連載スタートアップを知りたいならここを見よ!FastGrow注目スタートアップ特集──FastGrow Pitchレポート

IoTシステム構築サービス、キャンプサイトの検索・予約プラットフォームを展開するスタートアップが登場──FastGrow Pitchレポート

登壇者
大津 真人

2004年東京外国語大学卒業、東京大学大学院(人文社会研究科)中途退学。元SE/PG。2016年 株式会社Momo設立人間の心理に興味があり、実験心理学を学び、東京大学大学院でC言語を使用して実験を構築することをきっかけにプログラミングに触れる。個人開発者として複数のモバイルアプリを30万DL程度ヒットさせるも、類似アプリの乱立などに悩んでいたところ、大手家電メーカーの複合機プリンタと連動するiOSアプリの開発を担当したことを機にIoT事業に関心を抱く。IoT事業が未踏のフロンティアであること、IoTであれば小規模チームでも大企業以上の価値を創出できるという可能性に触発されMomoを起業する。

塚﨑 浩平

1995年生まれ。国立東京高専卒業後、 筑波大学社会工学類に入学、在学中に サンフランシスコのVRベンチャーの立ち上げ、インドにてデロイトより受託を受け、現地のベンチャー企業の調査などを従事。大学ではデータ分析の研究を行い、 2018年よりforent株式会社代表取締役就任。キャンプ版airbnb「ExCAMP」などのマーケットプレイスの事業を運営している。

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「イノベーターの成長を支援し、未来社会を共創する」をミッションに掲げるFastGrowが、「この会社、将来大きなイノベーションを興しそうだ!」と注目するスタートアップをお呼びして、毎週木曜朝7時にオンライン開催する「FastGrow Pitch」。

登壇するスタートアップが目指すビジョンや事業内容、創業ストーリー、どんな仲間を探しているのかなどをピッチ形式で語るイベントだ。

本記事では、ピッチの模様をダイジェスト形式でお届けする。登壇したのは、株式会社Momo、forent株式会社の2社(登壇順)だ。

  • TEXT BY OHATA TOMOKO
  • EDIT BY RYOTARO WASHIO
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Momo
IoT技術を身近にし、アクセス可能な世界を実現する

株式会社Momo

最初に登壇したのは、IoTシステムの構築をサポートする『Palette IoT』の開発・提供をしている、Momo代表取締役の大津真人氏。

『Palette IoT』は、専門知識が無くても簡単にIoTシステムを構築できるサービスだ。約100種類のセンサと5種類の通信網を標準化し、自社で有することで、短期間で実証可能なIoTシステムを納品する。

大津氏は「現在は『農業・食料生産』『建設・土木』『公共・交通』領域への導入に力を入れています」と語る。

大津農業・食料生産領域は、世界的に生産性を向上させる技術へのニーズが高まっており、IoTはその技術の一つとされています。また、建設・土木領域では新型コロナウイルスの感染対策として、作業の遠隔化や自動化が求められていますし、未だにアナログな部分が残っている領域なので、IoTによる業務のDXに対するニーズは高い。公共・交通もまた、効率化を求められている領域です。人間が扱っているエネルギーの3分の1は移動に割かれていると言われており、IoTなどを活用したイノベーションが求められています。

また、今後は「施設・工場・エネルギー」分野も重要になります。社会の持続的な発展を実現するために、これらの領域が抱える課題にIoTでアプローチし、改善していきたいです。

さらに、同社はセンサで取得したデータをクラウド上で保存し、ユーザーの端末で確認・利用できるセンシングサービスを提供している。

大津例えば、農家の生産性を向上させるために、農業用のセンシングデバイスを作りたいと考えている企業がいるとします。どんな企業かにもよりますが、基本的には一般的な企業が自社のリソースのみでセンシングデバイスを作ることは難しいでしょう。なぜなら、センサからデバイスにデータを送り、クラウド上に残す必要があり、さらにそのデータをアプリケーションで表示させる仕組みを構築せねばならず、通信やクラウド構築などさまざまな知見が必要とされるから。

我々がセンシングサービスを提供することで、さまざまな領域の課題を解決するセンシングデバイスの活用を促進したいと考えています。

最後に、大津氏はコアバリューとして掲げる「我々が技術と人類のニーズを合致させる挑戦を行う企業体である。」という言葉に込めた想いについて語った。

大津スマートフォンやPC、インターネットの普及により、簡単に人と人がつながれるようになりました。しかし、物とインターネットをつなげるIoT技術は未だに身近な存在ではなく、この技術の活用に取り組んでいるベンチャー企業も少数です。

