BizDevとは、囚われを脱して事業を伸ばし続ける仕事だ──3類型・ラクスル型、メルカリ型、10X型で読み解く現在地
BizDevという職種に興味関心を持つビジネスパーソンが、スタートアップ界隈でかなり増えてきた。だが、流通している情報は十分だろうか?いや、量・質ともに、不十分だろう。
FastGrowを運営する中で、「BizDevの定義を知りたい!」「求められる経験や人物像を知りたい!」といったビジネスパーソン一人ひとりの想いに触れる機会が多々ある。一方で、「BizDevの採用がぜんぜんうまくいかない……」と悩む経営者や採用担当者の声を聞く機会も多々ある。どうやら、何かしらの需給ギャップが生まれている。
そこで、スタートアップ数十社における関連求人のリサーチと、これまでの取材の蓄積から、国内BizDev市場の現在地を整理し、まとめた。
ニーズに比して、採用は足りない?
さて、まずは前提の整理だ。“BizDev”への関心度の高まりは、どういった現状から推察できるだろうか。
まず、SNSで目にする機会が増えている。Twitterでプロフィール文にBizDev担当と明記するアカウントは100以上あり、アクティブに発信しているアカウントも多い(特集「フォローしておきたいBizDev4選」はこちら)。またMeetyでも「BizDev」で検索すると、400件のカジュアル面談枠が出た(2022年8月31日時点)。
キャリア系のメディアにおいては明らかに目にする機会が増えており、キャリアハックの特集「BizDevってなにもの?」を目にしたことのある人も少なくないだろう。日経新聞がNTTデータの「ビジネスディベロッパ(BD)」という職種について1面で取り上げていたことも記憶に新しい。
そしてFastGrowでは、BizDev関連の記事の読者数が明らかに多いといったデータもある。社会における関心度合いの高まりは、おそらく間違いない事実だろう。
とはいうものの、実際に求人を探してみると、どこの企業でも当たり前に募集しているものではないことがわかる。200以上の上場/未上場スタートアップの採用サイトなどを確認してみたところ、“BizDev”という言葉を使って募集をしている例は十数社にとどまった。
つまり、「BizDevの仕事をしてみたい!」というビジネスパーソン一人ひとりのニーズよりも、「BizDevの仕事を担ってもらいたい!」という企業のニーズが、圧倒的に足りていないという仮説も成り立ちうる。ただこの点は、能力や期待役割におけるミスマッチも間違いなく存在するであろう部分なので、また別途追究したい。
今回は、現在の求人リサーチと、これまでの取材の蓄積を基に、FastGrow目線で類型化を試みた。
結論から言えば、この3類型になる。大変恐縮ながら、社名を拝借した。
- ラクスル型
- メルカリ型
- 10X型
一つずつ、解説していこう。
ラクスル型
新たな事業の立ち上げ・グロース責任者
まずラクスル型。見出しにある通り、新たな事業・プロダクトを立ち上げたり、それらをグロースさせたりするミッションを追う責任者がBizDevになる。
そもそも、ラクスルの採用ページにおける職種の分け方に時代性が反映されていて、印象的だ。なんと「Engineer」「Designer」「Product Manager」そして「BizDEV、その他」という4分類なのだ。
この点が気になってしまう経営者や人事担当は、この採用ページを見に行ってもらって構わない。そして、書かれている「Bizdev(事業開発)」の説明文を読んで、戻ってきてもらおう。
採用ページに飛ばずに確認したいという読者のために、ここに引用する。
Bizdev(事業開発)
数年後のあるべき姿を描き、それを実現するためのビジネスモデルを創造し、必要な経営リソースを調達することで、変革をリードする役割を担います。領域は、マーケティング戦略の立案・実行、サプライチェーンの開発・最適化、オペレーション組織の構築・マネジメント、プロダクト開発への支援・貢献と幅広く、担当する事業領域における結果責任を担います。
