連載ユナイテッド株式会社

【実は誤解だらけ!】意外と知られていない“あの成長企業”の実態をFastGrowが徹底解剖〜事業家育成集団「ユナイテッド」編〜

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「あの企業、成長し続けているし優秀な人材が集まっていることは見聞きするが、いったい何の会社なんだ?」。

読者もこうした疑問を抱いたことはないだろうか?

会社として伸び続けているものの、事業は多岐にわたる。そしてその事業も、時代や社会の変化に応じて変わり続ける。

そこには、どんな経営方針が敷かれているのか──、その中を覗いてみたくはないだろうか。

そんな読者の興味関心にお応えすべく、本テーマにおいてこれ以上ないと言える企業を紹介したい。

その名も、ユナイテッド

これまでFastGrowで永きにわたって取り上げてきた、インターネット業界を代表する成長企業の一角だ。

「ユナイテッドといえば、投資会社か、アドテクの会社?それとも」。

と疑問が浮かんだ読者こそ打ってつけだ。今日、この記事を通じてその全貌を知ることができるだろう。そして、なぜ同社では事業家人材が育つのかの秘訣も──。

また、実は本記事を10記事目の完結編として、これまで連載形式でユナイテッドの事業詳細や、そこで活躍する事業家人材を紹介してきた。ここまで連載をおいかけてきてくれた読者にとっても、今回はその総まとめとして楽しんでもらえる内容となっている。

起業家・経営者は、ユナイテッドのポートフォリオ経営の真髄や、事業家人材育成の参考に。そして若手ビジネスパーソンは、同社で得られる事業家キャリア、その挑戦機会をとくとご覧あれ。

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時代・社会変化に合わせてその姿形を変える、事業ポートフォリオ経営。ユナイテッドの変遷に迫る

現行のユナイテッドの姿を正しく掴むべく、まずは今日に至るまでの進化の過程を振り返りたい。

ご覧の通り、同社の起源は1990年代後半のITブーム期に誕生し、数々の合併を経て成長してきた。大きく分けて、2000年代は〜モバイル広告事業、そして投資事業に力を入れ、2010年代からはtoCプロダクトの展開にも乗り出す。

特筆すべきは、投資で言えばメルカリやミクシィ、gumi、delyなどを筆頭に、FastGrow読者も馴染みのある急成長ベンチャーたちに早期から注目していたことだろう。連載の中で、ユナイテッド代表の早川氏と、投資先であるサイバー・バズ代表の髙村氏による投資対談も行ったが、数々の急成長ベンチャーの飛躍の裏にはユナイテッドの下支えがあったのだ。

また、今となっては懐かしさすら覚えるWEBサービスや、著名アプリ/ゲームタイトルの展開も行っており、『CocoPPa』においては全世界6,000万超ダウンロードという大ヒット作となった。

読者の中には「あのサービス、ユナイテッドが提供していたのか…」と初めて気づく者もいるかもしれない。これらを見るに、いかにユナイテッドがインターネット業界で幅広い事業展開をしてきたのかが分かるだろう。

さて、そして話は飛ぶが、下記の図が2023年現在のユナイテッドの姿だ。

まだFastGrowの9連載記事を読んでいない読者からすると、「教育?人材マッチング?」とその変貌ぶりに驚いているのではないだろうか。

これこそがユナイテッドのユニークネスと言える、時代・社会変化に合わせてその姿形を変える、事業ポートフォリオ経営の真髄だ。

「なぜ?なんのために?」

「どんなミッションからこの事業ポートフォリオになったんだ?」

その根幹をなすのが、2022年4月に設定された、ユナイテッドのパーパス。ここに懸ける想いやその制定背景を知ることで、同社の経営スタイルもより深く理解できることだろう。

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ポートフォリオ経営の根幹となるパーパス制定と、3つのコア事業

前述の通り、ユナイテッドは2022年4月に“パーパス”を制定し、それに併せて全社として注力する事業を新たに「投資」「教育」「人材マッチング」の3つに定める方向に舵を切った。

成長するインターネット産業と共に歩みを進め、勃興し続けるトレンドを逃すことなく成長を遂げてきた同社がなぜ、パーパスを必要としたのか。

同社の代表取締役兼執行役員である金子 陽三氏への独占インタビューにその詳細が掲載されているため、本稿ではその要点を簡潔にまとめてみる。

パーパス策定の背景

  • 市場環境の変化

ユナイテッドが合併設立してからちょうど10年。インターネット環境も成熟を迎えたことで、これまでのように「まず挑戦してみる、試行錯誤しながら正解を見つけていく」といったやり方だけが正しいマーケットではなくなった。

  • 明確な指針の必要性

今後も継続的に成長していくための支柱となる「現代に即した会社としての指針」が必要であった。

パーパス策定の際に考慮しなければならなかったこと(制約条件)

  • ミッションやビジョンの“焼き直し”ではいけない

ユナイテッドは設立10年が経ち、新しいステージに入っていかなければならない状況。 組織としてのステージをもう一段引き上げるためには、ミッション・ビジョンの再策定ではなく、あらためて、自分たちが社会に存在する意味はなにか、自分たちの存在意義を示す必要があった。

  • 自らがワクワクする瞬間を追求

何かに対して人がチャレンジしている瞬間、その人たちの自己実現を応援したりする瞬間、あるいは自己実現に向かって頑張っている人がそのプロセスを通じて成長している瞬間を「見届ける」ことが、ユナイテッドにとって「もっとも熱くなれること」ではないかという想い。

  • 加速度的に変化する世の中への不安

時代・社会変化の速度が増し、未来予想が難しくなる不安からどうしても短期的視野や自己中心的な思考が広がっているという課題意識。

  • 善意の循環を促す社会の構築

「自己実現」のプロセスこそ、人々は自信を獲得し、利他的な思いを育むことができる。そんな善意の循環を促す社会の構築を目指し、個々の自己実現を支援する役割を果たすことに注力したい。

