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INTERVIEW
寺田 真介 原嶋 宏明
17-12-08-Fri

徒歩5分以内の見つからないをなくす?
tritrueの超ズボラ社長が目指す検索の新しいカタチ

TEXT BY REIKO MATSUMOTO
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連載 0→1創世記
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#1
元SMS海外支社長が挑む! 海外不動産取引の超巨大市場を開拓するグローバルスタートアップBEYOND BORDERS
株式会社BEYOND BORDERS マレーシア支社長 玉邑 憲一 株式会社BEYOND BORDERS 代表取締役 遠藤 忠義
#2
200兆円とも言われる 「B to B受発注市場」を変革するスタートアップユニラボ
株式会社ユニラボ CEO and FOUNDER 栗山 規夫
#3
教育業界に変革を。 グリー、アドウェイズ、リブセンスなど、インターネット業界で数々のビッグサービスを生み出してきたメンバーが集まる EdTechベンチャースタディプラス
スタディプラス株式会社 営業部部長 長内 尊司 スタディプラス株式会社 For School事業部部長 宮坂 直
#4
「unisizeをECのインフラへ」 ファッションECの購入不安を解消するメイキップの野望
株式会社メイキップ 代表取締役CEO 柄本 真吾 株式会社メイキップ 取締役CFO 山本 晃央
#5
「テクノロジーで投資銀行業界に創造的破壊を」 15歳で起業した起業家が知る、投資銀行の闇
TIGALA株式会社 CEO 正田 圭 TIGALA株式会社 副社長/CFO 湯瀬 幾磨
#6
「データで医療界にイノベーションを」 医師・マッキンゼー出身者が集う情報医療(MICIN)・原が描く医療の未来図
株式会社情報医療 CEO,医師 原 聖吾 株式会社情報医療 COO 草間 亮一
#7
「物流の未来を、動かす」 社会問題にもなる巨大市場を変革するネットエイジ・マフィア オープンロジ伊藤
株式会社オープンロジ 代表取締役CEO 伊藤 秀嗣
#8
個人間送金は日本で浸透するのか? 無料送金アプリKyashが描く“価値交換”の未来
株式会社Kyash Founder & CEO 鷹取 真一 株式会社Kyash VP of Strategy 清水 一浩
#9
野性感あふれるビジネスマンへ。 Pro-D-useが考える“Made By Someoneの時代”の生き残り方
株式会社Pro-D-use 代表取締役 小笠原 亮太 株式会社Pro-D-use 取締役副社長 岡島 光太郎
#10
子ども写真を リーズナブル、ユーザーファーストに CELEBABYが変える親子の思い出アルバム
株式会社RETAIL INNOVATION 代表取締役 永田 和樹 株式会社RETAIL INNOVATION 取締役 谷野 祐規
#11
国内スマートロックの第一人者フォトシンス河瀬、さらなる“発明”を予告 「未来を思い浮かべて未来を作る」
株式会社フォトシンス 代表取締役社長 河瀬 航大 株式会社フォトシンス 共同創業者 小林 奨
#12
世界のイノベーションを加速させる、 多彩なキャリアのプロフェッショナル集団アスタミューゼ
アスタミューゼ株式会社 事業開発部部長 嶋﨑 真太郎 アスタミューゼ株式会社 開発・インフラ部部長 並河 祐貴 アスタミューゼ株式会社 テクノロジーインテリジェンス部リーダー 酒井 康博
#13
MAKERS UNIVERSITY卒業起業家! 日本の観光産業拡張を目指す“結.JAPAN”
株式会社結.JAPAN CEO / Co-Founder 中山 雅久理 株式会社結.JAPAN 共同創業者 府川 勇介
#14
「皆が挑戦する世界は正しい」 Tryfunds丹野が掲げる挑戦し続ける経営
株式会社Tryfunds 代表取締役社長CEO 丹野 裕介 株式会社Tryfunds 取締役CFO 白髪 亮太
#15
徒歩5分以内の見つからないをなくす? tritrueの超ズボラ社長が目指す検索の新しいカタチ