どこからツッコミを入れようかと迷ってしまうくらいに、「難しい仕事」の要素が詰め込まれた文章だ。これを見て「3週目の起業家だ」という感想を抱いたとしたら、貴殿は筋が良い。
失礼を承知でわかりやすくまとめるとするなら、最後の「担当する事業領域における結果責任を担う」というところから、要するに同社におけるBizdevとは、“新たな事業の立ち上げ・グロース責任者(事業部長)”といったところだろうか。
オープンしている求人の中で“Bizdev”のタグが付くものを見てみると、もう少し解像度が上がる。たとえば「【巨大産業DX】「事業家」を目指す次世代幹部募集」では、「事業責任者、及びリーダーと共に事業創造・運営を行うコアメンバー=『事業家人材』」という記載があり、事業責任者だけでなく事業を動かすコアメンバーも含まれるとわかる。
また「【事業開発/BizDev】3,000億円市場をリードするプラットフォームの事業責任者候補」は、祖業・印刷事業を司るラクスル事業本部の中でも特に“集客サービス事業”を担うポジションの募集となっている。「【事業家/BizDevを目指す】実業家を目指す次世代幹部候補。SaaS BizDevを募集!」も同様だ。「ラクスル事業本部の中で、エンタープライズ事業部が進める新サービスをグロースさせるため、どんなことでもやる」といったかたちのポジションだ。
わかってきたのは、複数の事業本部の中で、さらに複数の事業が生まれ育ち、それぞれに責任者が置かれ、切磋琢磨して事業家を輩出していくというラクスルならではの環境。取締役COOの福島氏も2021年12月のインタビュー記事で「ラクスルはずっと、事業開発ができる人材を本気で求め続けています。今、25名くらいのBizDevがいるのですが、あと1年くらいで50名くらいに拡大したい」と語っていた。その実態が、求人から見えてきた。
まだまだ深掘りしたいところだが、続きは読者それぞれの調査にゆだねたい。FastGrowからは最後に、読者の学びを深めるためのリンクをいくつか紹介しよう。
FastGrowの記事
その他の記事など
メルカリ型
事業を非連続成長させるため、どんなことでもやる
次に紹介するのも日本を代表する上場ベンチャー。アメリカ進出も果たしているメルカリだ。ここでのBizDevの特徴はシンプル。事業やプロダクトの非連続成長を新たに実現させるため、どんなことでもやる、そういう存在になる。
FastGrowの読者なら、同社でBizDev部門立ち上げ責任者を務めた、現BCG Digital Venturesパートナーの小野直人氏(Twitterはこちら)や、社内のさまざまな事業でBizDevを務めてきた石川佑氏(取材記事はこちら)がすぐにイメージされるかもしれない。
メルカリは現在、BizDevという名称で求人を公開していない。なのでラクスルとは異なり、小野氏や石川氏といった人物たちの発言録から、解剖を試みる。
まずは石川氏がキャリアハックの記事で語っていた、ライブコマース関連のBizDev業務について見てみよう。
ゼロから事業をつくる経験ができたかなと思います。スキーム…といえば聞こえはいいですが、たとえば、規約の叩きをつくって法務と連携して詰めていったり、審査フローをかためていったり。そもそも参画いただく企業が1社も決まっていなかったので、一社ずつ代表や責任者の方にアポイントをいただき、商談機会をいただくところからやっていきました……(中略)……さまざまな企業を巻き込むからには、上場企業としても、個人としても、必ず成功させる。成功確度を高めていく動きを僕なりに学んだつもりですし、覚悟を持って走っています……(中略)……勝手に自分たちの頭で「できない」と思わないことは、結構大事なことかもしれません。まずは無邪気に相手に「こんなことできませんかね」と提案してみる。するとレスポンスがあって意外と糸口が見つかり、広がっていくこともあるのかなと思います。
また、メルロジでBizDevスペシャリストを務める李香玲(Xiangling Li)氏は、起承転結に整理して語った。
