連載FastGrow Conference 2021

他社の決算に“感情移入”せよ──ラクスル福島・XTV手嶋の「ビジネスモデル分析対談」

登壇者
手嶋 浩己

1976年生まれ。1999年一橋大学商学部卒業後、博報堂に入社し、マーケティングプランニング、ブランドコンサルティング業務等6年間勤務。2006年インタースパイア(現ユナイテッド)入社、取締役に就任。その後、2度の経営統合を行い、2012年ユナイテッド取締役に就任、2018年退任。在任中は多数の新規事業の立ち上げや、メルカリ等へのベンチャー投資、複数社のM&Aの実行等で貢献。2013年-2017年メルカリ社外取締役。2018年、XTech Venturesを共同創業し、現在は代表パートナー。2019年には株式会社LayerXの取締役にも就任。

福島 広造

1979年生まれ。慶應義塾大学理工学部卒業後、ITコンサルティング会社を経て、ボストンコンサルティンググループ(BCG)に入社。プリンシパルとして、トランスフォーメーション(企業変革)/テクノロジー・アドバンテッジ領域を担当。2015年7月、ラクスル株式会社へ入社。経営企画部長、SCM部長を経て、現在は取締役COOを務める。

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優れたアウトプットには優れたインプットが欠かせない。ビジネスにおいて抜きん出た成果を出すためにも、市場トレンドや他社戦略、ビジネスモデルなどの分析が不可欠だ。

2021年1月に開催したFastGrow Conference2021のセッション「他社戦略から学べ!明日から業務に役立つ企業&ビジネスモデル分析論」では、ラクスル取締役COOの福島広造氏、XTech Ventures代表パートナーでありLayerX取締役の手嶋浩己氏が登壇。

現役経営者が、スタートアップにとって必要不可欠な「戦略」の考え方から、長年磨き上げてきた独自の他社分析論まで、深く語り合った。ファシリテーターはFastGrow編集長の西川ジョニー雄介が務めた。

  • TEXT BY HARUKA MUKAI
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ベストは“マイペースな局地戦”?
スタートアップが考えるべき「戦略」とは

西川分析について議論する前にそもそも「スタートアップにおける戦略の重要性」についてお話ができればと思います。

福島前提として「戦略」にも複数のレイヤーがあると捉えています。

大きく2つ挙げるなら、1つは3C分析みたいなフレームワークや「SaaS事業の勝ち方パターン」などの戦略。これは基本的にコモディティ化している。

で、2つ目は「何に圧倒的にフォーカスして勝ち筋を見出すか」といった戦略です。ヤフーの川邊さん(※)の「局地戦で攻める」みたいな話ですね。

これはスタートアップにとって非常に重要です。ただ、大事なのは、決してそれだけで勝てるわけではないということ。結局は戦略と同じくらい、実行が重要です。

※ Zホールディングス代表取締役社長CEO/ヤフー代表取締役社長CEO 川邊健太郎氏

手嶋その通りですね。特にスタートアップは、リソースが大企業と比較してかなり限られているからこそ、局地戦で、どれに対して何をやるかを考えて動かなきゃいけない。「戦略」は、事業状態のパターンによって方向性が異なると、私は思ってます。

まず、事業は成立すると分かっていて市場も伸びそうなパターン。ここでは戦略を実行する順番とスピードを間違えないことが重要です。例えばメルカリは、いわば常識的な打ち手を、他社よりも半年くらい早く実行してきています。

あるいは、事業ドメインは決まっているが手探りなパターン。ここでは、バーンレートをできる限り下げながら行動と発見の量を最大化することが大事です。事業戦略やビジネスモデルを決め込んでも、恐らくうまくいかない。

福島前者の「順番とスピード」の話で、スタートアップは何かと「急げ、大胆に」と言われやすい気がするんです。でも「急ぎ過ぎていないか」あるいは「やりすぎていないか」という判断も大事ですよね。バーンレートが上がりすぎて失敗するパターンもありますから。

手嶋さんは、その辺りのバランスをどう思考していくと良いと考えていますか?

