連載新規上場さんいらっしゃい!──IPOを支えた重要人物に突撃

Rettyのコロナ禍上場は、破天荒なタイ事業立ち上げと元フリーターの異色人材がカギだった?

インタビュイー
酒井 哲朗

新卒で不動産会社に入社し、マンションのセールスを担当し活躍するも、「好きな仕事がしたい」と考え、居酒屋の店員としてのフリーター生活を始めた。その後リーマンショックを機に再就職を検討。公認会計士の資格を取得し、2010年に監査法人トーマツに入社。監査やIPO予備調査、上場準備などを経験した後、2017年にRettyにジョイン。2020年の上場に至る準備業務を広く担った。

外村 璃絵

学生時代から長期インターン生としてRettyの事業に携わり、全国規模でユーザー会を企画するなど活躍。卒業後の2016年に正社員として入社し、引き続きコミュニティマネージャーとして活動しつつ、2019年のタイ事業立ち上げでは単身で現地に飛び込む。オフィスの設置や現地人材の採用も進め、ユーザー拡大を推進している。

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どんなに優れた起業家でも、一人だけの力でIPOを実現することはできない。企業成長の舞台裏には、必ずそれを支えた「縁の下の力持ち」が存在するはずだ──。成長企業のIPOに不可欠だった、創業者以外のメンバーたちの姿と想いに迫る連載「新規上場さんいらっしゃい!──IPOを支えた重要人物に突撃」。

今回取り上げるのはRetty。グルメサービスといえば?と聞かれればきっと今、その答えは人によって大きく異なるだろう。そんな戦国時代でありレッドオーシャンであると誰もが感じる市場で、2020年10月30日に東証マザーズ上場を果たしたのが同社。

飲食業界が多大なる影響を受けたコロナ禍における上場達成とあり、応援の声は大きく広がった。ただ、Retty自身の事業が受けたマイナスの影響も小さくなかったはず。ハードな時期を乗り越え、上場に辿り着いた勝因はどこにあったのか。

経営陣ではなく、あえて他のメンバーに話を聞くこの連載。お招きしたのは、財務経理担当にして上場準備の中心人物であるコーポレート部門マネージャーの酒井哲朗氏。もう一人は、タイ・バンコクに拠点を置くローカライズ版『Retty Thailand』事業責任者の外村璃絵氏だ。バックオフィスの中心と、現場の最前線に立つこの二人の視点から見た、上場までのエピソードを伺った。

  • TEXT BY YUKI KAMINUMA
  • PHOTO BY SHINICHIRO FUJITA
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飲食関連事業が、コロナ禍でも上場できたワケ

外村私は大学時代の2015年から、インターンとしてRettyで働いてきました。5年ほど前ですが、当時から武田(代表取締役・武田和也氏)は「上場する!」と言っていました。

それを聞いていた私は、「そろそろかな?来年かな?」と、もう5回くらい思い続けてきたんです。今回は逆に「ホンマかいな」と思ってしまいました(笑)。

軽いノリでジョークを飛ばす外村氏。新卒2年目でタイ進出の責任者に抜擢され、今や現地で十数名を雇用してサービスグロースを推進する同社のエースだ。「まだまだ若手だが、経営者の器を持つ人材」と社内で評されてもいる。

Rettyが事業を拡大していく上で、海外進出は重要な施策だった。その足掛かりをつくる任務を携え、単身タイへ飛び込んだ。タイには行ったこともなければ、食文化やライフスタイルに関する知識もほとんどない。タイでの珍道中は後程改めて触れるのだが、この抜擢を「Retty史上最大の無茶振り」と称したのが、もう一人の功労者である酒井氏だ。

酒井実は前年にも、上場の直前まで行っていたのですが、納得いかない部分もあって実現はしませんでした。納得の上場が今回なんですよ。

FastGrowの読者ならご存知かとは思うが、企業の新規株式上場に向けた計画はトップシークレットとして扱われ、社外はおろか、社内でもメンバーの多くがその動きを知らされることなく進められる。