起:顧客価値の提供 BizDevは、戦略的提携やパートナーシップを構想・実行することで、事業グロースにコミットする役割だと思っています。どのような顧客課題や事業課題を解決すべきか、「今」やるべきことは何かの問いに対し、市場の動向や自社の状況を俯瞰しながら、定量・定性ファクトをもとに現状把握し、半年・1年後のビジョンを見据えた課題設定を行うことが大事だと思います。
承:言語化・定量化・三方良し サービスやパートナーシップを構想し、マネタイズかつ実行可能なスキームを考え、コストやP/Lへのインパクトを試算しながら、社内外関係者と円滑にプロジェクトを進めることが一通りの流れです。また、パートナー企業は、自社と同じビジョンや利害関係を共有しているとは限らないため、常にお客さま・パートナー・自社にとって三方良しになる交差点を見つけて、言語化・定量化の努力を惜しまず、先の絵をしっかりと示していくことが大事だと感じています。
転:ビジネスとして持続的に成立させる 協業はまずPoCから始まることが多いですが、何を検証したいか、本格展開に向けて何を検証したいかを明確にする必要があります。ニーズ・市場があったか(マーケット・ポテンシャル)、今より10倍に拡大しても持続運営可能なスキームか(コスト・オペレーション フィジビリティか)、出して終わりではなく、お客さまに価値を届け、ビジネスとして成り立たせる(ROIが見合わない場合はクローズするといったシビアな判断もできる)ことまでがBizDevの役名だと思います。
結:マイナスをゼロにしたその先、どんなビジョンを描くか マイナスをゼロにするためには、ロジカルにイシューを分解し、根本原因を特定すれば、誰でも一定の答えにた辿り着けると思います。しかし、BizDevの難しいところであり醍醐味でもあるところは、絶対の正解や標準解答がなく、どんな世界観を実現したいか、強い意志や発想力・想像力が問われることです。
同じくメルロジでBizDevを務める金愛理沙氏はこのように整理している。
・PdMの解決方法:機能やプロダクトの力で顧客課題を解決する
・BizDevの解決方法:社外のアライアンスやプロダクトの外のアセットを用いて顧客課題を解決する
一方、ソウゾウの一人目Business Developmentとなった原沙久良氏は、シンプルにこう語る。
Bizdevの業務内容は会社や業界によって異なりますが、一言で言うと「外部パートナーと手を組むことで事業を非連続成長させる」仕事です。
さらに、やや前の話にはなるが、小野氏の発言を追ってみよう。
プロデューサーとエンジニア、デザイナーたちがプロダクトを作る。それを支えるCS部門、財務/経理、法務、総務、人事/労務というコーポレート部門もいる。ミニマム、バイアブルなプロダクト、事業が回っている。が、何か足りないものが出てくる。
そういう足りない部分を見つけてそれを補うために、外部のリソースを引っ張ってきて、内部のそれと噛み合わせてプロダクトや事業を成長させるのがBizDevの役割だと思います。
メルカリに求められるBizDevの人材像を一言で表すならば「総合格闘家」だと思っています。普段のPM業務はもちろん、経営層とのコミュニケーションをとったり、社外パートナーと社内の開発陣同士の調整に入ったり…。会社の成長のために、上流から下流まで手を動かすのが求められる基本姿勢です。
ラクスルのような「新規事業を立ち上げ、グロースさせる責任を持つ」という部分も、ないわけではない。だが、より強く力点が置かれているのは別の箇所。「事業を非連続成長させる」ということなのではないだろうか。
ここで「外部パートナーと手を組む(原氏)」「外部のリソースを引っ張ってきて(小野氏)」という点に着目してしまってはおそらく、本質を見落とす。急成長を常に目指すスタートアップでは、連続成長など当たり前。BizDevと名乗るからには、今はまだ実現できていないジャンプアップを思い描き、前例のない取り組みを行うべき、そんな理想が感じられる。
ここでも参考リンクを置いて、さらなる研究は読者にゆだねようと思う。
FastGrowの記事
その他の記事など
10X型
パートナーの事業と、自社プラットフォームの価値を最大化する
3つ目は10X。その特徴は、パートナー企業の成長と、自社プラットフォーム(プロダクト)の価値最大化を、確実に両立させていくという点にある。