こうした背景のもと生み出されたパーパスが、「意志の力を最大化し、社会の善進を加速する。」というものであった。

これはユナイテッドが個人や事業/企業の自己実現を支援し、その波が社会全体に波及するエコシステムを構築するという意志を示している。

また、section1の会社設立の経緯からもわかる通り、ユナイテッドは「〇〇という特定の事業がやりたい」と集まってできた会社ではない。どちらかといえば、「色んな事業をやっていきたい」「一つの事業に縛られないからこそ価値がある」といった思考に賛同した人が集まっている。

ではなぜ、「投資事業」、「教育事業」、「人材マッチング事業」という3つの事業がコア事業と定義されたのだろうか。

前提条件

  • その事業に取り組む意義

企業は規模が大きくなるに連れて、社会的な責任が大きくなるもの。特に「企業の存在意義」が強く問われている現代だからこそ、その事業に取り組む意義を明確に定める必要がある。

  • パーパスとの接続

事業としてトレンドを追うことも重要である一方、そこに乗っかるだけというような事業経営の仕方では目先の利益に追われ、長期的なビジョンを見失うことに繋がり、パーパスを定めた意味がない。

  • 上場企業として成長を続ける

上場企業としてのユナイテッドは、社会、投資家、そして全てのステークホルダーに対し、絶えず成長を続けるという責務を負っている。

上記の前提条件を踏まえると、ユナイテッドがこれまで積み上げてきた経営資源とアセットといった強みを生かして事業成長を希求しながらも、その事業に取り組む意義を明確に、かつ目先の利益に囚われず、パーパスに則った事業をコア事業として定める必要があったのだ。

教育事業、人材マッチング事業、投資事業という3つのコア事業とパーパスとの接続、そしてその事業に取り組む意義も明らかにしたい。

自社の強みとパーパスの繋がり、それぞれの事業の取り組む意義

  • 投資事業

アセット:ユナイテッドの事業の主軸で実績も豊富。
パーパスとの接続:「意志ある事業に、資金とノウハウを」という部分に合致。
取り組む意義:意志ある起業家に資金とノウハウを提供し、 スタートアップの成功確率を高める。

  • 教育事業

アセット:これまで事業を運営してきた経験がある。
パーパスとの接続:「意志ある人に、知恵と機会を。」という部分に合致。
取り組む意義:意志ある人に成長環境を提供し、 自己実現へ向かい続ける人と機会で、社会を満たす。

  • 人材マッチング事業

アセット:投資事業と教育事業をさらに活かすため、いわば掛橋のような存在として「人材マッチング事業」を定めた。
パーパスとの接続:「意志ある人に、知恵と機会を。」という部分に合致。
取り組む意義:意志ある人と意志ある事業の出会いの創出。

「教育事業」により意志ある人に“知恵”を提供し、「人材マッチング事業」を通じて、その人々に“機会”を与える。そして、「投資事業」を通じて意志ある事業に資金とノウハウを提供するとともに、意志ある人の活躍機会も提供する。この3つの事業が循環することで、成長が加速し、社会をより豊かにしていくことができるのだ。

次章からは、3つのコア事業について詳細を見ていく。まずは投資事業からだ。

パーパス制定やコア事業設定の詳細はコチラ

「堅牢な指針と、柔軟な事業ポートフォリオで挑め」──ユナイテッド・金子氏に訊く、不確実な時代を生き抜くパーパス経営と3つのコア事業戦略とは

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第1のコア事業「投資」
〜意志ある企業に、資金とノウハウを〜

ユナイテッドの投資事業の特徴、それを一言で表すとするなら「VC・CVCではくくれない唯一無二の存在」と言えよう。

何故なら、ファンドの制約に縛られるVC、本体事業とのシナジーを目的とするCVC、そのどちらとも似つかない投資スタイル、いや両方の良いとこ取りをしながら独自の事業モデルを組んでいるのがこのユナイテッドという組織だからだ。

独立系VCと同様にキャピタルゲインを主目的としつつも、ファンドの制約(償還期限や投資対象の線引きなど)はなく、柔軟かつスピーディな意思決定ができる。また、事業会社としてCVCのような形態をとりつつも、事業シナジーの有無を問わない純投資、すなわち同社のパーパスに合致する、社会の“善進”を加速する人や事業に投資を行っているのが特徴だ。

自らがスタートアップに直接投資を行うばかりならず、FastGrowでもお馴染みの、XTech Ventures、WiL、インキュベイトファンドを始めとした多数の外部ファンドへのLP出資を実施しているのがユナイテッドの投資におけるユニークネスと言えるだろう。

これにより、純粋な運用益の計上を見込むとともに、 新規投資案件のソーシング先として、1,000社以上のスタートアップへリーチが可能となっている。

そしてここで、『ユナイテッドが「VC・CVCではくくれない」とは?』と感じる読者のために、一般的なVC・CVCとの比較図を作成してみた。

もちろん、これらは決して優劣を表すものではなく、投資スタイルの違いを整理したに過ぎない。起業家の視点に立ってみれば、特定のテーマに特化した独立系VCの投資スタイルに合致する場合もあれば、事業間シナジーの高さからCVCに適している場合もある。

しかし、上述した投資スタイルの違いを考慮してもなお、起業家は、ユナイテッドからの出資を一考すべきとFastGrowは考える。その理由こそユナイテッドの投資事業本部が持つ4つの強みだ。順番に説明していこう。

