「店でなくメニュー」をレコメンドするグルメアプリ、セルフケア領域でのD2Cブランド立ち上げ
データの力でより良い暮らしを創る注目スタートアップが集結!──FastGrow Pitchレポート
「イノベーターの成長を支援し、未来社会を共創する」をミッションに掲げるFastGrowが、「この会社、将来大きなイノベーション興しそうだ!」と注目するスタートアップをお呼びして、毎週木曜朝7時にオンライン開催する「FastGrow Pitch」。
登壇するスタートアップが目指すビジョンや事業内容、創業ストーリー、どんな仲間を探しているのかなどをピッチ形式で語るイベントだ。
本記事では、ピッチの模様をダイジェスト形式でお届けする。登壇したのは、株式会社SARAH、株式会社FLATBOYSの2社(登壇順)だ。
株式会社SARAH:「おいしい一皿」の発見をサポートするグルメアプリ事業

最初に登壇したのは、グルメコミュニティアプリ『SARAH』を運営するSARAH代表取締役CEOの高橋洋太氏。
『SARAH』は、メニュー単位で写真やレビューを投稿したり、検索したりできるグルメアプリだ。ユーザーは、自分だけの食の記録を作る、あるいは好みの一皿を検索することができる。現在、『SARAH』には70万件を超える投稿が集まっている。
また、新型コロナウイルス感染症の流行前と比べ、ユーザー数は約1.5倍に伸びているという。
高橋要因として、大人数で外食する機会が減った一方で、少人数の外食やテイクアウト、デリバリー需要が増加したことが挙げられます。メニュー単位での検索需要が増加し、急速に『SARAH』の利用が増えています。
SARAHでは次々に新規事業を立ち上げている。一つは、『SARAH』に集まったレビューなどのデータをもとに、外食市場のトレンドや顧客ニーズを分析できる外食ビッグデータ分析サービス『Food Data Bank』。あのセブン-イレブン・ジャパンやハウス食品、居酒屋チェーン「塚田農場」などですでに導入が進んでいるという。
さらに今年に入り、飲食店のメニューを電子化するサービス『Smart Menu(スマートメニュー)』も展開。現在はβ版だが、来春には正式版をローンチ予定。単なる電子メニューサービスではなく、顧客データを取得でき、飲食店のOMOを促進するサービスにしていくという。
高橋これからの時代、飲食店の経営においては、お客さんのリピート率を高めることがより重要になっていくと思います。そのためには、実店舗で料理を食べたときの反応や表情など、店舗でしか得られない情報を集め、分析していく必要があります。SmartMenuではそのためのサポートを提供していきたいです。
SARAHではこうした複数のサービスを通して、食品、飲食業界のDX化を促進していきたいと、高橋氏は考えている。
「『SARAH』がユーザー以上にユーザーの好みを把握し、検索なしに『おいしい一皿』に出会える仕組みを作りたい」と熱く語った高橋氏。「全方位で一緒に働く仲間を募集しているので、コーポレートサイトやSNSなどからお気軽にご連絡ください」とピッチを締めくくった。
採用情報
株式会社FLATBOYS:心身のケアを実現するパーソナライズ入浴剤

続いて登壇したのは、D2Cのパーソナライズセルフケアブランド『DAY TWO』を運営するFLATBOYS代表取締役CEOの内田遼氏。
『DAY TWO』ブランドの第一弾プロダクトが、パーソナライズ入浴剤『DAY TWO Epsom Salt』だ。
内田『DAY TWO Epsom Salt』では、LINEで簡単なアンケートに答えるだけで、心とカラダの状態に合った入浴剤を購入することができます。入浴剤にブレンドするエッセンシャルオイルは、ホットヨガスタジオLAVAのトップインストラクターが監修しています。
また、肌に刺激の少ない成分、万が一口に入っても問題のない原料を使用しているため、安心して利用いただけます。
内田氏は、もともと生理用品や、生理痛緩和に効く入浴剤の開発を行っていたという。しかし、想定顧客へのヒアリングを重ねるなかで、入浴剤へのニーズの幅広さに気づき、現在の事業にたどり着いた。
内田生理痛緩和の入浴剤についてヒアリングをしていて驚いたことがあります。入浴剤によって心身が回復したという経験や、入浴剤に対するニーズは、自分が思っていた以上に様々なのだと知りました。
特定の効能に特化するよりも、一人ひとりに合わせた入浴剤を作ることができれば、より良いセルフケアができるのではないかと思ったんです。
内田氏曰く、従来の入浴剤はファミリー向けの商品が多かったが、近年は自らの体をケアする入浴剤へのニーズが高まっているという。『DAY TWO Epsom Salt』は、心身のケアに特化した入浴剤で、「ワークアウト好きやスポーツアスリート」にも利用を広げていく方針だ。
現在、国内の入浴剤市場の規模は約430億円。決して小さな市場ではないが、内田氏はさらなるグロースに向け、ボディケア市場も視野に入れている。
いわゆるシード期スタートアップであるFLATBOYSに、実はあなたも投資ができる。『イークラウド』という株式投資クラウドファンディングサービスで、投資家を募集している最中なのだ。詳しくは募集サイトを見てほしい。
また組織については、役員・社員は内田氏の1人で、メンバーは常時、業務委託で仕事に携わっている。「今後は、フロントエンドとデザインの両方ができるUXデザイナーとご一緒できたら非常に嬉しいです」と語った。

第23回目となったこの日は、食とヘルスケアの領域で、個々人の趣味嗜好に沿って最適な体験を提案する企業が登壇した。
今後も毎週木曜朝7時の「FastGrow Pitch」では、注目スタートアップが登壇し、自ら事業や組織について語る機会をお届けしていく。ぜひチェックしてほしい。
こちらの記事は2020年11月28日に公開しており、
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