りには少なかったですね。起業やスタートアップは手段だと思うのですが、その手段が私にとって近しくなかったなと。

前提としてたくさん会社があるなかで、相対的に企業を比較するときりがないと感じました。出会っていく中で素敵だなと思った会社があったら、そこを受けていくスタンスでした。

企業を選ぶにあたって、自分が成長して活躍できそうな企業がいいなと思っていました。大学4年間の活動を通じて、自分が成長して活躍できそうな要素が何かを3つ出したんです。

1つ目が、「企業規模」です。ミドルベンチャー企業の規模感だと、すごく活き活きと働けそうだと思いました。リブセンスは上場こそしていますが、スピード感や仕事の進め方はベンチャー。ある程度枠組みがありつつも、フラットな組織です。かつ、自分で考える余地があるのは成長できそうだなと思いました。

2つ目は、「人と価値観が合うこと」を大事にしました。リブセンスは、私の本当の幸せを考えてコミュニケーションしてくれた。私も新卒担当をしていていまでは気持ちがわかるのですが、内定をだした後は、内定者を囲いたくなる。でも、リブセンスは内定を出した後でも「五十嵐さんの目指すキャリアだとこういう企業を受けてみたら?」と選択肢を提示してくれる社員が多かったです。そういう人間性にも惹かれました。

3つ目は、「自分がリブセンスに入る価値を見つけたこと」です。人間性が魅力的なのに、当時はリブセンスの業績が下がっていて、そのことが悔しかったです。いろんな人に「リブセンス大丈夫なの?」と聞かれて「会社の中の人は、いい人なんだよ!」とすごく感じました。そういう意味も含めて、私が入る価値をみつけ入社を決めました。

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「転職しなかった転職活動」で見つかった、自分の客観的な価値

──ぶっちゃけ、転職しようと思ったことはなかったんですか?新卒で入って、他の選択肢を考えたことはなかったのですか?

五十嵐そりゃ考えましたよね。ベンチャーなので、入退社のスピード感はどちらかというと早いと思います。果たして自分は、どうなのかなと。成果は出しているけど、リブセンスの中だから成果を出せているのではと思うこともありました。自分の市場価値がどれくらいなのかと感じたことはあります。

岡田実は直近、入社後初めて転職活動をしていました。具体的には、エージェントに会っていました。その理由としては、今の会社や仕事に対してネガティブがあったわけではなく、すぐすぐ転職先を探したかったわけでもなく、新卒入社以降一度も転職経験がなかったので、五十嵐さんと同じで、会社や肩書きを除いた自分自身の市場価値がどれくらいなのかが気になったことです。

いま、中国拠点の立ち上げ、支社長と言う比較的希少なキャリアを歩んでいるものの、「支社長」というポジションは世の中にあまりない。そうなったときに、この経験のどこを活かせるのか、どこを突き詰めたほうがいいのか、市場に自分の何が求められているのかを客観的な目線で見たかったんです。

そういう意図もあって、何人かのエージェントと面談をしたのですが、いただいた指摘やアドバイスはどれも腹落ち感があり、初めての転職活動体験はすぐに終わりました。

転職活動はやってみてよかったですね。改めて自分が何をやりたいのか、また、今の会社・役割でしか経験できないことを客観的に見ることができました。

──転職活動をしてみて、いまの会社の役割が、ベストだったと。

岡田おっしゃるとおりです。

──キャピタリストとしてご自身と年齢の近い起業家と会うなかで、起業やスタートアップに飛び込みたくなる気持ちはありますか?