手嶋明確な答えはないのですが「競争」は落とし穴になりやすいと思います。

競合が一切いなければ、自分たちのペースでトライ・アンド・エラーを重ねていけますよね。でも、主たる競合が一気にお金を使っていると「自分たちもやらないと追いつかないのでは」と思ってしまう。もちろん、実際に追いかけて上手くいくパターンもあるのですが、できる限り、競争にならないやり方が良いのかなと感じます。

勝ち筋が見つかるまでは他の会社に知らないようステルスで進めるとか。極力、競争に惑わされず自分たちのペースでやっていくのは、立派な一つのやりかたです。

福島それは重要ですね。競争の激しいシリコンバレーだと「ブリッツスケーリング」が正な瞬間はあると思いますが、基本的に一歩目はステルスで、自分たちのペースでやれるのがベストかもしれない。

手嶋そうですね。いかに自分たちで競争環境をコントロールするかが大事だと思っています。取り組んだ結果、どうしても腹を決めないといけないときに踏むという感じで。

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競争環境をコントロールし、「闘いたくない」と思わせるプレイヤーが強い

福島競争環境のコントロールって面白い概念ですね。非常に重要な気がします。

手嶋投資先とかLayerXでも、よく競争環境のコントロールについて話しているんですよ。自分たちの土俵で、どうサービスを展開していくのか、コントロールできる要素をいかに増やしていくか。

福島外から見ていると、LayerXの戦略は「事業ドメインは決まっているが手探りなパターン」であり、どうビジネスしていくのか試行錯誤している印象を受けます。その辺りは 、どのように捉えていますか?

手嶋実態は「事業ドメインは決まっているが手探りなパターン」と「事業は成立すると分かっていて市場も伸びそうなパターン」の掛け算ですね。種類の異なる事業が混在しているといいますか。

ブロックチェーン領域では世界で勝負できるR&Dチームを整えている状態ですし、いち会社として独立した後、業務の歯車が円滑に回るまでは一定の時間がかかると構えていたんです。ただ、途中で新しい比較的シュアなビジネスチャンスが見つかっていて。

うちは創業者の福島(※)も含め、比較的事業に慣れている人が多いので。視野を広くもって探究しつつ、周辺にチャンスがあれば実行力を駆使して一気に動く感じですね。

※ Gunosy ファウンダー/LayerX 代表取締役社長 福島良典氏

福島それで言うと、ラクスルは完全に「事業は成立すると分かっていて市場も伸びそうなパターン」ですね。BtoB Eコマースのペネトレーションは必ず上がっていくので、どう歩調を合わせて勝ちにいくかという状態。特に創業時の印刷Eコマースはそうでした。

で、どこで局地戦をしたのかでいうと、新たにEコマース化する人にスケーラブルなプラットフォームを提供し、テクノロジーで良い体験をしてもらうため、マーケティングやテクノロジーに投資しました。もうそれは狂ったように(笑)。国内の印刷市場で、ラクスルと同じくらい新規獲得のためのマーケティングやテクノロジーへの投資を、要は成長投資をしていた人はいないと思います。

手嶋先ほど、ドワンゴ川上さんのセッションでも近しい話があったのを思い出しました。

彼は「先行プレイヤーのいないブルーオーシャンには進出すべきではない」と言ってたんですね。一見強そうなプレイヤーだけど弱いプレイヤーを探す。例えば、市場を握っているようにみえる大企業でも、ガバナンスや決裁権限の構造がいびつで、動きが鈍いようであれば、スタートアップとして勝ちにいけるのだと。

もう一つ、ちょっと面白い話を思い出したので共有すると。ユナイテッドに在籍していた頃にディー・エヌ・エー(DeNA)と組んで音楽プレイヤーアプリをリリースしたんです。ちょうどあらゆる産業でスマホへの転換が起きていたのもあって、DeNAの精鋭が産業ごとの事業規模を調べ、市場規模のでかいところから攻めようとした。それで「音楽業界を攻めよう」となったわけですね。

ところが、これが上手くいかず、たった3カ月でクローズした。同じような考え方でDeNAが当時立ち上げたサービスはたくさんあった印象ですが、軒並みうまくいかなかったようです。一方でそういうマクロなアプローチではなく同じくDeNAの原田さんなど(※)がユーザー体験にこだわり続け、長年粘ってきた『Pococha』が、ここに来て当たるという。そういう事例を見ていると、ある意味「戦略などは重要ではない」とも思えてきますよね。

