INSIGHT
NUMBER
02

【図解】
大規模な開発プロジェクトは
なぜ失敗するのか?

大きなサービスやプロダクトを生み出すためには組織をまたいだコラボレーションも時には必要だ。

しかし、プロジェクトをまとめる人、プロジェクトマネジャーが不在でどうもうまく事が進まない、
なんてことを経験したことがある人も多いだろう。

現代のプロダクト開発が抱える問題点とその背景、解決策を考えよう。

  • TEXT BY FastGrow Editorial
  • EDIT BY GEN HAYASHI

執筆者

田村 謙介 (たむら・けんすけ)

株式会社アンドゲート 代表取締役 CEO

田村 謙介

たむら・けんすけ

株式会社アンドゲート 代表取締役 CEO

慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科を修了後、株式会社アンドゲートを設立。エンジニア人生で培った泥臭さとテクノロジー、学術に基づいた理論を武器に、プロジェクトのディレクションやマネジメントを行う。知識ではなく方法によって複雑化する世の中をシンプルに解明し、ビジネス社会における構造の変革を目指す。

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求められる専門性の多様化と細分化される技術

社会の多様化、ニーズの多様化。そのような社会の変化は、プロダクト開発の現場にも影響を与えている。

10年ほど前までは、1つのプロジェクトを実現するために求められる技術は今ほど多様ではなかった。分業してそれぞれの専門性が高いメンバーと協業することが質の高いアウトプットにつながるが、現実としてそこまでのリソースを確保できない企業でも、数人のスーパーエンジニアがいれば、競合他社に引けを取らないプロダクトを生産することは可能だった。

図1:多様化・細分化が進む専門領域

しかし、現代ではその状況が大きく異なってきている。まず、技術の進歩によって専門領域が多様化している。

図2のAIを用いたWebとアプリの開発はそれを示す好例だ。ビッグデータ、IoT、機械学習はこれまで存在しなかった領域。このプロジェクトを機能させるためには、その分野の知見と技術を持つメンバーの協力は不可欠だ。

図2:プロジェクトに関係する専門家の細分化

それぞれの領域での細分化も進む。単純にフロントエンド、バックエンド、インフラで分けることはもはやできない。

フロントエンドの技術だけをとってみても、コーディングに専門性を見出す人もいれば、UI/UXの設計やネイティブアプリ、パフォーマンス・チューニングに専門性を見出す人材など十人十色だ。明らかに現代では必要な専門性の領域が広く深くなっている。

図3:プロジェクトに必要な知識・スキルの多様化

さらに追い打ちをかけるのがプロダクトの継続運用と改良だ。プロダクトのリリースは始まりに過ぎない。その運用の領域でも多様化・細分化は進んでいる。取得できるデータは増加、それを分析するデータ解析の専門家や分析結果をマーケティングまで活かすデータサイエンティストは企業での需要が高まっている。

ユーザーが満足する質の高いプロダクト開発し、継続的に運用・改善していくことを志向すればするほど、数人の優秀な人材だけ、1つの企業だけでは、その目的を完結する事はできない。

企業はプロジェクトの成功に必要な領域に高い専門性を持つ個人・企業との協業・コラボレーションを求めざるを得なくなる。そしてこの専門領域の多様化・細分化の流れは今後も加速する。それが現代だ。

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開発プロジェクトで企業が抱える課題

このような状況下で、発注企業と専門企業はそれぞれ問題を抱えることになる。

発注企業は、企業選定と調整で頭を抱える。「プロジェクトの目的を達成する上でどんな専門知識が必要か」「専門知識を取り入れるための選択肢には何があるか」次々に新しい技術が生まれる今日では、把握するのは容易ではない。

これらの情報を調査・整理して選定するまでには多大な時間がかかる。スピードを重視すれば、企業の選定に失敗するリスクも増す。競合他社に先んじてサービスを提供することが事業の成否に大きな影響を与える現代ではこれらのロスは致命的だ。

加えて、専門領域が多岐に渡るプロジェクトの場合、関連企業が増え、調整コストはかさむ。

図4:発注企業が抱える課題

一方で専門企業。こちらはPMに課題を抱える。

高い専門性を持つ企業で働く人材は、当然ながらその技術を高めるために入社してきている。しかし、少し経験が豊富になり職位が上がってくるとPM業務を求められるようになり、思うように自分のキャリア形成ができない。

専門企業において、PM業務を積極的に担う人材はどうしても少なくなる構造のため、PMには業務が集中し、本来のスピードで専門性を追究しきれない。結果として、人材の流出も発生しやすく、企業としても専門性の蓄積が上手くいかなくなってしまう。

図5:専門企業が抱える課題

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発注企業と専門企業の架け橋になるアンドゲート

この発注企業と専門企業の間に立ち、PM領域の専門企業として両者が抱える課題を解決するのがアンドゲートだ。

発注企業は、様々な専門企業のハブになっているアンドゲートにプロジェクトの目的や条件を共有する。その情報をもとにアンドゲートが複数の専門企業からプロジェクトに必要なメンバーだけを選抜することで、必要なメンバーを最小限のコストで調達することができる。

発注企業の望みを叶えるコンシェルジュ的な立ち位置だと捉えると理解しやすいかもしれない。専門企業としては、アンドゲートがPMの役割を担うため、専門性を高めることに集中できる。

図6:アンドゲートが提示する解決法

企業規模やプロジェクトの規模がそこまで大きくない場合は、予算も同様に少規模であったり、仕様変更が重なったりするケースも多い。

そのような発注企業の視点に立った場合、Slerやコンサルティングファームとの比較において、リソースの小回りが効く点とアンドゲートと専門企業がフラットな関係を結んでいることによるコスト面のメリットは大きい。

図7:他業界とのサービス比較

そのような価値提供を目指すアンドゲートの実務は2つに大別される。発注企業の実現したい未来を描き、そこまでのロードマップを示すカタリストとカタリストが描いた未来を実現していくディレクターだ。

それぞれが得意分野に集中することで、生産性とアウトプットの質の向上を図る。社内の業務においても、発注企業から企業選定と調整の業務を、専門企業からPMの業務を分離したときと同様の考え方を適用している。

図8:アンドゲートの実務

発注企業にはプロジェクトの成功に必要なリソースを必要な時に必要な分だけ提供する。専門企業からは無駄なPM業務を排除して専門性を存分に高めてもらう。

アンドゲートは、高次元で専門企業をコラボレーションさせて、発注企業のニーズに応える。アンドゲートが目指すプロジェクトマネジメントは、未来のスタンダードになっているかもしれない。

執筆者

田村 謙介 (たむら・けんすけ)

株式会社アンドゲート 代表取締役 CEO

田村 謙介

たむら・けんすけ

株式会社アンドゲート 代表取締役 CEO

慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科を修了後、株式会社アンドゲートを設立。エンジニア人生で培った泥臭さとテクノロジー、学術に基づいた理論を武器に、プロジェクトのディレクションやマネジメントを行う。知識ではなく方法によって複雑化する世の中をシンプルに解明し、ビジネス社会における構造の変革を目指す。

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執筆

FastGrow編集部

編集

早矢仕 玄

こちらの記事は2018年01月30日に公開しており、記載されている情報が異なる場合がございます。