連載 “大丸有”から生まれる、イノベーション最前線

一人ひとりに専属アドバイザー!? 超進化する金融×AI最新事情 | お金とテクノロジーの未来 vol.3

今回は、海外金融機関におけるAIを駆使したモバイルサービスについてお届けします。キーワードは“超パーソナライゼーション”、つまり究極の“個客”対応です。 皆さんは最近、銀行の支店に行った記憶があるでしょうか?多くの人は、店頭のATMは使うけれど、ハイカウンターやローカウンターと言われる支店窓口にお世話になる機会はほとんど無いのではないでしょうか。かくいう私も、数年前に支店の窓口でとある手続きをした以降は行った記憶がありません。 多くの銀行はオンラインで手続きできるようになりましたから、実際に店舗を訪れる人の数は減っています。地方では人口減少という課題もあります。銀行は店舗を維持するコストを減らすために実店舗を閉鎖し続けているのが実態です。 もっとも、日本の場合は人口減少が続いているという事情もあって、人口10万人あたりの店舗数の減り方はまだ緩やかな方で、欧米の銀行はもっと速いペースで減少しています。IMFが公表している調査データを見ると、過去10年間で人口10万人あたりの店舗数が、米国では35.4→29.7、カナダでは24.0→20.1、フランスでは41.6→33.2、イタリアでは58.4→37.6へと、国によっては非常に速いペースで減少していることがわかります。 銀行サービスを使う人の数は減っていませんから、支店を使わずにモバイルアプリやPCへと移行した人の割合が増えているという事になります。米国のフィンテック企業Plaidの調査によると、米国ではおよそ65%の人がモバイルアプリで銀行にアクセスしており、特にスマホを使いこなす層にとってはすでにモバイルがメインチャネルになっているというわけです。…

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