IoTを活用することで、多くの会社が、人をワクワクさせたり、元気づけられたりするようなチャレンジができると思っています。だからこそ、私たち自身も楽しみながら挑戦することをバリューとして掲げています。

「2030年までに世界で最も影響力のあるIoT企業になる」ことを目標とする同社。「スキルのあるエンジニアだけでなく、セールスやマーケターなども募集しています。世界を変える挑戦にご興味ある方はぜひご連絡ください」と語り、ピッチを締めくくった。

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forent
遊休地を有効活用し、新たなアウトドアフィールドを創造する

forent株式会社

続いて登壇したのは、全国のキャンプサイトを検索・予約できるプラットフォーム『ExCAMP』を運営している、forent代表取締役社長の塚﨑浩平氏。

オーストラリアとアメリカへの留学を経験した塚崎氏。この経験がキャンプに関するサービスを展開する遠因になっているという、留学先での経験を挙げた。

塚﨑オーストラリアで人生初めてのキャンプを体験し、アメリカでは完全にその虜になりました。帰国後、日本でもキャンプを楽しみたいと思ったのですが、日本のキャンプ場は非常に混んでいて、海外で経験した大自然の中で行うキャンプとは少しイメージが違った。

その後、祖父が耕作放棄地を所有していたことから、試しにキャンプ場として貸し出してみようと思ったんです。すると、意外にもお客様が多く訪れてくださって。実際、日本のみならず、海外でも耕作放棄地をキャンプ場として活用することがブームになっていることから、チャンスがあるのではないかと考えました。

『ExCAMP』について「いわば民泊サービス『Airbnb』のキャンプ版です」と形容する。遊休地をキャンプ場として貸し出すことによって、有効活用することが狙いだ。

塚﨑遊休地の活用は、社会課題の一つ。相続の問題で土地を放棄したり、「使い道がないから」と土地を手放したりする人は少なくありません。所有者不明の土地は九州本島を上回る規模とも言われています。また、農閑期の農地をいかに活用するかといった問題もある。

キャンプ場の利用者視点の問題としては、ゴールデンウィークなどの連休に差し掛かると需要が供給をオーバーし、予約ができなくなってしまうことが挙げられます。『ExCAMP』は個人が所有する遊休地などの土地を検索・予約できるようにすることで、それらの課題を解決するサービスです。

『ExCAMP』は、エリアやロケーションなどの条件を入力すると、条件に一致するキャンプサイトを複数提案する。気になるキャンプサイトをクリックすると、画像とともに設備や体験できるアクティビティなどの詳細情報を確認できる。

また、遊休地を所有しているもののキャンプ場として運営するノウハウを持っていないオーナーに対する、運営支援も提供している。

塚﨑SNSによる集客を得意としており、そこが競合優位性になっています。今後は、掲載スペースの増加はもちろん、スペース毎の単価向上施策を支援しつつ、集客のチャネルの拡大、海外展開も視野に入れています。

最後に、塚﨑氏は「営業、マーケティング担当者などを募集しています。カジュアルミーティングも実施していますので、興味がある方はぜひご連絡ください」と参加者に呼びかけた。

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今後も毎週木曜朝7時の「FastGrow Pitch」では、注目スタートアップが登壇し、自ら事業や組織について語る機会をお届けしていく。ぜひチェックしてほしい。

こちらの記事は2022年03月28日に公開しており、
記載されている情報が現在と異なる場合がございます。

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執筆

大畑 朋子

1999年、神奈川県出身。2020年11月よりinquireに所属し、編集アシスタント業務を担当。株式会社INFINITY AGENTSにて、SNSマーケティングを行う。関心はビジネス、キャリアなど。

編集

鷲尾 諒太郎

1990年生、富山県出身。早稲田大学文化構想学部卒。新卒で株式会社リクルートジョブズに入社し、新卒採用などを担当。株式会社Loco Partnersを経て、フリーランスとして独立。複数の企業の採用支援などを行いながら、ライター・編集者としても活動。興味範囲は音楽や映画などのカルチャーや思想・哲学など。趣味ははしご酒と銭湯巡り。

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