INTERVIEW
小笠原 亮太 岡島 光太郎
17-11-30-Thu

野性感あふれるビジネスマンへ。
Pro-D-useが考える“Made By Someoneの時代”の生き残り方

TEXT BY MISA HARADA@HEW
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株式会社Pro-D-useは中小やスタートアップ企業の新事業を対象とした
ハンズオン型の総合コンサルティング企業。

顧客満足度は95%にも及ぶ。

こだわっているのは、“型売り”しないこと。

街の飲食店から音楽教室、食品・製造メーカーなど、
コンサル依頼に不慣れなクライアントを多く受け持つ中で、
Pro-D-useは“伴走・並走型”コンサルティングをモットーにしている。

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型売りで生まれる景色は「超つまんない」

代表取締役である小笠原は、生徒に人気の優しい塾講師といった雰囲気だ。失礼ながら、“コンサルタント”と聞いて多くの人がイメージするであろうガツガツした印象をまったく感じさせない人物である。

なぜ、このような雰囲気の持ち主が起業を志すようになったのだろうか?小笠原のコンサルタントとしてのルーツは、小学校時代にあった。

小笠原成績が良かったんですよ。そうなると、授業についてこられない子供たちが質問してくるんです。最初は僕もうっとうしく感じていたんですが、母親に『あんたがわかっても、わからない子がいる』と叱られて、確かになと。それで、わからないけれど知りたい欲求はある相手に対して、何が理解できていないんだろう、どう伝えたら理解できるんだろうと考えるようになりました。僕にとって学習の目的が、自分の探求心のためではなく、『自分がいったん咀嚼してから他人に教えるため』に変わっていったんです。

得意のサッカーでも中盤のポジションで、自分がゴールを決めることより、ゴールに繋がるパスを出すことに喜びを感じるタイプだった。必要とする相手のために自分が知識の中継地点となる──。

大学4年生で就活を考えたとき、そのような性格を自覚した。そして小笠原は思った。「コンサルが向いているのではないだろうか?」

そこでまず営業の現場を知ろうと、2009年にリクルートに入社。3年半務めた後、船井総研から独立したメンバーが創業した、飲食店専門のコンサル会社に入社した。

しかし、その会社では、“型売り”のようなコンサルの仕方が普通だった。データに基づき、「照明はこうして、このくらいの光量にしたら売れる、看板はここに発注すれば売れる」と話し続ける日々が続いた。

確かに、パッケージ商材のほうが誰でも簡単に営業でき、目先の売上は伸びるかもしれない。しかしこんなやり方では、将来同じような飲食店ばかりが並ぶ、つまらない社会になってしまう。小笠原は危機感を覚えた。

小笠原そんな風景は超つまんないと思ったんですよね。お父さんから受け取った何かとか、2代目の新しいことをしたい気持ちとか、そういう感情も含めて“事業”ですから。個性豊かな事業作りをしたいと強く感じるようになったんです。

自分が小学生のときにしていたような、相手によってカスタマイズしていく教え方。個性を大事にするコンサルスタイルを、会社としてビジネスに昇華すればいいのではないか。そう閃いたとき、小笠原は起業を意識した。

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感情がサービスに血を巡らせる

小笠原と親しげに話す取締役副社長の岡島は、リクルート時代の同期である。しかし、リクルート時代は特別親しかったわけではない。北海道の近いエリアで勤務していたため、飲み会帰りのタクシーが一緒になる程度の仲だった。

お互いリクルートを離れ、東京で働くようになったある日、岡島から初めて直接飲みの誘いをした。「なんで誘ったのか、まったく覚えていない」と岡島は苦笑いするが、2人は「世の中に散らばる個性の“適材適所”を実現する」というビジョンを語り合い、即座に意気投合したのであった。

小笠原は岡島と再会したことで起業意欲は高まり、Pro-D-useを創業。しかし、岡島はすぐ同社にジョインできたわけではなかった。

リクルートでの営業・企画、フロムスクラッチでの人事経験を経て、当時アソビューに務めていた岡島は、新規事業の責任者を務めていたため、すぐに退社とはいかなかった。「まずは週末だけPro-D-useに関わっていきました」と話す。

その1年足らずの期間を小笠原は「程よくデートして、お互いを見ていたような感じ」とお見合いに例える。

小笠原と岡島は正反対のタイプだ。小笠原が0から生み出した“1”を、岡島が整えて“10”に広げていく。お互い得意分野が違うからこそ、張り合うのではなく、素直に相手のやり方から学び、楽しむことができる。

また小笠原は、岡島の「ロジカルなようで案外ハートウォーミングなところ」を買っている。2人とも、仕事の根本には“想い”が必要だという考えが合致していた。

岡島感情はサービスに血を巡らせるものです。ちょっと筋が悪くても想いがある事業は成功する。逆に完璧な計画書があったとしても想いがない事業は成功しません」

小笠原にも、事業創出にかける独自の価値観があった。「世の中への問題提起を起点に、ロジックで固めてビジネスの形にしていく。この流れで事業創出するのが正しいんだと思います。ロジカル偏重なら、仕事はAIに任せればいいじゃないですか。主観が人間の力なんです。

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顧客選びでも採用でも“Wantがある人間”を

Pro-D-useの公式サイトに掲載されているクライアント事例の中で印象に残るのが、“独自性を重視してくれる”という感謝の言葉である。「クライアントのビジネスを型売りにはしたくない」という考えのもと、同社では売上アップが見込まれる“うまい”パターンを押し付けるのでなく、クライアントが元々持っている適性や個性を伸ばす方向でコンサルを行う。