※常務執行役員ネットサービス事業本部本部長 原田明典氏

福島それは非常に重要な視点ですね。私もBCG時代に新規事業の検討に携わる機会が何度もあったのですが、市場規模などを真面目に分析すると、絶対「ヘルスケア」に行き着くわけです(笑)。でも、どれだけパイがあっても「うちがやるべきか?」の冷静な検討は必要ですよね。どう市場を切っていくかの戦略がないと成功は難しい。

それに関連して、手嶋さんと話してみたいのが「誰と一番戦いたくないか」です。

私は個人的に一番イヤなのが「狂ったプレイヤー」なんですよ。スマートなプレイヤーなら実行力で、実行力のあるプレイヤーならスマートさで戦える気がする。でも狂っている人は予測できないから戦いようがない。

なので、競争戦略として「こいつらと戦いたくないと思わせる」はアリかもしれません。ラクスルも、代表の松本(※)が調達後に鬼のようにCMを出してから、それまで2~3年で数百社くらい競合が出てきたのに、すっと新しいプレイヤーが出てこなくなった。

※代表取締役社長CEO 松本恭攝氏

手嶋面白いですね。私が一番相手にしたくないのは、リソースの調達能力が高く、気合いの入ったスタートアップですかね。

真っ先に頭に浮かぶのが、ユナイテッドにいたときに投資をしていたdelyですね。投資したのは、当時、堀江さん(※)が23歳で、クラシルにピボットした直後とかですかね。今も他の起業家に競争戦略の相談に乗っているときに「delyが進出してきたら嫌な領域だよね」と話す機会もたまにありますね。

※代表取締役/CEO 堀江裕介氏

福島重ねてお聞きしたいのですが、手嶋さんは投資家と事業家、両方の立場から事業に取り組んでいるじゃないですか。立場が違えば、視点や思考も違ってくるものですかね?

手嶋違いますね。やっぱり事業家の立場だと、どうしても「実行」について考えちゃうんですよね。それこそ気合いの入った起業家たちなら飛び越えて思考できるのでしょうけども。僕の場合はブレーキをかけてしまうところがあると感じます。

投資家の立場にいるほうが、戦略という意味では思考量は薄いけれど、客観的ではいられる。戦略についてある種“身勝手”に考えられるんですよね。

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自分がCEOだったら?学びを加速させる“当事者目線”の分析術

西川ここからは、お二人が日頃どのように企業の戦略やビジネスモデルを分析されているのか、それを実務で活かしているのかを伺えたらと思います。

手嶋恐らく、実務で活かせる人は「会社の戦略について考えよう」となってから分析をするわけではないと思います。

僕の経験談から話しますね。まず、博報堂からユナイテッドに転職するまで、インターネットの仕事は一切したことがなかったんですね。何も分からない状態。なので、とにかく勉強しなければと、決算資料とかを片っ端から読んでいった。

かれこれ15年くらい読んでますかね。そうすると頭のなかに色んな企業の動きが時系列でストックされていく。そうすると会社で何か課題が起きたときに「似たような事例があったな」と当てはまるものが思い出せる。

ちょうど最近も、知り合いの上場企業経営者からブレストをしたいと連絡があったんです。で、その企業は、ある事業領域でロールアップ(連続的なM&A)して事業を大きくしたいらしく。その際に「何が課題になりそうですかね」と聞かれたんですね。

ロールアップした後の組織統合なども難しいのですが、パッと思いついたのが、ゲームサービス事業を展開するマイネットのゲームの買収事業でした。あれも最初はコスト削減したら利益の出るタイトルを買いまくっていたのですが、M&A後にコストカットして利益を出すのではなく、付加価値をつけて売り上げを大きくしようとするタイプのM&Aを開始してから苦戦している。他の事例だと、SBIホールディングスが地銀に投資し、裏側のシステムをリプレイスして、共通して生産性を上げようと取り組んでいるとか。

こうやって「ロールアップといえばあれとこれだな」が出てくるんですよね。そのためには時系列でバーッと情報を見ていく。積み重ねが大事なのかなと。

福島私の場合、手嶋さんほど幅広く見ているわけではないのですが、プラットフォーム系事業のプレイヤーは、決算や企業活動を時系列で追っていますね。例えば、アマゾンのベゾスからのレターは公開されたら毎年印刷して読んでいます。

