INTERVIEW
鶴岡 裕太 藤川 真一
17-12-27-Wed

「価値の交換をシンプルに」
BASE鶴岡と藤川の異世代タッグが引き寄せる“便利な未来”

TEXT BY FastGrow Editorial
PHOTO BY YUTA KOMA
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若き起業家と経験あるCTOの盤石な経営チーム

BASEの設立は2012年。鶴岡と藤川は以前から面識があったが、設立前後の頃は、藤川は技術顧問として週1日社内に足を運んでアドバイスする立場にあっただけだという。

鶴岡もともとは、(BASEの社外取締役である)家入さんが作ったLivertyという組織で出会いました。その後、決済というものと切っても切り離せないサービスを作ることになり、気を付けるべき点や実用的な方法などに関してアドバイスいただくようになったんです。でも週1日なので、会社として今後どうすればいいかまでは相談する時間はゼロ。創業数か月前から創業1年半くらいまではそういう関係でした。

それに対して藤川は当時、自身の会社でアプリ開発をしながら、ツイキャスを運営するモイにも所属、さらには大学院生でもあるという多忙な時期。それと並行してBASEの技術顧問も務めていた。

藤川自分も忙しい時期だったのでたまにしか会わなかったんですが、トラブルが起きたときに冷静に対処してる鶴岡の姿を見て、若いのによく乗り切るな、すごいなと思っていました。

そこからなぜ、藤川は取締役としてBASEにジョインすることになったのか。それを「CTOに打診してもらったから」とさらりと答えるのもまた、藤川らしい。

藤川CTOって誰かに認められてなれるものだから自分の意志だけではなれないじゃないですか。レアな機会だしやってみようかなと思って引き受けることを決意しました。

そう決意した藤川だが、一方で、鶴岡をはじめとする若手メンバーが多いことに対して最初は戸惑いもあったという。

藤川ほとんど20代前半のメンバーの中に一回りも二回りも違う自分が入るのはきつかったんですけど、大人が入るのも組織の未来にとってはいいかなと思って。世代を越えて新しいチャレンジを促進したい、という想いも、若い組織であったBASEのCTO就任を後押ししたのは事実です。

当時BASEは、会社自体もエンジニアメンバーも若い状態。しっかりとした実績や経験があり、組織やメンバーを引っ張っていける人がいなければ、長期的な組織拡大は厳しいなと鶴岡も考えていた。

藤川良いサービスを作るだけじゃなく、いい人材も育てるためには藤川の力が必要だった。

そんな経緯があるからこそ、藤川はCTO就任後もコードは一切書かず、開発組織全体を統括することに徹している。

藤川マネジメントに専念しますという宣言ですね。技術的な投資や判断はしますけど、もう私はプレイヤーではありません。社内のエンジニアからすると、コードは書きませんって宣言されると私とどう向き合えばいいのか、どう付き合えばいいのかわからない部分もあるかと思います。

でも、BASEを支える技術的な部分はしっかり理解してるし、他社での経験もあるから安心してなんでも訊いてください、と。自分で素早く開発する力ではなく、困ったときに頼れる人としての信頼を得られなければ、CTOとしてやっていけないですから。

実際に手を動かしていなければ開発現場の全てを理解するのは難しそうであるが、「先回りでソースコードを読み解いて課題の原因を特定するのは得意」と藤川は言う。

事実、エンジニアメンバーが藤川のそうした行動を目の当たりし、起きそうな問題を回避できたことで「若手開発陣からの信頼を得られた」と自身が実感したタイミングもあった。

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ミッション実現のため迷うこと無く“ピュレカ”を子会社に

両者エンジニア出身の鶴岡、藤川の2人は、経営を共に担うメンバーとしても相性が良い。2014年末、BASEがオンライン決済サービス「ピュレカ」を買収したときは、まさにそれを証明する1つのエピソードだ。

現在は「PAY.JP」として運営している同サービスであるが、買収検討を2人で行ったとき、お互いの気持ちにズレはなかった。

鶴岡ピュレカがどんなことをやっているかはもちろん知っていましたが、買収前にもプロダクトはほとんど見なかったし、ソースコードも少し見ただけ。そこに居る(当時)2人のメンバーの醸し出す雰囲気が良かったから、一緒にやりたいと思ったんです。

