AI時代にも廃れない『技術力+α』を実現するエンジニアキャリアの指針

エンジニアの求人市場は一層の白熱化を見せている。この売り手の時代、真のエンジニアとしての価値はどこにあるのだろうか。単にスキルアップを追求するのか、それとも異なる道を選ぶのか。

特にSaaS等のプロダクトの世界では、サービスの品質はほぼエンジニアの手にかかっている。ゆえに、やりがい以上にその責任も非常に大きい。だからこそ、各企業は優秀なエンジニアを渇望し、売り手市場にさらに拍車をかけるのだろう。

だが、本当の意味での「優れたエンジニア」の定義は何だろう。ChatGPTに始まるAIの利活用の波を受け、素晴らしいコードを書けるだけで希少価値が高いとは言えない時代になってきているのではないか。エンジニアとして、新たな役割の追求が不可欠となってきている。

この背景を踏まえ、FastGrow編集部は、今後のエンジニアキャリアの指南役として7名のエンジニアのキャリアを紐解くことで、エンジニアが持つべき『技術力+α』を追求したい。

  • TEXT BY TAKASHI OKUBO
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「開発する人」ではなく「問題解決のプロ」であれ──LIFULL senior テックリード 望月氏

老人ホームや介護施設を検索できる日本最大級の検索サイト『LIFULL 介護』をはじめ、『みんなの遺品整理』『買い物コネクト』『tayorini』といった高齢者だけでなくその家族にも必要とされるサービスを次々と展開するLIFULL senior。同社は、この時代の喫緊の課題に応える存在である。日本が直面する介護領域のDXの必要性は、もはや議論の余地がない。その先頭に立つのが、この企業だ。

本記事で紹介する1人目のエンジニアは、そんなLIFULL seniorにてテックリードを務める望月義隆氏だ。

同氏のご紹介に移る前に、まず注目すべきLIFULL seniorの開発組織のユニークネスに触れたい。同社が提供する数々のサービスやプロダクトは、高齢者、その家族、介護従事者といった多岐のステークホルダーに対応するものである。しかし、驚くことに、エンジニアは正社員が5名、業務委託が1名(2023年9月現在)という少数精鋭の体制を敷いている。

また、メンバーは全員フルスタックエンジニア。開発から保守、メディアのサイト構築、データ分析、さらにはテクニカルサポートまでを一手に引き受ける。単なる「エンジニア」という称号では彼らの実力を表すには不足であろう。

そんな実力者集団の背骨として、テックリードを務めるのが、望月氏というわけだ。

新卒でSIerに足を踏み入れた同氏だが、決まった仕様書通りの開発に物足りなさを感じ、自社開発ができるLIFULLへと舞台を移した。受託開発の風土を知ったからこそ、LIFULL seniorでは自社開発を行う中で、多角的な知識を磨く機会を手に入れることができたと語る。

そんな望月氏の『技術力+α』は、FastGrowの過去記事でも取り上げた通り、「エンジニアは「開発をする人」ではなく、「問題解決のプロ」であれ!」という言葉に凝縮されている。

LIFULL seniorのエンジニアたちは、ただの「コードを書く人」という位置づけじゃないんですよ。「こうした施策が必要」「こんな課題が…」といったビジネスサイドの悩みを受け止め、解決策を模索する「問題解決のプロ」として活躍しています。

「エンジニア」という枠ではなく「会社全体で抱えている課題を解決するチーム」にしていきたいですね。

例えば、一般的な印象として、エンジニアは「なんとなく凄そうだけど、何をしてるの?」と他部署からは思われていることがありますよね。逆に、エンジニア側からも他部署の課題が捉えにくい時があります。

そんな時、我々がエンジニアとして取り組むべきは、こうした部署間コミュニケーションの改善です。エンジニアなら即解決できる課題が他部署にたくさん転がっているのに見えていないという状況に対し、まずはそれらの課題を可視化し、エンジニアの方から積極的に解決しにいける体制を整えていきたいですね。

つまり、LIFULL seniorでは“全社の組織課題”もエンジニアが解決したっていいんです。

──FastGrow『エンジニアは「開発をする人」ではなく、「問題解決のプロ」であれ!──経営イシューにも果敢に挑むLIFULL seniorの開発陣から、エンジニアとしてのキャリアを大きく飛躍させる思考法を学ぶ』より引用