個人的に大事だと思うのは、事例のパターンを正しく把握して、ちゃんと正しい引き出しに整理しておくこと。整理が違っていると、間違った事例を引き出して、参照してしまうからです。

そのために気をつけているのは、「この人の言っていることは、だいたい1~2年後に実現しているな」という人や会社の話を注意深く聞くこと。それこそベゾスのレターは、書かれていたことがちゃんと現実になっているんですよね。だから読み続けている。

あとは、企業の情報を得た後、必ず一旦「この会社の戦略は何だろう」ということを考える。それを踏まえて伸びそうかどうか、イケているかイケていないかというスタンスを取ってみる。もちろん当たったり当たらなかったりするわけですが、正誤はそんなに重要じゃないんです。予測の仮説検証を日々回すこと。そのなかで引き出しに整理された情報が、実践で使える学びに転換していくのかなと思います。

手嶋たしかに、読むたびに何かしらのスタンスを取ってる感覚はありますね。仕事として上場株の運用をしているわけでもないので、スタンスを取って外してもリスクは全然ないし、学習も回せる。

あと、福島さんに聞いてみたいのですが、決算資料を見てて、思わず感情移入してしまう瞬間ってないですか?なんかこう、当事者意識が喚起される瞬間があるんですよね。数値や資料の内容から組織の雰囲気や情景がリアルに浮かんできて。「こういう決断をしました」という記述について「自分が社長だったらできないかもしれないなぁ」と想像を巡らせて、感情が揺さぶられる。

福島まさに「自分が社長だったら...」を思考するのは重要ですよね。実際の決断と、自分の考えにギャップのあるほど学びが多い気がします。

どうしても一人の人間として経験できる企業数には限界があります。企業のフェーズで分けたら、何個かのマトリクスしか埋まらない。企業のフェーズと産業を軸にして情報や学びを整理していくとしたら、「自分が社長だったら...」という想定で色んな企業や戦略を“経験”するのがいいと思います。

手嶋それでいくと、福島さんはラクスルにいながらダンボールワンにも投資をして、関わっているじゃないですか。一つの企業に属しながら、別の企業の戦略に携わるというのは、新鮮な面もありますか?

福島ありますね。やっぱラクスル内の事業だと、背景や実行するチームなども理解した上で投資できるじゃないですか。一方で、ダンボールワンは全体像が分からない状態で判断しなければいけない面もある。

とはいえ産業やビジネスモデルは同じなので、やりやすい面もあったかとは思います。手嶋さんみたいに、いろんな産業やビジネスモデルに投資するのとは別世界ですよね、多分。

手嶋たしかに、一定浅い知識のまま判断しないといけない場面は多いかもしれませんね。ただ実行者が自分ではないので、起業家を信じることである程度は担保できる面もありますね。

福島それに関連して、たまに「私がアーリーステージにいるスタートアップの相談に乗っても、あまり価値が発揮できない」と思う瞬間があるんです。アーリーステージでは、戦略やグロースの手順に魂があるのではなく、張る領域にコアがある。戦略やフレームの重要性が低い場合に、あまり自分が参考になる話はできないだろうなと。

手嶋なるほど...…。いや、でもそこは役に立てるはずなんじゃないかと思いますね。というのも、僕も昔、ユナイテッドで社外取締役の方のアドバイスを受けて、生意気ながら「何も分かっていないな」と感じたことがあるんですよね。でもその2~3年後にふと思い出して「あの時のアドバイスはこういう意味だったのか」と心底納得したんです。自分が何も分かっていなかったなと。

なので、福島さんの話は2~3年後に役に立つ話だと思うので、気にせずに話したいことを話してもらうのがスタートアップ界隈のためになる気がします。

福島そうだと嬉しいですね(笑)。

あと、日々の分析を実践に落とす話へ少し戻すと……。学びに行くときに「自分たちは今どんな課題を抱えているのか」を明確にしていくことは重要です。できれば、2~3年以内にその課題をフレッシュに解決した人に話を聞きに行く。そうすると効率的に情報が得られるし、明日から実践しやすいかなと。