清水石いまはまだないのですが、将来的にはありえるなと思っています。VCとしていろんな会社と関われるのが楽しいです。1社よりも、いろんな会社のことを知れるのがVCの魅力だと思っているので。

いまはVCとして成長していくことを目標に掲げていて、それはスタートアップのみなさんのこれからの日本を良くしたいという気持ちに魅力を感じているから。そういう意味では、1つのスタートアップに入り込んで、事業を大きくするという手段も今後はありえるのかなと思っています。

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「期待」と「信頼」を積み重ねれば、意外な打診も届く

──登壇いただいているみなさんと同じようなことを成し遂げたい人がいっぱいいると思います。このキャリアを狙って、社内に声掛けをしてチャンスをもらったのか?それとも、気づいたらいまの立場を得ていたのか?どちらなのでしょうか。

五十嵐逆算型か積上型かという話だと思うのですが、それでいうと後者です。入社当時はいまを想像できていなかったです。「チャレンジしてみないか?」という打診があって、いまに至ります。

振り返って思ったのは、周囲からの期待をいかに引っ張り出せるかが大事だなと思っています。「五十嵐だったらできる」と言ってもらうだけでなく、自分でも「大丈夫、できる!」と思えなければ、たぶん続けられません。そのために、「行動」と「結果」を常に見せていくのが大事なのかなと思います。

具体的にやっていたことは、大きくは2つ。まずは、周りがやっていない目標を掲げて、自分の強みを武器に、「やりきった」といえるレベルまで形にしていく。たとえば、毎日採用広報の動画を上げていくという単純に見えることでも、尋常ではないレベルのクオリティで続けてこれたかどうかが大事だったかなと。それができたことで、「五十嵐さんはこういうこともできるんだ」と知っていただき、新しい挑戦機会を提案いただけてその後のキャリアに繋がりました。自分自身でできることが増えて、見える領域も増えていきました。

2つ目は、選択肢が増えてきたときに、何を選び取っていくかという点で、自分の意思を尊重すること。そこで大事だなと思ったのは、自分の夢や目標を拙い言葉でも言語化していくことと、来るもの来るもの全て受けるのではなく将来やりたいことから逆算して選んで会社にも提案していくこと。その2つですね。

──チャンスが回ってきたときに、これは五十嵐さんだねと言われるようなアクションを意識しつつ、全力でやってきたと。

五十嵐入社当初からそういう目標を立てられていたわけではないです。目標を立てる面白さは、人事をやっていたときのリーダーから教えてもらいました。自分自身にしかできない目標を立てるのは楽しいなと感じました。

岡田いまの海外での仕事を狙っていたかと言われると、そうではありません。入社時は海外に意欲的ではなかったです。高校、大学と留学を経験して、漠然と将来私は海外に行くだろうなと思っていました。でも、必ずフリークアウトで海外に行きたいとまでは考えていなかったです。

どんな企業に勤めるにしても、自分の人生と海外は切り離せないだろうなと。なので、フリークアウトに入ってすぐに海外に行きたいとは考えていなかったし、だからこそ、海外駐在がある程度約束されている商社のような企業は選んでこなかったです。そういう意味では、狙ったキャリアではなかったですね。

五十嵐さんが言っていた「こいつならやってくれそう感」は大事だと思っています。ドンピシャの経験がなくても、絶対の確信がなくても、企業としてその人材にベットする価値があると思わせるような本人の想いの強さとやり切る力があってこそ、身の丈に合わないようなチャレンジの機会が得られるのだと思います。そう言った意味ではそれまでにどれだけの信用ポイントを貯められるのかが大事だと思います。

──ご自身として海外いくなら私だ!みたいなのは言ってなかった?

岡田言ってなかったと思います。学生時代の友人には、「海外行くなら私が!」みたいな人が多かったですが(笑)。学校の授業が英語だったので、外資系にいく人や、英語を使った仕事を志望する人が大半を占めていました。そもそも「自分が活躍する場所は、日本ではなくて海外!」という考え方の人も少なくなかったですね。