ラクスル・メルカリと比較すると企業フェーズはかなり若いと言えるが、代表取締役CEOの矢本真丈氏を始め、BizDevという仕事にこだわりを持つメンバー・組織となっている。矢本氏とラクスルの取締役COO福島広造氏とのPodcast対談は、現代BizDevについて語られる貴重な情報が満載なので、改めてチェックされたい(リンクは後述)。
さて、まずはラクスル同様に採用ページを見てみたい。なんと募集職種の一覧では、「BizDev」という言葉のつくものが6つもある(2022年8月31日現在)。事業規模で大きく上を行くラクスルが5つ(同じく2022年8月31日現在)だったことからも、そのこだわりがみえるのではないだろうか(求人を出し分ける基準は企業によって大きく異なるため、単純比較など不可能であるという前提での話にはなるが)。
さて、もう少し具体的に見てみるなかでは、大きく3つに分かれると捉えていいだろう。「ビジネス」「ローンチ&オペレーション」「グロース」だ。それぞれの定義を引用しよう。
10Xが提供するチェーンストアECの垂直立ち上げプラットフォーム「Stailer」の事業機会の最大化をミッションとし、案件組成から契約締結、Stailer導入のプロジェクトマネジメントまでパートナー企業の事業成功にPMO(Project Management Officer)としてコミットします。
また、会社のフロントに立つ立場として市場・業界を俯瞰し、新たなビジネスモデルの探索・検証・構築を担います。
事業推進にあたっては社内外のステークホルダーを巻き込む必要があるため、必要なチームを組成・マネジメントすること、また業務プロセス自体にフォードバックをかけ仕組み化し、チームとしてのスループット向上に取り組みます。
ローンチ&オペレーションでは、社内外のステークホルダーと連携してプロダクト・オペレーションに必要な要素を創り上げる事を通し、パートナー企業での「Stailer」の立ち上げを推進します。また、「Stailer」の立ち上げを通して、プロダクト、オペレーションを構築するプロセスの仕組み化・洗練する事を求めます。
BusinessDevelopmentのグロースチームは以下のような業務を通じ「事業価値 ≒ 10Xの粗利を創造・最大化すること」を仕事とします。一人で全業務をすべて担当するのではなく、チーム内外の適切なメンバーを巻き込みながらミッションを遂行していくこと、それぞれの役割の価値を適切につなぎ事業価値を創造することを求めます。
・10X内部の価値をパートナーへ届け、パートナーサクセスへ伴走
・顧客の声やデータを元にパートナーのGMV最大化に向けた施策を打ち続けること
・パートナー企業の現場メンバーおよびトップマネジメントとの信頼構築
・パートナーイシューの分析と言語化
・相互のゴールをアラインした事業計画の策定と落とし込み
・パートナー企業ごとの販促領域におけるプロジェクトマネジメント
整理しつくされた粒度での精緻な言語化が印象的だ。
一方で、これらすべてがBizDevだとした場合に、一言でまとめるのは困難だ……とも感じるのだが、おそらく共通する部分として抜き出すべきは、「Stailer」の事業機会を最大化し、かつ、パートナー企業の事業成功にコミットすること。そう言えるのではないだろうか。
この定義に対して、外部からあれこれと分析の言葉を並べるのは野暮なため、現場がどのように動いているのかを感じられるリンクを踏んで、読者自身で確かめていただきたい。なお、10Xのメンバーたちから発信されているコンテンツの数と種類が多岐にわたることもあり、紹介は一部にとどめる。
FastGrowの記事
その他の記事など
ベンチャー16社を、3類型に整理するとこうなる
さてここからは、BizDev採用を積極化しているその他のスタートアップについて、募集内容などから3類型への分類を進めてみたい。なお、BizDev表記だけでなく、事業開発表記も対象とした。日本国内すべての企業について確認することは不可能だったため、漏れがあった場合もご容赦いただきたい(※記載希望は別途ご連絡いただければ幸いです)。
結論から伝えると、以下のような分類ができた。