外村今だから言いますけど、コロナショックがあったから上場の話はもう飛んだ、しばらくないだろうと思っていました。

酒井飲食業界の多くの事業者がダメージを受けて、もちろんうちの事業にも大きな影響はありました。でも、そんなコロナ禍でも上場できたのは、ちゃんと事業面で回復の兆しが見えたからです。

そこは、僕らバックオフィス側がどうこうという話ではなくて、事業サイドの人間が長い時間をかけて基盤を作ってくれていたから。その上でなんとか踏み留まり、業績を残すために頑張ってくれた、そう改めて思い返しています。

二人の本音が次々飛び出す対談から、上場準備期の生々しい話と、活躍・貢献するためのエッセンスを伝えたい。

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「P/Lと事業がアンバランス」だから決めたジョイン

そもそも、Rettyがどのように成長を続けてきているのか、理解している読者はあまり多くないのではないか。正直なところ取材陣も、『食べログ』という強力な競合も国内に存在する中で、どのように上場にまで至る高成長を実現させてきたのか、理解できてはいなかった。

このことを率直に聞いてみると、酒井氏は謙遜するように、笑顔でこう言った。

酒井長い時間をかけじっくりやってきたことで、多くのユーザーを抱えるサービスを実現させることができました。今、確立しているビジネスモデルを見ると、広告などで新たに積み上がった売上がそのまま利益になるという構造なんです。これが一番の強みですね。

ただ、メディアというビジネスはある程度規模がないと収益に結びつかない。ここまで来るのは長かったですし、上場に辿り着きましたけど、今も儲かっているとまでは言えませんよ(笑)。

主な収益源は、掲載飲食店の集客支援サービスと企業広告だ。飲食店からは販促機能などの利用料を、企業からは広告掲載料を回収する。特に利用料は毎月定額としており変動せず、収益性が持続する仕組みを構築できたというのだ。

また、大きな差別化要因となっているのが、全ユーザー実名登録や「TOP USER制度」などの特徴。これらを妥協せず貫き続けたことで、信頼性の高い口コミが寄せられる仕組みを構築した。2016年にはサービス月間利用者が2000万人を突破。2018年には4000万人を超え、業界大手へと成長を遂げてきたのだ。

そんなRettyの上場準備を推し進めるため、2017年に入社したのがこの酒井氏だ。大手監査法人で会計士として働いていたこの年、人づてにCEO武田氏と出会い、ジョインを決めた。

酒井当時、すでにRettyはメディアとしての規模がずいぶん大きくなっていました。認知度も十分高かった。ところが詳しく話を聞いてみて、事業の状況とP/Lの数字とが、全然釣り合っていないという感覚を覚えました。

これは、悪いということじゃありません。「良い意味でアンバランス」と僕は捉えました。しっかりやっていけば、まだまだこの先伸びるだろうし、上場できる可能性も十分にあるだろうと思ったんです。それで、ジョインを決めました。

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上場準備を牽引した元フリーター

実はこの酒井氏、意外にも経理会計一筋のビジネスパーソンではないという。聞けば、大学卒業後は不動産会社に入社しセールス職で活躍したものの、数年で退社し、好きだった居酒屋の店員をするフリーター生活に転身した。

酒井ディベロッパーでマンションを売っていました。当時はプチバブルと言われていた時代。不動産事業自体が伸びていたので、ちょっとした蓄えができました。なので思い切って辞めたんです。

居酒屋が好きだったんで、とても楽しく働いていたのですが、リーマンショックが起きて先が見通しにくいと感じ、再就職を検討し始めました。でも、フリーターになったことがハンディになって、普通の就職が難しくなってしまって(笑)。

それならば今からでもパンチの効いた資格を取ろうと思い、猛勉強をして会計士の資格を取得。2010年に監査法人トーマツに入社しました。いわゆる国内監査部門に所属して、IPO の予備調査もやっていましたね。最後に携わった案件は、まさに上場準備でした。

波乱の20代を過ごした後、土谷氏と出会った酒井氏。ちょうど、クライアントの上場を成し遂げ、2年がかりのプロジェクトがひと段落する時期だった。

酒井会計監査人として上場準備に携わっていたのですが、その責任範囲はすごく限定的なんです。会計監査人としての大変さはあるのですが、上場に向けてエキサイトするわけではありませんでした。でもクライアントを見ていると、やはり何か面白そうに見えました。