でも、私は全くその考えに共感できなくて。なぜなら、英語を喋れる人は世界を見渡せば山ほどいるし、中国語に至ってはネイティブスピーカーの人口が英語より多い。そうしたことを踏まえると、私が世界に出たときの希少性や強みは「日本人であること」になります。日本クオリティの仕事ができることや、日本でビジネスができるということは、世界で見てもすごい強みになるのではないかなと。そう感じたので、入社後は早く日本のビジネスパーソンとして一人前になりたいなと思っていました。

──清水石さんはどうですか?2年目で異動を何度かしていて、すごいなと思うのですが。

清水石VCの仕事を、という意味で言うと、狙っていないです。すごく恥ずかしいのですが、VCという仕事の詳細すら、理解できていなかったです。ユナイテッドは複数ポートフォリオがある企業なので、いろんな環境にチャレンジできることを魅力に感じていましたが、VCだけは別だと思っていて。VCに社内異動があるとは思っていなかったです。

だからお二人の話を聞いていて、勉強になりました。将来のことを考えたときに、私は何も見えなくて。とにかく経験をして、その経験したことが何かに繋がっていくのではと思っていました。それを踏まえると、いまを全力で前向きに生きることが、点と点をつなげて線にしていくことなのかなと。

あとは、自分が合わないと思ったことでも、一度やってみて、考えて、好きになってみようと。いろんなグループ会社があるなかで「やりたいこと」「やりたくないこと」を何度も聞かれたのですが、「なんでもやってみたい」とずっと言ってました。

厳密にいうと、3回くらい社内異動しています。なかには、1〜2週間での異動もありましたが、私としては全て愚直に取り組んでいました。そういう姿勢を認められて、「清水石なら、VCという専門的な職種でもやっていけるだろう」と思われたのかなと。

──キャピタリストってどう打診がくるんですか?

清水石キャピタリストになる直前は、戦略コンサルタントとしてクライアント企業を支援するプロジェクトに関わっていたので、ロジカルシンキングなど基本的なスキルを磨けていたというのはありますが……。突然、ミーティングで「投資事業どう?」と打診されました。

正直、VCという職種が全然わからなかったですし、専門性も高いので勉強をしないといけない。関わる人が経営者なので、私みたいな若造が関わることに不安しかなかったです。かつ、始まったばかりだったコンサルタントの仕事も楽しくて。コンサルタントで成長していくという選択肢もありましたが、ポリシー的にチャンスがあれば、挑戦したいということがあり、そのミーティングの中ですぐ「やります!」と答えましたね。

セッションの様子

五十嵐フェーズによっても変わるのかなと。清水石さんが全力でやってきた話は、私も入社時はそうだったなと。入社から4〜5年目で強みが見えたときに、選び取っていけるようになったかなと思っていいます。そう考えると、もっとベテランの岡田さんの話も聞いてみたいなと。

岡田私も最初はがむしゃらでしたね。それゆえに、「素直な人採用」はあるのかなと思います。愚直に目の前のことをやり切る力はとても大事だと思います。清水石さんのキャリアに対して「良いな」と思うところは、経営者の方と向き合う仕事を、できるだけ若いうちに経験できていること。

私は社会人4年目で中国に来ました。そのときはマネジメント経験がなくて、目の前のことをがむしゃらにやっていました。そのとき幸いにも、フリークアウトの海外支社が10拠点程あったので、別拠点の先輩支社長陣に相談することができました。さらに、中国で事業をしている経営者の方々と話す機会も増えました。

若いうちに経営者の話が聞けたり、経営者の視点に立てたりするのは非常に良い経験になります。なので、清水石さんのキャリアはすごく素敵。一方で、「若造が!」という気持ちもわかりますね(笑)。

清水石VCになる前は対外的な関わりがほぼゼロだったので。そうした点と比較しても、そもそもいろんな価値観を知れるのはありがたいですし、さらに視座の高い意見を聞けて勉強になります。ただ、経営者と対等に話さないといけないので、ギャップを埋めていくためにも、もっと成長しなきゃという気持ちが強いです。

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リスクなど結果論。
ベンチャー気質から得られるものは、誰でも決して少なくない