もちろん、型売りではなくフルカスタマイズ型のコンサルティングゆえの大変なこともある。クライアントとは密な付き合いが求められるため、週に1日、2日は相手先で過ごす。

そんな彼らが新規クライアントに毎回伝えているのが、「経営者の右腕、左腕のつもりで採用してほしい」ということだ。そしてもう1つこだわっているのが、中小企業のみ支援するということだ。

小笠原場合にもよりますが、大手企業は部署が細かく分かれていますが、中小企業は部署分けされていない中で、ひとつの課題に対して、人事や販促など複数の面で考えていかざるをえません。我々は、がんじがらめになった複合的な課題を解くのが得意。その強みを発揮することができます。

一方で、大手企業とは違い、中小企業だとコンサルと一緒にビジネスを創っていくプロセスに不慣れなところも少なくない。不安を抱えながらPro-D-useへの相談にやって来る相手に安心してもらえるよう大切にしているのが、最大3回までの無料相談の仕組みだ。

その3回の相談の中で、自分たちの力を理解してもらおうとするのではなく、ひたすら相手の悩みや問題点を聞いて解きほぐしていく。

それによりクライアントが「この会社は自分たちの悩みを理解してくれた」と安心した結果、契約に繋がっていくのである。しかし、この3回の無料相談には、他にもメリットがある。

岡島普通のコンサル会社だと1回だけ相談を受けて見積もりを出す流れなんですが、それだと相手をよく知らないまま一緒に仕事をすることになりますよね。極論コンサルって、人と人とのお付き合いという側面も強いので、相手を見極めないと、結局後でミスマッチに気づき、我々としてもクライアント選別に失敗しかねません。我々も3回の間に相手がどんな人か、しっかりと見極めているんです。

彼らが相手、顧客や自社のメンバー選びにおいて重視しているのは、“Wantがある人間か”ということ。朧げながらも欲するものの方向性だけでも明確であれば、周囲もサポートしやすくなる。目指す先にブレがないのが、成長のために一番重要な部分なのだ。

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大手企業だと思考の幅が狭くなる?

現場に身を置き、足を動かし、クライアントごとに異なる最適解を見つけ出していく。Pro-D-use流のコンサルは、どうしても担当者への依存度が高くなってしまう、そんな同社なら、“野性感”を学ぶことができると小笠原は言う。

小笠原大手企業で、たとえば人事部に8年いるとします。そうすると、その企業でしかも人事しかできない人材になっている可能性が高いんです。自分が野に放たれたときに、1人で食っていく力がある。それが真の安定だと思います。今は大手企業も潰れる時代ですが、何をしても一定の成果が上げられるビジネスマンになっておけば、不測の事態が起きても大丈夫。それこそが野性感です。

よく社員に対して「1日に〇件に営業をかけろ」のように数字でミッションを与える企業がある。小笠原も岡島もリクルート時代はそのように言いつけられていたが、同社を離れてみれば、売り上げを達成するには「電話をかける」以外にも色々な方法があることに気づかされた。

例えば、人と話すのが大好きで飛び込み営業が大得意だというPro-D-useのメンバーがいる。彼女は少し高級な居酒屋のカウンターに座り、居合わせた客と意気投合して契約を取り付けてしまう。

その女性は現在、マッチング事業のプロデューサーとして、新潟県の名産品を東京や世界に売り込むプロジェクトを担当している。

岡島その子は、能力のレーダーチャートが”いびつ”で、営業とか人に自然に好かれることに異常な才能があるんです。逆に、それ以外の能力は・・・(笑)。この前、営業ツールのチラシを作らせたときはあまりのセンスのなさに絶望しました(笑)。でも営業へのモチベーションはすごく高い。じゃあコンサルタントとしてではなく、その子の才能や好きなことを活かせる事業を我々が作ってしまおうと思ったんです。

新しくジョインするメンバーには飲みの席で「将来何がしたいのか?」と必ず質問しているという岡島。そこで相手の“Want”を把握し、Pro-D-useならではのサポートの仕方、事業への繋げ方や作り方を考えていく。適材適所という理念は、もちろん社内にも及んでいるのだ。

そんな今のPro-D-use では、“Made By Someone”が合言葉。結局最後にお客さんに見られるのは、誰が作ったか、誰が「この指とまれ」と声を上げたか。

個人が重視される時代に適応できる人材、企業を増やすことを目指すことを一言で見事に表した、同社のスローガンである。

小笠原大手企業にいたら〇〇勤務っていう肩書を自分に添付することになりますが、Pro-D-useの場合は、『俺は俺だ!』で通用していく人間を作ります。自分らしく働きたい、自分らしさを追い求めたい人にはいい会社だと思いますよ。

柔和な雰囲気ではあるが、けっして弱さは感じさせない小笠原と岡島の2人。「能ある鷹は爪を隠す」とは、彼らのような人々を形容する際に最も適切なのだろう。個性ある中小・中堅企業が、彼らの手によって成長し続けることを期待したい。

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野性感あふれるビジネスマンへ。 Pro-D-useが考える“Made By Someoneの時代”の生き残り方
株式会社Pro-D-use 代表取締役 小笠原 亮太 株式会社Pro-D-use 取締役副社長 岡島 光太郎

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