ラクスル型:新たな事業の立ち上げ・グロース責任者
マネーフォワード、Relic、HERP、Micoworks、シーユーシー、SkyDrive、AppBrew
メルカリ型:事業を非連続成長させるため、どんなことでもやる
モノグサ、UPSIDER、スマートバンク
10X型:パートナーの事業と、自社プラットフォームの価値を最大化する
hacomono、AI inside、AnyMind Group、グラファー、Gaudiy
それぞれ、より詳しく見ていこう。
ラクスル型は、以下の7社だ。
マネーフォワードは、「【Fintechサービス_新規事業責任者候補】社長室_東京」という募集で、「法人・個人、金融・非金融問わず、マネーフォワードがもつ、データ、テクノロジー、ノウハウ、既存事業ネットワークなどを最大限活用し、ユーザーにとって今までにない体験、利便性を提供することを目指します。結果として、非連続な成長を遂げる事業を創っていただきます」と掲げる。
Relicは、「事業企画/事業プロデューサー」という募集で、「新規事業開発やイノベーション創出支援を主導」と掲げる(詳細はこちらの記事などで)。
HERPは、「事業開発_オープンポジション」という募集で、「ミッションを実現する新規事業の創造、事業の飛躍的成長を推進する」と掲げる(詳細はこちらの記事などで)。
Micoworksは、「新規事業開発/推進(BizDev)」という募集で、「持続的成長に向けたBtoB SaaSの新規事業開発、戦略立案、目標設定等を行ない、各領域のチームリーダーと連携を取って新規事業を推進」と掲げる。
シーユーシー(CUC)は、「【ポジションサーチ/カジュアル面談】新規事業開発」という募集で、「「予防」「ヘルスケア」などをテーマとしたデータ領域ビジネスや、新興国における医療オペレーションの提供といったクロスボーダー領域にて、6つ程度の事業開発を行っています」と紹介する。
SkyDriveは、「事業開発/経営企画担当」の募集で、「世界を変える可能性がある当社の製品や事業。これらの製品、サービスを世に送り出し、事業として成立させるための戦略立案、企画、実行支援を担って頂きます」と掲げる。
AppBrewは、「BizDev・事業開発(責任者候補) [Product - Business Development]」という募集で、「国内最大級の美容プラットフォームを活かした新規ビジネスを最前線で牽引するポジションです。サービスのさらなる拡販のため、より多くのクライアントにサービスを活用いただくために、事業戦略・営業戦略の立案から携わっていただきます」と紹介する。
Meetyは、「BizDev」の募集で、「toC・toBそれぞれのグロース戦略の構築・実行」「生産性の高い、高収益なビジネスモデルの構築」と掲げる。
メルカリ型は、以下の3社。
モノグサは、「アライアンス推進・事業開発(Marketplace事業)」という募集で、「マーケットプレイスの戦略設計~アライアンスの推進を担っていただける企画」と謳う(詳細はこちらの記事などで)。
UPSIDERは、「【Business】Business Dev」という募集で、「UPSIDERカードに特化したBusiness Devポジションで、事業成長を牽引」と掲げる。
スマートバンクは、「BizDev(事業開発)」という募集で、「事業・サービスの企画立案から実行推進を一貫して担っていただくポジションとなります。市場環境・顧客課題・法規制の動向などを理解した上で、事業機会を特定し、どのような価値・サービスを顧客に届けるのか、それをどのように実現するのかを企画し、内部・外部のステークホルダーと連携しながら総合的に推進」と掲げる。
10X型は、以下の5社。
hacomonoは、「[BizDev]プロジェクトマネージャー」という募集で、「会員・予約システム『hacomono』に関連した、業界大手企業様への導入プロジェクト・新業態へのパイロットプロジェクト・事業価値向上を目的とした他社サービスとのアライアンスプロジェクトなどをプロジェクトマネージャーとして推進」と紹介する(詳細はこちらの記事などで)。