ユナイテッドの投資が魅力的な4つの理由

(1)豊富な実績

20年以上に渡りスタートアップへ企業へ投資を行い、投資先企業の成長・EXITに寄り添ってきた実績

(2)自己資金での投資実行

自己資金のみで投資を行うことで、柔軟かつスピーディな意思決定が可能となる

  • チケットサイズ(1回の投資金額)の柔軟さ

ポストシードやプレシリーズAでは平均2,000~3,000万円から、リード投資の場合等は1 億円程度まで。

  • 事業ステージの柔軟さ

シード・アーリーステージへの投資が中心であるものの、ミドルステージ以降でも1億~数億円単位での投資実績があり。

  • EXITまでの期間の柔軟さ

自己資金であるが故に、ファンドの償還期限がなく、事業成長に比較的時間が掛かる企業へも投資可能。

  • スピーディーな意思決定が可能

決議についても、投資委員会を原則毎週、少額投資の場合は都度開催できるようにしており、スピーディーな意思決定が可能。

(3)事業会社としての知見

様々な自社事業の開発を行ってきた経験 / 実績を活かした投資実行、ハンズオン支援が可能だ。中でも、戦略コンサルティングファーム出身のメンバーを中心としたハンズオン支援部隊「投資先支援組織UVS」からの手厚いハンズオン支援が受けられることは魅力的だろう。

(4)起業家ファーストなキャピタリスト達

ユナイテッドの投資事業本部は、代表の早川氏を筆頭とする経験豊富なキャピタリストが在籍している。また、ただの投資家という立場ではなく、起業家を力強く支えるパートナーとして存在するという姿勢が垣間見える。

「ユナイテッドがいるから大丈夫」と思わせる安心感と信頼感。まるで、一緒に劇を創り上げる劇団の一員のように、共に喜びも悲しみも分かち合う。このような信念が、ユナイテッドのキャピタリストに浸透しているのだ。投資家、起業家という利害を超越した真のパートナーの存在は、起業家のいかなる窮地にも手を差し伸べるだろう。

事実ユナイテッドによって窮地を脱した企業は多い。ほんの一例に過ぎないが、ここでは3社の事例を取り上げたい。

  • ventus

スポーツ・エンタメ領域でファンビジネスを展開するスタートアップ。 経済的合理性が少なく、不確実性も高い、また再現性もない。多くのVCから、「事業の成長性が見えない」と資金調達に苦労していたventusの窮地を救った。

もはやVC・CVCではくくれない!?──ユナイテッド×ventusに学ぶ、ハンズオン支援のリアル

  • バイオフィリア

ペットフード事業を展開するバイオフィリア。シリーズAにふさわしいレベルのトラクションにまでは到達しきれていなかった同社は、なんとか事業を前進させるため、プレシリーズAラウンドの資金調達に奔走していた。しかし、4ヶ月にわたって数十社にも及ぶ投資家から支援を見送られる中、最後に残ったのがユナイテッドだったのだ。

これまで誰も見向きもしなかったバイオフィリアの事業ポテンシャルを見抜いたユナイテッドは、プレシリーズAでリード投資家としてコミットを表明。それにより、他の投資家からも続々と投資判断が下され、事業はV字回復。主力サービス『ココグルメ』の会員数は10万人を突破。また年商は約14億円と競合の倍以上の売上を誇り、まさに名実ともに国内トップシェアの地位を獲得するブランドにまで成長を遂げた。まさに窮地を救ったのだ。

V字回復の裏に、ユナイテッドあり──数多のVCが「No」を出す中、大躍進したバイオフィリア。その苦悩と成長の軌跡

  • サイバーバズ

元はサイバーエージェントの100%子会社からスタートしているサイバー・バズ。上場に向けて苦労したというのが、“株式の異動”だった。バリュエーションを高くして調達する訳ではなく、サイバー・バズの株を持ってもらうため、どの株主に株を譲り渡すべきか、慎重に議論を進めなければならなかった。

一方で、上場申請を行うまでに残された猶予は少なく、一刻も早く株主を見つけなければならない。しかし、投資は信頼に足りうる人にしか頼ることはできない。そんな状況の中で、助け舟を出したのが早川氏率いるユナイテッドであった。

上場の舞台裏、窮地を救ったのは20年重ねた信頼と実績──IT界の両雄ユナイテッド早川×サイバー・バズ髙村で語る、“投資家”と“経営者”の域を超えたパートナーシップ論

投資事業についての詳細はコチラ

もはやVC・CVCではくくれない!?──ユナイテッド×ventusに学ぶ、ハンズオン支援のリアル

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第2、第3のコア事業「教育」と「人材マッチング」
〜意志ある人に、知恵と機会を〜

2つめのコア事業は、教育事業。

牽引するのはグループ会社のキラメックスが提供している『テックアカデミー』だ。プログラミング、Webデザイン、マーケティング、統計など50種類以上の多様なカリキュラムを提供することで、今後の社会で求められるスキルを重視したデジタル人材の育成・輩出に取り組んでいる。

また、今年度に入って、ChatGPTを代表とする大規模言語モデルの本質を学び、生成 AIを実務で活かすことができる人材を育成するための「はじめてのプロンプトエンジニアリングコース」を開講。変化の激しいテクノロジー領域において、その変化に応じた事業やサービスの展開も進めている。

副業や自己啓発の勃興とともに、競争の激化するオンラインスクール市場。そのなかでも「テックアカデミー」は三つの差別化ポイントを掲げ、独自の地位を築いている。

一つ目が「双方向型」の学習体験を提供していることだ。一方向型授業が主流な中で、生徒の問いに講師が即座に回答するという新しい形を実現。これにより深い理解と学習の継続が可能となるのだ。

また、二つ目の差別化ポイントが「質の高いメンター」の存在だ。全員が厳選された現役エンジニアで、実務経験豊富な彼らがマンツーマンでサポートする。生徒はこれらのプロのサポートを通じて自身の未来をイメージしながら学ぶことができ、その結果利用継続率の向上につながっている。

