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exflora山村「1兆円市場なのにビッグプレイヤー不在。“お花屋さん”に残る非効率」

エス・エム・エスマフィア山村氏と、ディー・エヌ・エー出身で創業経験もあるCTO尾崎氏がタッグを組み、花き産業の革新を目論む設立2年目ス...
17-06-05-Mon
山村 祐介(やまむら・ゆうすけ)
株式会社exflora 代表取締役/CEO
尾崎 良樹(おざき・よしき)
株式会社exflora CTO

エス・エム・エスマフィア山村氏と、ディー・エヌ・エー出身で創業経験もあるCTO尾崎氏がタッグを組み、花き産業の革新を目論む設立2年目スタートアップ、exflora。その創業ストーリーと未来図を聞いた。

第一次産業ハッカソン 第一部 株式会社exflora

お花屋さんの仕事は40年前から変わっていない

「ここにいる皆さんの中で、最近お花や観葉植物を買った方はどのくらいいますか?」

そう問いかけるのは、エクスフローラ代表山村氏。大学卒業後の2009年にエス・エム・エスに入社し、経営企画部門、経理財務部門を経験している彼が、どうして花き産業で起業する決意を固めたのか。

「人々の生活に直接的なインパクトが大きい、既存産業×ITの切り口で事業をしたいと考えていたものの、どの業界で起業するか定まっていませんでした。そんなとき色々模索しているうちに、知人の実家が花屋さんをやっているという話を耳に挟んだんです」

山村はすぐに紹介された花屋まで足を運び、花き産業における非効率を目の当たりにした。店主からも「花屋では40年前から部分的な変化はあるものの、昔とほとんど同じように仕事をしている」という話を聞き衝撃を受けた。

「他の業界と比較しても、花き産業の変化は著しく緩やかです。未だにほとんどの業務で電話やファックスを使っています。僕が生まれた時には携帯電話なんてものは存在していなかったのに、気付けばスマホへの代替があって、今や新しいウェアラブルデバイスが誕生していますよね。そのような社会の変化と花き産業の間には大きなギャップがあるのです」

ビッグプレイヤー不在。1兆円市場に潜む非効率

花き業界、お花屋さん、というと、市場規模のイメージがつかない方もいるだろうが、切り花、鉢花、観葉植物、盆栽や植木等も含みその市場規模は1兆円。法人需要(ウェディングや葬式用など)が約7割、個人需要が約3割を占める。

花き産業のIT化がどうしてこれほど遅れているのか。理由は多々があるがそのうちの一つは、他産業と比較して業界内にビッグプレイヤーが存在しないためだ。

例えば、全国の小売店舗数を見ても、コンビニエンスストアに匹敵する数が日本全国に存在する。専門店が25,000店舗、スーパーなどの店舗併設型の売り場も考慮すると合計で40,000店舗になる。コンビニエンスストアは全国に55,000店舗であるから「実は花屋はたくさんある」といわれても違和感はないだろう。

しかし一方、その市場規模と店舗数をもつ業界にも関わらず、最大手チェーンでも180しか店舗をもっていない。

コンビニチェーン最大手であるセブンイレブンの店舗数が約20,000店という事実と比較すると、いかに業界のプレイヤーが細分化されているかが理解できる。

「花き業界の知見もないまま、業界外から考えを巡らせていても何もわからない」

花き業界にどれくらいの非効率性が介在しているのか肌で感じるため、創業間もなく品川区中延の商店街に“ハナノバ”という花屋を構えた。

写真:ハナノバ-hananova-中延店 Facebookページ

「花屋をはじめてすぐ起きた変化は、生活リズムが朝方に変わったことです。皆で早朝から市場に仕入れに行き、花や植物を陳列し接客する、要望に応じて配達も行うといった一連の業務を行いました」

実際に花屋を経営してみて9ヶ月。「花屋の経営や業務は本当に大変。でも知れば知るほど、効率化のアプローチができるところはたくさん見えてきた」と山村は話す。

「小売業務の中でも各店で人がやるべき業務と、IT化したり外注、集約化したりするべき業務の区別が明確にわかってきました。また一花屋として市場や生産者の方ともコミュニケーションしていく中で、より川上にも同様に効率化が計れる領域があることも確認できました。いわゆる”業界をディスラプトする”というのではなく、業界内部からIT活用を促進し関係者の業務を支えたり、新たな消費者を創造するようなインフラをつくることで、産業を発展させる役割の一端を担いたいと考えています」

システム化の第一段階として、2017年の夏、小売店向けの業務管理システムをリリースすることが決まっている。

そのIT化を支えるのが、創業メンバーとして参画しているCTOの尾崎だ。

起業経験も持つCTOとタッグを組み1兆円市場を変革する

尾崎は2009年にディー・エヌ・エーに新卒入社。広告営業を担当したが、すぐにプログラマーに転身。「Mobage」の開発に携わった。その3年後の2012年、東南アジアの新興国向けのアプリを開発・運営するYOYO Holdingsを現地で創業。フィリピンのマニラに移住した。

創業した会社は軌道に乗り始め、順風満帆に見えるキャリアであったが、「ゲームや広告、アプリといった基本的にオンラインでしかユーザーと接点を持たない仕事ばかりだった。これからはリアルで接点をもてるサービス開発がしたい」という想いから、知人に紹介された山村と意気投合し、エクスフローラへの参画を決意した。

CEO、CTOでありながら、店頭に立つところから始めた。
写真 奥:代表取締役/CEO 山村氏 手前:CTO 尾崎氏

「起業していたため経営感覚も持ち、エンジニアリソースが不足している際にはオフショア開発を活用するというグローバルなリソース調達術も心得ている。創業期のCTOとして彼ほど頼りになるエンジニアはいない」(REAPRA CTO原永氏)

数百万人がアクセスするプラットフォーム開発から、海外という異国の地での創業までこなした尾崎のエンジニアかつ経営者としてのバランス感は、数々のスタートアップCTOを歴任してきたエンジニアも太鼓判を押す。

エクスフローラは創業してまだ1年程度。メンバーも山村、尾崎を含め現在正社員3名体制と、各自が様々な役割をこなさなければならないスタートアップフェーズだ。

さらに、「花き産業は高齢化が進んでおり、ITリテラシーが高くない潜在顧客が多いがゆえに、システム導入を推進する上でも前途多難」なことが予想される。

しかし、それゆえ成功した暁には、エクスフローラが業界に与えるインパクトは大きなものとなるはずだ。

「既に花き業界の現状に課題意識を持っている、または花や植物に興味がある人にももちろんジョインしてほしいですが、現時点で興味がなくても、オフラインで実際に顧客と触れ合うこともできる業界で仕事がしたい、大きくて非効率な産業の歴史を変える仕事がしたい、という方がいたら、一度お話してみたいなと思っています」

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