エンジニアという既成観念に囚われず「問題解決のプロ」として、時には“全社の組織課題”にもチャレンジする。フルスタックエンジニアとして高い技術力を有しながら、現状に満足することなく常に会社のビジョン実現のために、自分ができる範囲を広げていく。こうしたマインドセットこそ、これからの時代のエンジニアに求められる「+α」ではないだろうか。

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「事業開発」×「エンジニアリング」。
これぞテック時代に市場価値を高める技術者だ──Gakken LEAP・山下氏

教育業界のDXに本気で取り組むために、学研グループが創出したGakken LEAP。

2021年12月1日から始動し、2023年6月21日にはスマートフォンでどこでも手軽にプロ監修のオリジナル授業が受けられるリカレント教育サービス『Shikaku Pass』をリリースした

同社は代表の細谷氏(元マッキンゼー・パートナー)が語る通り、教育領域のゲームチェンジャーとなるべく、金融・IT・英語・ビジネス専門領域の4つのテーマを主軸にプロダクトを進化させていく算段だ。そんな同社にてPdMを務める山下 芳生(やました よしお)氏を、ここでは取り上げよう。

山下氏がジョインしたのは2022年末。当時は、『Shikaku Pass』のプロトタイプの制作を終え、プロダクトとしても、チームとしても、課題という名の伸びしろが顕在化した時期である。学研グループ初の内製化によるプロダクト開発は、ようやく組織の歯車がかみ合い始めた頃だ。しかし、一度かみ合ったらそこはさすがの学研グループともいうべきか。ここから僅か1年の間で課題も解決し、あっという間に開発を進めローンチまでこぎ着けた。

ようやく立ち上がったプロダクトだが、一息つく間もなく、グロースしていくための開発は続く。その中で山下氏はPdM兼EMとして、開発組織をリードする立場にある。そのチームには学研の編集長として、書籍・ムックの出版に従事してきたコンテンツ制作のプロ・佐久氏らも参画しており、ユーザーが求めるプロダクトを生み出すべく、日夜活発な議論が行われている。

経営・営業・エンジニアからの要求を上手く融合させ、開発チームをはじめ、プロダクトに関わるメンバー達を導く山下氏。彼に求められているのは“プロダクトを成長させられる人を成長させる”ことである。同氏は元々、リクルートの新規事業開発においてプロダクトオーナーを経験したこともあり、プロダクトとユーザーの接点から生まれる事象を分析し、開発に落とし込めるバランス感覚が備わっている。Gakken LEAPではこうした経験を買われ、開発組織の成長を担っているのだ。

同社CTOの山内氏(前職の日経新聞では、かの『日経電子版』の創刊に関わり、「日経ID」の企画開発を主導した人物)は、「事業開発視点でエンジニアリングを経験し、自分自身もさらに成長してより大きな課題解決に挑もうとするエンジニアが圧倒的に不足している」と語る。

事業マインドを持ったエンジニア──。まさに山下氏のような人物だ。Gakken LEAPに限らず、事業開発の視点をもったエンジニアはこれからの時代、引く手数多となるだろう。

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“ハイクラスエンジニア”。それはビジネス感覚を兼ね備えたエンジニア──X Mile テックリード 蝦名氏

物流、建設、製造などのブルーカラー産業はノンデスク市場とも呼ばれるが、その市場規模は100兆円ともいわれている。こうした市場に果敢に挑戦しているのがX Mileである。同社は、ドライバー・トラック運転手向けの求人サイト『X Work』をはじめとしたHRプラットフォーム事業と、業界の労働生産性を高めるためのITプラットフォーム『ロジポケ』をはじめ複数の事業を展開している。創業から4年間の売上成長率は常に前年比500%を維持したほど、急成長を遂げたスタートアップだ。

こうした急成長を、陰ながら支えてきたのがX Mileの1人目エンジニアとして開発組織を率いる蝦名潤氏だ。同氏は、前職の不動産ベンチャーにおいても"新卒エンジニア"の1人目として活躍。未整備な環境だからこそ果敢にチャレンジしたいという同氏は、その後代表の野呂氏からスカウトをきっかけにX Mileに入社した。

