連載スタートアップを知りたいならここを見よ!FastGrow注目スタートアップ特集──FastGrow Pitchレポート

パーソナライズされたおやつやペットフードのDtoC、デジタルマーケティングの注目企業が集結──FastGrow Pitchレポート

「イノベーターの成長を支援し、未来社会を共創する」をミッションに掲げるFastGrowが、「この会社、将来大きなイノベーション興しそうだ!」と注目するスタートアップをお呼びして、毎週木曜朝7時にオンライン開催する「FastGrow Pitch」。

登壇するスタートアップが目指すビジョンや事業内容、創業ストーリー、どんな仲間を探しているのかなどをピッチ形式で語るイベントだ。今回はFastGrowが注目するスタートアップ4社を集めて開催した。

本記事では、ピッチの模様をダイジェスト形式でお届けする。登壇したのは、オネストフード株式会社、株式会社EXIDEA、株式会社スナックミー、バレットグループ株式会社の4社(登壇順)だ。

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オネストフード株式会社:これから成長のペットテック市場で、ペットフードの東アジアNo.1ブランドを目指す

オネストフード株式会社

最初に登壇したのは、「全ての動物とその家族の幸せな生活のために」をミッションに、ペットフードの領域で東アジアNo.1を目指すオネストフード代表の佐藤淳氏。現在は、国産無添加ペットフード『レガリエ』の企画・製造・販売を中心にした事業を展開する。佐藤氏は前職のオイシックスで勤務時代、野良猫を保護して飼い始めたところ、日本には高品質のペットフードがなく、“ペットフード後進国”と言われていることに気づいたと語る。

佐藤日本には良質な商品を生み出す技術力はありますが、マーケティングの部分が弱く、現状のペットフードは価格で勝負する商品しかつくれていないことに気づきました。そこで、オイシックスで培った食のマーケティングに関する知識を活かして、世界で勝負できるペットフードブランドをつくりたいと思い、創業を決意しました。

展開している『レガリエ』は、「添加物なし・手作り的」ということに加えて、「科学的信頼度が高い」、すなわち「獣医師からの評価が高い」ことに特徴があります。

たとえば、ペットフードで広く使用されているグレインはアレルギーの原因になりますが、国産のグレインフリーペットフードはまだなかったため、『レガリエ』で実現しました。米国ペットフードの約30%がグレインフリーになっていますが、日本ではまだ3%しか普及していません。日本でもここから5~10年で飼い主のペットに対する健康意識が高まり、グレインフリーのシェアも、アメリカに追いついていくはずだと考えています。

また、室内で飼われることの多い日本の犬や猫に最適な栄養バランスを追求することで、海外製品ではカバーできないニーズにも応えており、そうした品質面が獣医師の方からも評価を受けています。

今後の展開について佐藤氏は、パーツ組み合わせ型のパーソナライズ提案と海外展開を挙げる。これまでのペットフードには2つの大きなストレスがあった。1つはペットの年齢や体調によって最適な栄養素が変わるため、飼い主はどのタイミングで餌を変えればいいかわからないこと。またもう1つは、ペットも食事の種類が変わることを嫌がるため、フードを変えるとご飯を食べなくなることがあることだ。『レガリエ』では、ペットに合わせたフードのパーソナライズ提案機能を備えることで、この課題を解消しようとしている。

佐藤現在展開しているドライフードに加えて、ふりかけ型のトッピングやねこ缶のようなウエットタイプのフード、ペットの年齢や疾患に合わせて健康をケアできるサプリメントを開発し、ペットの基本データや健康データ、食の好みに関するデータを元に最適な組み合わせで商品を届ます。提案可能な組み合わせ数は1000通り以上にのぼり、かなり細かいニーズにも対応できますので、既存のペットフードでは解決できなかった課題にも応えられるのではないかと考えています。

現在、『レガリエ』の会員数と販売実績は順調に伸びており、今後は広告費用を投下して新規獲得数を一気に伸ばしていくフェーズとなる予定だ。

4年後に上場を目指しており、今後はアジア地域への展開も検討中。急速に伸びている東アジアのペット市場は、ペットを飼っている層が高所得者層に偏っていることもあり、品質にこだわったD2Cモデルの商品には勝機があると見ている。「販売を推し進めていくCRMの担当者やWEBマーケティング担当者を募集しています。興味があればぜひお声がけください」とプレゼンテーションを締めくくった。

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株式会社EXIDEA:デジタルマーケティングツールとWebメディアの2軸で世界の課題に切り込む、個性を活かした事業家集団

株式会社EXIDEA

次に登壇したのは、東京、ロサンゼルス、ハノイの3拠点で事業を展開するEXIDEA代表の小川卓真氏。2013年に創業し、デジタルマーケティングツール事業やWebメディア事業を複数展開している。