さらに三つ目の特徴として、「実務機会の提供」が挙げられる。テックアカデミーの卒業生はメンターと共同で実践経験を積む機会が提供され、学習だけでなく、キャリアシフトや変革のための実践経験を得ることが可能となるのだ。

スクールでの“学習”と実際に現場で“自立”することには大きな隔たりがあると言われている中、両者を橋渡しすることで、加熱するオンラインスクール市場で一歩抜きん出る存在を築いているのだ。

詳細はこちら

「優秀さ」だけの事業家はコモディティ化する──33歳にしてユナイテッド取締役/キラメックス代表を兼務する樋口氏が感じる、これからの事業家に求められる「ユニークネス」とは

そして3つめのコア事業「人材マッチング事業」である。この事業の強みを一言でいうとすれば、“提供できる人材やサービスの多様性”であろう。ある特定職種において人材と企業をマッチングさせるという領域特化型のモデルではない。

それを象徴するのが、ユナイテッドの「人材マッチング事業」におけるポートフォリオだ。

これらの企業は全てユナイテッドが人材マッチング事業を拡大すべく、M&Aを経てグループインした企業である。

積極的にM&Aを仕掛けるユナイテッド。その狙いこそが、企業の成長フェーズや主要事業に対応した人材リソースの最適な提供だ。一時的に業務委託を求める企業から、次の年には正社員の増員を希望する企業まで、企業やフェーズのニーズに対応し、最良の人材マッチングを実現することをユナイテッドの目標としている。

そう、勘のいい読者は既にお気づきだろうが、先ほど「人材マッチング事業」とは「投資事業」と「教育事業」をさらに活かすため、いわば掛橋のような存在であると紹介した理由がここにある。

「人材マッチング事業」⇄「教育事業」

「人材マッチング事業」では人材の需給状況をリアルタイムで把握することができる。何が社会で求められているのか、どんな能力が価値を持つのかという貴重なデータはそのまま「教育事業」のカリキュラム開発に活用され、両方向からのシナジー効果が期待できるのだ。

「人材マッチング事業」⇄「投資事業」

「投資事業」において「UVS(ユナイテッドベンチャーサクセス)」が投資先企業を支援していることは先ほどもご紹介した通り。その際、UVSが持つ知見だけでなく、「人材マッチング事業」が持つ人材プールも積極的に活用することで、よりハンズオン支援の幅が広がるのだ。

積極的なM&Aにより「人材マッチング事業」のポートフォリオを拡充。それが「投資事業」の投資先の成長に還元され、コア事業全体の成長に繋がる。このようなコア事業同士のシナジーや循環を通じて社会の善進を加速させていくのがユナイテッドの狙いだ。

そして、この三つの領域の有機的な組み合わせこそが、ユナイテッドのユニークかつ強固なビジネスエコシステムの構築に大きく寄与しているのだ。

人材マッチング事業や教育事業の詳細はコチラ

「堅牢な指針と、柔軟な事業ポートフォリオで挑め」──ユナイテッド・金子氏に訊く、不確実な時代を生き抜くパーパス経営と3つのコア事業戦略とは

事業は「詳しい」より「やりたい」奴に任せるべし──“意志ある人”に知恵と機会を与えるユナイテッド、M&A後の事業統括は全て若手が担う!?

「優秀さ」だけの事業家はコモディティ化する──33歳にしてユナイテッド取締役/キラメックス代表を兼務する樋口氏が感じる、これからの事業家に求められる「ユニークネス」とは

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ユナイテッドで事業家が育つ所以は、徹底的な挑戦機会の提供にあり

ここまで、ユナイテッドのコア事業の概要やビジネスモデル、その優位性など、主に事業観点からその全貌を解き明かしてきた。

しかし、ユナイテッドという企業を語る上で外せないのは、その人材育成論と、その仕組みである。事実、未経験からでは育成が難しいとされている若手キャピタリストを多数輩出している。

また、新卒2〜3年目から自社のグループ企業のM&AやPMIを任され、事業責任者を務めるほどの若手人材の育成事例が目立つ。さらに驚くべきは、入社した若手全員に同様の機会が与えられているということだ。

そこで、ユナイテッドの経営陣が発する人材育成論と、若手事業家を輩出する仕組みに着目し、次章ではその具体例についても触れていく。

初めに注目するのは若手キャピタリスト育成だ。ユナイテッドには「未経験新卒キャピタリスト」が存在している。ソーシングから投資の実行、サポート、財務・リーガル・資本政策・事業計画と、やるべきことが山ほどあるため、未経験からのキャピタリスト育成は困難を極める。しかし、そんな困難などどこ吹く風か、中途・新卒を問わず若手キャピタリストの育成に乗り出しているのだ。

過去のFastGrowの取材により明らかにされたユナイテッド流 キャピタリスト育成の流儀6箇条をご覧あれ。

ユナイテッド流 キャピタリスト育成の流儀

その1
「Day1から現場でアウトプット、座学では網羅的にインプット」の高速回転で独り立ちすべし

その2
Day1からでもソーシングに取り掛かるべし

その3
若手の才能が花開く場所を見極めるべし

その4
“好き”と“興味”を支援のエネルギーに変えるべし

その5
大規模なアセットをフル活用して起業家支援に挑むべし

その6
バリューはチームで生み出すべし

その詳細については以下の記事に譲るが、「明確な目標はまだない。でも、成長はしたい」。そんな欲張りな志向を持つ若手ビジネスパーソン、もしくは学生にとってぜひ一読の価値がある内容だ。

もちろん、キャピタリストは、誰でも簡単になれる仕事ではない。生きるか死ぬかで取り組んでいる起業家に対峙して、どうやってバリューを出すのかを考える仕事であり、時には、自分の背丈に見合わないほどの難題にぶつかる機会があるだろう。