「少ないリソースでどれだけ多くの課題を解決出来るか、会社に価値提供出来るかということを重視している」と考えていた蝦名氏にとって、これからエンジニア組織を立ち上げるX Mileの環境こそ、自分が力を発揮できると考えたという

そんな蝦名氏最大の『技術力+α』は、ビジネスインパクトやリソースに応じて、技術的にどの程度作り込むか調整するバランス感覚だ。前職での事業会社での経験から、エンジニアであっても、プロダクトのみに注力せず、事業そのものがうまくいくようなビジネス感覚が養われたのであろう。

それに加えて、蝦名氏はエンジニア組織の採用や開発文化の醸成にも貢献している。入社後わずか1年半ほどで同氏1名のみの開発組織を10名近くまで拡大させたのだ。その中には、サイバーエージェントやインテリジェンスでエンジニア組織の統括を担い、のちにサーキュレーションのCTOに就任した経歴をもつ大谷氏(現技術顧問)も。

数多くのスタートアップ/ベンチャーのエンジニアを見てきた大谷氏も、蝦名氏の“成熟度”に驚きを隠せないという。

技術力がありながらも、決して技術に閉じず、どうしたらいいサービスが作れるのか、どうしたらチームとして気持ちよく働いていけるのかをしっかり考えながら取り組んでくれています。インフラにも詳しいし、アプリケーションにも詳しい。そして採用にもしっかりコミットしている。正直初めてお話したときは、もっと上の年齢・年次だと思っていました。

──FastGrow『エンジニア採用の失敗、あるある8選──創業期にしてハイクラスクリエイターを惹きつけるX Mileに、「開発組織が強くあり続けるための秘訣」を聞く』より引用

プロダクト基盤。それは組織や事業の戦略を決めかねないくらい重要な部門と言える。20代半ばでありながらも、ベテランメンバーと肩を並べ、さらにはビジネスサイドがどう動きやすいかまで考えて自分の立ち振る舞いを意識する。まさに“事業成果にコミットするエンジニア”のお手本と言えるだろう。

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エンジニア脳とデザイナー脳。二つ脳をもつ彼女の+αは「翻訳力」──hokan ソフトウェアエンジニア 後藤氏

保険業界のアップデートを目指すhokanは、クラウド型保険代理店システム『hokan®︎』を提供し、保険代理店の営業や顧客管理をサポートする企業だ。直近2023年10月6日にシリーズBラウンドとして総額約15億円の資金調達を実施

同社によれば、保険業界は市場規模50兆円ほどの巨大市場かつ、保険流通を担う保険のセールスパーソンの数はなんと200万人以上。実に大きなビジネスポテンシャルが存在する一方、堅実なコンプライアンス性が求められるユニークな市場だ。そんな業界において『hokan®️』は態勢整備・コンプライアンスを強みにしており、今回の資金調達を皮切りに三井物産グループをはじめとした大手企業との協力関係を深め、海外展開も視野に入れているという。今まさに飛ぶ鳥を落とす勢いで急成長しているスタートアップの一つだ。

そんな同社でエンジニアを務めるのは、Webデザイナーからエンジニアという独特なキャリアを歩んでいる後藤麻希氏だ。

同氏がデザイナーからエンジニアにキャリアチェンジしたきっかけは、“ユーザとデザイナーの距離間”だという。新卒で広告メディアを取り扱う会社に入社した後藤氏は、グラフィック系やUI/UX周りのデザインに従事。

前職では1人目のデザイナーとして、新規事業の立ち上げや運用に携わっていたが、デザインを制作しても、それを実装するのはエンジニアの役割であったため、いつしか“ユーザとデザイナーの間にある壁”のようなものを感じるようになった。「直接ユーザに届ける経験がしたい!」。そのような思いから心機一転hokanにてエンジニアとしてのキャリアを歩み始めたのだ。