株式会社tritrue 代表取締役 寺田 真介 株式会社tritrue マーケティングゼネラルマネージャー 原嶋 宏明
#16
目指す世界はデベロッパーの理想郷。 クラッシュ解析でエンジニアを沸かすソニー出身起業家
FROSK株式会社 代表取締役社長 中尾 憲一 FROSK株式会社 CMO兼事業推進部部長 吉井 文学
#17
「M&A業界に価格破壊を起こす」 ──「M&Aクラウド」がITの荒野を切り開く
株式会社M&Aクラウド 代表取締役COO 及川 厚博 株式会社M&Aクラウド チーフエンジニア 荒井 和平
#18
「“お金くらいのこと”でつまらない人生を送ってほしくない」 住宅ローン比較のWhatzMoneyがお金の問題をフラットにする
WhatzMoney株式会社 代表取締役 前田 一人 WhatzMoney株式会社 営業部営業推進責任者 才田 敦士
#19
「日本が好きだから、まずは世界を盛り上げる」 ──ベトナム発グローバルベンチャーICONIC安倉流“世界の捉え方”
株式会社アイコニックジャパン 代表取締役社長 安倉 宏明
#20
Tinderみたいにカジュアルに転職活動 リクルーティングアプリ「GLIT」を生んだCaratのハイペースな事業構想の理由は?
株式会社Carat 代表取締役社長 松本 直樹 株式会社Carat 取締役兼最高技術責任者 齋藤 陽介
#21
大手企業も注目するママ目線のクリエイティブ 「ママである前に、一流のクリエイターチームでありたい」
マムズラボ株式会社 代表取締役社長 佐藤 にの
#22
「歯科業界を変革する」 エス・エム・エスマフィア海田率いる グローマスの野望
株式会社グローマス 代表取締役社長 海田 大介 株式会社グローマス キャリア事業部エリアマネジャー 坂本 城也
#23
「価値の交換をシンプルに」 BASE鶴岡と藤川の異世代タッグが引き寄せる“便利な未来”
BASE株式会社 CEO 鶴岡 裕太 BASE株式会社 CTO 藤川 真一
#24
「夢追う人をサポートしたい」 完全食COMPを世界に広める最強の5人衆
株式会社コンプ 代表取締役CEO 鈴木 優太 株式会社コンプ マネージャー 荒井 宏之 株式会社コンプ 福田 千里 株式会社コンプ 田中 宏樹 株式会社コンプ CTO 萩野 貴拓
#25
ダズルが国内VR業界で「ちょっと未来」を創る ──新興市場でも“地に足付いた”ビジネスモデルの創り方
株式会社ダズル 取締役COO 出口 雅也 株式会社ダズル 採用・広報チーフ 川上 紗耶
#26
「ゲノムはいま90年代のインターネットと同じ」 AWAKENS高野、ゲノム事業を “今”始めるべき理由を語る
AWAKENS, Inc. CEO 高野 誠大 AWAKENS, Inc. CTO 沼倉 健介
#27
スキルのフリーマーケットは なぜ500円均一でローンチされ、 どうやって「ニワトリ卵問題」を越えたのか?
株式会社ココナラ 代表取締役 南 章行
#28
CtoBtoC!?が流通を最大化させる ──ジラフが“ものの売り買い”を変える
株式会社ジラフ 代表取締役社長 麻生 輝明 株式会社ジラフ CFO・管理統括部長 中井 基樹
#29
「不動産業界は“情報の非対称性”が著しい」 マンションマーケットが描く、 消費者の力を強くする業界変革手法
株式会社マンションマーケット 吉田 紘祐
#30
きっかけは“物乞い親子の死”。 アッション木下が “貧困撲滅”を目指す理由
株式会社アッション 代表取締役 木下 洋平
#31
自由な働き方を目指すからこそ、 まず自分たちが体現する。 18人の複業集団企業が見据える仕事と人生の未来
Spacelook株式会社 谷口  怜央 Spacelook株式会社 岩本  卓也
#32
コモディティ化した“車”を 最高のエンターテインメントに! MiddleFieldが目指す自動車業界の刷新
MiddleField株式会社 CEO 中山  翔太 MiddleField株式会社 COO 片岡  伶介
#33
“課題のユニークさ”こそ起業家の魂。 Cansell山下の常識を超える事業構想法
Cansell株式会社 代表取締役 山下 恭平
#34
建築×VRで急成長のDVERSE。 将来はコミュニケーションを変革する?
DVERSE Inc. CEO/Founder 沼倉 正吾 DVERSE Inc. CTO 高田 知典