小川マーケティングの会社と思われるかもしれませんが、どちらかというと「イノベーションを起こしていきたい」という思いで事業を展開しており、社名のEXIDEAも“Excellent Idea”に由来しています。SEOコンテンツのSaaSマーケティングツールである『EmmaTools™』は、「地球上のあらゆる価値をシェアできるようにする」というコンセプトのもと、内容が良くても伝えにくい情報を効果的に世界中にシェアするためのコンテンツマーケティングツールとして開発しました。副社長が手がける動画マーケティングサービス『CINEMATO』は「地球上から伝わらないをなくす」を目指して提供をしています。

また、EXIDEAが展開する複数事業の中でも特徴的なのは、社会課題の解決を第一義に考えるWebメディア・メディアコマース事業です。

現在の私たちの生活では、地球1.7個分の資源が消費されているという課題に注目し「地球一個分の生活」をテーマにした『ETHICAL CHOICE』は、現代の私たちが消費している地球資源の量を見直し、持続可能な世界をつくる目的で運営しています。また『FLASH FREEZE』で実現したいのは、飢餓のない世の中。急速冷凍の技術が普及すれば、世界中の人々に食料を行き渡らせることができます。

Webメディアには人間の意識を変える力があると考えています。なのでこれらのWebメディア事業は、売り上げを追求するというよりも、世界中で起こっている問題を解決するために運営しています。

同社はデジタルマーケティング事業を中心に順調に成長を続けており、東証東京プロマーケットへの上場を検討していると言う。「上場はしても、しばらくはIPOはしない」という方針をあえて取っているのは、社員のWillに基づく事業づくりを尊重しているからだ。小川氏は「自分たちの資金で、つくりたいものをつくる」意識が組織文化に浸透していると語る。

小川弊社ではメンバーのWillをベースに複数事業を展開していますが、こういった状態でIPOをしてもPERが高くはつかない。そのため当面は「上場はするけどIPOはしない」という方針で考えています。しかし、いずれは、より大きなWillを実現していくフェーズに入るので、その際にはIPOによる資金調達は検討します。

EXIDEAでは、各々が自由にサービスを創造する会社を目指しています。そのため組織としては、ティール組織やロバート・キーガンの言う「発達指向型組織(DDO)」のようなイメージです。意図してそのような組織をつくったわけではないのですが、意思の強いメンバーに事業開発を任せることで、結果的にそういった形になりました。

これからは、コンテンツマーケティングサービスとしては世界一を目指し、Webメディア事業では「人類・地球に最も貢献するWebメディアの創造」を目指して運営していきます。お金を稼ぐ部分ではしっかり稼ぎつつ、「世界をこう変えたい」というメンバーの想いを実現できる場を目指しています。

現在の社員は、「少し変わった人」が多いそうだ。「イノベーションで世界を変えたいという熱い思いを持っている人に、最先端のデジタルマーケティングスキルを身につけ、自由に事業を創造してもらうことで成り立っている会社です。なので社内には少し変わった人が多いですが、そういう面白い人たちと会社をやっていきたいと思っています。最近世界はちょっとおかしいな、世界を変えたいなと思う人は、ぜひご連絡ください」と小川氏はプレゼンテーションを締めくくった。

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株式会社スナックミー:デジタル発「おやつ時間」を豊かにする、注目のDtoCサブスクサービス

株式会社スナックミー

3番目に登壇したのは、「おやつ」のサブスクリプションサービス『snaq.me』を運営する、スナックミー代表の服部慎太郎氏だ。同氏はボストン・コンサルティング・グループを経て、ディー・エヌ・エーでベンチャー投資業務を行い、2015年にスナックミーを設立して今年で5年目を迎える。

服部snaq.me』は、100種類を超えるおやつの中から月に数回、個人の好みにあわせてパーソナライズされたおやつ8種を自宅に届けるサービスです。もともとはマルシェで売っているようなお菓子を全国から集め、箱詰めして販売したところからサービスが始まりました。ですので扱っているのは、なるべく添加物を使わず、素材の美味しさを活かしたお菓子がメインです。

製菓業界は歴史が長く、コンビニやスーパーでの販売を前提としたロジスティクスや販売チャネルといった仕組みが出来上がっています。また菓子類はかさばる割に単価が低いため、本来ECに向かない商材。だからこそ、おやつを「モノではなく体験」と定義することで、その常識を覆そうと思いました。

snaq.me』の強みは、顧客と直接繋がることで取得したデータだ。顧客から集めたおやつの評価やリクエストのデータは累計300万件超えており、宅配するおやつの種類を変えるだけでなく、A/Bテストの要領で商品を改善し続けている。