しかし、ユナイテッドには歴史ある事業ノウハウと、若手の育成に拘り抜いた育成環境、そして自由度の高い挑戦の機会が用意されている。ここで様々なステークホルダーに揉まれ、挑戦を繰り返していけば、ビジネスパーソンとしての成長サイクルは何倍にも早められる。

片木 慎也 投資事業本部 キャピタリスト

日々、起業家や社内の経験あるメンバーと一緒に仕事を重ねることで、確実に自分のスキルアップに繋がっている実感が得られています。そして、それ以上に社会的意義を感じながら仕事に取り組めていますね。

スタートアップは社会課題を解決したり、世の中を善くしようとする企業ばかりです。そして、そこで働く人々の熱量たるや、凄まじいものがあります。その熱量に触れ自分自身もモチベートされますし、スタートアップを応援することで間接的に社会課題を解決していくことにも繋がる。非常にやりがいを感じています。

決して、ハードルが低い仕事だと伝えるつもりはない。しかしながら、未来を創る、社会を善くする尊い仕事の一つなのだ。将来事業家になりたい人、起業したい人、ビジネス戦闘力を上げたいという人は、ぜひ挑戦を考えてみてはいかがだろうか。

なぜユナイテッドでは、若手キャピタリストが育つのか?──Day1から起業家と対峙し、組織力でバリューを出す“投資事業本部”の実態

次に、新卒2〜3年目の若手社員に子会社の事業責任者を任せる──。

読者諸君はこのフレーズを目にして、何を想像するだろうか。

超エース級の人材が入社したことによる、サプライズ人事か?はたまた、何らかの事情による訳ありの人事か?

答えはいずれもNOである。

これは、ユナイテッドではごく当たり前に行われる、平常運転の人材配置なのだ。

なぜ、新卒2〜3年目から自社のグループ企業のM&AやPMIを任され、事業責任者を務めるほどの若手人材を複数名輩出できるのか、どこまでも“再現性”に拘った「事業家人材の育て方」、その育成ロードマップがDay1から明かされているため、こちらもぜひ読んでいただきたい。

新卒2~3年目の事業責任者を次々と輩出するユナイテッド──再現性ある事業家人材の育て方、その育成ロードマップをDay1から徹底公開

なぜこんなことが可能なのか?経営陣2人の想いを聞いていこう。

まず、代表の早川氏は「良き失敗なくして一流の事業家は育たない。」と断言している。そして、それは、キャピタリストも同義であるとしているのだ。

もちろん、ユナイテッドの投資はキャピタルゲインを主目的としていますので、経済的リターンは大事です。

しかし、キャピタリストの育成に関しては自らの意思決定によって失敗を経験しないと、分からないことがあると思っています。なので、この制度の半分は育成目的だと言えます。

「将来は事業責任者になりたいです」と言うならば、自分で決めて自分で失敗しないと、何が正解で何が不正解なのかわからない。

このように、事業家も日々失敗を重ねて成長するはずです。これはキャピタリストであっても同じだと思います。もちろん起業家に迷惑をかけてしまうことは絶対にあってはなりませんが、“キャピタリストとしての失敗”をたくさんしなければ、良いキャピタリストになんてなれません。

上場の舞台裏、窮地を救ったのは20年重ねた信頼と実績──IT界の両雄ユナイテッド早川×サイバー・バズ髙村で語る、“投資家”と“経営者”の域を超えたパートナーシップ論

金子氏は自身がIT業界に育ててもらったことを振り返り、その灯火を次世代に繋げている。

僕や代表取締役の早川、取締役の山下などは、若い頃、勃興するIT業界のどさくさに紛れて(笑)、いろいろな経験をさせてもらえて、業界や諸先輩方に育ててもらった感覚があります。

ところが、今はIT業界もかなり成熟してきて、自分で事業にチャレンジできる余地が減ってきているように思うんです。なので、挑戦の機会をユナイテッドでは創り続けたいと考えています。

「堅牢な指針と、柔軟な事業ポートフォリオで挑め」──ユナイテッド・金子氏に訊く、不確実な時代を生き抜くパーパス経営と3つのコア事業戦略とは

新卒入社後、遅くとも3年目以降は事業リーダーとして事業立ち上げや事業グロースに携わる、あるいは投資事業におけるキャピタリストとなる。30歳頃までには、ユナイテッド全体の経営に携わる人材へと成長していってほしい」と若手人材育成に関するポリシーを明言している。

また、ただ単に経営陣が全身全霊を賭けて若手育成に取り組む姿勢があるだけではない。若手の育成を前提としたビジネスモデルの構築に挑んでいるのだ。

先ほど、積極的にM&Aを仕掛けていると説明したが、ユナイテッドのM&Aは吸収合併ではなく、株式譲渡により連結子会社化し、ある程度の独立性を担保した状態でグループインさせている。その理由こそが「若手の育成」という視点だ。

もし吸収合併したり、例え子会社であったとしても、ユナイテッドの経営陣がグループ会社の経営に口を出しすぎると、ユナイテッドからその会社にジョインする人材は、「自分の会社」という当事者意識を持って取り組める度合いが低くなりますよね。イメージとしては、いち事業部のマネージャーと変わらないです。

一方、独立性を担保した状態であれば、「自分の会社」としてきちんと採算を合わせて、事業が回る体制をつくらなければならないという責任やプレッシャーと戦うことになる。このような環境でこそ、人は成長していくと考えています。

以前ある会社をM&Aした際に代表が辞められたので、ユナイテッドから若手を1〜2名抜擢してPMIを遂行してもらったことがありました。そんな状況だと、そこからは自分たちで事業を切り盛りするしかないので、必死でやらざるを得ないんですよね。すると、徐々に若手たちの視座が上がってくるんですよ。