──どうやったらみなさんのようないろんな事業や分野を手掛けているベンチャーで、多様なキャリアを積めていけるかというヒントを伺いたい。いろんなことをやっているベンチャーに入るのは、見方によっては配属リスクや、本当にやりたいことをやれるのか、やりたいと思ったときにチャンスが巡ってくるかなどの不安もあるかと。

岡田リスクと思う人はやめたほうが良いのかなと。私自身は「○○がやりたい」よりも「この人と働きたい!」と、人でフリークアウトを選びました。「どこにいようと、この社長についていきたい」という気持ちがあったので、リスクは感じなかったです。

清水石リスクはどの会社にもあるのかなと。配属のタイミングの事業や人の状況で変わってしまう。最初は割り切るしかないのかもしれません。やりたいことではない部署に配属されて、新しい発見もあるのかなと思っていて。

「思っていた仕事と違って、意外と面白い」というプラスの発見があったり、「思っていたより自分に合わなかったな」とマイナスの発見があったり。それでも、どんな発見でもポジティブに捉えて、自分がやりたかったことに対して異動を打診するのか、他に移るのか、手段はあると思います。自分にとって興味領域外のない事業がポートフォリオに入っている企業を選んだとしても、運命的に出会ったものの体験を通じて、将来のキャリアのヒントを得ることは、私はメリットとして捉えています。

五十嵐リスクってどこにいてもあるのは、そうだなと。自分のリスクは何だろうと思ったときに、いまは肩書がないと動けないと感じてしまうこと。だからまずは五十嵐理紗として、どこでも戦えるような武器を得られたらいいなと思っています。

いろんな事業がある企業に入るメリットは、未開拓の領域が多いので、実践を積み重ねながら、経験を積めること。スタートアップではゼロから型をつくっていくことになりますが、私は一定の型があったほうが動ける人間なので、いまの環境が合っていると感じています。

すでに存在している型を踏まえて、「のびのびと好きに動いていいよ」と言われる環境のほうが合っていたとわかってきました。それに、正解がないからみんな作り上げていこうという雰囲気を、リブセンスで感じます。対話を通じて答えを見つけるという働き方も、この規模だからできたのかなと思います。

──目の前にあるチャンスに好奇心をもち、結果的にいまのチャンスを得たのだと感じています。いま目標にしていることやそこに向けての活動はありますか?

清水石明確な目標ではないですが、スタートアップを大きく盛り上げていきたいと思っています。ここ数年は、VCとして成長することで、日本の産業を盛り上げ、個人として提供できるものを増やしていきたいです。私の中ではキャリアを通じての目標がいままであまりなかったので、そのような目標ができたことが大きいですね。

この目標の達成に向けて、今はまず、知見や経験、信頼を着実に積み重ねていくしかないと思っています。また、自分自身で勉強していくのも必要ですが、人と関わることで、周りの人の知見を吸収し、提供価値を増やしていきたいとも思います。これまで、周りに与えてもらうことが多かったので。

岡田今年特に注力したいことなのですが、中国のチームを強くするにあたって、フリークアウトらしいチームづくりに改めて注力したいなと。フリークアウトは上場企業で、かつベンチャー企業です。そのなかで、中国支社は「企業の中の企業」みたいなものです。

中国にはないけれど日本にある仕組みや、タイにはあるけれどインドネシアにはない仕組みなどがフリークアウトにはたくさん存在しています。1からスタートアップを立ち上げるのではなくて、1つの企業のなかで立ち上げる組織となったときに、企業の良いところや既にあるアセットをうまく活用すべきだと思うのですが、いまの中国事業は、そこが足りない。フリークアウトの良いところを、中国のみならず、海外にまでもっと広げていきたいと思っています。

──なるほどですね、ちなみにいま、中国支社では、何人くらい働いているんですか?

