連載資金調達の週報

ホテル予約の売買サービスから新ユニコーンの自動車保険会社まで──押さえておきたい資金調達ニュース【〜8月26日】

資金調達が活況となり、日々のニュースが溢れている。

全てを追いきれない読者のために、FastGrowでは週次で国内外スタートアップの資金調達ニュースを紹介。

今週も日本から4社、海外から1社をピックアップした。

2018年8月20日〜2018年8月26日分

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  • TEXT BY MASUMI OSAKI
  • EDIT BY TOMOAKI SHOJI
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BitStar : インフルエンサー支援のインフラ

BitStar

資金調達概要

調達額
13億円
調達先
グローバル・ブレイン
コロプラネクスト
ABCドリームベンチャーズ
Wright Flyer Live Entertainment
INTAGE Open Innovation Fund
Makers Fund
朝日新聞社
名古屋テレビ・ベンチャーズ
銀行からの融資

サービス概要

広告、プロダクション、メディア制作の3領域を軸にインフルエンサーの活躍を支援するインフラを開発。

インフルエンサーと企業のマッチングプラットフォーム「BitStar」を筆頭に、インフルエンサーマーケティングのプランニング・分析サービス「Influencer Power Ranking」、インフルエンサープロダクション「E-DGE」、クリエイターとファンをつなぐコミュニティサービス「costar」などの事業を展開する。5月からは、「アマリリス組」のプロデュースといったバーチャルYouTuber(VTuber)事業も始めた。

今後は事業会社との協業を推進し、各事業をさらに強固なものにしていく方針だ。

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Cansell : ホテル予約の売買サービス

Cansell

資金調達概要

調達額
2億円
調達先
DGインキュベーション
DK Gate
マネックスベンチャーズおよび個人投資家

サービス概要

行けなくなったホテルの予約を他のユーザーに売ることができるプラットフォーム「Cansell」を運営。

予約の売り手となるユーザーにとっては、Cansellを通じて予約を販売することで支払うべきキャンセル料を通常よりも抑えられる点がメリット。予約の買い手となるユーザーも、定価より安くホテルを予約可能となる。プラットフォーム上で取引が成立した後は、宿泊施設の名義変更といった面倒な作業をCansellが対応する。

なお転売を防ぐため、ユーザーは購入価格以上では予約権を販売できない。

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メトロエンジン : ホテル向けにAI活用の単価設定サービス

メトロエンジン

資金調達概要

調達額
7億円
調達先
SBIインベストメント
NECキャピタルソリューション
エボラブルアジア
JR東日本スタートアップ
タップ
ベクトル
ベンチャーラボインベストメント
菅下清廣氏など

サービス概要

需要予測などを基に、AIでホテルの単価設定をサポートする「メトロエンジン」を開発。

競合宿泊施設の客室単価や在庫数、レビュー数など宿泊客の「予約行動」に関わるビッグデータを毎日収集し、AIで適切な客室単価を算出する。結果として収益アップが見込めるだけでなく、これまで人的に行なっていた業務の効率化やコスト削減に繋がるのも特徴だ。

需要と供給に基づいてサービスやモノの提供価格を変動させる仕組みは「ダイナミックプライシング」と呼ばれ、メトロエンジンは宿泊業界以外にもこの仕組みを広げていく方針だ。

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リマールエステート : 不動産売買支援クラウド

キマール

資金調達概要

調達額
1億円
調達先
ニッセイ・キャピタル
かんしん未来ファンド
日本政策金融公庫の資本性ローン

サービス概要

クラウド上で物件と顧客データを一元管理できる不動産売買仲介プラットフォーム「キマール」を運営。

従来は紙の書類やFAX、電話、メールなどアナログな方法で情報管理と顧客対応を行なっていた不動産売買の仲介業務。これらの情報をクラウド上で管理し、データベース化することで業務負担を削減するだけでなく、過去の情報に素早くアクセスしたり物件のリストを自動で作成したりなど、溜まった資産を有効活用できるのが特徴だ。

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Root Insurance(アメリカ): 運転データを活用した自動車保険

Root Insurance

資金調達概要

調達額
1億ドル
調達先
Tiger Global Management
Redpoint Ventures
Ribbit Capital
Scale Venture Partners

サービス概要

ドライバーの運転データを活用した自動車保険を開発。各ドライバーはRoot Insuranceのアプリをインストールし、2〜3週間ほどのテストドライブを実施。その間にGPSとモーションセンサーを通じて取得された運転状況をAIを用いて分析し、事故リスクを算出する。優良なドライバーは既存の保険会社よりも自動車保険料を安くできる点が特徴だ。

Root InsuranceのようにスマホやIoTデバイスを通じてドライバーの情報を取得し、それを基に保険料金を設定する仕組みは「テレマティクス保険」と呼ばれ、注目を集めている。

なおTechCrunchの報道によると、今回のラウンドでRoot Insuranceの評価額は10億ドルになり、ユニコーン企業への仲間入りを果たしたという。

今週は計5社の調達状況を紹介した。今後も、FastGrowは週次で調達状況を発信していく。

こちらの記事は2018年08月29日に公開しており、
記載されている情報が現在と異なる場合がございます。

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執筆

大崎 真澄

編集

庄司 智昭

ライター・編集者。東京にこだわらない働き方を支援するシビレと、編集デザインファームのinquireに所属。2015年アイティメディアに入社し、2年間製造業関連のWebメディアで編集記者を務めた。ローカルやテクノロジー関連の取材に関心があります。

デスクチェック

長谷川 賢人

1986年生まれ、東京都武蔵野市出身。日本大学芸術学部文芸学科卒。 「ライフハッカー[日本版]」副編集長、「北欧、暮らしの道具店」を経て、2016年よりフリーランスに転向。 ライター/エディターとして、執筆、編集、企画、メディア運営、モデレーター、音声配信など活動中。

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