「堅牢な指針と、柔軟な事業ポートフォリオで挑め」──ユナイテッド・金子氏に訊く、不確実な時代を生き抜くパーパス経営と3つのコア事業戦略とは

ユナイテッドでは、「独立性」という概念が「放任」を意味するものではなく、実績を積んだ事業家たちによる助け合いの体制を指す。経験豊かな金子氏をはじめ、先輩事業家がサポートを提供しつつ、若手が主体的にM&Aの実施、事業計画の策定、社内決議の推進等に取り組んでいるのだ。

金子氏自身も「若手の成長のためなら、積極的にリスクを取るつもりだ」と力説している。彼の関与は経営状態の監督に留まり、それ以外の意思決定は若手に任せる方針。先ほども紹介した「失敗を経験することで成長が生じる」という意思表明は、一定のリスクを覚悟で挑戦する環境を若手に提供したいという想いの裏返しと言える。

ユナイテッドは、事業失敗を想定した経営陣の厳格なリスクマネジメントと、グループ全体の体制によって、「安心して失敗できる環境」を構築している。これが若手の成長を促進する原動力だ。上場企業であっても、リスクを伴う大きな仕事を若手に任せ、事業ポートフォリオの拡充を目指し続けている。構造的に「若手の事業リーダーを増やしていくことを前提としたモデル」を敷いているのだ。

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各事業を牽引する事業家たち
〜若手への機会提供のカルチャー〜

谷口 実玖 氏 投資事業本部 キャピタリスト

経歴
大阪大学卒→2020年ユナイテッド投資事業本部

「バイオフィリア躍進の影には新卒未経験キャピタリストあり」

新卒で投資事業本部に配属された谷口氏は、元々BtoC事業に興味があり、かつ自宅で猫も飼っていたため、「私も担当したいです!絶対アサインしてください!」と自ら志願し、バイオフィリアの担当を手繰り寄せたのだ。

当然、最初は「最初は右も左も分からなかった」中、谷口氏が自身で飼っている猫をモニターにし、バイオフィリアが提供するキャットフードの食いつきを動画に収めて共有。その他、同社のフードパッケージの梱包具合を改善するようフィードバックしたりと、“バイオフィリアに最も近いユーザー”として、文字通り伴走しながら製品をつくり上げていった。

誰よりも、サービスやそこに関わるステークホルダーのことを考えていたからこそ見えた洞察が、新たな訴求アイデアを導き出すことに繋がったのだ。

谷口氏が全くの未経験新卒から投資先の信頼を獲得したこれまでの歩みには「若手キャピタリストのバリューの発揮の仕方」にまつわるノウハウが凝縮されている。

キャピタリストに少しでも憧れる者にとって、見逃すことはできない内容だ。

V字回復の裏に、ユナイテッドあり──数多のVCが「No」を出す中、大躍進したバイオフィリア。その苦悩と成長の軌跡

八重樫 郁哉氏 投資事業本部 キャピタリスト

経歴
立教大学卒業→Matcher株式会社の一号社員として入社→2020年9月より独立系VCに入社→2022年5月より、ユナイテッドに入社し、投資事業本部に配属。

「Day1から、“速攻ソーシング(投資対象を探す)”」

ユナイテッドに中途入社後の研修初日「いつから僕も投資検討できますか?」と質問すると、「今すぐにでもいいよ」という返答があり、驚きながらも既にキャピタリストとしての素養を持ち合わせていた八重樫氏は、Day1からソーシングを任せられた。

自分自身がMatcher在籍時にスタートアップ側の立場でシード・アーリーフェーズを経験したからこそ、起業家やメンバーの気持ちが理解できることを強みに、泥臭い支援にも積極的に取り組んでいく。

ユナイテッドの「“好き”と“興味”を支援のエネルギーに変える自由な投資方針」に基づき、ヘルスケア関連や、人口動態的に絶対に必要となってくる事業に関心を持つ。現在八重樫氏が支援を担当しているキッチハイクは、関係人口を可視化・育成する自治体専用システム『つながるDX』を展開しており、まさに八重樫の興味領域にある企業だ。

“自分の強み”ד好きと興味”を起業家支援のエネルギーに変えるユナイテッドのキャピタリストという仕事。少しでも心が動いたなら、八重樫氏以外のメンバーの活躍にも触れてみてほしい。

なぜユナイテッドでは、若手キャピタリストが育つのか?──Day1から起業家と対峙し、組織力でバリューを出す“投資事業本部”の実態

脇谷 光多氏 リベイス 事業統括/プロダクトマネージャー

経歴
法政大学卒→2019年にユナイテッドに新卒入社→現在はリベイスにて事業統括/プロダクトマネージャーを担当

「新卒3年目でM&A〜PMIの一連のプロセスを完遂」

リベイスの買収後に事業責任者候補として事業に取り組んでもらう若手候補として、「こういう機会があるんだけど、チャレンジしてみる?」との打診に「ぜひ自分にやらせてください」と即答。リベイスのM&Aプロジェクトに参画。

財務・法務・ビジネスデューデリジェンスの実施、買収後の事業計画の策定、社内決議を進めるための各種プロセスの進行、買収後の定例会議や経営合宿など、さまざまなM&Aのフローを全くの未経験ながら、金子氏のサポートも受けながら自走。

金子氏にも「不器用だが本当に素直。変なプライドもなく、真っ直ぐに成長するからみんなが助けたくなる。」とそのスタンスを大きく評価している。

現在では事業統括/プロダクトマネージャーとして、戦略策定思考、現場を知った上で作り上げるオペレーションエクセレンス、さらにはピープルマネジメントなどに磨きをかけ、リベイスの事業成長に大きく貢献している。

そんな脇谷氏は、学生時代にインターンをした経験もなく、ビジネスは完全素人からのスタートだった。もし「事業責任者には憧れるけど、ビジネス経験がない自分には無理だ」と諦めている読者がいるなら、ぜひ続きを読んでほしい。あなたに成長したいという気持ちさえあれば、脇谷氏のビジネスビギナーがものの数年で事業責任者と進化することも可能なのだ。

事業は「詳しい」より「やりたい」奴に任せるべし──“意志ある人”に知恵と機会を与えるユナイテッド、M&A後の事業統括は全て若手が担う!?