一方で、さらに先のために積ん読をするというか、養分にするインプットも大事。どちらを求めているのかを意識できるといいですよね。

手嶋そうですね。養分は養分で大事ですよね。受け取ったときに分からなくても「いずれ、自分たちにも起きるんだな」という理解をしておくのが重要な気がします。

福島ちゃんと受け取ったものに対し、今の発見なのか、ゆくゆく養分になる発見なのか。引き出しに整理できていれば、どちらも非常に意義あるインプットになりますよね。

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スタートアップは特定の事業に深く入り込み、内部からDXを起こせ

西山では最後に今注目している会社があればぜひ教えて下さい。

福島社名に「X」のついている会社はいけているという前置きをしたうえで……(笑)。

まずはクラシコムですね。戦略と会社のビジョン、実践している事業に整合性がある。すべてが縦に整合していくクラシコムは、事業として本当に美しい。

あと、実行力の凄さでいくとレンティオですね。PDCAを回す力が凄くて、毎回会う度に「この前のあれ実行してみたのですが」という話がある。

最後は、手前味噌ですが、ダンボールワンですね。やはりグロースドライバーを持っている会社は強い。小難しい話は抜きにして「まず伸びる」のがスタートアップは大事で。ダンボールワンにはその力強さを感じます。

手嶋クラシコムは凄いですよね。

そういえば、投資検討で起業家の方に会っていると「北欧暮らしの道具店を目指している」という方がめちゃくちゃ多いんですよね。「具体的にどういうこと」と聞いてみると、出来上がった北欧暮らしの道具店であったり、組織の雰囲気であったりを指している。

でも、あれって実は物凄く難易度が高いんですよね。表に見えているものに隠れて、クラシコムは無形アセットを持っている。一番真似できない会社ですよね。

福島まさに、追いかけようとしても捉えられない、掴めない、というのが一番すごい会社。最期はああいうブランディングが究極の強さだよなと思います。

クラシコムが運営するEC兼メディア『北欧、暮らしの道具店

西川手嶋さんは注目されている企業、いかがですか?

手嶋まずラクスルが49%株を持っているペライチやダンボールワンがどうなるのか。ラクスルのグループ戦略と、個別の企業の戦略の関係など含め、どうなっていくのかは興味ありますね。

せっかくなので少しマニアックな企業を挙げると、SREホールディングスですね。この会社が凄い。彼らはソニーの社内新規事業コンテストで2014年に創業して、すで上場も果たし、時価総額が600億円を超えている。

元々の社名は「ソニー不動産」で、ヤフーとの合同会社として始まったんですよね。当初は不動産のCtoC取引を実現を目指していたそうです。

ですが、今はCtoCではなく普通の不動産の仲介事業を展開している。これ自体は、生き残りのための打ち手だったと推測してるのですが、この後の展開がとても面白い。

彼らが何をしたのかというと、不動産領域のAIのソリューションを作りまくっているんです。要するに、自分たちで不動産事業をやってみながら、DXできるという実感を得て、実際にソリューションを外販しまくっている。

そもそも、大企業からここまで成功する新規事業が生まれているのが凄い。

あとは今のDXの流れとして、一つの事業に深く入り込んで、そこからDXソリューションを生み出すという型があると思っていて。それの大成功例ですよね。現時点であまり知名度は高くないですが、去年発見して非常に注目していますね。

SREホールディングスのコーポレートサイト

福島凄いですね。やはり産業に変容をもたらそうとするとき、中から変えていくのは非常に大事ですよね。

手嶋まさに、LayerXでも三井物産とアセットマネジメントの会社を立ち上げましたが、元々ゲームプロデューサーでアセットマネジメントの知識のなかった丸野が責任者をやっているんです。最近では彼が話している内容が専門性高すぎて理解に苦労することも多いくらいです(笑)。彼とLayerXのエンジニアが組み三井物産のリソースやネットワークを活用させてもらっているので、個人的にも期待しているところです。

※ LayerX執行役員/三井物産デジタル・アセットマネジメント取締役 丸野宏之氏

こちらの記事は2021年03月19日に公開しており、
記載されている情報が異なる場合がございます。

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執筆

向 晴香

inquire所属の編集者・ライター。関心領域はメディアビジネスとジャーナリズム。ソフトウェアの翻訳アルバイトを経て、テクノロジーやソーシャルビジネスに関するメディアに携わる。教育系ベンチャーでオウンドメディア施策を担当した後、独立。趣味はTBSラジオとハロプロ

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