AI insideは、「パートナーセールス(アライアンス)」という募集で、「『AI SaaSからAIプラットフォームへの転換』の実現に向け、重点パートナー企業における事業開発支援、大型アライアンス立ち上げに向けた提案活動を担当」と紹介(詳細はこちらの記事などで)。
AnyMind Groupは、Business Development分類の「Brand Growth, D2C Solutions」という募集で、「メーカー側の更なるブランド拡大に向けて、OMO戦略(Online Merges with Offline)を通じたブランドの拡大」を担うと掲げる。
グラファーは「Business Development」という募集、で、「自治体を中心とする行政機関および民間企業を対象に、サービスの市場投入及びグロースを担当します。顧客折衝を行いながら、サービスの最適な使われ方の検証や制約条件の確認、価格設定、優良事例の創出、プロダクト開発・改善につながる社内フィードバックなどを行います」と紹介(詳細はこちらの記事などで)。
Gaudiyは、「ビジネスデベロップメント(BizDev)」という募集で、「ステークホルダーが多く、複雑な構造をもつエンタメコンテンツ業界において、パートナー企業らのイシューを適切に把握し、プロジェクトマネジメントを行いながら事業価値を高めるビジネスデベロップメント(BizDev)を担う」と掲げる。
また、どの型にも当てはまらないものとして、エムスリーの例を記載する。「ビジネスデベロップメント」という募集で、「大変革期を迎えている製薬企業の営業マーケティング活動のDX化を推進いただきます。担当クライアントの課題を把握、エムスリーの持つ各種プロモーションツールも活用しながらクライアント製品のプロモーションのマーケティング戦略立案~企画提案~実行までをプロジェクトマネジメントしながらリードいただきます」と掲げる。
企業ごとに、明らかに異なる期待役割
求人を軸に見てきたが、いかがだっただろうか。意外な驚きや発見はあっただろうか。
間違いなく言えるのは、このBizDev(事業開発)という仕事を担う人材の活躍が、日本のスタートアップエコシステムをしっかりと発展させることに大きく寄与するであろうこと。そのためにも、より多くの企業とビジネスパーソンが、解像度を高め、BizDev(事業開発)にチャレンジする機会を増やしていきたい。
もちろん、さらなる分析と探究が必要だ。引き続き、検討と制作を進めていく。
▼測りづらい事業開発力を5分で可視化するオンライン診断
こちらの記事は2022年08月31日に公開しており、
記載されている情報が現在と異なる場合がございます。
おすすめの関連記事
アセットの最適活用を描き、新規事業の現場まで入り込む──ネクストビートの経営企画は、なぜここまでやるのか?その理由を大木氏・荻谷氏に聞く
- 株式会社ネクストビート CSO(Chief Strategy Officer)
実はポジションや機会が豊富?──20代に今伝えたい、BizDev挑戦環境があるベンチャー特集・5選
「経営とマーケティングのプロになるならECを学べ」──国内Eコマース支援の最大手いつも.CEO坂本とP&Gジャパンによる、“新マーケティング談義”
- 株式会社いつも 代表取締役社長
【トレンド研究】外国人材紹介事業──TAMは今の4倍超へ。HR産業の最後のブルーオーシャンがここに?
現役BizDevに聞いた「オススメ書籍」Vol.03──5名から計9冊をご紹介
真のユーザーファーストが、日本にはまだなかったのでは?──「BtoBプロダクトの限界」に向き合い悩んだHERP庄田氏の、“人生の時間”を解き放つコンパウンドHR戦略
- 株式会社HERP 代表取締役
ダイニーが目指す“外食×IT”での日本経済の再興──元アクセンチュア、ラクスル、10X松本氏に学ぶ、型破りな事業開発手法
- 株式会社ダイニー ファイナンス事業本部 本部長
「もはやシニア“も”含めた戦略が必須の時代に」──シニアDXで大手との協業多数。オースタンス主催の国内最大級カンファレンス“AEC2024”とは
- 株式会社オースタンス 代表取締役社長