中川 侑紀氏 カソーク株式会社 事業責任者

経歴
九州大学卒→2021年に新卒ユナイテッドに新卒入社→1年目ながらPJマネジメントや、新卒入社社員のトレーナーを担当→2022年12月に新設したカソーク株式会社にて「Kasooku」の事業責任者を担当

「1年目から『海外D2Cブランドの日本進出支援プロジェクト』に抜擢、2年目にはグループ会社の事業責任者に」

中川氏は、DXコンサルティングを行う部門にて、コンサルタントからそのキャリアをスタートしている。驚くべきは、入社して間も無く、日本進出を狙う海外D2Cブランドの支援プロジェクトにて、toC向けのマーケティング領域全般を任されていたことだろう。

“一般的な新人コンサルタント”といえば、まずは議事録を取る、提案資料を作成する、といった下積み業務からスタートすることがほとんど。しかし“ユナイテッドの新人コンサルタント”にはすぐさま、実践の機会が与えられるのだ。

外国人のクライアントに対して、日本人の消費者動向をデータ観点でシェアするといった“リサーチ業務”に始まり、「LTVを向上させるためには?」「商品購入後のアプリのUI/UXはどうあるべきか?」といった“施策”の部分まで一手に担っていたというから驚きだ。

その後、中川氏はグループ会社のカソークのM&Aプロジェクトから入り、現在は事業責任者を務めている。カソークは、M&Aの中でも企業買収ではなく事業譲渡のプロジェクト。事業譲渡とは「事業を運営する主体がない」ということであり、箱としての会社づくりから始める必要があり、難度の高いプロジェクトである。

その中でも、カソークの事業責任者として、業務委託を含め、RA(法人営業)やCA(キャリアアドバイザー)のマネジメントを行いつつも、全領域の統括を務めあげているのだ。

今後は、グループ会社の代表を経て、いずれは本体の経営陣を目指したいと語る中川氏。ユナイテッドの再現性ある事業家人材の育て方について、より詳しく知りたい方はぜひ下記の記事を読んでいただくといいだろう。

新卒2~3年目の事業責任者を次々と輩出するユナイテッド──再現性ある事業家人材の育て方、その育成ロードマップをDay1から徹底公開

樋口 隆広氏 キラメックス代表取締役社長 兼 ユナイテッド取締役

経歴
2012年、スパイア(現ユナイテッド)に入社。→2015年より新規事業開発室にて新規事業開発を担当→2016年よりグループ・キラメックスに参画し、経営企画室に従事。→2018年6月、キラメックス代表取締役社長に就任→2022年6月よりユナイテッドの取締役も兼務

「ユナイテッドの全若手にとっての“ロールモデル”」

樋口氏は新卒でユナイテッドに入社。入社3年目までは広告事業でビジネス基礎力を身につけ、3年目でユナイテッドグループ・キラメックスの事業責任者に抜擢される。そこからもメキメキと実力を伸ばし、同社の事業責任者を経て2018年、キラメックスの代表に就任。

さらに2022年からは若くして上場企業ユナイテッドの取締役を兼務している。ユナイテッドの、いや、多くのベンチャーで事業家を目指し活躍する若手人材にとって、この樋口氏のキャリアはまさに“ロールモデル”と言えるだろう。

実のところ、2019年にキラメックス代表取締役に就任して間もなかった樋口氏に対して、FastGrowでもインタビューを実施。当時はまだ、経営者としても“駆け出し”であった樋口氏だが、それから3年の時を経て「グループ全体の価値向上」や「市場全体の活性化」などマクロな経営者視点を獲得するなど、その成長速度はまだまだ衰えることを知らない。

多くのベンチャーで事業家を目指し活躍する若手人材にとって、樋口氏のキャリアにおける失敗体験、成功体験は一見の価値あり。

「優秀さ」だけの事業家はコモディティ化する──33歳にしてユナイテッド取締役/キラメックス代表を兼務する樋口氏が感じる、これからの事業家に求められる「ユニークネス」とは

キャリアの命運を分けるのは「意志」。 ユナイテッドの20代グループ会社社長が語る、“前進できる失敗”の重要性

関 彩氏 カソーク株式会社 代表取締役

経歴
京都大学大学院農学研究科卒→2009年ベイン・アンド・カンパニーに戦略コンサルタントとして入社→2015年よりビーエックスで経営戦略を担当→2020年ユナイテッドに入社。事業戦略部長、人材開発部 部長、DXソリューション本部 本部長を担当→2023年よりカソークの代表取締役に就任。

「ユナイテッドにいる現在が一番事業家に近づいている実感を持つ」

ここまでは、主に新卒入社もしくは、比較的若くしてユナイテッドに入社したメンバーが事業家として成長していく物語をご紹介してきた。

しかしユナイテッドの事業家育成にかける想いは何も“若手”に対してだけではない。

事実、ベイン・アンド・カンパニー、アクセンチュア、アビームコンサルティングといった、名だたる戦略コンサルティングファーム出身者たちが「事業家へと成長を遂げるべく、常に新たなチャレンジの連続だ」と語るほどの挑戦環境が待ち受けている。

当の関氏もベイン・アンド・カンパニーで様々な企業の戦略コンサルティングに携わった経験や、ビューティーエクスペリエンスで経営戦略を担っていたことから、ある程度の成功体験があり、企業のバリューアップに関しては一定の解像度を持っていた。