オンラインでなんでも買える世の中になったことで、
ほしい物やサービスを探す手間は減ったと言われている。

本当にそうなのか。

必要なものが近所にあるのに商品があるかどうかわからない...。

それでも買い物に行くなら、確実に在庫のあるオンラインで
商品を購入してしまおうというのがユーザーの本音だ。

tritrueは、いままだ見えていないオフラインの店舗情報を可視化して
最短の購買体験の提供を目指している。

求めているものはすぐそこだ。

寺田 真介 (てらだ・しんすけ)
株式会社tritrue 代表取締役
寺田 真介 (てらだ・しんすけ)
1979年 愛知県出身。東京大学大学院博士課程修了後、28歳で日立製作所の研究所に勤務し、国家プロジェクトなどの研究開発業務、民間企業のスマートハウス、スマートグリッドなどを円滑に動かすための、アルゴリズム設計を主に手がける。2012年1月に株式会社 tritrue(トライトゥルー)を設立。現在は位置情報に紐づいた独自の検索エンジンサービスを展開。
代表取締役
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原嶋 宏明 (はらしま・ひろあき)
株式会社tritrue マーケティングゼネラルマネージャー
原嶋 宏明 (はらしま・ひろあき)
Triture マーケティングゼネラルマネージャー。 大学卒業後にあとらす二十一に入社。某大手航空会社に出向し、動画コンテンツ、国際線関連、地域プロモーションのWebディレクションを担当。その後、ネットイヤーに転職して、某外資飲食店のプロモーションのプロダクトマネジャーを担当。 Crevoでは営業GM、制作GMを経て現在事業開発のGMと全ての領域を経験。 スタートアップで再度挑戦としてTriture入社。前職を活かしマーケティングだけでなく、組織構築、広報も担当をしている。
マーケティングゼネラルマネージャー
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構想ゼロでサムライから資金調達

アプリを開発したのは、2012年設立の株式会社tritrue(トライトゥルー)。代表を務める寺田真介は、博士(情報理工)、東京大学CSIS客員研究員の肩書ももつ根っからの研究者だ。

日立製作所の研究所に入社。研究や学会発表を続けていたが、いつも当たり前に利用してる検索サービスGoogleのようなユーザにとって便利でなくてはならないテクノロジーをベースとしたインフラのようなサービスを開発できないか、そして本当に自分の心が求めるものに挑戦したい。そんな想いから、環境を変える決意をした。

寺田周りには自分より優秀な先輩がたくさんいたので刺激はありました。ただもっと自由に新しいもの、ユーザーが使い続けてくれるものを作っていたいと漠然と思ったんです。

それなら、自分で環境を作り出せばいい。その環境で自由にモノつくりをしたい。もっと言えば、モノづくりをする人たちが思いっきり楽しめる環境にしたい。そう考えて日立製作所を退社したものの、具体的な構想はゼロ。

当時はFacebookが日本でも旋風を巻き起こし、ベンチャーキャピタルの存在が知られ始めた時代であったことから、サービスがないのにサムライインキュベートにコンタクトを取って少額ではあるが、出資に漕ぎつけた。

寺田簡単な話だけというか、自分が面白いと思うことを話しただけで出資が決まったので、本当にお金が振り込まれているのかを心配になったぐらいです。まずは、会社を設立しないと、と思い急いで登記をしたんです。

のちに事業のコアになる「Pathee」の開発がスタートしたのはそこから1年後、サービスがローンチしたのはさらにそこから1年を経てのこと。それまでの間の寺田は、絵に描いたような貧乏生活を強いられた。電気が止められるのは当たり前のような貧乏生活を過ごしていたと言う。

超ズボラが見つけた「検索」という解決策

寺田が「困っていること」は、ほしいものを探すために外を途方もなく歩かなければならないことだった。とにかく面倒くさい。しかも、自他ともに認める面倒くさがりやな寺田は、寄り道など好まない。目的地までストレートにたどり着きたいタイプである。そうすれば、寄り道やスマートフォンで検索している無駄な時間を目的地での活動に充てることができるからだ。

これらの課題を、検索エンジンのシステムによって解決出来るのではないかと思い、開発をはじめた。

寺田たとえばクリーニング屋が近所にあることはわかっても、それぞれの店舗の値段がわからない。それがデジタル化されていたらすごく便利。ポストがどこにあるかわかれば封筒をカバンに入れたまま3日間も放置することもなくなる。