岡田いまは中国に10人、日本5人、台湾に1人。3カ国にチームがあります。

──組織づくりを、まさに本格化させていかなければ、というフェーズに感じますね。五十嵐さんはいかがですか?

五十嵐いま向き合っているのは、とにかく新規事業のリリースが無事にできるかということ。正式リリースをしっかり成し遂げた上で、もう少し抽象度を上げると、求められるニーズを満たしていける人間になりたいと思っています。もっと言うと、「厳しい」というものを理想に変えていきたいです。

新規事業なので、「それは難しいのでは?」「いや〜、厳しいです」と言われることが多いです。でも、私たちの身の回りにあるサービスやプロダクトがリリースされたときも、そのように言われていたと思います。それを突破して、使われるサービスになっている。「厳しい」を「確かにそうなったら理想だよね」と言われるようになれたら、理想ですね。

プライベートでは、絵本作家になりたいという夢があります。目の前に見えているものが全てではなく、その裏に自分の本当の興味や発見があることを、絵本を通じて伝えていきたい。

仕事でもプライベートでも、当たり前を覆す瞬間をいかに生み出せるか、を常に考えています。そのために、課題の本質を捉えて仕組み化すること、そして「五十嵐さん、こういうのどう?」という提案が生まれてくるような関係を人と築くことを大事にしています。

特に「枠を超えた関係性をどう作っていけるか?」という問いは、自分の中でずっと大事にしていきたいと思っています。

セッションの様子

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信頼し、信頼される企業を、時間をかけてでも選ぶべし

──最後に、視聴してくれている人たちへのメッセージをお願いします。

岡田新卒で入った会社がフリークアウトで良かったと思っています。だからこそ、新卒切符は大事なのかなと。

私自身、中途で入ったら得られなかったかもしれないチャンスを、新卒だからこそ得られたと感じることもあります。自分を信頼してもらえて、かつ自分が信頼できる会社を選ぶのはとても大事。新卒切符は人生で1度しかないからこそ、慎重に選んでほしいです。ミスマッチは企業にとっても就業者にとってもとても辛いので、先に時間を使って自分を知り、会社を知り、しっかりと吟味した上でファーストキャリアを選んでください。

五十嵐「キャリアをどう掴んだのか」というタイトルで登壇したのですが、「あなただから任せた」「あなたに任せてよかった」という仕事ができるというのもありつつも、会社に対して自分自身が求める姿勢も忘れないでほしいです。

会社で働く以上、会社からの要求は自然と生まれてくる。「自分自身がどうしたいか」を忘れがちにもなってしまうと思います。だからこそ、会社の要求と同じくらい、自分がどうしたいかについて発言して、会社とすり合わせていくと、より良いキャリアが形成されていくと思います。

清水石私自身がキャリアを学ぶ立場としても、五十嵐さん、岡田さんの話は貴重でした。

成長できる環境に身を置くことや、いろんな出会いを通してキャリアの選択肢を広く持とうとすることが大事だと思います。もともと明確に目標がなかったものの、会社に入って自分がやりたいことを見つけられました。その理由は、スタンスとして、どんな仕事もやってみて好きになろうと考えていたからです。

ユナイテッドはチャレンジできる文化があったり、事業も多くあったりなど、とにかくチャレンジできる環境です。そういう環境にいられるかどうかは重要でしょうね。さらには、いろんな価値観を増やす中で、やりたいことを掛け算で増やしていけているかどうか、考えてみるといいかもしれません。

いまはまだ、やりたいことが明確にない人でも、新しいことを見つけられたり、最善の選択肢をとれたりできるよう、まずは意識してみることから始めればいいのかなと思います。

こちらの記事は2022年04月28日に公開しており、
記載されている情報が異なる場合がございます。

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執筆

辻野 結衣

1997年生まれ、東京都在住。関西大学政策創造学部卒業し、2020年4月からinquireに所属。関心はビジネス全般、生きづらさ、サステナビレイティ、政治哲学など。

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