後藤氏がエンジニアになって最初に驚いたことは、「要件を伝えられた時の考え方の違い」だ。デザイナーはまず頭の中にUIデザインを思い浮かべる。一方エンジニアはまず頭の中にデータ同士の関係を思い浮かべる。「UIから考えるデザイナー脳」と「データの構造から考えるエンジニア脳」の二つの思考を融合させ、両者の架け橋となることが同氏の強み=翻訳力だ。今後は+αの強みでもある「翻訳力」を活かして「エンジニアサイドと、ビジネスサイドを繋ぐ存在になりたい」と熱く語る。その武器を使い、あらゆる職種の間の壁を取っ払い、活躍していくことが期待される。

hokanが立ち向かうInsurTech(インシュアテック)は、「CRM」領域において競合はほぼいない状態だ。「競合がいないなら楽じゃないか」と考えるのは筋違いであり、難しい業界の改革を一身に背負っているからこそ、他のバーティカルSaaSにはない使命感を持つ。「自分達が業界の正解をつくる」といった志を持つhokanで、後藤氏がこれからどのような活躍を見せるのか大いに期待したい。

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経営とテクノロジーのリンク。今の時代を生きるエンジニアたちが目指すべき姿がここに──ラクスル・岸野氏

ラクスルの事業について、今さら多くを語る必要はないだろう。2023年8月、創業者である松本氏がCEOのポジションを譲り、新経営体制をつくったラクスル。印刷・集客支援の『ラクスル』、物流の『ハコベル』、広告の『ノバセル』、コーポレートITの『ジョーシス』と各サービスは順当に成長し、”Quality Growth(質の高い成長)”を進めていくフェーズに入った。

印刷EC市場をはじめ、幅広い市場でその影響力を示してきたラクスル。プロダクトそのものの価値が十分に市場に浸透しているなか、エンジニアたちはどのようなマインドセットをもっているか。事業本部CTOの岸野友輔氏を取り上げ、紐解いていこう。

岸野氏は、ラクスルにとってM&A第1号案件であるダンボールワン事業に参画。内製の開発チームを立ち上げた人物だ。同氏はCTOの役割を「経営とテクノロジーをリンクさせること」だと話す。その上で、自身の強みであるビジネス的思考を組み合わせ、ラクスル事業本部の開発組織を、より強固なものへ成長させようとしている。

そんな岸野氏が、ラクスルの開発組織において重要視しているのがハイレベルなシニアエンジニアたちだ。その理由は「最も重要なレバレッジポイントの見極めはシニアエンジニアにこそなせる業(わざ)」だからである。岸野氏はポイントの見極めこそ、エンジニアの役目だと話す。

ラクスルがこれまで産業変革につながる事業をいくつも実現できた理由は、「どのようなポイントに、どのようなテクノロジーを、どのように導入するのか」を突き詰めてきたからです。このことを多面的に理解し、徹底的に検討して、失敗を乗り越えながら最大の“レバレッジポイント”となる仕組みをつくり切ることが必要なんです。仕組みであればなんでもいいわけではありません。

プロダクトやシステム1つで、産業構造を変えるような大きなインパクトを創出することを目指しています。これが、エンジニアとして取り組むべきことです。

──FastGrow『これがエンジニア起点の「産業変革」のリアルだ──テックカンパニー・ラクスルのシニアエンジニアたちが実践、BizDevと共創する開発手法とは』より引用

ミドル・シニアエンジニア層ともなれば、単なる成果物としてのアウトプットではなく、社会価値や経済価値を意識したアウトカムが重視される。ラクスルはこのアウトカムの基準が非常に高い。「生み出したプロダクトが、これまでにない社会価値・経済価値を生み、産業変革に貢献する」という状況を想定しているからである。こうしたアウトカムから生まれるラクスルの非連続成長を、テック視点で支えているのがラクスルのシニアエンジニアたちなのだ。

ラクスルの開発組織、そこに所属するエンジニアたち、そして組織と人の力を最大限に発揮できるよう組織作りを行う岸野氏。彼とラクスルのシニアエンジニアたちは、今の時代を生きるエンジニアたちの指標とすべき存在だといえるのではないだろうか。

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エンジニアとしてビジネスメンバーの採用にも貢献?職域横断であるべき未来の実現へ──YOUTRUST・大竹氏

続いてもFastGrowの読者ならご存知、YOUTRUST。その中でWebエンジニアとして活躍するのが大竹 将司(おおたけ まさし)氏だ。現職に至るまでに3社を通じてフロントエンド・バックエンド・インフラと幅広く開発に携わってきた。