また、ソファー席があるカフェや、赤色のネクタイが買える所など、情報がデジタル化されておらず検索でヒットしないスポットがまだまだ多いのです。でも、僕が求めているのはまさにそういう情報だった。そうした空間情報を整理して、誰でも自由にアクセスできるようにして世の中を便利にしていきたかったんです。

やっと見つけた、本当に自分が作るべきプロダクト。早速、自分が求める検索エンジンの開発がスタート。1年後にβ版としてリリースするやすぐに世間の注目を集め、2014年4月には株式会社オプトから1.3億円の資金を調達した。

そしてさらに2017年には、Fidelity系投資ファンドのEight Roads Ventures Japanなどから総額3億円の資金調達に漕ぎつけている。

3年間を振り返りながら、「売り上げが1円もないのにここまで来れたのは奇跡」と寺田は話すが、マーケティングジェネラルマネージャーの原嶋宏明は、「マネタイズはもちろんしないといけないことだが、純粋に作りたい気持ちで開発に取り組んでいたことが、逆に会社の魅力に繋がったかもしれない」と話す。

原嶋寺田以外のメンバーもモノを作ることをなにより楽しんでる。技術力も高いし、『この人たちならなにか面白いものを作り上げてくれるのでは』と思ってもらえてるんでしょうね。

事実、3億円を調達するまではエンジニア以外の人材は社内にひとりもおらず、寺田が理想とする「研究者が楽しめる会社」を作るという目標に向かって突き進んできた。

しかし、研究開発したものをより多くの人に知ってもらうためには、PR・マーケティングが不可欠。そこで寺田がまず会社に呼び込んだのが原嶋だった。

ネットイヤーやCrevoなど多彩な業界を経験してきた中で、様々な媒体でインタビューを受けることも多かった原嶋。他にも数社からオファーを受けていている中で、tritrueに入社を決めた。

実は、大好きな漫画「宇宙兄弟」のセリフの「迷ったら面白い方を」選んだ結果だった。

原嶋寺田さんは研究者。初めて会ったとき、もっと純粋に研究に専念させてあげたいと思いました。本人が思いっきり楽しんで研究をさせてあげたかったんです。

僕がやることと代表がやるべき仕事の領域は全く違うので、補完しあえることも理想的でした。

Crevoでは創業メンバーとして、その拡大期を牽引した経験を持つ自分だからこそ活かせる知見。それを活かし、これまで経験していない環境で再びチャレンジしたいという想いもあった。

そんな原嶋も、入社を決めてからはtritrueのさらなる成長の可能性について考えている。

原嶋Amazon Primeに頼めばすぐ来てくれるとはいえ、歩いて1分の店に同じものがあるならどう考えてもそれが最速。商品が小さなもので値段に差がなければ、ニーズも大きく、多くの人にとって有益なサービスになるはずです。

そう考え、現在では、在庫状況をはじめとする情報を店側にスムーズに入力してもらう方法も模索中だ。

創業期からのビジョン「ラボ構想」を現実に

そんなふたりが共通して抱いている構想は、自社内に研究所、いわゆる「ラボ」をつくること。ものづくりを純粋に楽しめる環境を作り出し、そこから生まれた新しい発想を社会に発信していくのである。

寺田自身も「研究者は、あくまでも研究をすることがミッションです。だからこそ、世の中の技術的課題をテクノロジーで解決していきたい。」と信条を話す。

原嶋も、「直近で無理やりにでも作りたいですね。0からモノを作れるメンバーが揃っていることがこの会社の良いところ。世界に視点を移すと、Googleが1.5兆円を開発費に注いでいるんです。そこまでの道のりは長いですが、まずはラボチームを。そしてラボができたら、寺田さんにはまた思いっきり研究をしてもらえたらいいなと思います。“代表がラボを兼務” ってtritrueの創業期のエンジニファーストな考え方を世に広めるには良い施策ですし」と笑顔を見せる。

「ネット検索はGoogle、人検索ならFacebook、外歩き検索ならPatheeというイメージにしたい」と最後に寺田は今後のビジョンについて教えてくれた。純然たる研究者である寺田と、創業期をビジネスサイドから経験した原嶋とタッグを組んだ今、かつて寺田が心を動かされたgoogleのように、世界に通用する開発主導のスタートアップが日の目を見る日も近いかもしれない。

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[文]松本 玲子
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