連載 “大丸有”から生まれる、イノベーション最前線

iFactoryが挑む化学品製造の連続生産化 一社ではできない産業変革をどう動かすか

化学品の製造現場では、今でも「まとめて仕込んで、待って、取り出す」バッチ生産が主流だ。これを自動連続生産に転換すると、同じ量を作るための設備は1000分の1に縮む可能性がある。必要なのは新素材でも未知の技術でもなく、既存技術の組み合わせだけだ。 それでも、この転換は長く実現しなかった。壁になったのは、技術ではなく投資判断だった。全工程を変えなければ効果が出にくい一方で、全工程を変えるには一社では背負いきれない投資とリスクが発生する。実際、この構想に賛同して集まった37社も、資金を出す段階で多くの会社が離脱している。 残った8社+1機関がNEDO事業を始動し、その出口戦略として設立したのが、化学品のモジュール型自動連続生産設備を手がけるiFactory(アイファクトリー)だ。代表取締役CEOの齊藤隆夫氏は、高砂香料グループの製造子会社で社長を務め、製造現場の課題と設備投資判断の両方を経験してきた人物である。還暦の年に、大企業では通せなかった構想を持ってスピンアウトした。 iFactoryの本質は、この非効率な化学品製造を、連続生産(連続式製造)とモジュール型設備によって再設計し、一社単独の設備投資ではなく、複数企業が乗れる産業プラットフォームとして動かそうとしている点にある。 なぜ一社では動けなかったのか。そして、どうやって動かしたのか。 今回は、齊藤氏に、化学品製造をバッチ式から連続生産へ移行する狙い、医薬品不足やサプライチェーン強靭化への対応、Share Lab構想、モジュール型連続生産設備の可能性を聞いた。…

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