そこで、上場を事業会社側で経験してみたらどうなんだろうと思ったんです。ベンチャー企業の夢がある感じや成功したら大きな喜びを感じられるところ、失敗したらある意味何も残らない感覚がいいなと感じていました。

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初めてのタイ、オフィス賃貸も事後報告で走り回る

一方の外村氏は、学生時代に長期インターンとしてRettyに入社。そのまま、大学卒業とともに正社員になった生え抜きの人物だ。

Rettyのコンセプトのひとつ、「User Happy」なサービス作り。彼女はこのコンセプトを体現しているような人物だという。

外村Rettyというプロダクトを使っていい体験を得ている人たちを、日本でたくさん目にしてきました。ローカライズ版立ち上げのためにタイに行くことが決まったときも、「この体験を世界で作ればいいんだ」というイメージができていたんです。

Rettyの事業拡大に向けた大きな一手、海外進出の重要な足掛かりを作るため、抜擢された外村氏は2017年、単身タイへ飛び込んだ。ただ、前述の通り、タイには行ったこともなければ、知識も持ち合わせていなかった。この無茶振りな任務に対して、外村氏は積極的な行動に出た。

外村右も左も分からなかったのですが、まずとにかくタイ人に会って喋らなきゃいけないと思いました。そこで社員全員に対して「タイ人の知り合いがいないか」というアンケートを取りました。回答の中に出てきたタイ人全員と連絡を取ってもらい繋がりを作りました。繋がった人には現地で会いに行って、さらにその人から現地のタイ人を紹介してもらって......と。

ほかにはInstagramの検索も使ってみたんです。美味しいご飯の写真をたくさんアップしているタイ人に「ヘイ!ちょっと一緒に喋ろうよ!」とメッセージを送っていましたね。ナンパみたいですけど、とにかくコミュニケーションを取らなくちゃと思ったんです(笑)。

タイと日本とを行き来する中で、外村氏はローカライズ事業の手応えを感じるようになる。日本人居住者が多いタイにおいて、あえてタイ人をターゲットとしたサービスを展開することを決めた。

外村当初はいろいろな施策をしてみてはいたのですが、八割方は失敗。それに、出張ベースで行き来することにも、自分のやり方にも限界を感じ始めていました。

思い至ったのは、現地の生活と向き合わないとサービスが広がるわけがない、私がもっともっとタイにのめりこまないといけないということ。また、現地の流行やニーズが分かるメンバーも必要だと思っていました。

それからの行動が速かった。タイ人のスタッフを積極的に採用し、タイのリアルな情報収集に注力。さらにタイでの拠点として、会社には事後報告でマンションの賃貸契約まで結んだ。必ずローカライズ事業を成功させるという意思表示でもあったのだろう。

酒井外村から、「もう契約しちゃいました!」と報告が来たんです(笑)。もちろんとても驚きましたが、それだけ本気で考えていたということ。そう前向きに捉え、さらにがんばってもらっています。

外村Rettyの事業を考えると、そのコンセプトを理解した上で、メディアを広げてくれる人がローカルにいないと難しいんです。私はただひたすらにタイでサービスを伸ばしていくことに邁進していただけ。

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「海外展開」は投資家目線を変える

外村『Retty Thailand』が今回の上場に直接関係するかというと、関係しない(笑)。タイの事業って、Rettyにとって将来への投資でしかないんですよね。

外村氏が謙遜するように話すが、多くの読者もそう思うだろう。このタイ進出の、何が上場につながるのか、と。取材陣も気になってはいたのだが、酒井氏は食い気味に反論する。

酒井海外にうまく進出できている飲食販促系サービスは、日本国内にまだ多くないんです。そうした中でRettyが世界に向けてサービス展開をするということは、マーケットの拡大にもなる。

このことは、投資家からの見え方を大きく変えるんです。海外事業が伸びているということは、会社の将来を見せるという意味においてすごく重要です。現にタイの事業が、びっくりするぐらいのスピードで成長している感覚があります。