一方、デジタル領域に軸足を置いて事業を成長させる“事業家としての成功体験”には乏しく、ユナイテッドの門戸を叩いたというわけだ。

「コンサルティングファームに6年間在籍していても、気づけないスキルがあった」とコンサル時代には得ることのできなかった貴重な挑戦機会を露にしてくれた。

コンサルティングファームで培ったスキルと、中途入社でもどんどん手を挙げてチャレンジできるユナイテッドの環境。理論と実践の関係にある2つの歯車が噛み合わさったとき、いったいどんな事業家が生まれるのか。その知的好奇心に誘われた読者はぜひこちらの記事を読んでほしい。

コンサル×事業開発経験は、事業家キャリアの最適解か?──コンサル出身組が感じた、ユナイテッドでしか得られない“挑戦機会”とは

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「ユナイテッドだったから20代で事業家・経営者になれた」そんな人材輩出が、この数年も加速し続けるはず〜FastGrowからの推薦コメント

いかがだったろう?特定の一社に対しここまで深く解剖したのは、FastGrowでも初めてかもしれない。

ユナイテッドの会社沿革・事業沿革に始まり、最新の事業ポートフォリオとその背景にあるパーパス策定について触れ、そこから3つのコア事業の詳細と、そこで活躍する事業家人材たちを紹介してきた。

あらためて、ユナイテッドはそのパーパスを実現すべく、時代変化・社会変化に応じて適切に進化を遂げていく企業であることが分かったのではないだろうか。

もちろん、100%同社の戦略やその具体事例をインプットするには個別の連載記事もチェックしてもらう必要があるが、本記事を読むだけでも十分に学びとなる情報が得られたのではと思う。

そして、今後もスタートアップエコシステムにおいて、投資、事業家人材の育成輩出と、様々なシーンでリーダーとなり、重要な役割を果たしていくことだろう。本記事を通じて、起業家・経営者・若手ビジネスパーソンのいずれにおいても良き刺激となり、明日への行動に変化をもたらすことができれば幸いである。

それでは最後に、本10連載に協力・連携してくれたユナイテッドに向けて、FastGrow編集長のジョニーから激励・推薦のメッセージを添えて終えたいと思う。

FastGrow編集長ジョニーの見解

「他社ではなく、ユナイテッドだったから20代で事業家・経営者になれた」。そんな人材輩出が、この数年も加速し続けるはず

FastGrowを通じて5年以上、取材やイベント、その他の交流機会でもって、累計30名以上のユナイテッドやそのグループの経営陣やメンバーの皆さん、ユナイテッドから資金調達をされた起業家の皆さんにお会いし、個人のミッションやビジョン、想いを私自身が聞かせていただいてきました。

そんな私が想うのは、「社会を善くする」ことに「意志がある」学生や起業家の方であれば、ぜひ一度は、ユナイテッドという企業に興味を持ち、接点をもってみてほしいな、ということです。

  • 経営陣はもちろん、全メンバーがパーパスに基づき「意志ある人」を支援することへの個人的動機やコミットメントがある。
  • そのためユナイテッドメンバーは、学生でも、社会人でも、起業家でも、「意志ある(社内外の)人」との1つ1つのご縁とその後の成長支援を、とても大事にされている。
  • 特に「機会の提供によって20代に飛躍的に成長してもらう」社内メンバーの抜擢カルチャーは、他のベンチャー企業群と比較しても特筆するものである。
  • 経営メンバー自身が「自身の20代も機会によって成長できた」と感じているからこそ、「そんな機会を新卒2〜3年目のメンバーに提供しちゃうの?」と思ってしまうぐらいの事業家に近づく機会(会社経営やPMI、投資に関わる機会など)を提供することが「当たり前」になっている。

改めてですが、学歴やスキル・ジェンダーなど問わず「本気で事業家になる意志がある」学生の皆さん、そして「社会を善くする意志がある」起業家の皆さんは、ぜひ一度ユナイテッドやそのメンバーと接点を持っていただくことをオススメしたいと思います。

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読むべき記事が一目瞭然、連載記事まとめリスト

「投資を受けたい」
もはやVC・CVCではくくれない!?──ユナイテッド×ventusに学ぶ、ハンズオン支援のリアル
「投資を受けたい」
「キャピタリストになりたい」
V字回復の裏に、ユナイテッドあり──数多のVCが「No」を出す中、大躍進したバイオフィリア。その苦悩と成長の軌跡
「キャピタリストになりたい」
「キャピタリストの育成手法を学びたい」
なぜユナイテッドでは、若手キャピタリストが育つのか?──Day1から起業家と対峙し、組織力でバリューを出す“投資事業本部”の実態
「上場の舞台裏を覗いてみたい」
「“投資家”と“経営者”の域を超えた真のパートナーシップ論を学びたい」
上場の舞台裏、窮地を救ったのは20年重ねた信頼と実績──IT界の両雄ユナイテッド早川×サイバー・バズ髙村で語る、“投資家”と“経営者”の域を超えたパート
「コア事業とパーパスの結びつきを理解したい」
「ユナイテッドの若手事業家の育成論を知りたい」
「堅牢な指針と、柔軟な事業ポートフォリオで挑め」──ユナイテッド・金子氏に訊く、不確実な時代を生き抜くパーパス経営と3つのコア事業戦略とは
「ユナイテッドの若手事業家の育成論を知りたい」
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「若くして上場企業の経営者になるための心得を知りたい」
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「コンサルタント×事業開発経験という希少なキャリアを歩みたい」
コンサル×事業開発経験は、事業家キャリアの最適解か?──コンサル出身組が感じた、ユナイテッドでしか得られない“挑戦機会”とは

こちらの記事は2023年06月29日に公開しており、
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