「日本のモメンタムを上げる偉大な会社を創る」というYOUTRUSTのビジョンと、大竹氏が前職を通じて感じていた「価値のある人が市場構造的に報われない」という課題感が合致。同氏は2022年にYOUTRUSTへジョインする。

その想いの強さゆえ、エンジニアとしてのプロダクト開発への貢献はもちろんのこと、自社の採用活動においてもエンジニア・ビジネスサイド問わず積極的に乗り出し、HRチームから大きな信頼を得ている。「なぜそこまで?」と感じる読者もいるかもしれないが、そこはやはり、大竹氏がYOUTRUSTの創業時の想いに強く共感しているからに他ならないだろう。

提供:YOUTRUST

ミッション・ビジョンへの共感がスタートアップにおける事業成長の要であることは、これまで幾度となくFastGrowでも論じてきている。大竹氏はまさにそれを体現するような人物なのだろう。

「自社のミッション・ビジョン実現に向けてすべきことは何か?」
「事業成長に向けて、自身が価値貢献できることは何か?」

自身の職域などといった境目には目もくれず、あるべき未来のためにコミットする。全てのベンチャー / スタートアップパーソンが肝に銘じておきたいことではないだろうか。

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「人を動かす」。
ビジネスの基本でありながら、あらためて認識したいスキル──バニッシュ・スタンダード・藪﨑氏

店舗スタッフを軸にDX化を実現するアプリケーション『STAFF START』を企画・開発・運営しているSTAFF TECHカンパニー、バニッシュ・スタンダード

この『STAFF START』は、店舗スタッフによる自社ECサイトや、SNS上でのオンライン接客を可能にするサービスで、スタッフの投稿による売上や貢献を可視化し、個人や所属する店舗の評価につなげることができるといった画期的なプロダクトだ。

“サービスとしてのワクワク”で言うと、日々複雑で大規模な課題に向き合っていて、勘弁してくれよと思うときも正直あります(笑)。ですが、明らかに普通のベンチャーがコツコツやっていてはアプローチできない数の企業や、規模の大きな企業にアプローチできていて、そして実際に使ってもらえるっていうのはすごくワクワクしますよね。例えばLINE社が特別なシステム連携をしてくれて、“世界で俺しかこのAPI触ってないじゃん” みたいなこともワクワクします(笑)。

Wantedly『目指す世界観がずっとブレないことが一体感の秘訣。店舗スタッフの幸せを叶えるバニッシュの屋台骨。<開発チームインタビュー>』より引用

このように述べるのは、同社でエンジニアとして活躍する藪﨑 卓巳(やぶさき たくみ)氏だ。同氏は、大学時代を含めて8年ほどSI企業に従事。顧客対応から上流、インフラ構築、開発、運用保守、コンペ、海外拠点立ち上げ時の現地エンジニア教育などを幅広く経験し、その後Scalaを求めて自社サービス系会社へ転職。開発からマネジメントを経て、新規プラットフォームサービス開発に従事した後、2021年5月にバニッシュ・スタンダードにジョインする。

藪﨑氏曰く、「自身は大学留年からの中退と、真面目とは言い難く、社会にピッタリと適合しているタイプではない」とのこと。

しかし、現職に至るまでに、組織の内部分裂や炎上案件といった過酷な現場を取り仕切る役目を数々任され、その都度解決に導いてきたという経験を持っている。20代前半で味わうハードシングスとしてはなかなかタフではないだろうか。

そんな藪﨑氏は、技術力以外に「組織(人)を動かす力」を重視する。

個々人がどれだけ優れたアウトプットを生み出したとしても、組織として同じベクトルに向かって動いていかなければ、顧客や事業において価値あるものは生み出せない。上述したタフな現場を見てきたからこそ、組織やチームが一つになって進むことの重要性を認識しているのだろう。

そのためにも、同氏は実際に組織内の部門を横断したり自社の顧客先に出向いたりすることで、関わるステークホルダー全員で同じベクトルに向かっていけるよう日々尽力している。

事業や組織を拡大する上で、こうした立ち回りができる人材がいることは大きなアドバンテージとなることだろう。

こちらの記事は2023年10月30日に公開しており、
記載されている情報が現在と異なる場合がございます。

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執筆

大久保 崇

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