『Retty Thailand』は2020年1月にローンチ。その後わずか半年で、月間利用者数が50万人を突破。その勢いはとどまらず、2021年には100万人超えも見えてきているという。現在、タイの駐在事務所は外村氏に加え、現地採用の正社員が5名、アルバイトなどその他のメンバーが20名という構成だ。

外村メンバーも増え、最初のオフィスが手狭になってきたので新しく一軒家をオフィスとして契約しました。コロナが少し落ち着いたらタイに戻って、さらに事業拡大にまい進する予定です(取材後の2021年1月、外村氏はタイに戻った)。

タイの新しいオフィス(提供:Retty)

ところで、上場のころ、社内の雰囲気はどうだったのだろうか。

外村先ほどから話しているように、タイに行った初めの頃はかなり奔放にやっていました。でも最近は、ちょっと気をつけるようになりましたね。特に去年から今年にかけては、会社から「変なことしないでね」感がすごくあったので(笑)。

酒井外村さんのように、なんとなく察している社員はいたかもね。でも、上場を目指していることを理由に会社としてちゃんとしようとするのは、僕は違うと思っているんですよ。本質的な目線で「ちゃんとした会社としてこうあるべき」ということを説明して社員に理解してもらわないと、会社を整えても長続きしないと思うんです。無理に辻褄合わせをしてしまうと、上場審査の過程でも綻びが出てきてしまうと思います。

ですので上場準備を始めた当初から「社員に対して上場を理由に何かさせるということはしない」と決めていました。

合わせて酒井氏にも改めて、上場承認が発表されたときの心境を尋ねた。

酒井上場承認を聞いた時には、まだそんなに安心感がなかったんです。かつては主幹事証券会社の審査をクリアし東証審査まで進めば大体はOKという感覚だったんですが、東証側の審査も年々厳格化しているのか、ここ数年は東証審査で落ちた話を耳にすることも増えてきました。

ようやく東証審査が通ったと思っても「上場承認後、上場日までの1カ月間は何が起きるか分からない。変なことが必ず起きる」と(笑)。経験している人たちはみんなそう言うんです。

気を緩められない日々が続いたことだろう。上場準備に可能な限り専念するために、酒井氏が大事にしていたことがある。日常の経理業務の工数をいかにして極限まで減らすかだ。

酒井経理のメンバーをどう育てるかが重要でした。各メンバーに仕事の背景や論理を正しく教えると、自分で判断できるようになります。すると、僕の仕事ってほぼなくなっていくんですよ。メンバーが経理業務をして、僕は最後に伝票を承認するだけ。イレギュラーなものには対応しますが、その他の時間は上場準備に専念できるように持っていくことができました。

上場準備に集中できたとはいえ、相当の緊張感を伴ったことは想像に難くない。しかも新型コロナウイルス感染拡大の影響もあった。コロナショックに飲食関連事業は軒並み苦戦を強いられた。上場直前の向かい風を、真っ向から乗り越えたのがRettyなのだ。

酒井上場が公表されると、Rettyユーザーの飲食店から祝福の声がたくさん届きました。ユーザーの飲食店の皆さんが喜んでくれたのは嬉しかったですね。

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海外で通用することの証明が会社の未来に繋がると信じて

上場という節目に至ることができた要因について改めて聞いてみると、二人が独特の表現で語ってくれた。

外村酒井さんがよく言っていたんですけど「(上場は)みんなでやっていくもの」。みんながそれぞれのチームで、今やらなきゃいけない目標に向かって走っているということが、最終的に上場に繋がったと思います。

酒井個人的に外村さんのいいなと思うところがあって。「これぐらい数字が来ました!今これぐらい伸びています!」ということを、積極的に社内に発信してくれるんですよ。

外村これは、タイ現地で働いているメンバーのモチベーションのためでもあります。

酒井発信されたものに日本からリアクションが来るよね。日本とタイの繋がりってどうしても意識しにくくなっちゃうから、その関係性ってすごく大事だと思います。

社内統制や数字管理を堅実に行ってきた酒井氏だが、変化や刺激をいとわない側面も持っているらしい。そんな酒井氏について、CFOの土谷祐三郎氏は「All Done力」という言葉で表現している。