服部snaq.me』では、食べる時だけではなく、BOXを待っている時間や、開封する瞬間の体験まで考え尽くしています。たとえば、SNSへ投稿してもらいやすいよう、梱包する箱も少しずつデザインを変えています。新しい「おやつ体験」を創造し、おやつ時間を価値あるものにすることがミッションです。

今後は『snaq.me』のオペレーションを軸に、他分野へ横展開したサービスをつくることでスケールを狙っています。たとえば、女性でも気軽に食べられる植物性原料でつくったプロテインバーのサブスクリプション『CLRBAR』や、新型コロナウイルスの自粛期間中にローンチした、『snaq.me』のスピンアウトおつまみBOX『オツマミ―』も好評でした。

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また、今後はサブスクという形にこだわらず、オフィスやECサイトでの単品販売にも注力していきます。

デジタル発のおやつブランドを目指すスナックミーは、エンジニアやデザイナーを絶賛募集中だ。「おやつ時間を価値あるものにする」ミッションに共感できる方は、ぜひ門戸を叩いてみてほしい。

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過去記事:お菓子ではなく、「おやつ」という体験を提供する。 リーンに成長するスナックミーに勝ち筋を聞く

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バレットグループ株式会社:「機会」と「裁量」で人を育てる、アントレプレナー育成集団

バレットグループ株式会社

最後に登壇したのは、Web広告・人材・D2C・システムインテグレーションといった多岐にわたる事業を展開する、バレットグループ執行役員CHROの桜井悠二朗氏だ。

桜井氏は2016年に新卒1期生として入社後、わずか半年で単身仙台に乗り込み、仙台支社を立ち上げ。事業部長、仙台支社長、人事部長を経て、2020年には執行役員CHROに就任している。桜井氏のスピード感のあるキャリアに表れているのは、同社の「トップに同じ人間が座り続けるのではなく、後継者を育てていく」=「人を育てられる人を育てる」という経営理念だ。

桜井入社半年で仙台支社の立ち上げを任せてもらえたのでは、自分にそれだけのスキルがあったからというわけではなく、バレットグループの「機会・経験が人を育てる」という考え方によるものです。バレットグループは徹底して、「事業を担える人を育てる会社」であることを目指し、日本を代表する優秀な経営者を輩出することを目標としています。個人の成長が、会社の成長を直接的に牽引すると考えているからです。ですので、情熱さえあれば若手でも事業を任せてもらえる会社であると、自信を持って言うことができますね。現在、バレットグループには主要な事業が3つあり、いずれも分社化をしています。Web広告事業は『BG Technology』、D2C事業は『YUIKU』、エンジニアのキャリアコンサルおよびシステムインテグレーション事業は『BULLBASE』という形でそれぞれ分社化しており、権限移譲をすることでさらなる成長にドライブをかけています。いずれの事業も順調に伸びており、2020年の売上は170億円に達する見込みです。

弊社は「何をやるか」より「誰とやるか」を重視しているので、事業領域に制約はありません。また、分社化を進めている背景には、より多くの社員を経営層に引き上げるためという側面もあります。人を育てるためには機会と裁量が必要だからです。

バレットグループの特筆すべき点は、社員のエンゲージメントが高いことだ。2013年の創業以降、社員数は右肩上がりに伸び続け、2019年には180人。2020年のリファラル採用比率が52%と、約半数が社員経由での採用となっている。中でも家族のリファラルが多いことは大きな特徴である。「大切な人を誘って一緒に働ける」と社員が思える環境づくりに力を入れている。

桜井バレットグループでは、事業内容に制限はなく、それぞれが情熱をもてる事業をやれる環境が揃っています。

現在、平均年齢29.8歳で、最年少マネージャーが25歳と若いメンバーが揃っています。自分を圧倒的に成長させる機会を求めている方は、ぜひお気軽にご連絡ください。

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第15回目となる次回は、ハイスキルなIT/Webエンジニアのためのプレミアム転職サービス『Findy』を運営するファインディ、おもちゃのサブスクリプションサービス『トイサブ!』を運営するトラーナ、医療・薬局・Dgs・小売といった「業界特化型」のHRプラットフォーム・エージェントサービス『MEDICAL JOB』を展開するウェルマーケ、日本最大級の住まいとインテリアの写真投稿サービス『RoomClip』を展開するルームクリップの4社が登壇する。これから伸びていくスタートアップ・ベンチャーの最新動向を、ぜひチェックしてもらいたい。

こちらの記事は2020年09月25日に公開しており、
記載されている情報が現在と異なる場合がございます。

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