会社を見に行った帰り道、藤川も同じ意見だったので、全く迷いはありませんでした。彼らの理想を形にするために、BASEが持ってる開発リソースやショップ情報、トランザクションなど、活用できるものは全部使ってピュレカをパワーアップしたいと思ったんです。

経営や開発の大先輩である藤川も、そう話す鶴岡を目の前に、「BASEの環境を活かして夢を成就できるとなれば、ピュレカメンバーも心強かったと思いますよ」と当時を振り返った。

しかしなぜ、鶴岡はそこまで決済サービスであるピュレカに注目していたのだろうか。

鶴岡オンライン決済サービスはBASE発展の延長線上になくてはならない事業でした。ですが、BASE本体ではまだまだ他にやるべきことがある状態だった。

自分たちで決済サービスを開発するには時間が足りなかったときに、ピュレカのチームに出会えた。本当に運が良かったと思う一方、なにか必然なのではないかという想いもありました。

この買収をきっかけに、「価値の交換をシンプルに」というミッション実現を加速できる体制も整っていった。

現状のBASEはネットショップ作成サービスやショッピングアプリが主なサービスだが、自社を“コマースの会社”と定義しているわけではない。鶴岡も藤川も、世の中に求められているサービスや機能があるのであれば、時代の変化に適応しながら答えていく姿勢を見せている。

鶴岡インターネットを活用することで、リアル店舗を持てずにいる事業者の方々をどうやって支援していくか、というのが大きなテーマ。例えばBASEでオンラインショップを作るとオフラインにもお店が持てる、という世界観があってもいいし、リアル店舗を作るときにBASEから店舗開設資金を借りられるシステムがあってもいいかもしれません。

直近で注力しているのは、売上が伸び悩んでいるBASEユーザーの飛躍を支援するツール開発だ。

鶴岡特定の加盟店のみが恩恵を感じられるのではなく、すべてのBASEユーザーが抱えている課題の解決につながるようなエコシステムを目指している。

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BASEのためにもPHPを盛り上げたい

一方のCTO藤川は今後の目標について、BASEの更なる発展のためにも「PHP離れを防ぐこと」だと明かした。

藤川最近若い人がPHP離れしていますが、BASE社がPHPを盛り上げたいなと思っています。プログラミング言語のトレンドは日々変化し続ける世の中において、自分たちのサービスを支える技術のレガシー化を防ぎたいんです。

流行言語に若者が流れてしまうから、Googleにせよフェイスブックにせよ、大成功してるウェブ系企業って自分たちで言語を創ってしまうんですよね。だけど、5年、10年と動き続けるサービスを担うエンジニアがいなくなってしまうのは問題です。

このような“言語の流行り廃り”という壁を超え、優秀なエンジニアによってBASEのようなサービスを支え続けるために、PHPという言語自体を盛り上げていくことに挑戦したいんです。

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“便利な未来”は必ず実現する

若き起業家を代表する存在として、「一部の人ではなく万人に使われるサービスを創りたい」と話す鶴岡に、BASEのような構想をどのように発想し、これから何を目指すのかと訊いてみた。

鶴岡こういう風になったら便利だよねと人が考えることは、基本的には全部実現すると思っています。世界中どこにいても家族と簡単に連絡を取れたほうが便利だし、日本でしか使えないお金と世界中で使えるお金のどちらが便利かと聞かれたら後者の方が使いやすい。

現実になるのが5年後なのか10年後なのか、という違いだけで、人々が描く“便利な未来”は現実になっていきます。その中でBASEができることは、インターネットを駆使して、世界中の人々が最適な経済活動を行える社会を創っていくことです。

藤川も「これからは自分より下の世代が新しい世界を創り上げる時代だ」と胸中を明かした。

藤川私がこれからできることは、これまで培った知識や経験で、若い世代に足りないものを補完すること。それができたら私も嬉しいし、そのような世代間の連鎖が生まれれば、社会全体をもっと活性化できると思っています。

「若い世代の力になれたら嬉しい」。藤川がこの言葉を口にするとき、まず思い浮かぶのは鶴岡なのだろう。話を訊いているこちらがそう思えるような関係を築き上げてきた2人。

今後も世代を越えた二人三脚で、“価値の交換をシンプルに”する前人未到の挑戦を続けていくはずだ。

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BASE株式会社 CEO 鶴岡 裕太 BASE株式会社 CTO 藤川 真一
[文]FastGrow編集部
[撮影]小間 優太

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