酒井うちの会社の3つの行動規範である「Retty Way」のひとつですね。僕は管理部門ですし、All Done以外にあり得ない。少しの綻びがあっても駄目だと思って仕事をしています。

その中でもやっぱり若い会社って、面白いことがいっぱい起きるんですよね。そういう問題を一つひとつ解決していくと、なんとなく会社の姿になっていく。僕が入社した瞬間のRettyと、今この瞬間のRettyって全然違う会社。そこの変化に常に寄り添っていられるという意味ではやりがいがあります。変化がないと面白くないですしね。

酒井氏と外村氏には共通点がある。変化を楽しみ、自身も常に変わり続けている点だ。

外村氏のチャレンジ精神について、プロダクト部門の執行役員・野口大貴氏は、「Rettyのサービスを支えてくれているユーザーさんに寄り添い熱く語り、魅了するコミュニティ立ち上げの鑑となってくれた。まだインターン生だった時代に全国周遊でオフ会を開催してくれたり、目標への猪突猛進さは他のメンバーには真似することができなかった。その活躍はスケール後のRettyコミュニティの礎を築いてくれた」と評する。

そんな二人に対し最後に、上場を果たした後の感触を聞いてみた。

酒井上場というラインがあって、そこにじわじわ登っていって超えただけという感覚があります。

外村意外と変わらないですよね。一つの区切りだったのかなと感じています。変わらないという日常があることで、いつの間にかRettyが上場企業として大丈夫な状態になっていたことに気づきました。

酒井話が戻るけど、「上場のために何とかしなさい」という進め方をすると、上場のライン間近で背伸びをしてしまう。無理な背伸びするとその後が辛いんです。アキレス腱が切れたような事態になってしまいます。自然と会社を整えて大きくしていって、そうしているうちに「上場できるくらいになりました」というかたちがいいと思いますね。

あくまで上場はひとつの区切り。そこがゴールではあり得ないのだ。それでは酒井氏と外村氏は、自身の今後のキャリアをどのように考えているのだろう。

酒井それこそ外村のタイ駐在事務所が、これからどれだけ成長していくのか、期待も大きく未知数ですよね。そしたら設立や連結の業務が発生するでしょう、楽しみですね(笑)。

今後も上場のように、会社の在り方が変わることに関わっていけるかもしれないと思うと、一層楽しみです。

それと、僕は一社員でありつつ、会計士でもあります。「僕自身がプロフェッショナルとして売れるものは何だろう」と考えた時に、上場まで辿り着けた経験を活かしたいと思いました。世の中にとってプラスになるサービスをしている会社が日の目を浴びられるような上場支援をまたやってみたいですね。

外村Rettyはいろいろな国に進出したいと考えている会社ですが、事例がないと次への投資ができません。成功事例をタイで作らないと、という気持ちがあります。

そのためにも、その時必要なメンバーを揃えることが大事ですよね。私の経験値はRettyでの5年間しかありません。そこから生み出されるものなんてたいしたもんじゃないと分かっています。それ以上のものをやりたいと思っているので、周りの人に協力を頼んでやっていきたいと思っています。

二人の目はもうすでに次のステージへ向いている。上場はやはり、大きな変化のようでいて、たくさんある変化のひとつに過ぎないということだろう。Rettyの上場から見えたのは、将来を見据えて今の一瞬を楽しむビジネススタイルだ。社員やユーザー、社会情勢など不変なものは何もない。先行きの見えない現代において、Rettyが成長し続ける理由は自身のアップデートを恐れないマインドといえるだろう。

こちらの記事は2021年04月08日に公開しており、
記載されている情報が現在と異なる場合がございます。

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執筆

上沼 祐樹

KADOKAWA、ミクシィ、朝日新聞などに所属しコンテンツ制作に携わる。複業生活10年目にして大学院入学。立教大学21世紀社会デザイン研究科にて、「スポーツインライフ」を研究中。

写真

藤田 慎一郎

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