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90兆円ビジネスの地殻変動。
変革の真っ只中にあるたばこビジネスに立ち向かうJTの想い

インタビュイー
中島 康裕
  • 日本たばこ産業株式会社 たばこ事業本部 RRP Japan Office Head 
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グローバルで90兆円ほどとも試算される市場規模を誇る嗜好品「たばこ」。そのシェア世界4位を誇るのが、日本たばこ産業(以下、JT)だ。たばこには様々な種類が存在しているが、19世紀後半に欧米で本格的に紙巻たばこが製造されるようになって以降、約150年間にわたって商品に大きな変化はなかった。

今、このたばこ業界が大きく変わろうとしている。その正体は、技術革新によるたばこ製品の進化系であり、紙巻たばこの喫煙に伴う健康リスクの低減を目指せる可能性がある製品である加熱式たばこをはじめとしたいわゆるRRP (Reduced Risk Products) の登場だ。

この状況でJTはどんな戦略を見据えているのか。執行役員の中島康裕氏に、今起きているたばこビジネスの変化と、JTの勝ち筋を聞いた。

  • PHOTO BY SHINICHIRO FUJITA
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巨大産業を揺るがす、RRPの登場

中島実はこの業界では1980年代から、今でいうリスク低減製品みたいなものを作り始めてた。でも一向にうまくいかなかった。たぶん色々なことがパッとうまくはまってきているのが今のタイミング。

世界的な健康志向の高まりやそれによる喫煙環境の変化により、お客様の嗜好や行動様式は確実に変わってきている。

そうなると、自分が楽しみたいものを楽しめる空間を持ちたい、あるいは周りへの配慮も踏まえた楽しみやすい商材を手にしたい、というニーズが発生する。

これらに加えテクノロジーも発達した。諸々の要件が組み合わさり、今まさに市場が大きく変わろうとしている。世界的に見ても、RRPのカテゴリーは売り上げベースで3%ほどのシェアを占め、そのプレゼンスは高まる方向に確実に進んでいる。

中島2010年からJTIで、今でいうRRPの仕事に携わってきた。少しずつRRPにお客様が流れ始めたことを体感し始めたのが、2010年代前半だった。

日本ではIQOSという商品が2014年に登場し、そこから今に至る。特に直近4年間で、業界構造ががらりと変わるほどRRPのシェアが伸びている。今やお客様の25%がこのRRPを使っている。

これだけのスピードでRRPがカテゴリーとして完全に確立するに至ったことは驚きであり、ある意味日本は、とびきり先端を走っている市場なのだと改めて実感している。

中島今、日本で起こっていることは、いずれ世界で起こる。だんだんその芽が見えてきている。巨大産業である我々の業界がひっくり返る。であるならば、自分たちが変化する、変革を起こす。

自分たちが先頭を切って良いものを作って、お客様がまだ気が付いていないような困りごとを解決するとか、お客様が気づいていないような楽しみ方を提供していく。自分たちで打ち手を考え、それが即効性高くお客様に評価される。

これだけの規模の業界が、これだけのスピードで変わっていく瞬間は滅多にないので、そのど真ん中で仕事ができていることは恵まれていると感じているし、ワクワクせずにはいられない。

世界的にもRRPへのシフトが進んでいく中、日本のたばこ市場はこれからの世界各国で起こりうる未来をいち早く経験している、トップランナーと言えるだろう。

日本で起きていることはいずれ世界でも起きる。だからこそ、日本市場で勝ち抜くことは、世界を見据えた上で必須条件となるはずだ。

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日本市場における、勝者の条件

では、日本市場で勝ち切るために、何がセンターピンとなるのだろうか。

JTは紙巻たばこでは国内トップシェアを誇るが、RRPでは1割程度のシェアにとどまっている。この状況をどう打開していくのだろうか。

中島我々の最大の強みは“味”だと思っている。たばこは嗜好品。幸せな瞬間をお客様に届けるために、最も重要な要素は味であると考えているし、味に関してはどこにも負けないと自負している。

紙巻たばこで培った味作りの技術は、そのままではないにしろ、コアの部分ではRRPでも活かせると思っている。味作りは、一朝一夕でどうにかなるものでもない、匠の技とロジックが組み合わさった奥の深い世界なのである。

中島いい味をきちんと口元に届けるために、ユーザー体験を素敵なものにしていく必要もある。

紙巻たばこでは“火をつける”というこのプロセスが、今“デバイス”に置き換わっている。デバイスであると、いろいろできることがある。今までだったら出し切れなかったような、新しいアプローチやテクノロジーの芽はまだまだたくさんある。

組織体制も大きく変えている。専門チームの組成だけではなく、開発体制の抜本的変革も進めている。以前は分業がなされ、長期的な計画に沿って開発をする体制だったが、それでは短期に次々と変わる市場への対応が難しい部分もある。

そこで、R&Dや商品企画、マーケティングがワンチームで動き、リーンな開発体制を構築。いち早く消費者の声をプロダクトに反映させられるよう、動き方を大幅に変えた。

中島JTの最大の強みはR&Dだ、と私は思っている。R&Dが今まで紙巻たばこを通じて蓄積してきたコアコンピタンスは競争力の源泉になるだろう。

そこに商品企画担当や、顧客を理解するマーケティング担当が「一体お客様は何が欲しいのだろうか?それはなぜだろうか?」と問い続け、新たなものを提案していく。今まで以上に協業を進めていくことを考えている。

まだお客様が心から深い満足を体験できるようなRRPは生まれていないので、お客様が求めているものとR&Dがしっかりと結びつき、新しい価値を届けていくことが重要である。

今がまさにターニングポイントだ、と面白みを感じる一方、危機感もあったりはする。

たしかに、中島氏は危機感をもっている。しかし、それが「焦り」というかたちで表出していないのが非常に印象的だった。大きく変わる戦況に対応するだけの実行体制が、JTにはすでに用意されつつあるからだろう。

中島日本市場は約3兆円という規模の市場で、JTの営業利益の1/3を占める重要な市場でもある。この規模の業界が、これだけのスピードで変わっていく。

新しい顧客体験を創出するとなると、やったことがない仕事をずっとやろうとしていることになる。大変といえば大変。けれども、技術的なことも含めてソリューションはまだ出ていないので勝負はこれから、と思っている。

最先端のマザーマーケットで、新しい価値を届けていく。たばこビジネスはこれからますます面白くなっていく。

こちらの記事は2020年02月25日に公開しており、
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藤田 慎一郎

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