【ベンチャーキーパーソン名鑑】BizDev編 Vol.7:スタディプラス 田中 隆之氏
「あの会社の急成長は、なぜ実現できたのか?」その答えは、最前線で事業の課題と格闘し、成果を出し続けている「ベンチャーキーパーソン」の仕事術に隠されています。
本連載では、スタートアップやベンチャー企業が事業を伸ばす上で避けて通れない具体的な「業務の壁」を、彼ら/彼女たちがどう乗り越えてきたのかを徹底解剖。
日々の業務ですぐに役立つ実践的なノウハウ、困難な意思決定を支えた思考プロセス、そしてリアルな成功と失敗の事例、そこから得たノウハウを、ご本人たちの言葉で共有する。(掲載希望企業はこちらのフォームからご回答ください。)
彼ら/彼女たちの生きた経験は、あなた自身の課題解決のヒントとなり、スタートアップやベンチャーでの活躍、あるいはキャリアアップを加速させる具体的な「処方箋」となるはずだ。
スタディプラス株式会社における「BizDev」の魅力とは?

以下、話者は田中さん
私が統括している「Studyplus Ads」事業本部はアプリ上の広告を担う部門ですが、単に広告商品をセールスするだけでなく、顧客である「大学」とアプリユーザーである「学習者」の両者の課題解決を目指しています。
アプリを基点とした新しい価値を提供するビジネスモデルのため、業界を変えるプロセスを一緒に作っていけるのが魅力の一つです。現在、日本の私大の54%(2024年3月時点)の大学に活用していただき、売上も直近で130%以上の成長をしております。だからこそ、事業のスピード感にも面白さを感じていただけると思います。
また現在、ビジネスモデルの構築と同時に進めているのが組織開発です。事業成長のためには、組織のどんな「強み」を活かすべきなのか、そのためにはどんな「強み」を持った人が加わって欲しいのか、チームのあるべき姿を描きながら前に進めています。
BizDevの処方箋
処方箋 その1:「クライアントが求めること」はなにか
「クライアントが何を求めているか」が全ての基点であるべきだと思っています。事業が停滞したり、何かうまくいかない時には、「どんな提供価値を示していて、反応はどうなのか」「本質的にクライアントのためになっているのか」見つめ直すようにしています。
当社にジョインしてからは「大学」と「ユーザー」のそれぞれが求めていることを整理することから始め、そのためにはどんな仕組みが、どんな機能が、どんな商品が、と一つずつ組み立ていきました。
処方箋 その2:「強み」を伸ばす組織開発
クライアントの要望に答えるためには組織を新設したり、新たな人材を採用したりすることが必要になってきますが、その際、動かしてはいけないのが会社の「強み」です。
当社はユーザーから圧倒的な支持を得ているアプリがあり、その良さを伝えていく推進力、つまり営業の「商談力」が強みになっていると感じましたので、軸をそこに据えました。ただ、今までは人の入れ替わりが多かったこともあり、平均在籍年数2年弱の組織をおいて「商談力」の全員の底上げを行う為のセールスイネーブルメント部門、「商談」以外の業務を効率化するための部門、「商談」の武器となる商品を企画する部門などを新たに設けました。
処方箋 その3:成功体験を得てもらう
その後に大事になるのが「成功体験」。日常的には、クライアントから良い反応をもらって「売れる」実感を味わってもらいたいですし、社内で評価される体験も大事ですので、ハイパフォーマーを表彰する制度を設けています。
また、私の部署メンバーには社内全体での発表の場にも、積極的に出てもらうようにしています。どんなに小さいことでも良いので組織全体で共有して、自分たち自身で変化を認識することが重要だと思っています。
BizDevを学べるオススメコンテンツ
オススメ:「急成長を導くマネージャーの型」
書籍情報 | |
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著者 | 長村 禎庸 |
出版社 | 技術評論社 |
出版日 | 2021/11/13 |
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マネージャーという役割の体系的な地図やフレームワークがきちんとまとまっている本だと思います。マネジメントに悩まれていたり、マネージャーになってみたい人におすすめです。
スタディプラスではマネージャー枠を拡大していて、毎年数名のマネジメントメンバーを抜擢し著者の研修にも参加してもらっています。この記事を読んでくださった方もぜひ挑戦していただけると嬉しいです。
キーパーソン田中氏から皆さんへのメッセージ
大学マーケット市場への新たな価値提供は始まったばかりなので、今ジョインしていただくと、ご本人それぞれのキャリアで「あれ作ったの自分です」と言えるようになるフェーズだと思います。
これから挑戦できることはたくさんありますので、「もっとこうなったらいいのに」という気持ちを真っ直ぐ持った方や、前に進むことを楽しめる方と、ぜひ一緒に事業を作っていけたらと思っています。
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こちらの記事は2025年09月04日に公開しており、
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